クセ毛のため縮毛矯正は欠かせないという人も多くいることと思われますが、縮毛矯正をすると抜け毛が増える可能性があると言われています。縮毛矯正は一般的なパーマよりもダメージを与えることが多いのです。
縮毛矯正とカラーリングを併せて行うと、さらに頭皮や髪へダメージを与え、抜け毛の原因になる可能性もあります。縮毛矯正でなぜ抜け毛になってしまうのか、縮毛矯正による抜け毛の予防対策法についても紹介します。
縮毛矯正の施術方法
そもそも縮毛矯正とはどのような施術によって行われるのかについて、確認していきます。クセ毛・天然パーマの人には縮毛矯正が欠かせないという人も多いでしょう。縮毛矯正は一般的には薬剤(1剤・2剤)と、高温のストレートアイロンを使用して行われます。
縮毛矯正に使用される薬剤
縮毛矯正も一般的なパーマ剤・パーマ液と変わりはないという専門家もいますが、美容室によって縮毛矯正のダメージを防ぐためにはちみつやアルガンオイルなどを入れたり、異なるところもあるようです。
縮毛矯正の薬剤には1剤・2剤があります。
1剤には還元剤、アルカリ剤、コンディショニング成分などが配合されています。還元剤には髪のシスチン結合を切断する作用があります。アルカリ剤は髪を軟らかくする作用があり、還元剤が作用しやすくなります。
2剤には酸化剤、コンディショニング成分、pH調整剤などが配合されています。酸化剤は還元剤によって切断されたシスチン結合を、再び結合させる作用があります。
縮毛矯正の方法
縮毛矯正では薬剤塗布とヘアアイロンを用いるところが、一般的なストレートパーマと大きく異なるところでしょう。
縮毛矯正では1剤塗布・アイロン・2剤塗布という順で行われます。
- 縮毛矯正をする前にまずシャンプーをします。1剤塗布後、時間を置きます。
- 薬剤が髪に作用しているか確認、大丈夫なら一度薬剤を洗い流します。
- 薬剤を洗い流したら髪を乾かし、髪をしっかりストレートにするためにストレートアイロンで伸ばします。
- ストレートアイロンで髪を伸ばし終えたら2剤を塗布し、放置します。
- 2剤を洗い流して縮毛矯正が終了となります。
美容院によってはヘアアイロンではなくドライヤーを使って伸ばす縮毛矯正を行っているところもあるようです。ヘアアイロンより髪へのダメージが少なくなります。
なお縮毛矯正は一般的なパーマと同じように、前髪だけ、伸びた部分だけにかけることもできます。一度かけたところは半永久的にストレートヘアになります。ただしお手入れの仕方が悪いとクセが出ることがあります。
鼻~口元まで前髪を伸ばしかけという女性は、ヘアピンやバレッタを使うこともあると思いますが、縮毛矯正直後はクセがついてしまうため、ヘアアクセサリーは使用できません。帽子やゴムも避けてください。
縮毛矯正後に抜け毛が増える原因
カラー剤やパーマ液も頭皮に負担をかけると言われて、頭皮の炎症や抜け毛の原因になるとも言われています。当然縮毛矯正が抜け毛の原因になることも考えられます。縮毛矯正をして抜け毛が増えた場合、その原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。
縮毛矯正剤の影響
縮毛矯正後の抜け毛の原因に、縮毛矯正に使用されている薬剤の影響が考えられます。ヘアカラー剤、パーマ剤より薬剤の濃度が高いとも言われており、髪のダメージや頭皮のダメージに繋がることが考えられます。
縮毛矯正は技術力の高い美容師でないと失敗することもあります。
また薬剤が頭皮につかないよう注意しないといけませんが、あまり技術の高くない美容師の縮毛矯正施術、もしくは自分で縮毛矯正をすることで、頭皮が薬剤の影響を受ける可能性もあります。
特に自分で市販の縮毛矯正剤を使うのは、薬液の品質や縮毛矯正の施術の難易度の高さからも、リスクがありあまりおすすめされていません。
高温アイロンの影響
美容室で縮毛矯正をかけるときには、一般的にストレートアイロンが使用されます。
高温のアイロンで伸ばすことにより毛根への負担がかかる可能性もあります。ただ実際美容院で施術されて、美容師が髪を引っ張るような下手なアイロンの仕方をすることは考えにくいです。
美容室でのアイロンでも影響を受けるのは、アイロンの熱による髪のダメージと考えられます。
むしろ縮毛矯正後美容師の技術の影響、もしくは誤ったヘアケアが原因で髪にクセが出てしまい、無理にヘアアイロンでストレートヘアにしようとして、髪の根元を引っ張って頭皮のダメージに、または髪のダメージが発生するという悪循環になってしまう事もあります。
髪のダメージ自体は抜け毛につながるわけではありませんが、弱っている毛は切れ毛や枝毛になりやすいです。髪の途中から切れてしまうと抜け毛が増えたように感じたり、髪の量がまえより減ったように感じることもあるかもしれません。
縮毛矯正後の誤ったヘアケア
縮毛矯正後は髪も傷みやすく、頭皮もダメージを受けている可能性があります。いつも以上に慎重なヘアケアが必要ですが、洗浄力の強い、刺激の強い安いシャンプーなどを使っていると、頭皮・髪にダメージを受けやすくなります。
クセ毛からストレートヘアになったことで、ストレートヘアをきれいに見せようといつも以上に力を入れてブラッシングをすることも、頭皮へのダメージに繋がります。
カラーリング・パーマの影響
縮毛矯正と一緒に、または別の日にカラーリングをする人もいるでしょう。ヘアカラーも縮毛矯正同様、頭皮のダメージに繋がります。特に自分でカラーをしてカラー剤の液をしっかり洗い流せていないと、頭皮に大きなダメージを受けるでしょう。
また縮毛矯正後に毛先部分にカールパーマをかけると、縮毛矯正とパーマの両方のダメージを受け、髪がパサパサになりがちです。抜け毛にはならないまでも切れ毛で髪のボリュームが減ってしまう可能性があります。
ホルモンバランスの乱れ
女性の場合加齢や出産、ストレスなどでホルモンバランスが乱れることもあります。女性ホルモンが減少すると、抜け毛が増えることもあります。
ホルモンバランス関係の記事は多くありますが、ホルモンバランスが乱れると抜け毛が増えたり、精神面での影響もあってストレスもたまりやすいとも言われています。ホルモンバランスの乱れはストレスによっても誘発されます。
ホルモンバランスの乱れは女性でも男性ホルモン優位となってしまうこととなり、ヘアサイクルの成長期が短くなり、休止期の髪が増えると抜け毛が増えてしまいます。縮毛矯正後抜け毛が増えたように感じた場合、女性ホルモン由来の抜け毛なのかもしれません。
また妊娠中や出産直後は肌がデリケートなため、美容院で縮毛矯正やパーマ、カラーリングは向いてないようです。
生活習慣の乱れ
無理なダイエットや偏食などで栄養が不足すると、髪が細くなったり抜け毛に繋がります。栄養不足は休止期脱毛につながる可能性があります。睡眠不足も髪質の低下、抜け毛にもつながると言われています。
そこに縮毛矯正でのダメージも加わると、ますます頭皮や髪が弱る影響が大きくなるでしょう。加齢に伴い抜け毛や髪のボリュームが気になることは多々あることです。縮毛矯正後はヘアケア以外でも髪の健康を考えた生活習慣が理想的でしょう。
縮毛矯正による抜け毛や髪質の変化とは
縮毛矯正で頭皮や髪にダメージを受けると、抜け毛や髪のボリュームダウン、髪のハリやコシがなくなってしまうことがあります。縮毛矯正の影響によって髪にどのような悪い影響が及ぼされるのか、ご説明します。
髪のボリュームが減る
縮毛矯正による頭皮のダメージで抜け毛が増えたり、髪のキューティクルのダメージで枝毛・切れ毛が増えることがあります。抜け毛や切れげは髪のボリュームが減る原因です。
また頭皮へのダメージで髪が細くなてハリ・コシのない髪になると、髪の本数には変化がなくても生え際や頭頂部のボリューム感もなくなってしまいます。髪のボリュームが少ないと老けた感じになってしまいます。
髪型が決まらない
ダメージ毛が増えたり髪のボリュームが少なくなると、髪型が決まらなくなります。縮毛矯正をかけた直後は、髪がストレートになってツヤが出ているように見えますが、光の反射によるもので髪にうるおいがあるからツヤが出ているわけではありません。
縮毛矯正直後はきれいなストレートヘアになっていますが、実際にはキューティクルが大きなダメージを受けています。ドライヤーで乾かすだけできれいなストレートヘアになるのを理由に、ヘアケアをさぼってしまうかもしれません。
しかし縮毛矯正後は大きなダメージを受けているので、いつも以上にヘアケア、そして頭皮ケアにも気を遣わないと、髪型が決まらなくなってしまいます。
縮毛矯正のダメージによる抜け毛対策方法
髪の癖を伸ばすには縮毛矯正がおすすめな方法ではありますが、縮毛矯正の施術による影響、誤ったヘアケアや生活習慣によって抜け毛が増えてしまうこともあります。縮毛矯正後抜け毛が増えないようにするには、どうしたら良いのでしょうか。
縮毛矯正に行く頻度を減らす
縮毛矯正は3か月~半年に1度で十分と言われています。3ヶ月未満で縮毛矯正に通っている人は、縮毛矯正をする頻度を減らすことで、頭皮や髪のダメージを抑えることができます。
ロングヘアの人は伸びた部分に癖が出てもあまり気になりませんが、短髪の人は少し伸びただけで癖が目立つように感じ、カットする度に縮毛矯正のリタッチをする人もいるかもしれません。
縮毛矯正はなるべく髪が長い方が持ちも良いと言われていますが、男性の場合は髪を伸ばすことが難しいでしょう。癖が目立たないような髪型、美容院のトリートメントなどで髪がストレートにできる方法がないか、美容師に質問・相談してみると良いでしょう。
癖が出てきたらストレートアイロンを使う
縮毛矯正を頻繁にかけると、頭皮や髪へのダメージ、抜け毛のリスクも気になります。縮毛矯正の頻度を下げて癖が出やすくなってきたら、ヘアアイロンを使用するようにしましょう。
日頃のスタイリングでストレートアイロンを使うことでも、ある程度癖を伸ばすことができます。
もちろんストレートアイロンは髪へのダメージもあります。髪のダメージを軽減させるためにも、なるべく品質の良いストレートアイロンを使うようにしましょう。
いきなりアイロンをかけるのも髪へのダメージがあります。ストレートアイロンを使う前にヘアアイロン用のスタイリング剤を使ったり、熱のダメージ対策ができる洗い流さないトリートメントを使ううようにしましょう。
アイロンを使用するときは髪の根元を引っ張りすぎないように注意しましょう。
縮毛矯正後はストレートアイロンを控える
縮毛矯正をかけたすぐ後は、髪のダメージを防ぐためにもストレートアイロンを控えましょう。ただでさえデリケートな状態になっている髪がますます傷みやすくなり、切れ毛の原因となります。
髪のダメージは髪のうねりを招き、せっかく縮毛矯正でストレートにした髪も癖が出やすくなります。縮毛矯正直後はアイロンよりはブローで伸ばすこと、髪に良いシャンプーをしてトリートメントも毎日することがおすすめです。
縮毛矯正用のシャンプー・トリートメントを使用する
縮毛矯正をかけた髪のためのシャンプー、トリートメントもあります。特に縮毛矯正をかけた直後は髪がデリケートになっています。縮毛矯正した髪に合ったサロン系のシャンプー・トリートメントを使用するのがおすすめです。
トリートメントは髪の内部を補修する効果がありますが、シャンプー剤の質が悪いとトリートメントをしていても良い効果が得られない恐れがあります。
生活習慣の改善も
日頃の生活習慣が抜け毛を招く可能性もあります。ヘアケア以外にも生活習慣の見直しをしましょう。栄養バランスの良い食事は髪と頭皮の健康のためにも効果的です。
髪の成長のためには、髪の材料でもあるタンパク質をしっかり摂取、ビタミン、ミネラルも摂るようにしましょう。栄養バランスの良い食事に美容サプリ・育毛サプリをプラスして摂取することも、髪がしなやかになる効果が期待できます。
睡眠中は髪を育てる成長ホルモンが分泌されます。寝不足は髪へ栄養が行き渡らず、抜け毛や髪質が悪くなる可能性があります。睡眠不足にならないよう、また質の良い睡眠をとることにも注意しましょう。
頭皮ケア
ヘアケアも重要ですが、頭皮ケアにも気を遣うべきでしょう。地肌に優しい頭皮ケアシャンプーで頭皮環境を整えたり、頭皮用の保湿液、スカルプローションや育毛剤なども頭皮ケアに使用するのがおすすめです。
美容室のヘッドスパやヘッドスパサロンもおすすめです。ヘッドスパで頭皮環境を整え血行を促進、抜け毛の予防にもリフレッシュにもなります。
縮毛矯正後の抜け毛の治療
上記のような抜け毛予防や対策を行っても抜け毛が多い、症状が良くならないという場合は治療が必要なケースなのかもしれません。縮毛矯正で頭皮の炎症が起きた場合は、薄毛治療よりまず一般の皮膚科で適切な薬を処方してもらった方が良いでしょう。
頭皮炎症は皮膚科で治療
縮毛矯正の薬剤の影響で頭皮炎症が起きた場合、抜け毛や薄毛になることがあります。まず頭皮炎症を治す必要があり、市販薬でも効果がある場合がありますが、不安な場合はすぐに皮膚科を訪れましょう。
ホルモン由来の抜け毛は薄毛治療専門病院で
加齢による一般的な薄毛・ハゲは男性ホルモンの影響で起こります。特に生え際や頭頂部の薄毛は縮毛矯正の影響というより男性ホルモンの影響と考えられます。
男性ホルモン由来の薄毛は薄毛治療専門の病院・クリニックに相談を、一般的な皮膚科では薄毛治療は行っていないので注意しましょう。薄毛治療には投薬治療、育毛メソセラピーや植毛などの手術による治療があります。
まとめ
縮毛矯正は一般的なパーマとは異なり、高温のストレートアイロンも薬剤を塗布している途中で使用されます。そのため薬剤とストレートアイロンのどちらの影響も受け、パーマやカラーリングより頭皮と髪にダメージを受けやすいとされています。
縮毛矯正により頭皮が薬剤の影響でダメージを受けることで、抜け毛が増える可能性もあります。縮毛矯正後は髪型もセットしやすいですが、実際は髪のキューティクルは大きなダメージを受けており、切れ毛や枝毛もできやすいです。
抜け毛を防ぐためには縮毛矯正の頻度を落とすこと、ダメージを受けた頭皮・髪にも優しいヘアケアをすることがおすすめです。縮毛矯正の頻度を減らすと癖が気になるという人は、ストレートアイロンを使って癖を伸ばすと良いでしょう。
抜け毛の原因は縮毛矯正以外にも、ホルモンバランスの乱れ、生活習慣の乱れも考えられます。ヘアケアと並行して生活習慣の見直しも図ると良いでしょう。
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