髪の毛をカラーリングするというのは身だしなみの一つとして日本でも当たり前のように受け入れられております。髪色を変えるためにカラーリング剤を使うことも、髪型を思い切って変えるためにストレートパーマをかけることもあれば縮毛矯正をかける人もいるでしょう。
しかし、それらの行いについての共通点が一つあります。それが髪に対してのダメージになるという部分です。ダメージがあるということを知っている人でも、どのレベルまでダメージがあるのかを知っている人は少ないでしょう。今回は、髪を染めたりパーマをかけるという行為がどの程度のダメージになるのか、薄毛につながってしまうのかを調べます。
目次
髪を傷める行為まとめ
髪の毛を傷める行為というのはいろいろとあります。それこそ、髪を染めるとかパーマをかけるとかいろんなことが想像できるでしょう。ここでは、それらの行動をまとめていき、どのような行動が現代社会において髪にダメージになるのかを考えていきます。
カラーリング
カラーリング、いわゆる髪染めはもちろん髪のダメージになります。カラーリング剤は薬剤の力を使ってメラニン色素を破壊し色を定着させるという方法なので、どうあがいても髪の毛にダメージが入ってしまいます。
カラーリングの仕組みについて
カラーリングをすることが髪の毛に対してダメージになるということはほとんどの方が知っていますが、そのダメージにつながる仕組みはカラーリングで髪が染まる方法を理解することでよくわかってきます。
カラーリングの仕組みは酸化染料やアルカリ剤の1剤と酸化剤の2剤で行うのですが、まずはそれを髪の毛につけます。1剤中にあるアルカリ剤がキューティクルを開きますので、その開いたところから薬剤を浸透させていくのです。アルカリ剤によって2剤も分解されるのですが、この分解によって酸素が発生するので、その酸素によってメラニン色素を脱色させていきます。
その脱色に合わせて、染料を発色させていくのです。ここで発症した染料が分子同士でくっつくようになるので、開いたキューティクルからも出ていかなくなり髪の毛が染まるのです。
ここでポイントとなるのがキューティクルを強制的にこじ開けるという行為を実行していることにあります。この行為によって、髪の毛にダメージが入りやすくなって、さらにはコルテックスにまで悪影響が出ていることからだんだんとボロボロになっていくのです。
パーマ
パーマといっても種類があります。ストレートパーマ・縮毛矯正・デジタルパーマ・コールドパーマ・クリープパーマなど選択肢が豊富なのです。この中でも比較的ダメージが少ないといわれているのが、熱を加えなくてもパーマ液の成分で形状を記憶させる方法にあります。いわゆる、コスメパーマや水パーマも該当するでしょう。
ただし、効果の強いパーマではないので、もともとの癖が強い人は使いにくいという欠点があります。それ以外の熱を加えるパーマはどうしても髪の毛にダメージになってしまうのです。美容院に行って専門家に実行してもらったとしても、ダメージをなくすことは出来ません。
濡れた状態で寝てしまうかブラッシングをする
濡れた髪の毛は刺激に対して非常に弱いです。その状態で寝てしまうと髪同士の擦れや枕との摩擦だけでも大ダメージとなります。また、濡れた状態でブラッシングをするのも大変危険です。トリートメントを付けた後にブラッシングをして整えるという方も中にはいますが、やめたほうがいいでしょう。
どうしても、ブラッシングをしたいのなら、できる限り粗目のブラシを使ってください。ブラッシングの方法も津から任せに擦ってしまうと摩擦によってダメージになってしまうので、摩擦の置きにくい豚毛や猪毛のブラシを使ってください。
オーバードライ
オーバードライとはわかりやすく言うと髪の毛の乾かしすぎです。髪の毛が濡れたままではダメージになるということを理解している人ほど、やってしまう行動となっております。長時間のブローはタンパク質の弾力性が失われるので、ダメージが一気に増大するのです。
ドライヤーを使う場合も20cm程度は離して実行するようにしてください。また、7割程度乾いたと感じたのなら、冷風にチェンジするのが効果的です。ここまで説明すると乾燥させるのも面倒くさいと感じてしまいますが、自然乾燥はキューティクルが開いた状態を維持し続けることになるのでもっとNGです。
熱いお湯を髪の毛にかける
熱いお湯を頭からかぶると、目が覚めるので人によっては当たり前のように行っている方もいるかもしれませんが、熱いお湯を髪の毛に当ててしまうと、髪の膨らみの原因になってしまい、カラーリングも落ちやすくなってしまいます。
シャンプーの使い方
髪を洗うときに現代人はシャンプーなどを使いますが、シャンプーの使い方を間違ってしまった場合は髪の毛のダメージになります。シャンプーを使う前に必ずブラッシングをして水で髪の毛をすすいでください。それだけでもかなりの汚れが落ちます。
その後はシャンプーを泡立ててから髪の毛につけるようにしてください。ここで頭皮にまでつけてしまうと頭皮環境の悪化につながってしまうので要注意といえるでしょう。
パーマやカラーリングはハゲにつながるのか
このように髪の毛に悪い行動はいろいろとあるのですが、これらの髪の毛に悪い行動は直接的にハゲにつながる行動になるのでしょうか。ここではパーマやカラーリングでハゲになってしまうのかを考えていきます。
カラーリングを使うと結果的にハゲにつながる可能性はある
カラーリングそのものは髪の毛を変質させるものであって、毛乳頭などの毛根を変質させるものではありません。そのため、茶色に使用が金髪に使用が脱毛にはつながらないのです。黒上から毛染めをしたいという方には朗報といえるでしょう。
ただし、これらのカラーリング剤は根元までしっかりと塗り込みます。つまり、頭皮に影響を与えるのです。カラーリング剤は薬剤です。それは白髪染めであっても同じことで毛染め剤を頭皮に直接つけた場合は炎症が発生する可能性があります。
頭皮が炎症してしまうと髪の毛も正常に生えてこられなくなるので、抜け毛につながってしまうでしょうし、毛穴詰まりが発生するので髪の毛が生えてこなくなる可能性もあるでしょう。
結論としては、発毛機能には悪影響は与えないので直接的に脱毛にはつながらないけど、頭皮環境の悪化にはつながってしまうということで、脱毛を促してしまうかもしれないということになります。
パーマをするとハゲにつながる可能性もある
こちらも、ハゲにつながる可能性があるといえます。これもカラーリング剤を使ったときとは同じ説明にあるのですが、パーマをする場合は強い薬剤を使うことになるので、それらが地肌に接触し、接触性皮膚炎を引き起こすことがあります。
この皮膚炎は刺激があるものやアレルギー物質に触ったときに炎症が発生するものであり、人によってはかゆみやフケやかぶれにつながってしまうこともあります。炎症があまりにもひどくなってしまった場合は、抜け毛がごっそりと発生するようになるので、円形脱毛症のような状態になってしまうでしょう。
ただし、この炎症は一時的なものなので、時間が経過してケアをすることで元の状態に戻すことができます。永続的に脱毛状態が続くわけではないのでそこまで強く心配する必要はありません。
髪の毛が細くなっていることでハゲに見えるかも
パーマ剤やカラーリング剤はキューティクルをめくります。このキューティクルをめくるという行動は、髪の毛に対してダメージを与えやすい状態にしてしまうことにもなりますが、髪の毛を構成しているコルテックスを流れ出してしまうようになります。
髪の毛は一番中心にメデュラがあり、メデュラを覆うようにコルテックスが存在し、一番外側にキューティクルが髪の毛全体を保護するようにいるのですが、髪の毛の太さを決めているのはこのコルテックスの量なので、コルテックスが一気に排出されてしまうようになると、髪の毛が細くなってしまいハリやコシが失われます。
一度コルテックスが流出してしまうと、元に戻ることはありません。つまり、いつまでも細いままになってしまいます。
髪の毛が細い日本人には致命的
この細い髪の毛というのは日本人にとってかなり致命的です。日本人は髪質的にかなり太い人種ですので、それが細くなると頭皮が透けて見えます。頭皮が透けて見えると、結果的にハゲて見えるようになってしまうのです。言い方を変えると、ボリューム不足になります。
あまりにも自分の癖毛や髪質が気に入らないという方は髪の毛にいろいろと手を加えたくなるものですが、髪に対するダメージが気になるという方は癖がそこまで強く出ないベリーショートにカットしてもらうのもいいでしょう。メンズなら抵抗感も少ないのではないでしょうか。
パーマやカラーリングはAGAとは関係ない
日本人男性の髪の毛事情を苦しめるAGAですが、このAGAとカラーリングやパーマは関係があるのでしょうか。AGAはかなり有名になった脱毛症なので、言葉だけでも聞いたことがあるという方や、なんとなく心配であるという人もいるでしょう。この度はその関係性を見ていきましょう。
AGAとは無関係
パーマやカラーリングはハゲになってしまう原因になりかねませんが、AGAとは無関係です。カラーリング剤に含まれる酸化染毛剤は強いアルカリ性の物質が含まれています。頭皮は基本的に弱酸性なのですが、アルカリ性の成分が接触すると強い刺激になってしまうのです。この強い刺激によって、炎症や荒れを引き起こすだけMなので、AGA(男性型脱毛症)とは無関係です。
これは浸透性が強い・弱いといった作用は関係ありません。そもそも、このAGAは男性ホルモンや酵素の働きによって引き起こされるものであり、パーマやカラーリングなどの薬剤を使ったところで、これらのホルモンや酵素に影響を与えるわけではないのです。
AGAの仕組みを理解しよう
そもそも、この男性型脱毛症は男らしく見せるために必要な男性ホルモンのテストステロンが、頭に存在する5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)という脱毛ホルモンになってしまいます。このDHTが毛乳頭にある男性ホルモンレセプターと結合することで、脱毛因子である「TGF-β」を増やしてしまうのが原因なのです。
このTGF-βが発生してしまうと毛乳頭や毛母細胞に対して髪の毛の成長を止めるように命令を出すようになって、ヘアサイクルが大きく乱れるようになって、抜け毛が増えていきます。こうなると徐々にうぶ毛化が進行して、薄毛になっていって、最終的にはハゲになってしまうのです。
AGAに苦しめられる人たちは育毛剤や発毛剤を使ったヘアケア対策が必須です。毛量が気になるレベルにまで現状してしまった方は、AGAクリニックによるAGA治療薬を使った本格的な治療も必要になってしまいます。
また、AGAによる悩みを抱える前から、育毛対策として育毛剤を使うとか、生活習慣を見直すというやり方もありますので、覚えておくといいでしょう。ハゲ予防はハゲになる前から実行してください。
AGAの人は頭頂部と前頭部が危険
基本的にAGAの人は頭頂部と前頭部から一気に薄くなります。なぜならDHTを作ってしまう5αリダクターゼの2型が集中しているからです。この5αリダクターゼは1型と2型が存在しておりますが、DHTを大量発生させてしまうのは2型のほうなので、2型が集中している頭頂部や前髪は抜け毛が集中してしまいます。サイドはなかなか禿げないのです。
いわゆるM字ハゲやトップハゲはAGAの可能性が高いと理解してください。ちなみに、女性の場合は女性ホルモンが一気に低下する更年期になってからが要注意で、女性でもAGAになってしまうことがあり、その時は頭頂部と前頭部ではなく全体的に髪の毛が減っていきます。
髪をいじる人が薄毛に見える理由について
髪の毛に対してカラーリングするとかパーマをかけることが当たり前になっている人は、何もしない人に比べると、どうしても透けて見やすくなります。これは先ほど説明したように、コルテックスが抜け落ちてしまうことが原因で地肌が透けて見えるようになってしまうのです。この時点で昔からの変化に気が付きやすい人なら「ハゲかな?」と理解してしまうでしょう。
また、AGAは生活習慣の乱れ・ストレス・食生活・タバコ・お酒・遺伝などの様々な原因が含まれておりますので、これらの原因が重なっている人はAGAも進行します。髪の毛が細い状態でAGAも少しずつ進行しているという方は、急速的にハゲていると見えるのではないでしょうか。
カラーリングやパーマでハゲて見えないようにするには
頭皮環境や髪の毛のダメージを考えると、パーマやカラーリングはしないのが正解です。しなければ悪影響は一切発生しません。とはいうものの、地毛が天然パーマで気に入らないという方はパーマを楽しみたいと思いますし、黒髪に飽きた方はカラーリングをしたいと思ってしまうのです。
そこで、カラーリングやパーマをしたいけど、ハゲに見られないようにするためにはどうしたらいいのかを考えていきましょう。天パが嫌でスキンヘッドにする前にいろいろと対策を講じてください。
頻度を抑える
もっとも単純なことではありますが、使用頻度が多ければ多いほど、髪の毛に与えるダメージが増えていきキューティクルが開く割合も高くなるので、コルテックスが流出する可能性も一気に高まります。
髪の毛は必ず徐々に伸びていくものなので、根元の部分が気になってついつい染めてしまうという人も多いのですが、高頻度でパーマやカラーリングをしてしまうようになるとそれだけ蓄積されるダメージも増えます。
最適な頻度についてはいつも議論されていますが、そこまで気にしないという方なら3カ月に1度程度、ちょっと気になるという方は2か月に1度程度に頻度を抑えてください。毎月髪の毛に刺激を与えるのはちょっと怖いです。
美容室を利用する
ヘアスタイルを整えてもらうためにも多くの方々が鵜利用されている美容室ですが、ここにいる方々はプロなので、髪の毛を染めるとかパーマをかけるという行動にも大変慣れております。家の中でパーマやカラーリングを行うという方も多いでしょうが、髪の毛や頭皮ダメージを減らしたいのなら専門家に頼ったほうが安定します。
なぜなら、彼らはその後のケアもしっかりとしているので、髪のダメージや悪影響も最小限に抑えてくれます。坊主頭の人はヘアスタイルを気にすることはないでしょうが、髪の毛をいろいろといじってみたいという方は美容師の力を借りてください。
できる限り弱いものを使う
パーマやカラーリングをするときは薬剤の強さで選ぶことも大切です。カラーリングの場合は出来る限りアルカリを抑えることで脱色によるダメージが軽減されて、悪影響を減らすことができるようになります。明るくすれば明るくするほど髪の毛は細くなり刺激も強くなるので、頭皮にも髪の毛にもダメージが入りやすくなるでしょう。
ヘアカラーやパーマはほどほどに
ヘアカラーやパーマはファッションの一部ですので問題はないのですが、それが原因でどうしても髪の毛にダメージが出てしまうのは避けられません。AGAとは無関係ではありますが、ハゲの原因になりかねないのです。
そこで、それらの被害を抑えるためにも美容院の力を借りて被害を最小限に抑え込むことをお勧めします。髪の毛のダメージが多すぎて細く見えるという方は頻度や薬の強さも考えて使うようにしてください。
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