頭皮が痛い原因として、頭皮の凝り、頭皮の神経痛、アレルギー、頭皮ニキビや乾燥肌などが挙げられます。何もしなくてもピリピリと痛む、押すと鈍く痛む、または激しく痛みを感じる、痛みとともにかゆみも感じる、などの症状があります。
頭皮の痛みは抜け毛とも関係があると言われています。頭皮が痛む原因を知り、適切な対処をしていきましょう。頭皮が痛む原因とさまざまな対策方法を紹介します、痛みの解消法の参考にしてください。
頭皮の痛みの原因
頭皮の痛みの原因にはどのようなものがあるのでしょうか。治療が必要なものからセルフケアで改善するものもあります。
頭皮の痛みに悩んでいる人は、まずは自分の頭皮の痛みの症状から、原因を見つけることが肝心です。
神経痛
頭皮の痛みを感じるなら、頭皮の神経痛の可能性もあります。頭皮の痛みに関わる神経痛は頭部神経痛といい、後頭部の神経痛は特に後頭神経痛といいます。後頭部の神経が通っている後頭部、側頭部、耳の後ろに痛みを感じます。前頭部の神経痛は三叉神経痛によるものです。三叉神経は顔面神経、つまり顔の感覚に関わっている神経ですが、一部が額や前頭部を通っています。
頭部神経痛は後頭部や前頭部、生え際部分、また目の奥や首にまで痛みを感じることがあります。偏頭痛の症状と似ています。吐き気やめまいまではしませんが、激しい痛みを感じることもあります。
長時間同じ姿勢を続けていること、例えばデスクワークやパソコンでの作業をしていることで神経痛が起こることがあります。
他の病気が隠れている可能性もあるので注意しましょう。気になる場合はすぐに医療機関に相談しましょう。頭部神経痛は何もしなくても痛みを感じますが、頭皮を押さえるとさらに激しい痛みを感じます。
頭皮の凝り
頭皮そのものが凝ってしまうことがあります。凝りなので原因は血行不良になり、神経痛と原因・対策ともに重なるところがあります。
凝りなのか神経痛なのかは簡単にチェックできます。凝りの場合は後頭神経痛ほど痛みを感じませんが、頭皮を押さえたときに鈍い痛みを感じます。頭皮の凝りは抜け毛の危険性もあると言われているので、気になる方は気をつけましょう。
乾燥肌
冬の寒いとき肌がひりひりと痛む感覚を、頭皮にも感じたことがありませんか。頭皮は髪の毛に隠れてわかりづらいですが、意外に乾燥しやすく、肌のトラブルも起きやすいところです。
頭皮は冬の乾燥する季節はもちろん、夏も紫外線にさらされ、髪同様にダメージを受けやすいです。乾燥しやすい頭皮の人は、頭皮の保湿にも気を遣った方が良いでしょう。
ニキビ
頭皮にニキビができると、シャンプーをしているとき、ブラッシングをしているときに悲鳴が上がりそうな痛みを感じることがあります。
頭皮にニキビや炎症が起きていても髪に隠れてわかりづらいので、ついついそのままになりがちです。普通のニキビなら薬をつけるだけでも治ります。薬を塗って、刺激をしないよう注意しましょう。
アレルギー
ヘアカラーをするときのカラー剤のアレルギー反応で、頭皮がヒリヒリ痛くなったりかゆみを感じる人もいます。心配な人は担当の美容師さんに相談、自分でするときはパッチテストをして、慎重にしましょう。
またハウスダストのアレルギーで頭皮の痛みを感じる人もいるそうです。ダニが繁殖しないよう部屋の掃除と寝具を清潔に保ち、同時にアレルギー体質の改善も図らないといけません。
マッサージをする
頭皮が痛いときの対策に、まずマッサージが考えられます。
凝りが原因による頭皮の痛みはマッサージによる血行促進で解消されることもあります。方法を紹介していますので、よかったら参考にしてください。
血行促進
頭皮の痛みは頭皮の血流が悪くなり、凝ってしまうことで引き起こされることがあります。また首や肩の凝りが頭皮の痛みを引き起こすこともあります。後頭部や前頭部の神経痛、頭皮の凝りはマッサージで改善されることがあります。マッサージをして血行改善をして、頭皮が痛いという悩みを解消しましょう。
抜け毛・薄毛の対策
頭皮が凝っていると血行が悪くなるため、摂取した栄養が頭皮の毛細血管にうまく行き渡らない可能性があります。毛細血管から毛根へ栄養が渡されないと、髪が健康に育ちません。抜け毛や薄毛の原因にもなってしまいます。
頭皮のマッサージは抜け毛・薄毛の予防にもなります。
マッサージで頭皮の痛みを改善
マッサージの方法を説明します。まず両手を耳にかぶせるようにし、親指を首の根元に固定、残り4本の指を耳の上あたりで円を描くようにマッサージをします。マッサージする場所を少しずつ頭頂部に向かって上に上げていきます。
またツボを指圧しながらマッサージをするのも効果的です。後頭部の生え際にある天柱、耳の後ろ下側にある風池、耳の上にある角孫(かくそん)、頭頂部てっぺんにある百会などのツボは、血行促進や育毛効果、疲労回復にも効果があります。
頭部以外のツボでは足裏の土踏まずの少し上にある湧泉(ゆうせん)、親指と人差し指の間にある合谷(ごうこく)、おへその指2本分下にある気海(きかい)などが血行を良くするツボです。
長時間デスクワークや作業をしていると同じ姿勢をとったままになりがちなので、どうしても首や肩が凝りやすいです。肩や首をグルグル回すのも、凝りの解消に効果的ですので、時々意識して動かすようにし、凝りを予防しましょう。
シャンプーその他ヘアケア対処法
誤ったヘアケアが原因で、頭皮の乾燥、頭皮ニキビなど頭皮のトラブルが起きてしまうことがあります。
肌のトラブルで頭皮が痛いときは肌質に合ったシャンプーを選び、頭皮のトラブルを回避しましょう。
肌質・髪質に合ったシャンプー剤
乾燥肌なのに洗浄力の高いシャンプーを使ったり、脂性肌なのに肌に優しいシャンプーを使っていると、肌や髪の状態が悪くなってしまいます。乾燥肌なら肌質に合ったシャンプーを、洗浄力の優しいシャンプーを使いましょう。
また脂性肌なのに保湿効果の高いシャンプーを使ったりすすぎが足りなかったりすると、頭ニキビの原因にもなります。頭皮の皮脂を洗い落とす、さっぱりした洗い心地のシャンプーを使いましょう。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸系の洗浄成分は肌に優しい成分です。洗浄力が弱く感じるかもしれませんが、地肌に負担をかけません。もちろん髪にも優しいので、髪が傷みがちな人、髪の長い女性には特におすすめです。
シャンプーの方法
シャンプーは1日1回、なるべく夜寝る前に洗いましょう。理由は寝る前にシャンプーをしないと、頭皮環境が悪いまま一晩過ごすことになるからです。特に汗をかいた日、整髪料を使っている人は汚れで頭皮に雑菌が繁殖する可能性もあります。
シャンプーで洗いすぎると頭皮の皮脂が必要以上に奪われ、肌が自分を守ろうとしかえって皮脂を分泌することもあります。最近のシャンプーの洗浄成分は肌に優しいものが増えましたが、洗い残しがあると頭皮のトラブルにつながります。
シャンプーはまずブラッシングしてお湯で予洗い、シャンプーを手のひらで泡立ててから頭皮を洗います。全体的に洗ったらすすぎますが、すすぐときはシャンプー剤が肌に残らないよう念入りに洗いましょう。コンディショナーやトリートメントは毛先を中心につけます。髪にうるおいを残すため、洗い流す時はざっとで良いですが、頭皮に残らないよう注意しましょう。
ヘアケア剤の注意点
コンディショナーやトリートメント、アウトバス用のトリートメント、ヘアオイルなどのヘアケア剤が刺激となり、頭皮の痛みやトラブルを起こすことがあります。頭皮にヘアケア剤が残ってしまうことで、炎症が起きたりそれに伴い痛みを引き起こすこともあります。
頭皮の痛みを予防するために、ヘアケア剤は頭皮にはつけないよう注意しましょう。コンディショナーやトリートメントは頭皮につけないように、オイルパックなど洗い流すものはしっかり洗い流しましょう。
ヘアカラーの注意点
美容院で使われているヘアカラー剤は地肌に優しいものが多いです。肌への優しさを追求したオリジナルのヘアカラーメニューなど、独自のものを打ち出している美容院もあります。
頭皮の皮膚に炎症を起こしている場合などはヘアカラーを避けましょう。普段はカラー剤がしみたりすることがなくても、体調が良くないときやシャンプーした直後は頭皮の地肌は敏感になっていますので、カラー剤が刺激になり肌のトラブルを起こしてしまうこともあります。体調が良くない時はヘアカラーを避け、カラーをする前にシャンプーは避けましょう。
育毛剤を変える
育毛剤や育毛トニックがピリピリとしみて、痛みを感じることがあります。特に男性用の育毛剤は清涼感を出すためにアルコールが入っていたり、また防腐剤でしみる可能性もあります。
女性用育毛剤の方が刺激が低いですが、男性向けには作られていませんので効果が薄いかもしれません。肌に優しい成分の育毛剤に変えるなどして対処しましょう。男女兼用の育毛剤もあります。
頭皮のニキビケア
ブラッシングやシャンプーの時に、頭皮のニキビの部分に当たるととても痛いですね。頭皮のニキビはストレスや肌のターンオーバーが乱れることでもできてしまいますが、シャンプーやコンディショナーの洗い残しも原因になります。毛穴に残らないよう洗い残しがないよう気をつけましょう。ニキビができてしまった頭皮にも、肌に優しいアミノ酸系シャンプーがおすすめです。
頭皮のニキビも顔につけるニキビ治療薬で効果があります。効果の高い市販薬もいろいろありますが、ニキビが乾燥するタイプのクレアラシル、しっとりとした薬のペアアクネクリーム、さっぱりタイプのローション、アクネバリアプロテクトローションなど使用感がさまざまありますので、肌質に合わせて選ぶと良いです。
頭皮のバリア機能を高める
シャンプーで頭皮を洗い過ぎると、過剰に皮脂が失われてしまい、頭皮のバリア機能が失われ、肌が乾燥ぎみになります。
シャンプーの洗い方に気をつけつつ、乾燥する季節には不足した水分を補うためにも頭皮用の保湿ローションを使ったり、、紫外線対策など頭皮のバリア機能を高め、頭皮の炎症を予防しましょう。
生活習慣を改善する
頭皮が痛いときの対策方法にも、生活習慣の見直しと改善は必須です。血行を良くすること、体の疲れをとることで、凝りや神経痛の予防にもなります。
生活習慣の改善法を見ていきましょう。
適度な運動をする
筋肉を緊張させる時間が長く続くと血流が悪くなります。肩凝りや背中の凝り、また頭皮の凝りを起こすこともあります。凝りが頭皮の神経痛になることもあります。血行を良くするためにも、歩いたり体操をしたり、ストレッチをするのも効果的です。
特にデスクワークが多い人は、適度な運動を日常生活に取り入れて、運動不足を解消しましょう。
適度な睡眠をとる
寝不足は自律神経に影響を与え、交感神経が活発になり血管が収縮、血流が悪くなる原因となります。寝不足によって疲労がたまり、筋肉の疲れがとれなかったり、疲労でストレスを感じることもあります。寝不足により頭皮の凝りや神経痛、また頭皮のニキビを起こす可能性があります。
睡眠時間は理想は7時間ですが、個人差があるので自分の体の調子がちょうどいいと思える睡眠時間でいいでしょう。寝すぎは良くないといいますが、スポーツ選手の中には体を休めるために、睡眠時間を10時間以上取っている人もいます。自分にとってベストな睡眠時間をとれば良いです。寝不足の人は睡眠時間を確保して、凝りや神経痛、ストレスニキビを予防するようにしましょう。
ストレス解消
ストレスはいろいろな症状を引き起こします。ストレスを感じやすい人、ストレスの多い環境にいる人は、緊張している時間が長く筋肉も疲れ、凝りや神経痛を引き起こしやすいです。普段は決してできないようなところにニキビができたり、胃腸の調子を悪くすることもあります。
頭皮が痛いときだけでなく、日頃からリフレッシュをする時間を持つようにしたり、運動をしたりして、ストレス解消をしていきましょう。
食事での血行改善方法
血行をよくするためにも食事も体を冷やすものは避けて、温めるものを意識して摂りましょう。唐辛子、しょうが、にんにくなどの香辛料、玄米、豆類、大根、ごぼうなどの根菜、ほうじ茶は体を温めると言われています。またパンや白米、トマトやきゅうりなどの野菜、メロンやスイカなどの果物、お菓子類、コーヒーや緑茶は体を冷やすと言われています。
暑い時期はついつい冷たいものばかり摂ってしまいますが、夏でも冷え性に悩む人は少なくありません。エアコン対策も必要ですが、食べ物から体質改善も図りましょう。
半身浴での血行改善方法
半身浴も血行を促進するのに良い方法です。のぼせないようお湯の温度を38℃から40℃ぐらいに設定し、量を浴槽の半分ぐらいに入れます。
半身浴中に肩が冷えないよう、タオルを準備しておきます。入浴時間は20分から30分ぐらい、喉が乾いたら水分補給しましょう。
頭皮の痛みの治療
対策方法をしてみたものの、頭皮の痛みがおさまらないというときは、医療機関に相談しましょう。
頭皮の痛みが神経痛によるものの場合、また肌のトラブルによるものの場合でそれぞれ治療について説明します。
神経内科での治療
頭部神経痛、後頭神経痛での頭皮の痛みは、神経内科や神経外科で診てもらいます。痛みが耐えられない場合は、鎮痛剤、消炎剤が処方されたり、ステロイド剤の投与があります。鍼灸治療や整体治療でも神経痛に対応しています。
頭皮の神経痛はくも膜下出血、帯状疱疹など他の病気の可能性もあります。不安を感じたら病院で早めに検査してもらいましょう。
皮膚科での治療
頭皮ニキビが悪化してしまった場合、脂漏性皮膚炎による炎症で頭皮が痛い場合、セルフケアでは治る気配がない場合は皮膚科に相談しましょう。
炎症には主にステロイド剤が治療で使われます。特に脂漏性皮膚炎はマラセチア真菌による炎症なので、抗真菌薬が処方されます。また抗真菌剤配合のシャンプーに変えるようにも勧められます。
まとめ
頭皮が痛い原因には、頭皮の凝り、神経痛、ニキビや脂漏性皮膚炎による炎症、乾燥肌、アレルギーなどが考えられます。血行を促進することで頭皮の凝りや神経痛、乾燥肌が改善されます。マッサージ、ストレッチや運動、半身浴、睡眠をとってストレスをためないことも、頭皮の痛み対策とともに、抜け毛予防としても有効です。
肌のトラブル対策には肌に合ったシャンプーを使うこと、シャンプーの方法にも気をつけることがまず挙げられます。シャンプーは特に洗浄力の優しいアミノ酸系シャンプーがおすすめです。ヘアケア剤を頭皮にはつけず、また残さないように、トラブルが起きないようヘアカラーを入れる時も注意しましょう。頭皮が痛いときはその原因を知り、適切な対処法をすることで乗り切りましょう。
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