頭皮が脂っぽい、ベタベタするとお悩みの人も多いようです。特に日本の蒸し暑い夏は頭皮も髪もベタつきとニオイが気になりやすく、薄毛の人にとっては髪のボリュームダウンも気になるかもしれません。
頭皮の過剰な皮脂分泌は放っておくと炎症を起こす可能性もあり、何らかの対策を講じる必要があります。頭皮の皮脂が多くなる原因と、頭皮の皮脂を抑えるヘアケアや育毛剤、生活習慣での対策、脂漏性皮膚炎の治療についてもご紹介します。
頭皮の皮脂分泌が増える原因
頭皮の皮脂分泌が多いのは体質だから、とあきらめている人もいるかもしれません。
確かに体質的に皮脂分泌が増えるケースもありますが、日頃の生活習慣が原因の可能性もあります。頭皮の皮脂分泌を招く原因について確認していきましょう。
誤ったヘアケア
脂性肌なのに保湿効果の高いシャンプーを使っていたり、シャンプー剤が肌のタイプに合っていないと頭皮や髪のベタつきを招く原因となります。脂性肌ならすっきりと洗える洗髪料が良いでしょう。
シャンプーでの洗い方が原因になる場合もあります。洗い方が不十分で、皮脂や汚れが落ちていない、または洗う頻度が少ないことも考えられます。
洗いすぎもかえって皮脂の異常分泌を招く可能性もあるそうです。肌は水分が不足して乾燥すると、皮脂を分泌して肌を守ろうとする作用があるそうです。
整髪料、トリートメントのつけ過ぎも、油分が頭皮や髪に残る原因になります。しっかり洗い流す必要があります。
男性ホルモン
男性ホルモンの中でも悪玉男性ホルモンDHTは、男性型脱毛症(AGA)や皮脂の過剰分泌の原因となります。悪玉男性ホルモンDHTの影響を受けると男性でも女性でもニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなり、スキンケアにも気を遣う必要があります。
男性型脱毛症(AGA)を発症している人は頭皮の皮脂も気になる人が多いようです。皮脂が多いと髪がボリュームダウンして薄毛、ハゲが目立ちやすく、かつ頭皮の地肌や髪の毛がベタベタしているのも目立ってしまいます。
ヘアケアと並行しつつ、AGA治療で悪玉男性ホルモンDHTの生成を抑えることで、頭皮のベタつきも解消されることが多いようです。
ホルモンバランス
女性ホルモンには皮脂の分泌を抑え髪の成長を促す作用があります。女性でも女性ホルモンが減少したり、ストレスを感じでホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモン優位になることがあります。
男性ホルモン優位になって上記の悪玉男性ホルモンDHTの影響を受けると、皮脂の分泌量が増えることがあります。また薄毛の原因になることもあります。
ストレス
職場や家庭環境、学校、ご近所づきあい、SNSなど、さまざまな場面でストレスを感じる機会が多いと考えられます。
精神的なストレスを感じると抗ストレスホルモンのコルチゾールの影響により、皮脂分泌をさかんにする男性ホルモンの分泌が促され、肌のベタつきを招くとされています。
ストレス解消法に関する記事は多数ありますが、自分に合った解消法を見つけることで心身健康であることが、皮脂分泌を正常にすることにも繋がります。
脂質・糖質の多い食生活
肉料理や糖質の高い食事ばかり摂っていると中性脂肪が増え、皮脂分泌が過剰になる原因となります。お肉自体はアミノ酸も豊富に含まれているので摂取することは良いことなのですが、脂質の多い肉の摂り過ぎは控えましょう。
運動不足
運動不足も体に中性脂肪を蓄えやすくなり、皮脂の分泌量が増える原因となります。脂質・糖質の高い食事とともに運動不足も加わると、体への悪影響も考えられます。
頭皮の皮脂をシャンプーで抑える方法
頭皮の皮脂を抑えるには、日頃のヘアケアが重要です。誤ったヘアケア方法は頭皮、髪の嫌なベタつきを招きやすいです。頭皮の皮脂を抑えるためのシャンプー剤選び、シャンプーの方法について紹介します。
頭皮の皮脂を抑えるシャンプー剤の選び方
シャンプーメーカーから多数のシャンプーが販売されており、シャンプー選びに迷う人も多いでしょう。
頭皮のべたつきが気になる人も、頭皮が乾燥肌である可能性もあります。頭皮は紫外線の影響を受けやすく、乾燥しやすい部分です。頭皮に限らず顔の肌でも、洗いすぎで肌に必要な水分や皮脂が不足するとかえって皮脂が分泌されることもあるそうです。
皮脂の多い人はさっぱりと洗えるタイプのシャンプーがおすすめではありますが、洗浄力の高すぎるものは肌に刺激を与えるため、思わぬ頭皮のトラブルを招く可能性もあるので注意しましょう。
シャンプーに使われている洗浄成分(界面活性剤)には、高級アルコール系、石けん系、アミノ酸系などの合成界面活性剤がありますが、高級アルコール系は洗浄力、刺激ともに高く危険性が高いとされ、石けん系は洗浄力が強すぎると言われています。
アミノ酸系の洗浄剤は洗浄力は弱めですが、肌には優しい成分です。アミノ酸系の中でも比較的洗浄力が高めのものもありますので、質の良いアミノ酸系洗浄成分が中心のアミノ酸系シャンプーが特におすすめされています。
脂性肌や頭皮のベタつきが気になる人向けの薬用シャンプーや、頭皮の汚れをしっかり落としながらも髪のうるおいを守るオイルシャンプーも良いと言われています。薄毛・ハゲ対策も兼ねたい人は、アミノ酸系の育毛シャンプーも良いでしょう。
頭皮の皮脂を抑えるシャンプーの方法
シャンプーは毎日、特に夜のうちにシャンプーをするのがおすすめされています。毎朝整髪料を使う人は、日中の朝や皮脂の汚れとともに、整髪料の油分も頭皮に残したまま一晩眠ることになります。
寝ている間は皮膚ダニ、マラセチア菌、ニキビ菌などの活動が活発になりやすいですが、頭皮が皮脂で汚れているとますます活発になるそうです。そのため夜寝る前に洗髪を済ませ、頭皮環境を整えることがおすすめされています。
- シャンプー前、乾いた髪の状態でブラッシングをします。
- お湯でしっかり頭皮と髪を洗います。
- シャンプーを泡立てて頭皮と髪を洗います。爪を立てないように、指の腹に力を入れて、マッサージするように洗います。シャンプーの製品によってはシャンプーパックがおすすめされていることもあります。
- 頭部全体を十分洗えたら、シャンプー剤をしっかり洗い流します。
- コンディショナーやトリートメントをする人は、髪を軽くタオルで水分を取り除いて毛先を中心に塗布し、なじませてからしっかり洗い流します。
シャンプーやコンディショナーなどの洗い残しがあると頭皮トラブルが起こりやすいので注意しましょう。特にコンディショナー、トリートメントは油分が多いので、頭皮につけないようにしてください。
シャンプー後はしっかりタオルドライをして、ドライヤーで髪を乾かしてから寝るようにしましょう。生乾きのまま寝ると雑菌が繁殖しやすく、頭皮環境を悪化させる可能性があります。
頭皮の皮脂を抑える育毛剤・オイルでの頭皮ケア
頭皮の皮脂を抑えるケアはシャンプーだけではありません。薄毛、ハゲの予防対策に効果的と言われる育毛剤も、頭皮環境を整える効果があります。またオイルを使った頭皮ケアの方法もあるそうです。頭皮の皮脂を抑える育毛剤、オイルを使用した頭皮ケア方法についてご紹介します。
育毛剤での頭皮ケア
医薬部外品の育毛剤には、育毛や発毛を促す成分だけでなく、頭皮の抗菌、抗炎症作用のある成分、保湿成分も配合され、育毛剤の使用で頭皮環境を正常化する効果も期待できます。
スカルプローション(養毛剤)も育毛剤ほどの育毛効果は期待できないかもしれませんが、頭皮ケアへの効果が望めます。
頭皮のベタつきとともに薄毛が気になる人、また薄毛を予防したいという人も育毛剤での頭皮ケアはあおすすめです。
男性用(男女兼用)の育毛剤の方がさっぱりとした成分で、頭皮のベタつきが気になる人にはおすすめです。
育毛剤を塗布した後に頭皮のマッサージをすることで、血行を促し健康な髪の成長を促すのに効果的とされています。
オイルを使った頭皮ケア
オイルを使った頭皮ケアは、毛穴に詰まった皮脂や汚れを取り除いて頭皮環境を改善するとともに、育毛法としても有効性が高くおすすめされています。
頭皮ケアにオイルを使用することで頭皮が清潔になり、育毛剤の成分も浸透しやすくなると言われています。また頭皮の皮脂を適度な状態に保つとされています。
頭皮ケアによく使われるオイルは、オリーブオイル、ココナッツオイル、ホホバオイル、アルガンオイル、椿油などがあります。品質の良い未精製のオリーブオイルやホホバオイル等はビタミンも豊富とされ、アンチエイジング効果も期待できます。
オイルを頭皮に塗ってマッサージし、蒸しタオルやラップで頭を巻いて少し時間を置くことで毛穴に詰まった皮脂が浮きやすくなり、シャンプーで洗うと浮いた皮脂や汚れをすっきりと洗い流すことができます。時間がなければオイルを塗って5分ほど放置してからシャンプーするだけでも良いそうです。
育毛サロンでの頭皮ケア
自分でする育毛法も良いけれど、プロの手を借りてリフレッシュも兼ね、頭皮ケアと育毛対策をしたいという方もいるかもしれません。育毛サロンやヘッドスパサロンの育毛メニューは、頭皮ケアと育毛サポートに効果的とされています。
育毛サロンでは頭皮のチェックがスコープを利用して行われ、頭皮でどのようなトラブルが起きているか、特に毛穴の皮脂汚れの状態などを確認されます。カウンセリング後はシャンプーを行い、皮脂を取り除くためのマッサージ、サロンの育毛剤を塗布するなどの施術が行われます。マッサージが特に気持ちが良いと評判のようです。
ただし育毛サロンは医療機関ではありませんので、発毛効果を望む人は発毛治療を行うのがおすすめです。
頭皮の皮脂を抑える生活習慣
日頃の生活習慣が頭皮の皮脂分泌を招く原因となることがあります。生活習慣を改善することでも皮脂の分泌を抑えることが期待できます。生活習慣で皮脂分泌を抑える方法、特に食事と運動での方法について紹介します。
食生活で皮脂を抑える方法
原因の章でも触れたように、脂質や糖質の高い食事を摂っていると皮脂の主成分である中性脂肪が蓄えられ、皮脂分泌が過剰になる可能性があります。
食生活で皮脂を増やさないようにするには、脂質の高い肉の摂り過ぎ、糖質の高いお酒、お菓子の摂り過ぎに注意する必要があります。
ただし極端な脂質カット、糖質制限は栄養バランスが悪くなり、髪や肌の健康も損なう可能性があります。適度に摂取することにも気をつけましょう。
皮脂分泌を抑えるビタミンB群
ビタミンB群の中でもビタミンB2は脂質の代謝を促進し、不足するとニキビや肌荒れを招くとされています。ビタミンB6はタンパク質や脂質の代謝と関わり、髪の生成とも深い関わりがあります。肌のベタつき、ニキビを防ぐためにも必要なビタミンのようです。
ビタミンB2はレバー、鶏肉、うなぎ、納豆などに、ビタミンB6はマグロ、豆腐、バナナなどに多く含まれています。
ビタミンB群以外には野菜、果物、いも類などに含まれているビタミンCも皮脂分泌のコントロールに効果があるとされています。
有酸素運動での皮脂分泌対策方法
有酸素運動には代謝の促進、血行改善、心肺機能を高める、ストレス解消などの効果があるとされています。代謝の促進によりエネルギー、栄養が消費され、余分な糖質・脂質も分解されることが期待できます。
血行が改善されることで抹消の血管、頭皮の血流も良くなり、髪に栄養が行き渡りやすくなることも期待できるでしょう。心肺機能も高まることでさらなる血流改善と、老廃物の排出にも効果があるとされています。
適度な有酸素運動はストレスの解消にもなると言われ、皮脂の分泌量を増やす原因のストレスが解消されることでも頭皮のベタつき改善に繋がりそうです。
脂肪を燃焼させるためには最低でも20分、できれば30分程度の有酸素運動が効果的とされています。日頃運動不足な人は軽いジョギングやウォーキングなど、無理のない範囲で毎日続けることが良いと言われています。
頭皮の脂漏性皮膚炎対策法
最後に頭皮の皮脂分泌が原因で起きる、脂漏性皮膚炎についても紹介します。頭皮の脂漏性皮膚炎を悪化させると、毛根がダメージを受けて抜け毛や薄毛になる脂漏性脱毛症を発症することがあります。
脂漏性皮膚炎の症状の特徴
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は皮脂分泌が過剰になることで、皮脂をエサにするマラセチア菌が異常繁殖し、皮脂分泌量の多い頭皮や顔、胸や背中などで好発します。フケのような表皮の剥離、湿疹、かさぶた、強いかゆみを覚えることがあります。
男性に多い症状とされていますが、女性でも発症することがあります。アルコールやストレスが原因で起きることもあるそうです。
脂漏性皮膚炎の悪化により抜け毛、薄毛になる脂漏性脱毛症、角質の異常による粃糠(ひこう)性脱毛症が発症することもまれにあります。
脂漏性皮膚炎の治療
脂漏性皮膚炎は放置すると慢性化する可能性があります。早めに皮膚科に相談し、適切な治療を受けるのがおすすめされています。治療には抗真菌剤、ステロイド剤などの外用薬、抗真菌作用のあるシャンプーを利用するなどの対策方法があります。
治療中症状を悪化させないためにも、日常生活では患部を掻かないようにする、強い刺激のシャンプーを避ける、整髪料を頭皮につけないようにするなどに注意しましょう。栄養バランスの良い食生活を心がけ、皮脂分泌を促すような脂質の高い食事は控えるようにしましょう。
頭皮の脂漏性皮膚炎はだいたい4~6週間程度で改善されると言われています。皮膚炎の治療により脂漏性脱毛症、粃糠性脱毛症の症状も改善されることが多いそうですが、治りが悪いようであれば発毛治療も視野に入れたほうが良いかもしれません。
まとめ
頭皮の皮脂分泌が増える原因として、誤ったヘアケア方法、男性ホルモンの増加、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、脂質・糖質の多い食事、運動不足などが考えられます。
頭皮の皮脂対策としてはシャンプーでのヘアケア、育毛剤やオイルを使用した頭皮ケア、食生活や運動での生活習慣での対策法が挙げられます。
頭皮の皮脂を取り除きすぎても肌を乾燥させ、かえって皮脂分泌を招いたりトラブルの原因になります。品質の良いアミノ酸系シャンプーやオイルシャンプーなどで、毎日夜のうちに洗うようのがおすすめです。
育毛剤も頭皮環境を整え、シャンプー前のオイルケアも頭皮の皮脂対策におすすめされています。生活面では脂質・糖質を抑えて栄養バランスの良い食生活を、有酸素運動も脂肪の代謝促進に効果的です。
頭皮の脂漏性皮膚炎は脱毛症を招くこともあります。上記のような皮脂対策とともに適切な治療を行う必要があります。
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