早い人は20代から、多くの人は30代後半になると、「髪の毛、大丈夫かな?」「将来、ハゲたらどうしよう!」となんらかの抜け毛に関する事が気になり出す方が多いようです。第一印象のほぼ100%が顔だとすると、髪の毛ってとても重要です。髪があるか無いかで、その人の印象がガラリと変わります。
現代の研究では、薄毛になる理由や薄毛に良い食べ物、生活習慣、治療方法まで、一昔とは比べものにならないくらい、色々なことがわかってきて、情報も豊富です。手遅れになる前に、薄毛対策に出来ることをコツコツ続けていくことで、あなたの将来の髪の様子が大きく変わっているかもしれません。
目次
育毛に「亜鉛」はなぜ必要か?
育毛サプリを手にとってみてください。「ノコギリヤシ」と「亜鉛」という成分を目にするかと思います。ノコギリヤシの働きは、男性ホルモンが体内で酵素と結びつき、毛髪の成長を抑制する働きのあるホルモンが悪さをしないよう、ブロックしてくれる作用があります。
この役目は、毛髪の脱毛を少しでも防ぎ、毛を成長させることにつながります。では「亜鉛」はどんな目的で配合されているのでしょう?亜鉛は健康維持に必要な「ミネラル」の一種です。髪の主成分はたんぱく質の一種である「ケラチン」という成分です。
亜鉛はそのケラチンを体内で合成することができるので育毛効果がとても高く、必要不可欠な成分といえるのです。
髪の毛の生える仕組み
人の体の中で、生まれてから死ぬまでの間、生え変わらない毛は一本もありません。絶えず生えては抜け、生えては抜け・・を繰り返し、「成長期」「退行期」「休止期」といった毛周期(ヘアサイクル)の中で循環しています。
古い髪の毛が抜け落ちると、頭皮の中の毛根が栄養分を蓄え、次の毛を成長させる準備をはじめ、やがて成長して伸びていきます。健康な髪の毛は、根っこが丸く、マッチ棒のような形状をしています。丸い根っこの部分に「毛乳頭」という呼ばれる部分があり、体の中にはりめぐる毛細血管から栄養分を取り入れ、毛母細胞へ送り込みます。
毛母細胞は細胞分裂を繰り返し、そこでケラチンが髪になって成長し、伸びていく・・というプロセスになっているのです。
「亜鉛」ってなんだろう?
亜鉛は先ほどもご説明した通り体に必要な「必須ミネラル」の一種です。髪だけでなく、爪の成長にも大きく関わっています。
タンパク質でできているもの、つまり伸びていき、やがて抜け変わるといった体の中の新陳代謝を活発にするという効果があるのです。育毛の他には、免疫力アップ、アルコールを分解する働きや抗酸化、・・という働きをしてくれます。体内に含まれる亜鉛の量は、体重70キロの成人で、2gとしか存在しない微量ミネラルで、体内で合成する事が出来ない成分です。
2015年の厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」によると、成人で一日の必要摂取量は8〜10mgとされているので、積極的に食事やサプリメントなどから補給しないと十分な量にならないのです。
育毛と亜鉛の関係
薄毛や脱毛症の男性、特に男性型脱毛症(AGA)によるハゲの場合、前髪の交代、M字ハゲ、つむじの辺りが薄くなるなどの症状がみられます。
男性ホルモンの中のテストステロンという物質が、体内で5αリダクターゼという酵素と結びついた時に、更に強力な「ジヒドロテストステロン」というホルモンにパワーアップした時に初めて、発毛、育毛を阻害します。5αリダクターゼという酵素は、男性型脱毛症があらわれる生え際やつむじ付近に多くある酵素なので、脱毛と5αリダクターゼの関係は密接なことがわかります。
育毛剤やサプリメントに良く配合されている「ノコギリヤシ」と「亜鉛」の組み合わせは、体内で5αリダクターゼの活性化を抑制する効果があるために、男性ホルモン(テストステロン)が「ジヒドロテストステロン」にパワーアップすることを防ぐことを目的とされています。この作用は薄毛改善にとても有効な作用で、育毛剤やサプリの分野でも「AGA対策には亜鉛」といわれているのです。
亜鉛を上手に摂取するには
亜鉛は髪の毛を育てて行くにも、抜け毛を予防するためにも、とても大切な成分だということがわかりました。しかも体内では一切合成されない成分なので、意識して取らなくてなならないため、
毎日の生活で、継続的に、どのように亜鉛を摂取するかが重要です。では具体的にどれくらいの量を、どんな風にとっていくのが良いのでしょうか・・。
亜鉛が豊富な食べ物は?
まずは毎日の食事の中で自然の食べ物の中から意識して摂取したいですね。自宅で食事をとる機会が多い場合は、素材選びやレシピも大切です。
外食が多い方は、なるべく亜鉛が多く含まれているメニューを選びたいので、「どんな食べ物をどれくらい食べれば良いか?」を調べてみました。
ベスト5を知っておこう
食品100gあたりに含まれる亜鉛の含有量は以下の通りです。
- 1位 13.2mg・・・生ガキ
- 2位 5mg〜10mg ・・・豚レバー、ビーフジャーキー
- 3位 4.0~5mg ・・・ほや、牛肉(肩、テール、ひれ、モモ、ミノ)カニ缶、卵黄、蛤
- 4位 3.5~4.0mg ・・・焼きたらこ、牛肉(ランプ、レバー、リブロース)
- 5位 3.0~3.5mg ・・・しゃこ、鶏レバー、ブロセスチーズ、生たらこ、ずわいがに
少量でも心がけたい食品
100gという量を摂取するのは難しい食材でも、付け合わせやトッピング、おやつの代わりやお酒のおつまみなど、毎日の食事にプラスすることで、亜鉛を少しずつでも取れ食品を集めてみました。
ごま、カシューナッツ、ピーナッツ、アーモンド、ひまわりの種、のり、きなこ、グリーンピース、抹茶、バジル
食品として亜鉛を取る場合、気になるのが「熱を通して栄養素が壊れないかどうか」です。ビタミンなどと違って亜鉛は、熱処理に強く、栄養素は壊れないことがわかっています。お肉や魚に多い成分なので、食中毒などの危険性からも調理が必要な場合はきちんと火を通していただきましょう。
育毛サプリメントを活用する
食品以外で亜鉛を摂取する方法は、サプリメントを継続的にのみ続ける事です。食品と違って形や色、鮮度が見えるわけではないので、「何から作られたか」=「原材料」が重要です。牡蠣は亜鉛がダントツに豊富なので、天然の牡蠣から抽出された成分で出来ているのが良いでしょう。
継続的に飲み続けるためにも、安心できるサプリメントを選びたい所ですが、良質のものは値段もある程度の価格になるため、吟味が必要です。次に含有量ですが、成人の必要量の8〜10mgを全てサプリメントに頼らずに、食べ物の工夫もしながら量を調節してできることも大切です。それには一粒でたくさんの亜鉛を取れるサプリメントより、いくつかの粒で量の増減ができる商品を選ぶのもおすすめです。
最近では、インターネットでもアメリカからサプリを並行輸入しているサイトも多く、いろいろな情報も溢れています。サプリ大国であるアメリカは良い製品も多いのですが、一つ気をつけたいのが摂取量です。日本人とは体の大きさも、体質も違うので、体に合わない場合も考えられます。
AGA治療のクリニックに相談
最近ではAGA専門医のいるクリニックも多く増えています。内服できる薬を処方してもらったり、クリニックで推奨しているサプリメントや育毛剤もあります。最初に医師による診断をうけるので何かと安心です。
インターネットで検索するとたくさんのクリニックが出てきますが、中にはとても高額な費用がかかるところもあるようです。いくつかクリニックを回ってみる、口コミサイトなどで事前に良く評判をチェックしてみるなど、準備をしてから掛かり付けを決めると良いですね。
効率よく亜鉛をとる秘訣
亜鉛の多い食品がどんな食べ物なのかを調べてみて、同じ量なら効率よく摂取できる食べ方はないか?と言う考えに至かと思います。食べ物やサプリメントには、一緒に摂取する事で吸収率が上がる、相性の良い食品があります。
これも知識として持っている事が大切です。外食の時も、家で自炊するときも、知っているのとそうでないのは大違いです。
一緒にとりたい栄養素は?
亜鉛はそのままでは体内への吸収率のとても低い成分で、厚生労働省の調べでは30%と言われています。まずは効率よく亜鉛をとるために、一緒に摂取したい吸収率アップの栄養素をご紹介します。
ビタミンC
抗酸化作用のできる成分の代表格のビタミンCは、熱処理に弱いので、是非生の果物や野菜から摂取したいところです。果物ですと、一番多く含まれるのが「ゆず」、次いでレモン、柿、キウィフルーツ、いちご、オレンジ、グレープフルーツと続きます。生牡蠣にレモンをかけていただいたり、カキフライにレモンが添えられているもの理に叶った摂取方法です。
野菜から摂取する場合は、長時間ゆでてしまうより、蒸し器で蒸したり、レンジで加熱する方が良いとされています。赤ピーマン、ブロッコリーなどサラダも一緒に食べる事を心がけましょう。
クエン酸
「酸っぱい!」というイメージのクエン酸ですが、ビタミンCと同じ食品に含まれる事も多く、レモン、グレープフルーツ、お酢、梅干し、パイナップルなどに多く含まれます。イメージしただけで唾液が出そうなものばかりですが、ビネガーを上手につかうとお肉料理との相性も良さそうですね。
マカ
マカは女性ホルモンと似た役割をしてくれたり、男性の精力を増強したりと、疲労回復効果の高い成分で、男女ともにホルモンバランスを良くするための成分です。南米のペルーが原産で標高の高い山に生息する植物です。マカにはビタミンE、アルギニンなど頭皮の健康状態を良くし、毛髪を太く成長せさる効果があります。
動物性のタンパク質
私達の体の20%を締めるタンパク質は20種類以上のアミノ酸で構成されており、髪や爪だけでなく、筋肉や皮膚などをつくる大切な栄養素です。動物性タンパク質は肉、魚、卵、牛乳などに多く含まれます。亜鉛と一緒にとると、亜鉛の吸収率が上がるので、牡蠣にレモン、牛肉や魚にゆずポン酢などおいしい食べ方の工夫がたくさん出来そうです。
亜鉛の吸収を阻害する成分
ただでさえ体への吸収率が低い亜鉛ですので、吸収を妨げるものと一緒に食べてしまうことは避けたい所です。しっかりとした知識をもって食べ合わせに気をつけましょう。
ポリリン酸
ポリリン酸はリン酸塩の一種で、カルシウムについで多いミネラルです。肉のプリッとした弾力を作ったり、保湿性を高めたりと食品添加物の一種として加えられていることがとても多いです。亜鉛の吸収を妨げるだけでなく、インスタント食品やジャンクフードなどに添加物として多く含まれており、体の為にもこれは極力避けるべきです。
フィチン酸
抗酸化作用、血液サラサラ効果などの嬉しい効果のあるフィチン酸も、亜鉛の吸収を妨げてしまうビタミンB群の一種です。米ぬか、小麦、米、インゲン豆、トウモロコシなどに多く含まれます。特にパン、パスタなどに多く含まれ、亜鉛の吸収を阻害するので、一緒にとるのは避けましょう。
食物繊維
亜鉛だけでなく、体のほとんどの栄養素は腸管で体内に吸収されます。食物繊維は、腸のお掃除をする効果が高いので、吸収したい亜鉛も一緒に絡めとって排出してしまうリスクが高まります。食物繊維は便秘解消にとても良い成分ですが、亜鉛を積極的取りたいときは、別のタイミングで摂取するようにしましょう。
亜鉛の取り過ぎに注意!
どんな食べ物でも過剰摂取は、禁物です。毛髪に良いと思うが故に、どんどん摂取してしまうと帰って体に異変が起こる原因となります。
体の中のミネラルバランスは、過多になると「過剰症」の症状が現れ、少なすぎると「欠乏症」の症状が現れます。亜鉛はミネラルの一種で、取りすぎても「毒」となる可能性はそれほど高くはないと言われていますが、こんな症状がでたら注意が必要です。
こんな症状は亜鉛のとりすぎかも?
一番多い過剰摂取の症状として、めまい、吐き気が多くみられます。この症状は日頃の疲れがたまって何となくダルいという感じと良く似ているので、亜鉛の取り過ぎと意識するのは難しいかもしれません。
病院で診察してもらうほどではない程度の不調でも、なにか原因があるものです。一日の摂取量をきちんと見直し、それでも改善されない場合は少し量を調整するもの必要です。
亜鉛は知らない間に消費されている!
亜鉛は私達の毎日の生活で、様々な場面で消費されています。誰しもが必ず感じた事のある「ストレス」ですが、そのストレスを下げる場合にも亜鉛が消費されます。これは抜け毛とストレスの関係がとても深いことの証拠でもありと言えるでしょう。
また過労などで体力を消耗するときや、お酒を飲む時にも消費されるので、こういった生活習慣は、薄毛になりやすい年代の男性と重なるので、より気をつけていきたいところです。
ホームケアでできること
薄毛対策として、摂取すべき食べ物やそのバランスについてご説明してきましたが、他に出来る大切な改善方法があります。頭皮の環境を良くするには、育毛に効果の高いシャンプーを使用する、育毛剤を使う、頭皮マッサージをするなどです。
これらは日々の積み重ねで直ぐに効果ができるわけではありませんが、確実に薄毛改善へと向かう大事な習慣です。
育毛剤ランキング
薄毛の悩み、疑問などにとても役立つ情報を掲載しているハゲラボ(https://hagelabo.jp/)に「抜け毛がひどい人におすすめな育毛剤10選!」という育毛剤の紹介記事が掲載されています。
こんな症状のひとにはこの育毛剤・・といったように、症状別にあった育毛剤の選別と、実際に使ってみた使用感をユーザーの声とともに掲載しています。自分の髪質や肌質、抜け方や抜け具合など薄毛の特徴は十人十色です。信頼できる育毛剤選びの参考にしてはいかがでしょうか。
まとめ
ハゲには「亜鉛」と一般的に聞いことがあっても、知識のないまま体に摂取してしまうのではとても危険です。自分自身の体におこっている症状は、自分が引き寄せてしまった事として、しっかりと生活習慣から見直す事が大切です。
どんな食べ物をどのようにとるか、足りない部分を補うためのサプリメントはどんなものが良いか、どれくらいの量を摂取するべきかなど知っておくべき知識はたくさんあります。インナーケアと同時に、するべきホームケアは何だろう・・・などなどひとつひとつ今日から行動に移して即実行から始まります。髪の育毛には長い時間の根気が必要です。
5年後の自分が、今よりもひどい状態にならないように、いま出来ることからスタートしてみましょう。
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