髪の発毛を促進させる食べ物は?摂取すべきビタミンはなに?【育毛・発毛効果のある食事】

抜け毛から始まり、薄毛になって、いずれはハゲてしまうのでは…、自分はAGAなのでは…。このような髪の毛の悩みは、簡単には解消しないものです。

抜け毛や薄毛の進行を止めるには、日常的なケアに加えて発毛促進のための対策を積極的かつ地道に続けなくてはなりません。

人の体の成長には栄養が必要です。髪の毛も体の一部。発毛促進の基本的な対策は、髪の毛に適切な栄養を与えることです。

そこで、髪の毛に必要な栄養と食べ物について考えてみましょう。

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髪の毛に必要な栄養

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発毛を促進し、髪の毛の成長や健康の維持には栄養が必要であることはわかります。でも、数え切れないほどある栄養素の中で、どれが髪のためになるのでしょう。

髪の毛が育つ過程や環境などから、必要な栄養を確認していきましょう。

髪の毛がつくられるメカニズム

頭皮、つまり頭蓋骨を覆っている皮膚は、3つの層で構成されています。

一番外側が表皮で、皮膚組織を外部刺激から守るバリアの働きをします。真ん中の層の真皮の成分はコラーゲンやヒアルロン酸などで、皮膚の大部分を占めています。ここには皮脂腺や汗腺、髪の毛の元になる細胞などがあります。一番深いところにあるのが皮下組織です。成分のほとんどが脂肪で、体温の調節やクッションのような役割をしています。

真皮にある髪の毛をつくる毛根部では、細胞分裂が活発に行われています。ここでつくられた髪の毛の細胞は、分裂をしながら皮膚組織を上へと進み、毛穴から表皮の外へ伸びていきます。

毛根の先端に玉ねぎのような形の「毛球」があり、ここにある「毛乳頭」から「毛母細胞」に髪の毛をつくるよう指示が出されます。すると、毛母細胞は髪の毛をつくるために分裂を始めます。細胞分裂が繰り返されて髪の毛は成長し、発毛に至ります。

毛母細胞の分裂のエネルギーは、毛細血管が運んでくる栄養です。毛細血管から栄養が供給されないと、毛母細胞は活動できず、髪の毛はつくられません。

体の細胞の中で最も活発に活動しているのが、この毛母細胞です。髪の毛を成長させ、発毛させるには、活発に細胞分裂を繰り返さなくてはならず、それには大量の栄養を必要とします。

毛母細胞へ栄養を運んでくる毛細血管の血行をよくすることは、たいへん重要なことなのです。

髪の毛の成長のカギを握るタンパク質

髪の毛は爪と同様、皮膚の一部です。そして、髪の毛をつくっている成分のほとんど全てが、タンパク質のケラチンです。

髪の毛の成長や発毛のカギは、このケラチンが握っています。また、髪の毛の三大栄養素といわれるタンパク質、ビタミン、亜鉛の中で、タンパク質が最も重要視されるのはそうしたことが理由なのです。

18種のアミノ酸で構成されるケラチン

ケラチンは、18種類のアミノ酸が結合している、弾力があって水分を含んだ繊維状のタンパク質です。

またケラチンは、構成しているタンパク質の割合で、髪の毛や爪の成分の硬ケラチンと、皮膚などの成分の軟ケラチンに分類されます。

それから、ほかのタンパク質にはほとんど含まれていないシスチンを14〜18%も含んでいることが、ケラチンの注目すべき特徴です。

◯18種類のアミノ酸

グルタミン酸、シスチン、ロイシン、アルギニン酸、セリン、アスパラギン酸、トレオニン、メチオニン、トリプトファン、ブブロリン、グリシン、チロシン、パリン、アラニン、フェニルアラニン、リシン、ヒスチジン、イソロイシン

シスチンとは

ケラチンの特徴であるシスチンは、含硫アミノ酸(分子内に硫黄成分を含むアミノ酸)の1つです。シスチンはメチオニンからも生成されますが、そのメチオニンは体内で合成されない必須アミノ酸です。

シスチンは、肝臓で解毒や有害なミネラルの蓄積を予防し、血中コレステロールの調節などもしています。

髪の毛のタンパク質に不可欠な成分で、健康で丈夫な髪の毛はこのシスチンの働きがあってこそです。

必須アミノ酸とは

動物が生命を維持するために必要とするアミノ酸の中には、体内で合成できないものがあります。それは食べ物から摂取しなくてはならず、必須アミノ酸と呼ばれます。

必須アミノ酸は動物によって種類が異なります。人の場合は、トリプトファン、リシン、メチオニン、フェルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種類です。

硫黄について

含硫アミノ酸に含まれている硫黄は、健康な髪の毛や皮膚をつくるのに不可欠なミネラルです。ビタミンB1やパントテン酸と結合すると補酵素(コエンザイムA)になります。

美しい黒髪をつくる3つの成分

髪の色と関係しているのはチロシンというアミノ酸で、髪の毛の黒い色をつくるメラニンはチロシンからつくられます。

また、必須アミノ酸のフェルアラニンも、白髪予防につながる働きをします。

健康で美しい黒髪は、ケラチンをつくっているアミノ酸の中の、シスチン、チロシン、フェルアラニンの3つが働きによってつくられます。

髪の毛に関わるビタミンとミネラル

食事で摂ったタンパク質を体内で効率よく吸収し、髪の毛にも栄養として吸収させるのが各種のビタミンです。

また、髪の毛の細胞の活性化を促したり、皮膚の乾燥を防いだり、脱毛の原因になる要因を抑制するなど、ビタミンは働きは多岐にわたります。

ビタミンA

脂溶性のビタミンで、レチノールとプロビタミンAの総称です。

レチノールは食べる前からビタミンAで、プロビタミンAは食べてから体内でビタミンAになります。

髪の毛と頭皮に欠かせない成分ですが、過剰摂取は抜け毛や薄毛の原因になることもあります。

また、β-カロテンもレチノールになりますが、体内で必要とされる分だけが変換されます。

ビタミンAの抗酸化作用は、頭皮の感想を防ぎ、髪の毛に必要な栄養を滞りなく運ぶよう、頭皮環境を整えます。

ビタミンB群

水溶性のビタミン、B1・B2・B6・B12・ナイアシン・葉酸・パントテン酸・ビオチンの総称で、とくに髪の毛と深く関わるのがB2とB6です。

ビタミンB2は、皮脂の過剰分泌を抑制し、代謝を促進して細胞を活性化させます。つまり、頭皮の皮脂の過剰分泌も抑え、髪の毛の細胞も活性化し、発毛や髪の毛の成長を促すということです。

ビタミンB6は、食事で摂取したタンパク質はまずアミノ酸に分解されてから体に必要な形に再合成されるのですが、そのときに必要な成分です。

ビタミンB6は皮膚や髪の毛の健康を維持し、成長を促進する作用もあります。

ビタミンB群はそれぞれに重要な働きをしていますが、B群を総合的に摂ることでさらに効率よく働くといわれます。

ビタミンC

ビタミンCの特徴は、強い抗酸化作用やストレスの抑制作用などです。

コラーゲンを生成する際のサポートや、血行の促進をし、髪の毛や健康な頭皮環境のための必須栄養素です。

ビタミンE

別名トコフェロール、脂溶性のビタミンです。体内では細胞膜の中に多く存在します。

抗酸化作用があり、過剰な活性酸素を除去するなどして細胞を守っています。

毛細血管の拡張作用も、ビタミンEの働きとしてよく知られています。

毛根へ栄養を十分に供給するには、毛細血管の血流がスムーズであることは必須条件です。ビタミンEが不足しないように、心がけましょう。

また、ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取すると、相乗効果があるといわれます。

ミネラル・亜鉛

ミネラルは、食べ物を体内で栄養として吸収するための代謝に関わるなど、動物の生命維持に不可欠な成分です。

人間に必要な必須ミネラルは16種類あり、硫黄、塩素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リンが主要ミネラルとされ、鉄、亜鉛、ヨウ素などが微量ミネラルとされます。

亜鉛とヨウ素は髪の毛にとって大事な働きをしているといわれます。

とくに亜鉛は、髪の毛の主成分であるタンパク質を合成する際に必要で、AGAの原因とされる5αリダクターゼの活動を阻み、ジヒドロテストステロンの生成を防ぐとされます。

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発毛と髪の毛の成長を促す食べ物

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発毛や髪の毛の成長に必要な栄養素についてはだいたいわかったかと思います。ここからは、髪の毛にいい栄養を効率よく摂取できる食べ物について説明していきます。

動物性食品に多い良質なタンパク源

タンパク質には、肉類・魚介類・卵・乳製品などの動物性タンパク質と、米・麦・大豆・一部の野菜と果物などの植物性タンパク質があります。

動物性タンパク質の多くは9種類の必須アミノ酸を全て含み、植物性タンパク質は不足する必須アミノ酸があります。

アミノ酸は、不足している必須アミノ酸のレベルに合わせて全体として働きますから、タンパク質食品をたくさん食べても必須アミノ酸は不足していることもあります。

体内での吸収率も、植物性タンパク質より動物性タンパク質の方が高く、この点でも動物性タンパク質の方が栄養を効率よく摂取できることになります。

アミノ酸スコアを基準に選ぶ

タンパク質食品の質はアミノ酸のバランスで決まりますが、アミノ酸のバランスを数値で表すのが「アミノ酸スコア」です。

アミノ酸スコアの数値が100か、それに近いほどアミノ酸組成が理想に近く、食品の質が高いということになります。

動物性タンパク質食品はアミノ酸スコアが100のものが多く、植物性タンパク質食品は不足するアミノ酸があってスコアが低くなります。

◯アミノ酸スコアが100の食品例

牛肉(ロース)、鶏肉、ロースハム、牛乳、鶏卵、生クリーム、ヨーグルト、あじ、いわし、かつお、かれい、ぶり、さけ、たら、穴子、かまぼこ、納豆

脂溶性ビタミンA食品は適量摂取

脂溶性ビタミンA(レチノール)は、動物性食品の肝臓(レバー)に多く含まれています。

ビタミンAは髪の毛と頭皮にとって必要ですが、過剰摂取は頭皮が硬くなるなどの副作用があり、抜け毛や薄毛の原因になります。

100g中のレチノールの量は、鶏レバーは1400μg、豚レバーは1300μgです。魚では、うなぎ、ぎんだら、ホタルイカなどに多く、だいたい1100〜1500μg含まれています。

乳製品では、クリームチーズなどのチーズ類、バターなどに多く、鶏卵は黄身だけに含まれています。

ビタミンAは、成人男子で750μmg、成人女子では600μmgが1日の摂取の推奨量とされています。

緑黄色野菜はβ-カロテンの別称

緑黄色野菜は、色が濃いからそう呼ばれるのではなく、β-カロテンを多く含む野菜という意味です。β-カロテンの少ない、キャベツや白菜などは淡色野菜と呼ばれます。

β-カロテンは体内でレチノールに変換されまが、体内で必要な量のみがレチノールになるので過剰摂取の心配はありません。

β-カロテンが多いのは、にんじん、ほうれん草、春菊、にら、しその葉などや、海藻ののりやひじき、抹茶にも多く含まれています。

一緒に摂りたいビタミンB6とB2

ビタミンB6は、にんにく、牛レバー、まぐろ、かつお、鶏ひき肉、さんま、バナナ、アボカドなどに多く含まれます。

魚や肉など動物性食品のビタミンB6は、冷凍食品や加工食品では含有量が少なくなります。

ビタミンB6の1日の摂取量の目安は、成人男性で1.4mg、成人女性で1.2mgとされています。

効率よく摂取できる例に、まぐろの赤身があります。120gで約1.3mgのビタミンB6が摂取でき、1回の食事でほぼ1日分が摂れるます。

ビタミンB6とB2は、同時に摂ることで働きがより効率よくなります。

ビタミンB2は、うずらの卵、大豆や豆腐などの大豆製品、牛乳、緑黄色野菜などに多く含まれています。

ビタミンB6とB2がどちらも含まれている食品は、牛レバー、さばやさんまなどの青背魚です。

ビタミンCは食べる量で効率よく摂取

ビタミンCは水溶性ビタミンで、量を多く摂っても不要な分は尿で排泄されますから、たくさん食べても大丈夫です。

ビタミンCの多い食品の100g中の含有量の例をあげると、レモン50mg、いちご62mg、柿70mg、ゴーヤ75mg、芽キャベツ110mg、黄ピーマン150mg、赤ピーマン170mg、焼きのり210mgなどです。

レモンは1個の重量は約35gなので丸ごと食べてもビタミンCは20mgくらいしか摂れないし、焼きのりを1回で100g食べるのは無理があります。

ビタミンCを効率よく摂るには、1回に食べる量が多い、ゴーヤ、芽キャベツ、ピーマン、丸ごと食べることが多い柿やいちごなどがいいでしょう。

抗酸化作用を期待するビタミンE食品

ビタミンEは植物油に多く、中でもひまわり油には大さじ1杯で4.6mgも含まれています。

ビタミンAの成人男子の摂取量の目安は1日に6.5mgですから、毎日の調理にひまわり油を使えば相当量が摂取できることになります。

アーモンドなどのナッツ類、あんこうの肝、からすみ、たらこなどの魚の肝や卵などにも多く含まれています。酒の肴や、おやつに向いているものも多いので、摂取しやすいのではないでしょうか。

意識して摂りたいミネラル

とくに髪の毛の成長や発毛のために摂りたいミネラルは、ヨウ素と亜鉛です。

ヨウ素は、昆布やひじき、わかめなどの海藻類や鶏卵に多く含まれています。

亜鉛は、レバー、豆類、牡蠣などに多く含まれていますが、加工食品などにはあまり含まれていません。多忙な現代人には摂りにくい栄養素です。

タンパク質と亜鉛をともに含んでいるピーナッツはおすすめですが、カロリーが高いことと硬いので消化がよくないのが難点です。

そのほかのおすすめ&要注意食品

◯お茶

茶葉は、ビタミンEやカテキンによる抗酸化作用が高く、注目の食品です。

◯大豆と大豆製品

大豆のイソフラボンはポリフェノールの一種です。女性ホルモンに似た働きをする、エストロゲンと同じような働きをします。男女ともに、薄毛対策に使われる成分です。

◯ビタミンD食品

ビタミンDは脂溶性ビタミンで、太陽を浴びると体内で生成されます。不足分は食事で補います。

ビタミンDは体内でカルシウムの吸収をサポートし、含まれているオメガ3脂肪酸は頭皮環境を整えます。

◯髪の毛にいい便利なコンビニ食品

納豆や豆腐、玄米や雑穀のおにぎり、あじなどの焼き魚弁当、ほうれん草のごま和え、ひじきの煮物、野菜サラダ

◯アルコール

適量のアルコールは血流改善に役立ち、髪の毛の成長にいい影響をもたらします。しかし、飲みすぎると髪の毛の材料になるアミノ酸がアルコールの分解に使われてしまい。さらに深酒によって睡眠の質の低下で代謝が悪くなり、抜け毛や薄毛につながります。

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まとめ

まず良質のタンパク質を摂取し、各種のビタミンやミネラルをまんべんなく摂ります。

ミネラルには有害なものもあり、それらを体内にため込むと、抜け毛が増え、ハゲる可能性が高くなります。

有害とされる代表的なものは、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素、アルミニウム、タバコ、排気ガスなどです。

これらを体外に排出するには、「デトックス」の食事が効果があります。また、酵素の多い食品を摂るのも有効です。

酵素の多い食品は、大根やごぼうなどの根菜、わかめやひじき昆布などの海藻、玉ねぎなどに血液をサラサラにするといわれる野菜などです。

食事から必要な栄養を摂取することはとても大事なことですが、どうしても不足する栄養はサプリメントを利用することも考えてみましょう。

体はもちろん髪の毛も、食べたものでできるのです。それを忘れずに、栄養バランスのいい食事を楽しんでください。

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