髪質は人によって色々とあるでしょう。サラサラストレートに人や、癖毛になってウェーブがかかっている人、その人それぞれの特徴が出てくるものです。そんな髪質を表す言葉の一つに「猫っ毛」というものがあります。この猫っ毛とはどのようなものなのか、具体的に説明できるでしょうか。
なんとなく柔らかそうな髪質とか髪質自体に特徴のあるものというのはわかるでしょう。そこで、今回はより具体的にはどのような髪質及び髪型なのか、特徴はどのようなものなのかを解説いたします。
そもそも猫っ毛ってどんな髪質?
まずは、猫っ毛とはどのような髪質のことを意味する用語なのか、そこから調べていきましょう。癖毛と猫っ毛は同じように見えるのですが、どうやら違うものとしてとらえる必要があるようです。
猫っ毛の定義について
猫っ毛とは髪の毛が細い猫の毛のようになっている状態のことです。要するに、細くてコシやハリが少ない柔らかい髪質のことになります。
どのラインが猫っ毛なのか、太さについて調べてみたところ髪の毛の太さが0.5mm以下とか0.6mm以下という意見がありましたので、だいたい0.5~0.6mmよりも細いような髪質になっていると猫っ毛という判断になるのでしょう。
髪質というのはある程度太さで決まる部分もありますので、定義づけとしてはわかりやすいと言えるのでは内でしょうか。
日本人よりも欧米人の方が多い?
この猫っ毛と呼ばれるような髪質は日本人では少なく欧米人では多めと言われているのです。その理由は、日本のような黒髪の種族よりも、欧米人にこの髪質が多いのかというと、それは日本人の髪の太さはだいたい0.05~0.15mmで収まっており、平均すると0.08mm程度になると言われているのに対し、欧米人は平均が0.05mmとだいぶ細くなっているからです。
髪の毛が太いということは利点だらけと思ってしまうかもしれませんが、髪の毛が太い分欧米人と比べると日本人は髪の毛の本数が少なくなりがちですので、抜け毛が増えたときのダメージも深刻なのです。
癖毛と猫っ毛は違う
先ほど猫っ毛の定義とは何かというお話をさせていただきましたが、猫っ毛とは猫のように細い毛質になってしまってコシやハリが少なくなっている髪質のことを指します。
これに対して、癖毛というのは毛穴の毛根から曲がってしまっているために髪の毛が自然と曲がってしまう髪の毛になってしまうことです。根本から曲がっているため、髪の毛が短ければそこまで気にならないのですが、長いとカールしてしまうので癖が強く出てしまうようになります。つまり、こちらは髪の毛が太いケースもあると言うことです。
元々、日本人は太く毛硬い髪の毛、つまりハリやコシがある髪質ですので、ある程度しっかりしたヘアケアをしている人は猫っ毛になることは少なく、その比率も少なめとなっております。
もっと化学的に説明すると
猫っ毛についてもっと化学的なアプローチをするとコルテックスが体質的に少ない人は猫っ毛になりやすいと言えるでしょう。髪の毛は基本的に外側にある髪のツヤや触った時の感触に影響を与えるキューティクル、線維状のたんぱく質でできており髪の柔軟性や太さに直結するコルテックス、いわゆる髪の毛の芯の部分に該当しているメデュラの3層構造です。
このうちメデュラとキューティクルの太さや大きさを変えることはほとんどできず、この二つの太さはほかの人たちとも差ができにくいのです。要するにコルテックスがどの程度存在しているのかで太さが決まると思ってください。
このコルテックスは髪の毛の9割を占める部分なのですが、遺伝や環境に大きく依存する部分でもありますので、このコルテックスが多く生まれた人は髪の毛が太くなり、少ない人はどうしても猫っ毛気味になります。
猫っ毛にいつなったのか
猫っ毛は猫っ毛でデメリットもありますが、その分メリットもありますので悲観する必要はありません。しかし、この猫っ毛になってしまったタイミング次第ではかなりまずい状況になっている可能性があります。
元から細い人ならOK
髪の毛の総量というのは生まれたときにほぼ決まっております。それは毛根の数で決まってしまうのです。しかし、相対的に髪の毛の太さと本数は反比例しているので、生まれたときから猫っ毛で幼少期からその悩みに直面している人は、猫っ毛の特長を活かした生活をすれば問題ないでしょう。
子供の頃から猫っ毛に悩まされている人はだいたい20歳ぐらいになるとその悩みからも解放される確率が上がります。なぜなら、14~24歳は髪の毛が太くなる時期と言われておりますので、髪の毛の細さが原因の猫っ毛から解放される可能性があるからです。
問題があるのは後天的に猫っ毛になった人
逆に問題があるのは、ある程度大人になってから猫っ毛になってしまったという方々です。その人たちは後天的に髪の毛が細くなったということになりますので、頭皮が透けて見える等のトラブルが発生するようになるでしょう。
つまり、後天的に猫っ毛になってしまったという人は何らかの髪の毛トラブルが発生している可能性があると言うことです。「髪型を整えるためにボリュームアップが必要になってしまった」とか「今までと違って仕上がりがうまくいかない」とか「ヘアスタイルがなんかうまくいかなくなった」という方は気をつけた方がいいでしょう。
後天的に猫っ毛になってしまった人へ
後天的に猫っ毛になってしまった人は、髪の毛が細くなってしまったということを意味しておりますので、このまま放置するのはNGです。そのため、暫定的な対策と恒久的な対策を講じる必要があります。
猫っ毛の弱点を把握すること
子供の頃から猫っ毛という方はある程度自分の髪質ゆえの弱点などを理解しているでしょうが、後天的になってしまった人たちというのはそれらの弱点も知りません。なので、猫っ毛から脱出するまではどのような髪型にすればいいのか等も把握するようにしてください。
たとえば、ボリュームアップにパーマをかけてごまかそうとしても猫っ毛になってしまった髪はかかりにくいということ。そのため、タイプとしては外国人風ヘアアレンジをするとか、ショートヘアやボブをベースにすることになります。ロングヘアも可能ですが、トップの毛が長すぎると髪の重みでつぶれますのであまり推奨されていません。
美容院などで美容師に様々なヘアカタログ等を推奨されることもあるでしょうが、髪質が変わってしまったことで実行不能になっていることも多いので気をつけるようにしてください。
髪型が定まらない人へ
どうしてもその髪質がいやでパーマをかけたいという人もいるかもしれませんが、デジタルパーマのような強い矯正力があるものもあまりおすすめできません。もともとデジタルパーマが向いているのは剛毛タイプの方々といわれており、髪の毛が細い猫っ毛の人がやるのは強すぎるという意見が多く、推奨されていないのです。
このようにいろんなところで制限や自重を求められる髪質になってしまいますので、ピンやゴムを使って髪の毛を整えるという方法も使ってください。アメピンだとずり落ちる可能性もあるので、ヤナギピンのような細い髪をしっかり留めるピンや使い勝手のよいゴムのモビロンゴムを使ってみましょう。使い慣れればボリューム感も出せるようになります。
髪の毛へのダメージに注意
無理矢理髪型をセットするためにワックスやドライヤーを使いすぎると髪のダメージが蓄積されていってしまって髪の毛トラブルが多発するようになりますので、ポイントだけ理解してあんまりいじらないで済む方法をとりましょう。長いと感じたらカットしてしまうのも手です。
短い方が簡単ヘアアレンジで済みますので、後天的に猫っ毛になってしまった人はこれ以上髪の毛に負担にならないような対策を考えて髪型を選びましょう。
デジタルパーマはコテ巻きのような立体感がある質感や外国人風ヘアアレンジにしやすいのでついついそちらを選んでしまいがちですが、安易に頼らない方がいいということも覚えておいてください。
髪の毛が絡みやすいので要注意
元からある程度短い髪型を選択している人ならそこまで気にする必要は無いですが、長い髪型をしている人は絡まる確率が上がってしまっているということを理解してください。
ちょっとでも強い風が吹いて髪の毛が舞い上がると絡まるようになってしまい、髪の毛同士の摩擦が生じて痛みやすい状況が加速します。細くなってしまった髪の毛に摩擦が発生すると切れやすくもなってしまうのです。
猫っ毛のメリットも理解する
猫っ毛のメリットとして太い髪質の人ではなかなかにしにくいヘアスタイルも可能と言うことです。レイヤーストレートのような無造作ヘアも猫っ毛の方ならかわいく収まるでしょう。また、ある程度のまとめ髪も作りやすいので団子アレンジのような髪型もこなせます。
そして、猫っ毛は欧米人に近い髪質なので外国人風ヘアアレンジが可能となっていることも覚えておきましょう。ただし、元々も髪の毛が太い方が猫っ毛になってしまった場合は、頭皮が見えてしまう可能性もありますので、それを考えた髪型にしてください。
後天的な猫っ毛になってしまう原因について
生まれた時から猫っ毛であるという人は、髪の毛の太さの代わりに髪の毛の量を手に入れておりそこまで悲観する必要は無いです。
気をつける必要があるのは、もともとある程度の太さが合ったのに猫っ毛となってしまった人たちでしょう。このような人たちはそこまで量も多くないのに細くなっているということなので、頭皮が透けて見えるようになります。
AGAの可能性あり
猫っ毛は男性でも発生する可能性のある髪質ですが、後天的に猫っ毛になってしまったという人はAGAの可能性があります。AGAとは男性型脱毛症のことで一度発症してしまった場合、本格的な治療を施さない限り止まることはほとんど無いと言われている非常にやっかいな病気です。
AGAについて
このAGAの仕組みを簡単に説明すると、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる非常に強い脱毛作用を促すホルモンを作り出してしまうことが原因となっております。
もちろん、このジヒドロテストステロンは人間の体で必要な機能をもたらしてくれる一面もあるのですが、頭部に大量発生してしまった場合はヘアサイクルを大きく乱して細い髪の毛を大量発生させ、最終的にはハゲになるという原因となってしまいます。
ヘアサイクルが乱れて薄毛に
AGAになると、ヘアサイクル(毛周期)の成長期→退行期→休止期→脱毛→成長期というサイクルの成長期が通常の2~6年から一気に短くなるので、まともに育てなくなります。このまともに育てなくなるという状況の一つが髪の毛が細くなって猫っ毛になるということです。
AGAの原因となるジヒドロテストステロンは5αリダクターゼには2型と1型が存在しますが、2型の方が強力なDHTを作ってさらに量も多くなるということから2型への対応が求められます。この2型が多いのは前頭部や頭頂部の毛乳頭なので、前髪や頭頂部の髪の毛が猫っ毛のようになってしまったという方は気をつけてください。
女性もAGAの可能性はある
基本的にAGAは男性ホルモンのテストステロンが起因するので、男性ホルモンそのものの量が女性ホルモンに比べて圧倒的に少ない女性は発症する確率が男性よりも圧倒的に低いです。しかし、女性であってもこのジヒドロテストステロンが暴れ出してしまう可能性はあります。
その最大の理由が女性ホルモンの現象です。女性ホルモンの分泌は女性では必ずある程度は分泌されるのですが、女性も加齢及び老化が進むことで次第と女性ホルモン分泌量が低下していってしまいます。最も少なくなるポイントは閉経時です。
女性はある年齢になると生理がこなくなる閉経が発生するのですが、このタイミングから一気に女性ホルモン分泌量が減ります。このときから女性は更年期障害に苦しめられるようになるのですが、それと同時に女性版のAGAが発症する可能性も一気に高まります。女性の場合は女性男性型脱毛症(FAGA)と呼ばれているので覚えておきましょう。
髪の毛に必要な栄養バランスが足りていない
AGA以外の可能性として大きいのはこの栄養バランスでしょう、AGAになってしまった人は局所的に猫っ毛が発生しますが、全体的に髪の毛が細くなってしまったという人は髪の毛に必要な栄養素が足りていないと考えた方がいいです。
女性の方は元々AGAにはなりにくいので、女性で髪の毛が後天的に猫っ毛になった場合はこちらが最有力な原因となります。この栄養不足は無茶なダイエットをしてしまった人がよく発生するので気をつけてください。
栄養不足になってしまった人間は、体にとって必要になる栄養素を生きるために重要な部分に分配するようになるので、髪の毛は後回しになります。ダイエットをした結果髪の毛が細くなってしまったという方は髪の毛に必要な栄養素を補給してください。
具体的には、ビタミン・タンパク質・亜鉛といった栄養素です。ダイエット中の人は特にタンパク質と亜鉛の摂取量が少なくなってしまいますので、注意しましょう。
頭皮ケア及び髪の毛のケア不足
髪の毛や頭皮はしっかりとケアをしないと簡単に荒れます。アミノ酸系シャンプーといった髪の毛や頭皮に良いシャンプーというのはたくさん売られていますが、人によって相性があるので評判が良くても合っていないものは使わないようにしましょう。
また、トリートメントを頭皮につけてしまっている人は頭皮が荒れる原因にもなりますので、髪の毛にのみつけるようにしてください。逆にシャンプーは髪の毛の根元、つまり頭皮を重点的に洗いましょう。
あらゆるお客様に推奨される商品なんてものはありませんので、髪質改善のためにも自分に合ったシャンプーやリンスを用意してください。ヘアカラーやパーマなどをして髪を傷めるのは論外ですので注意しましょう。顔にあう髪型を手に入れておしゃれをしたいとか印象を変えたい気持ちはわかりますが、それは髪の毛にはプラスになりません。
これらの知識は美容室にいるプロの方々がかなり保有しておりますし、行きつけのお店でしたら自分の髪質に合っているシャンプーなどの情報を提供してくれることもあります。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れというと範囲が広すぎるのですが、この乱れが髪質に影響を与えるのは事実ですので、あらゆる意味を含めてこのような記載をしました。たとえば、睡眠時間が常に不足している人や睡眠の質が常に悪い人が当てはまります。
睡眠時間が不足している人は日中の疲れを修復することもできなくなってしまいますし、体に必要な栄養素を体中に行き渡らせることもできなくなってしまうので、睡眠時間は必ず確保しましょう。
睡眠の質を低下させてしまう行為に注意
また、寝る直前までパソコンやスマホをいじっているという人は画面から発せられるブルーライトを浴び続けるということになりますので、覚醒状態が長引き睡眠の質が一気に低下します。髪の毛や筋肉の成長に不可欠な成長ホルモン分泌量は最初の睡眠がどれだけしっかりと確保されていたのかに左右されますので、睡眠の質の低下はかなり大きいのです。
逆に睡眠の質が上がる効果のあるホットミルクを飲むとかゆったりとお風呂に入るという行為はプラスに働いてくれます。睡眠の質を高めてゆったり休むことが髪質メンテナンスに関係があり重要なことであるということを覚えておきましょう。
後天的に猫っ毛になった人は要注意!
先天的に猫っ毛であるという人は猫っ毛ならではの悩みに苦しめられているでしょうが、後天的に猫っ毛になってしまったという人は要注意です。特に、前髪や頭頂部のみ猫っ毛になってしまったという人は、AGAの可能性もありますので、気をつけるようにしましょう。
後天的に髪質が変わって猫っ毛になってしまったという方は髪の毛が細くなってしまったというサインですので、しっかりと生活習慣を見直し睡眠の質改善法を実施して自分の髪質を取り戻す努力をしてください。
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