はげや薄毛になる生活習慣として、栄養不足や運動不足、タバコやお酒などの不摂生とともに睡眠不足もよく挙げられています。睡眠不足は肌に影響があるだけでなく、髪の成長にも悪いそうです。
なぜ睡眠不足だとはげや薄毛になってしまうのでしょうか。また髪の健康のためにはどれぐらい寝て、何時頃に就寝するのが最適な睡眠法なのでしょうか。睡眠とはげの因果関係について、またはげ予防となる良い睡眠のとり方についても確認しましょう。
はげる原因となる生活習慣
不健康な生活は身体へ悪い影響を与えますが、髪の成長を妨げることもあるそうです。そういえば最近不摂生な生活だな、と思い当たることがある人は、はげやすい生活を送っているのかもしれません。生活習慣で思い当たることがあれば改善しましょう。
栄養不足
髪の毛はタンパク質が主成分で、食品から摂取した栄養から髪が作られるにはビタミンやミネラルの助けも必要です。極端に食事の摂取量が少なかったり、髪に必要な栄養が足りていないと、健康な髪が成長しにくくなります。
寝不足
寝不足の状態が続くと誰でも疲労がたまり、身体が不調になるでしょう。寝不足はハゲや抜け毛につながる血行不良やストレスの原因になります。
また寝不足によって髪を育てる成長ホルモンの分泌量が少なくなると言われています。成長ホルモンは睡眠不足だけでなく、眠りが浅くても分泌量が少なくなります。
運動不足
運動不足は血行不良の原因になります。長時間デスクワークをしている人、肩や首が凝りやすい人、移動に車を使うことが多い人は、意識して運動する機会を作るようにしないと血行が悪くなり、髪にも栄養が行き渡らなくなる可能性があります。
また運動不足が肥満を招くとコレステロールや中性脂肪によって血管内の血流が悪くなり、さらなる血行不足を招く恐れがありります。中性脂肪が増えることで皮脂分泌がさかんになる可能性もあります。
もともと頭皮は皮脂分泌量が多い場所なので、皮脂分泌量がさらに増えることで人によってはマラセチア菌という皮膚の常在菌が頭皮で異常繁殖し、脂漏性皮膚炎の原因になることもあります。脂漏性皮膚炎が脱毛症を招くケースもあります。
お酒の飲みすぎ
アルコールを摂り過ぎることで肝臓の機能が低下し、髪の毛の主成分であるケラチンの材料となるアミノ酸が消費され、ビタミンやミネラルなど髪の成長に必要な栄養素の吸収が悪くなります。
さらにお酒の飲み過ぎで糖分を摂り過ぎると血行不良に、アルコールの分解が不十分で体に有害なアセトアルデヒドが増え、脱毛ホルモンDHTの増加までもたらされるそうです。
タバコ
タバコは血管を収縮させ血行不良に、さらにビタミンCが多く消費されてコラーゲンの生成が阻害される恐れがあります。コラーゲンも肌の弾力と髪の成長に関わる重要な栄養素なので、ハゲになりたくなければタバコは控えた方が良いとされています。
シャンプーによる頭皮トラブル
刺激の強いシャンプーや、シャンプーの仕方が悪いと頭皮の肌荒れ、炎症を起こす可能性があります。頭皮の炎症による脱毛症もあるので、シャンプーにも気を遣うべきとされています。
また男性に多い脱毛症のAGA対策として、育毛剤や発毛剤を使用している人もいるでしょう。特に発毛剤は頭皮への刺激になるので、肌に優しいシャンプーを使わないと育毛や発毛どころか頭皮環境を悪くして、抜け毛がかえって増える可能性もあります。
ストレス
精神的ストレスはハゲや薄毛の原因の一つとしてよく挙げられています。特に加齢・老化とは縁のない若い男性や女性でも抜け毛や薄毛に悩むことがありますが、精神的ストレスが大きな要因となっていることも多いようです。
円形脱毛症は自己免疫疾患が主な原因ですが、ストレスをきっかけに発症することが多いです。AGAはストレスは直接の原因になって発症するわけではないですが、髪の成長を妨げ、治療薬の効果を弱めてしまう可能性もあります。
ストレスによってはげやすくなる原因として、ストレスによって自律神経が乱れ、交感神経優位になることで、薄毛やハゲと関係のある血行不良やホルモンバランスの乱れや、睡眠不足などの症状を引き起こすことが挙げられます。
睡眠不足ではげる理由
寝不足がハゲの原因か?とさまざまな薄毛・育毛の関連ページやカテゴリなどで話題に上がっています。寝不足は確かに疲れがたまりやすく、体にとって良いとは思われません。寝不足がどのように体に作用して、薄毛やハゲの原因となってしまうのでしょうか。
血行不良
睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、交感神経優位になります。交感神経は血管や筋肉を収縮する作用があり、血行不良を招きやすくなります。
血流が悪くなると髪の元となる毛母細胞まで栄養や酸素が十分行き渡らない可能性があります。毛母細胞の細胞分裂が不活発になれば、健康な髪が育ちにくくなります。
ホルモンバランスの乱れ
睡眠不足だと男性ホルモンの分泌量が増え、ホルモンバランスが乱れやすくなるとされています。
女性ホルモンには髪の成長を促す作用もあります。女性は元々女性ホルモンの分泌量が多いですが、ホルモンバランスが乱れると女性ホルモンの影響が弱まり、抜け毛や薄毛になってしまいます。
男性も男性ホルモンが増えることで皮脂分泌量が多くなり、頭皮環境が悪くなる可能性があります。
エネルギー不足
私たちは皮膚や髪、筋肉へのダメージを睡眠時に回復・修復しています。睡眠不足だと体に疲労感が残り、活発に活動するのが難しくなります。
睡眠不足で疲労が溜まると身体への負担が大きくなります。そうすると体の方で生命維持のために、臓器などの優先順位の高い部分からエネルギーが送られます。
肌や髪の毛は生命維持に直接関わらないのでエネルギー供給が後回しになり、その結果健康な髪の毛が育ちにくくなってしまいます。
成長ホルモン分泌量の減少
上述のエネルギー不足とも関わってきますが、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、ダメージを受けた髪や皮膚の修復を行っています。
寝不足だと成長ホルモンの分泌量が減るためダメージの修復が十分行われず、髪の健康を脅かす可能性があります。
睡眠と成長ホルモンの関係
はげの原因となる睡眠不足を解消し、成長ホルモンを多く分泌させられれば髪の健康に良いようです。
しかし寝れば寝るほど成長ホルモンが分泌されるというわけでもないそうです。睡眠と成長ホルモンの分泌には、どのような関係性があるのでしょうか。
成長ホルモンの分泌量を増やすには
ハゲラボさんなどの薄毛・育毛情報サイトでも「睡眠」と「成長ホルモン」はハゲ対策・育毛対策の重要なキーワードとして、多くのページで特集されています。髪の成長には成長ホルモンが重視されています。
成長ホルモンは髪や皮膚、また内臓などの体を構成する細胞を修復し、成長させる働きがあります。子どものうちは成長ホルモンの分泌が盛んですが、10代をピークに分泌量がどんどん減っていきます。
成長ホルモンは睡眠中に分泌されますが、大人になるにつれ分泌量が減少していきます。成長ホルモンの分泌には波があり、寝ている間に分泌量が増えたり減ったりします。
睡眠時間が長いと分泌量が増えますが、あまり長くても分泌量の波はどんどん小さくなるので適度な睡眠時間が望ましいようです。
規則正しい生活で就寝時間が安定していると、副交感神経の活動効率が良くなって成長ホルモンの分泌が良く行われるそうです。
逆に不規則で浅い眠りだと分泌量が減ると言われています。年齢が高くなると体温の調節機能や昼間の活動量が低下し、睡眠の質が悪くなりやすいので注意が必要です。
ゴールデンタイムに成長ホルモンが増える?
ゴールデンタイムとは夜の10時から深夜2時までのことを指します。この時間に寝ていると成長ホルモンの分泌量が増加して、髪や肌が健やかに育つと言われています。
しかし就業スタイルによって夜の10時に布団に入るというのは難しかったり、夜勤の人はその時間帯に寝ることはできません。また必ずしもゴールデンタイムに寝ないと、成長ホルモンの分泌が悪くなるというわけでもないようです。
成長ホルモン分泌量グラフ
成長ホルモンの分泌量と睡眠時間の関係を表した成長ホルモン分泌グラフによると、入眠後30分から3時間で成長ホルモンの分泌量が一度大きく増え、また減っていきます。
分泌量が増えては減り、増えては減りと波のようなグラフになりますが、睡眠時間が増えるにつれ成長ホルモン分泌グラフの波は小さくなっていきます。
短くても成長ホルモンの分泌量が足りず、長すぎてもその恩恵が少なくなるようです。また浅い眠りは成長ホルモンの分泌量が少なくなる原因に、ハゲ予防・ハゲ対策としての睡眠には睡眠の質と適度な量のどちらも重要なようです。
最適な睡眠時間・時間帯は?
人によって個人差もあるので何時間寝るのが良いという明確な答えは見つけられていません。ただし5時間以下の睡眠、8~9時間以上の睡眠は脳の老化、病気のリスクや死亡率が高くなるなど、悪い影響があると言われています。
レム睡眠・ノンレム睡眠の周期が1.5時間であるということ、疲労回復・成長ホルモンの分泌を促すためにも6~7.5時間の睡眠が理想でしょう。
一般的なお仕事だと朝の6時~7時には起きなくてはならないので、逆算すると11時~12時頃には寝るようにしたいところです。仕事の関係で深夜12時に寝るのは不可能な場合、せめて睡眠時間は確保できるようにすると良いでしょう。
はげ予防に最適な睡眠にする方法
成長ホルモンは髪の健康な成長と大きく関わっています。睡眠によって成長ホルモンの分泌量を増やすには、睡眠の質と量のどちらも良くする必要があります。
はげや薄毛の予防対策の一環として、良い睡眠を得るためのポイントをいくつか紹介します。
太陽光で体内時計のリセットを
朝に太陽の光を浴びるとセロトニンが分泌され、脳内の体内時計が正常化されます。体内時計が正常に働くと、夜になって自然と眠くなるという生活サイクルを作ることができると言われています。
良い睡眠のリズムを作って就寝時間を一定にし、早寝早起きの習慣をつけることで快適な眠りに、成長ホルモンの分泌量を増やすことが期待できます。
日中に運動する
日中の運動量が少ないと夜の寝つきが悪くなる傾向があります。激しい運動は疲労が溜まってしまいますが、適度な運動は適度に体を疲れさせ、夜にぐっすり眠れる効果があります。
自分に合った運動量が良いですが、質の良い睡眠のためには1日30分程度の有酸素運動が良いとされています。
就寝前にテレビやスマホを見ない
テレビやPC、スマホの光にはブルーライトが含まれています。ブルーライトは目を疲れさせ、また寝る直前のブルーライトが刺激になって、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が減り、眠りが浅くなります。
またスマホは手軽にベッドで横になりながら使うことができるので、LINEやゲーム、ネットサーフィンを夜中遅くまで長々としてしまい、寝不足になる危険もあります。
良い睡眠のためにも寝る直前はテレビやスマホの画面を見るのを避け、リラックスできるようにしましょう。
リラックス効果を高める習慣
成長ホルモンが分泌されるようにするには、副交感神経が優位にならないといけません。緊張をほぐしリラックスすることを心がけましょう。ぬるま湯で半身浴をすると体がしっかり温まってリラックス効果があります。
仕事が遅いと、入浴時はシャワーで済ませる人も多いかもしれません。毎日は難しくても時にはお風呂で体を温めて、よく眠れるようにしましょう。ただし熱いお湯はかえって目が覚めてしまうので注意してください。
ホットミルクや静かな音楽、アロマの香りなどもリラックスできます。強い光は人間の脳に刺激を与えるので、眠る前の部屋の照明は柔らかな間接照明が良いそうです。
睡眠と併せて行うはげ・薄毛の対策方法
良い睡眠をとることは髪の健康にとって重要なポイントですが、もちろん睡眠だけでの対策では不十分です。はげや薄毛の予防対策となる、日常生活での習慣、また育毛剤を使った育毛対策についても確認しておきましょう。
食事面での対策
栄養不足は薄毛やハゲ、白髪などの原因になります。睡眠不足が続くとエネルギー供給が髪の毛に届かないのと同様、栄養の足りていない食事は髪へ栄養が行き渡らなくなってしまいます。
髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質です。ケラチンは18種類のアミノ酸から構成され、そのうちの9種類は体内で合成できない必須アミノ酸です。
必須アミノ酸は食事からでしか摂取できないので、タンパク質が多く含まれた肉や魚、大豆などをしっかり摂りましょう。ビタミンやミネラルも髪の生成に必要な栄養素なので、野菜や果物、海藻類など、いろんな食品から栄養を摂ることを意識しましょう。
はげの予防になる生活習慣
適度な運動は良い睡眠をもたらすことについて触れましたが、血行が良くなることで髪の健康を促す効果も期待できます。また寝る前のスクワットなどの筋トレも、成長ホルモンの分泌を促すとされています。
アルコールは適量の摂取は体に良い作用もありますが、飲み過ぎは眠りを妨げたり、薄毛の原因になることがあります。アルコールの量はほどほどにして、休肝日を設け、飲み会では脂質の高い食べ物を食べ過ぎないよう注意しましょう。
タバコはハゲ・薄毛の予防のためには控えることがおすすめされています。入浴で体を温めると安眠効果と血行促進効果があり、育毛対策の上でもおすすめです。頭に冷たいシャワーを浴びると頭皮の血行促進になるそうです。
育毛剤での対策
育毛剤には頭皮の血行を促進する成分や、頭皮環境を良くする成分が配合されています。抜け毛や薄毛の予防、育毛や育毛促進・発毛促進、フケ・かゆみを抑える効果もあります。毎日継続することで髪と頭皮の健康維持に役立ちます。
より本格的な薄毛改善、AGA予防をするのであれば、脱毛ホルモンを抑制する治療薬、発毛効果でAGA改善が期待できる発毛剤などの利用がおすすめです。治療薬はクリニックでの処方で、発毛剤は薬局でも購入可能です。
まとめ
はげや薄毛の原因の一つとして、睡眠不足が挙げられます。睡眠不足になると身体の疲労が回復しにくく、また体内で体の健康を取り戻そうとエネルギー供給が生命維持と関わりの深い部分へ送られ、髪の毛にまでエネルギーが回らないようです。
また睡眠時は成長ホルモンという髪の成長にも関わるホルモンが分泌されます。睡眠不足や浅い眠りは成長ホルモンが十分分泌されず、はげや薄毛の予防対策をしていても効果が薄れる可能性もあります。
成長ホルモンは入眠後30分~3時間でピークになり、その後朝起きるまで分泌量が増えては減るというサイクルが何回かあります。ある程度の睡眠時間と質の良い睡眠で、成長ホルモンの分泌が十分行われるようにしましょう。
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