髪の毛とのつきあい方というのは時代ごとに大きく移り変わるものです。現代人はシャンプーやリンスを当たり前のように使う時代となっていますが、そのようなものがないときは別の方法で髪の色艶や髪質を維持し続けました。その別の方法の筆頭がブラッシングだったのです。
しかし、ブラッシングには薄毛を加速させるとか抜け毛を増やすという噂が発生してしまったので、マイナスイメージが定着している人もいます。
そこで、今回は薄毛とブラッシングの関係を見つめ直し、本当の効果を確認していきたいと思います。
ブラッシングをすることで薄毛は悪化するのか?
ブラッシングには様々な疑問があるのですが、その中でも最大級の疑問は抜け毛が増加したという意見と、抜け毛が減ったという意見が混合していることです。これが非常にややこしく、実行をためらう人が多くなる最大級の原因となっております。誰だって、薄毛や抜け毛予防でやっているのに悪化してしまったらいやなものです。
結論から言うと、正しく使えている人たちは薄毛や抜け毛予防につなげることができるでしょうし、誤った使い方になってしまっている人は薄毛や抜け毛の原因になってしまうということになります。つまり、ネット上の意見は両方とも正しいということなのです。
それでは具体的に、どのようなことをすると、ブラッシングで抜け毛や薄毛が悪化してしまうのかを調べていきましょう。身近にあるものだけに、気軽に使っている人も多いでしょうが、そのような人たちこそ、この部分をよく読むようにしてください。
強すぎるブラッシングは逆効果になる
ブラッシングの効果を最大級に推し進めている人たちでも、必ずデメリットというものを強調しております。その中でも実行してしまっている確率が高いデメリットは頭皮を傷めるレベルのブラッシングをしてしまっている人たちでしょう。
毛乳頭や毛髪組織を傷つけている
実際に強すぎるブラッシングで頭皮をこすってしまうと爪でひっかき続けている状態を続けることに匹敵するので、髪の毛を引き抜いてしまう確率が上がります。無理矢理引っ張る形になってしまうので当然の帰結ですが、気がついたときには薄毛が悪化して頭皮が透けて見えるようになったら最悪といえるでしょう。
たとえば、皆様が朝起きたときにどうしても寝癖が強く出てしまいがちで、時間もないからといって無理矢理毛束をとくようにガシガシとこするという経験をしたことはないでしょうか。これが1回や2回だけならいいのですが、繰り返されてしまうと毛髪組織が破壊されていくようになるので、薄毛が加速します。
コルテックスも分解される
髪の毛の強さの元はコルテックスにあるのですが、それも強すぎるブラッシングで刺激され続けてしまうと、ばらばらに分解されるようになってしまい、薄毛や抜け毛だけではなく切れ毛も増えてしまうでしょう。ここまで悪化してしまうとなかなか改善できなくなってしまいます。
ブラッシングをする人の中には、いきなり頭皮に当たるぐらいブラシを入れてから、引っかかっても無理矢理一気に引っ張るように梳く人もいますが、それをやるくらいならブラッシングはしない方がよいということを覚えておいてください。
ブラシで頭をたたくのもNGだった
頭部への一定の刺激は毛髪活性に一役買うということで、漫画やドラマなどでのちょっとしたワンシーンで、髪にお悩みのおじさまが頭をトントンとたたくシーンが使われますが、あれはNG行動であるという見解が現代の頭髪改善を意識している方々からは出てくるようになりました。
その理由はブラシを使って頭皮をたたくという行為は無駄に刺激をするだけであり、頭皮を傷める行動の一つとなってしまうので無意味であるというものです。まず、頭皮は皆様が想像しているよりも相当柔らかくできている弱い皮膚なので、柔らかいブラシであったとしてもたたくのは状態悪化につながってしまうのです。
特に、毛細血管は刺激に非常に弱くちょっとした外部からのダメージでも悪影響が出てしまうようになるので、それが壊されてしまうと毛細血管が運んでくれる栄養素が頭皮に届かなくなります。これでは薄毛が加速してしまうのも納得ではないでしょうか。
マッサージの一環として取り入れているかたもいるかもしれませんが、その影響で状況が悪化してしまった人もいるでしょうし、そこから「ブラッシングをしたけれど薄毛が悪化した」という意見が出るようになった人もいると思われます。
髪の毛の流れを無理矢理変えるのもNG
ある意味髪の毛に対するブラッシングの使い方としては正しいのですが、毛根などを考えた場合にはマイナスの作用が強いのが、髪の毛の流れを無視して無理矢理一方向に持って行くというスタイルです。多いのが、ちょっと薄毛が目立つようになった部分を隠すために周りから髪の毛を持って行く時でしょう。
髪の毛の流れを意識しないでも自然と隠せるのならいいのですが、隠すためにも無理矢理髪の毛を持ってくるようにすると、強引に引っ張ることと同義になってしまうので、髪の毛がどうしても抜けやすくなってしまいます。
また、無理矢理髪の毛を持って来るようにした場合、ブラッシングだけではうまくいかないことが多く、その後に整髪料をつけてさらに固定化しようとするでしょう。固定化するときにも何度もなでつけて髪の毛と毛根に無茶を重ねていくので、薄毛や抜け毛が一気に増加します。はげを隠すためにほかの部分へ悪影響をもたらすのは意味がないでしょう。
ヘアスタイルをヘアクリームやヘアオイルを使い、頭頂部のハゲ対策として毛流れでごまかしてきたという人、特に男性の方々は要注意といえます。習慣化している人もいるでしょうが、控えるようにしてください。
薄毛を改善するブラッシングの正しいやり方について
正しいやり方を理解していない人の方が多いといわれているブラッシングです。そのためこの場では正しいやり方を皆さんに紹介したいと思います。
強すぎるのはNGであるということを念頭にお聞きください。
ブラッシングの方向や力加減は?
ブラッシングのやり方もずれている人がいるかもしれません。ずばり、毛先の部分から少しずつ髪をとってブラッシングをするというやり方です。生え際などの根元からブラッシングを一気にした方がよいと解説する人もいますが、それでは強い負荷がかかりやすいので、徐々に根元に近づけるというスタイルの方がいいでしょう。
最初に毛先を優しくほぐしてから頭皮から毛先に向かってブラッシングをするというスタイルでもよいでしょう。いきなり根元からスタートするのだけはやめてください。朝の起きかけでこのように実行する人が多いので、必ず毛先をほぐすことから始めましょう。
力加減はなかなか制御するのが難しいと思いますので、ブラシの柄の真ん中部分を持つようにすればやりやすくなります。この部分を持つと力を強く入れにくくなるので、加減が容易になるのです。ブラシの真ん中を持って実行すれば極端に力が入らないので頭皮が傷つく確率が下がります。
また、毛の流れに逆らうようにすると、力が強くなりがちですので、必ず流れに逆らわないようにブラッシングしましょう。回数も数回から10回程度で十分です。何度も繰り返すとキューティクルにダメージになってしまいはがれる可能性も上がるので逆効果になります。
タイミングについて
ブラッシングのタイミングは意見が分かれるところではありますが、いつでもそれなりの効果を発揮することができるという評価は変わらないようです。ただし、ベストのタイミングで実行することでより大きな恩恵を受けられるようになるでしょう。それは、朝と寝る前とシャンプーをする前です。
朝
朝は、寝癖がついて髪の毛の状態もぼさぼさになってしまう方々も多いので、整えるためにもブラッシングを有効活用してください。朝に育毛剤を使うという方は、ブラッシングによる軽い刺激も毛髪活性に一役買ってくれますので、育毛剤がより浸透しやすくなります。
シャンプー前
シャンプーをする前だと、余計な汚れや皮脂やほこりをある程度除去できるようになるので、シャンプー剤を多く使わなくても汚れが落ちやすくなるのです。また、髪のもつれが発生していたとしても、ブラシで梳くようにすればある程度は解けるので、シャンプーをしているときの指通りも確実によくなり、抜け毛も減ります。
シャンプーの効果が上がるので、美髪効果や洗浄効果も上がり、ツヤも出やすくなるでしょう。その後の発毛剤使用やマッサージ効果による血行促進も出やすくなります。発毛も実感しやすくなることでしょう。
就寝前
就寝前では適度に刺激をすることにつながるのでリラックス効果を引き出しやすくなり、睡眠の質を上昇させ、成長ホルモンによる髪の毛の成長にもより大きな期待ができるようになるため、実行した方がよいといわれております。
帰宅後
それ以外には、帰宅時に実行するのもいいでしょう。屋外には目に見えないほこりなどをかぶってしまう可能性も高く、特に肉体労働が多い方々の場合は髪の毛や頭皮に汚れがつく確率も上昇してしまいます。帰宅時に行えばそれらの汚れを素早く取り除けるという効果があるでしょう。
髪の毛が濡れている時には使わないようにする
女性の方々は髪の毛も長い方が多いため、お風呂で髪を洗った後はいろいろと手入れをする必要があります。そのときにドライヤーを使って乾かすとかブラッシングをするという行動が発生するでしょうが、濡れている状態でのブラッシングはNGです。ロングヘアの方は特に気をつけましょう。
濡れた髪の毛はキューティクルが開いている状態になっており、トリートメントなどの効果を受けやすい状態になっています。しかし、キューティクルが開いている状態ということは、状況次第では髪の毛の中にある水分や栄養素が出てしまう危険性もあるということなのです。
この髪の毛が濡れている状態で、ブラシなどでこすってしまうと、キューティクルが開いている状態で刺激を与えてしまうということになり、大ダメージにつながります。これは強くタオルで髪の毛を拭くのも同じことなので、最近切れ毛や枝毛が多発している人は、お風呂上がりの髪への対応を見直してみましょう。
薄毛を改善するブラシの選び方について
正しいやり方やタイミング、そして使い方を理解していたとしても、その効果を全く発揮できないということも状況次第ではあり得ます。その最たるものが、使うブラシ選びを間違ってしまうことです。そこで、ここでは正しいブラシの選び方を紹介します。
育毛ケアや育毛効果につながり血行促進作用もあるブラッシングですが、猪毛ブラシや獣毛ブラシや軟豚毛など天然毛を利用した高級ブラシ、使いかってのよいパドルブラシ、頭皮ケアができるケアブラシ、クッションブラシやナイロンブラシ、色々とあるので選び方を理解してください。
クシやロールブラシでは意味がない
ブラシは実はいろいろと種類があり、使い方や用途が異なります。実際に美容室などに行ってみると、様々なブラシが用意してありますので、びっくりすることでしょう。素人目からではどのような差があるのかわからないと思いますが、そのように種類がある理由は状況次第で最適なブラシが異なるからなのです。
特に、親と同居して家で暮らしているという方は、家にあるものをそのまま使ってしまう傾向にあるのですが、それがブラッシング用のブラシではないということが非常に多くあります。材質も20年以上前のものでは頭皮に対して悪影響になってしまう可能性も高いでしょう。クシやブローの時に使うロールブラシを使用するのも間違いとなります。
金属製や固い素材はNG
ブラッシングはどのように優しくケアするように実行したとしても、確実に頭皮に当たります。そのため、頭皮に当たる部分が固い素材や金属質のものだと刺激が強すぎるためNGです。それ以外の素材を選ぶようにしてください。
具体的には、イノシシや豚毛のような動物の毛で作られたブラシがいいでしょう。動物の毛なので毛質が非常に柔らかく金属製のものや固いものに比べると雲泥の差があります。ただし、メンテナンス性にちょっと難があります。ブラシの密度が非常に高いのでほこりがたまりやすいのです。
それ以外にはポリエチレン製のものかナイロン製でもいいでしょう。お手頃な価格になっており、使い勝手もよく軽いと利点が多いです、密度はそれほど高くなくこれらの素材は丸洗いできるものも多いので、メンテナンス性もよいでしょう。ポリエチレン製の方が静電気は起きにくいといわれていますが、これは評判から選ぶといいでしょう。
また、最近ではブラシ業界にも新要素が導入されることが増えてきており、特殊な能力を持っているものも登場しました。たとえば、ブラシ部に天然鉱石トルマリンを練り込んでマイナスイオンが出るようになったものや静電気除去リングが取り付けられたものもあるので、いろいろと探してみると新発見ばかりで驚くことになるでしょう。
新要素が満載のブラシでも、価格が抑えられて作られているものが非常に多いので、これらの中から選んでみるのもよいのではないでしょうか。とりあえず、ブラッシング用のヘアブラシを一本用意することからスタートしてください。
メンテナンスはしっかりすること
また、ブラッシングも使えば使うほど汚れます。皮脂や雑菌や埃などがくっついてしまうので、定期的にメンテナンスが必要になるのです。あまりにも長期間放置すると、雑菌が繁殖してしまうので、ブラッシングの効果が劇的に落ちます。
ブラッシングの手入れはシャンプー剤をぬるま湯に入れて溶かして、その中で洗ってあげるだけで十分です。ただし、洗うときにはしっかりとシャンプー剤を落として、完全に乾燥させるようにしてください。どちらかでも不十分だと雑菌がつく確率が上昇します。
今ではブラシクリーナーなども売られていますので、ブラシ素材に適応したものを購入して、メンテナンス時に使用して、ブラシを清潔な状態に保つように意識付けを行うようにしてください。
正しく使ったブラシの効果を再確認
それでは、ここで原点に返るべく、正しくブラシを使ったときに発揮される効果について再確認していきたいと思います。これらの効果を狙ってブラシを使っていた人も多かったのですが、誤った使い方および誤ったブラシを使ってしまったことで、これらの効果を得ることができなくなっていたのです。
シャンプーの効果が上がる
昔と比べるとヘアケア用品の性能は格段にアップし、成分一つをとっても無駄にしていない作りになっているものも非常に多くなっております。その最たるものがシャンプーでしょう。そのシャンプーの効果がブラッシングを行うことで一気に上昇します。
シャンプー前、つまりお風呂に入る前などにブラッシングを行うと頭皮についていた埃や老廃物による汚れが浮き立つようになり、より効果的に汚れを除去できるようになるのです。頭皮の汚れをすっきりさせることができれば、その後に育毛剤などを使うことでさらなる効果アップにつながります。
薄毛や抜け毛が減る
優しく頭皮の汚れを落として、刺激をさせるように動かすことができれば、頭皮の血行がマッサージと同じく上昇するようになるため抜け毛や薄毛防止につながるでしょう。この効果を狙って実行していた人も多いでしょうが、やり方が荒い人や用具選びを間違っていた人が多かったので、逆効果になっていた人がたくさんいたのです。
頭皮の皮脂が毛先まで届く
ブラッシングをしっかりと行っている人は、頭皮に発生している皮脂が髪の毛全体に行き渡るようになります。これはブラッシングをしている人だけの特権みたいなもので、していない人は皮脂が頭皮にたまるだけで終わってしまい、保護されるのは根元だけになってしまうのです。
そのため、正しいブラッシングを毎日続けている人は皮脂に髪の毛がしっかりと守られる状態が続くので、年単位で比較すると別人のような髪質になることもあるでしょう。薄毛や抜け毛予防になって、髪質改善にもつながる最高の方法なのです。
まとめ
ブラッシングは悪であり、やればやるほど抜け毛が増えて状況が悪化するという風潮は確かにありました。その理由も誤った方法を実行することで確かに発生してしまうものであり、否定できるものではありません。
しかし、正しく実行すれば状況が劇的に改善することも多々ありますので、薄毛や抜け毛に悩んでいる人こそ、今から実行すべき案件だと思います。噂にだまされず、真相を理解してチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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