薄毛は、その名の通り「髪が抜ける」などの原因で「髪が薄くなる」ことを言います。この薄毛は、急に起こるものという認識をしている方もいらっしゃると思いますが、実は、薄毛にも「兆候」「目安」が隠されているのです。
今回はそんな薄毛の「兆候」を中心に、それによって考えられる症状について紹介していきます。
薄毛の種類
薄毛と一言に言っても、種類がたくさん有り、それに伴い症状や原因もそれぞれ違ってきます。それでは薄毛にはどのような物が存在するのでしょうか?
ここから紹介していきます。
瀰漫性脱毛症
瀰漫(びまん)性脱毛症は、「瀰漫」という言葉通り、髪の毛が全体的に広がるように脱毛して、毛が薄くなる脱毛症のことを言います。この脱毛症は、女性に多い症状ですが、若い女性に発症することは少なく、中年以降の女性に多く見られる症状です。
この症状の原因は、主に「ストレス」「老化」「不適切なヘアケア」そして「急激なダイエット」によるものが多く、その他にも「一日に複数回のシャンプー」や「リンスの流し残し」、「強いブラッシング」などの髪を傷つけてしまう行動も、瀰漫性脱毛症の原因に繋がります。
分娩後脱毛症
分娩後(ぶんべんご)脱毛症は、出産後に薄毛が進行する脱毛症です。この症状は、妊娠中にお腹の子供に栄養を与えることで、エストロゲンなどの頭髪を成長させるための女性ホルモンが休まってしまい、その状態で出産をする事で「頭髪が休止状態」になってしまう事が原因です。
この症状は、半年から1年程で回復しますが、高齢出産などでホルモンの回復が遅い場合は、回復までに時間がかかります。
男性型脱毛症
30代から40代の男性に多いとされている脱毛症です。別名「AGA」とも呼ばれており、男性の10人に1人は、この「AGA」に悩まされています。
この症状の原因は「男性ホルモンの過剰分泌」。髪の抜け方は、「生え際後退」「頭頂部が円型に抜ける」「前頭部から後頭部にかけて抜ける」というものが主に挙げられますが、これらの症状が混合して髪が抜けることもあります。
女子男性型脱毛症
男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンの影響で脱毛します。女子男性型脱毛症は、AGAの女性版の症状です。老化による女性ホルモンの減少、機能低下により、男性ホルモンの影響を受けてしまい、それによって髪が抜けていきます。
他の症状の薄毛は、頭皮のダメージや変化によるものが多いのに対し、女子男性型脱毛症は、毛根そのものの機能が低下してしまう所が特徴として挙げられます。
粃糠型脱毛症
粃糠(ひこう)型脱毛症は、髪の毛のフケによる脱毛症です。これは、フケが毛穴を塞いでしまう事で頭皮が炎症を引き起こしてしまい、毛髪の成長が困難になってしまう事が原因です。
頭を強く洗ったり、一日に何回も髪を洗うなどの行為は、頭皮を傷つけてしまい、フケが出来てしまう原因にもなります。それにより粃糠型脱毛症になってしまうことも考えられるので、髪はできるだけ優しく、負担をかけないように洗うことが大切です。
脂漏性脱毛症
脂漏(しろう)性脱毛症は、皮脂の過剰分泌によって頭皮が炎症を起してしまう症状です。この症状は、毛穴に古い皮脂が詰まってしまい、そこに細菌が繁殖する事で頭皮が炎症を起こしてしまい、結果的に毛根の維持が出来なくなってしまう事が原因です。
当否の過剰分泌を抑えるためには、油の摂り過ぎを避け、適度に髪を洗うことが大切です。髪を洗いすぎると、逆に皮脂の過剰分泌に繋がる事があるので注意しましょう。
月経前は黄体ホルモンの分泌により、皮脂の分泌が促進されやすいので、女性の方は特に注意が必要です。
円形脱毛症
円形脱毛症は、名前の通り、円型に髪の毛が抜ける症状です。この症状の特徴は「いきなり髪が抜ける」所、人によっては髪の毛だけではなく、「全身の毛が抜ける」事もあります。
この症状の原因は、リンパ球の異常によって起きる「自己免疫疾患」です。そしてその原因には「ストレス」「アレルギー」など、様々な事が考えられます。
牽引脱毛症
牽引(けんいん)脱毛症は、ポニーテールなど、長い間髪を強く結ぶことにより起きてしまう脱毛症です。
外部からの刺激も、頭皮にはあまりよろしくないので、髪を結ぶ際はあまり強く結ばないように、且つ適度に髪をほどくことが大切です。
薬の副作用による脱毛
抗癌剤など、重い病気に掛かった時に服用する「薬」の副作用による薄毛です。肺炎やがん治療の際に服用する薬に、この副作用が多く見られます。
薄毛の前兆
薄毛は突然起こると思いがちですが、薄毛にもしっかりとしたサインが隠されています。
頭皮の痒み、フケ
頭皮が赤くなる、頭皮が固く感じるなども前兆の一つとして挙げられますが、頭皮に痒みを感じるという前兆は、特に危険信号です。また、フケの量が多く、痒みが強いと感じる場合は「脂漏性皮膚炎」を引き起こしている可能性があります。
頭に痒みを感じるようになったときは、髪のケアを見直すようにしましょう。
抜け毛の根元が細く、白くなっていない
健康的な髪の抜け毛は、オタマジャクシのように先端が丸い状態、所謂毛球が付いており、尚且つ白くなっています。それに対して不健康な髪の場合は、先端が尖っており、先端も白くなっていない状態で、針のような毛になっているのが特徴です。
根元が細いのは、髪の毛の栄養不足の現れで、ヘアサイクルが乱れている状態になっています。その他にも、抜け毛が直線状になっているのも、薄毛の前兆として見ることができます。
短い毛が抜ける
頭皮が不健康な状態だと、短い髪が抜けていきます。つまり、生えてからそんなに時間が経っていない髪の毛が抜けたということなので、髪の寿命が短くなってきている事の現れでもあります。
薄毛の原因
主に挙げられる「薄毛の原因」について説明していきます。
更年期
女性ホルモンは、髪に大きく関わっており、髪を綺麗にする役割を持っています。しかし女性ホルモンは、40代後半から激減し、髪のコシがなくなる事で脱毛を引き起こします。
その結果「髪が薄くなる」という症状をも引き起こします。
食生活の乱れ
ジャンクフードなどの脂っこい食べ物や、スイーツなどの甘い食べ物は、皮脂の過剰分泌が促進され、毛穴に油が詰まることで毛が抜けてしまうことがあります。
また、脂っこい食べ物や甘い食べ物を控えていたとしても、食事のバランスが悪いと栄養不足になってしまい、この栄養不足は「毛根にダメージを与える」危険性があります。
ストレス
ストレスは、ホルモンバランスを乱れさせ、体が緊張状態になってしまいます。この状態になると皮脂の過剰分泌を引き起こしてしまったり、頭皮に栄養や酸素を送れなくなってしまいます。さらに、ストレスには血管を収縮させる働きがあるため、血行が悪くなり、頭皮を健康的に保つための必要な血液が巡りにくくなることも考えられます。
その結果、新しい髪を生やすことが難しくなり、「薄毛」という症状につながります。ストレスは、主に「悩み」による物が多いので、出来るだけ早く解決するか、忘れてしまうことが大切です。
髪の洗い方
髪の毛はデリケートなので、洗い方にも気をつける必要があります。髪の汚れを取ることを意識しすぎて洗いすぎると、頭皮に必要な油さえも落としてしまい、その結果「皮脂の過剰分泌」に繋がってしまいます。
逆に髪の毛に洗い残しがあると、汚れが頭皮についたままになるので、油が毛穴に詰まり、髪の毛が生えづらくなったり、抜け毛の原因になることも考えられます。
髪を洗う際は、一日一回、優しく且つしっかり洗うということが大切です。
パーマ・ヘアカラー
パーマやヘアカラーは、少なからず髪にダメージを与えてしまいます。
持続的、または頻繁にパーマやヘアカラーを掛けると、髪へのダメージが段々積もってくるので、頭皮の回復が遅れてしまい、髪が細くなったり痩せてしまい、髪が刺激に弱くなり、抜けやすくなってしまいます。
AGAセルフチェックで薄毛の目安を知ろう!
AGAは、セルフチェックが可能です。
ここでは、10個の質問を記載するので、自分のAGAの目安、兆候などを知ってみましょう。
AGAセルフチェック 日常編
- タバコを常習的に吸っている
- ストレスが多いと感じる
- 野菜をあまり食べない
- 睡眠不足になりがちである
- 猫背である
- 髪の毛が細いと感じるようになった
- フケが多い
- 頭皮が痒くなりやすい
- 髪を洗うときは、リンスを全体になじませている
- 汚れが落ちやすいシャンプーを使っている
診断結果
- 0~2つ当てはまる方は問題ありません。健康的な生活なのでこれからも心がけるようにしましょう。
- 3~4つ当てはまる方は少し注意が必要です。当てはまってしまった1~2個の項目を振り返るだけでも、十分に改善の余地があります。
- 5つ以上当てはまる方は要注意です。AGAに近い状態、またはAGAになっている可能性があるので、クリニックで頭の状態を見てもらうことをおすすめします。
- 6つ以上当てはまる方はAGAの可能性が高いです。AGAは時間が経つにつれて悪化していくので、早いうちにクリニックで見てもらいましょう。
AGAセルフチェック 遺伝・頭皮の状態編
- 頭頂部、額の生え際が薄くなってきている
- 抜け毛が多い
- 頭頂部の髪の毛が薄くなってきている
- 額の部分から髪の毛が後退してきている
- 薄毛が目立つようになった
- 髪にハリがなくなり、細くて柔らかい髪の毛が生えるようになった
- 成人した時ぐらいから、髪が薄くなってきているように感じる
- 母や母方の祖母が薄毛である
- 父や父方の祖母が薄毛である
- 帽子やかつらを使用している
診断結果
- 全ての項目に当てはまらない方は、健康的な頭皮の持ち主です。これからも健康的な生活を送るように心がけましょう。
- 「母や母方の祖母が薄毛である」・「父や父方の祖母が薄毛である」にのみ当てはまる方は、AGAの可能性は低いですが、遺伝的な要因でAGAになることが少なからず考えられます。髪を清潔な状態に保つなどして、AGAの予防を欠かさずに行いましょう
- 「母や母方の祖母が薄毛である」・「父や父方の祖母が薄毛である」以外で二つ以上当てはまった方はAGAの可能性があります。進行してしまうと、薄毛が目立ってしまうので、早めにクリニックで頭皮の状態を確認することをおすすめします。
- 全ての項目に当てはまっている方は、AGA、もしくはAGAが進行している状態になっていることが考えられます。AGAは早期発見が重要なので、すぐに病院に赴くようにしましょう。
薄毛の対策方法
薄毛になってしまうと、なかなか治すのが難しく、日に日に薄毛が酷くなってしまうことも考えられます。その為、薄毛は早いうちから対策しておくことが重要です。
ここでは「薄毛の対策方法」について紹介していきます。
食生活の改善
バランスのとれた食生活を心がけ、実際に実行することで、頭皮が髪に優しい環境を作ってくれます。主にビタミン系の成分、必須アミノ酸、亜鉛などは、髪に大きく関わる栄養素なので、積極的に摂るようにしましょう。特に亜鉛は、比較的吸収率が低い食べ物なので、出来るだけ多く取ることが大切です。
また、脂分の多いジャンクフードや、甘いスイーツなどの食べ物は、皮脂の過剰分泌を促進してしまいがちなので、出来るだけ避けるのが得策です。
生活習慣の改善
上に挙げた「食生活の改善」も大事ですが、その他の生活習慣にも意識する必要があります。特に「睡眠」には気を使うようにしましょう。睡眠は、髪の毛を回復する為には欠かせない行為です。
また、10時から2時は、ゴールデンタイムと言われているほどに重要な時間なので、9時半ぐらいには寝る準備をするのが望ましいです。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージも薄毛対策には非常に有効となります。その効果は「リラックス」「頭皮の血行の廻りを良くする」「抜け毛予防」など、抜け毛の原因を改善しつつ、髪を生えやすくするという効果があります。その他にも、肌を綺麗にできるという「アンチエイジング効果」もあります。
家で5分程度行うだけでも十分な効果を発揮するので、継続的に行うことをオススメします。
育毛剤を使う
育毛剤には「育毛」「脱毛予防」「フケの防止」「発毛促進」「痒みを抑える」などの、頭皮に嬉しい効果が沢山詰め込まれています。
ただし、育毛剤によっては、人に合う合わないがあるので、自分にあった育毛剤を選ぶようにしましょう。
クリニックに赴く
薄毛を予防するためには、自分の頭皮が今どのような状態になっているのかを知っておくことも大切です。それに加えて、薄毛予防に関するアトバイスも聞くことができるので、薄毛予防をする前に、クリニックで話を聞くことをおすすめします。
薄毛を髪型で誤魔化す
女性の場合は、薄毛がある場所で髪を束ねたり、髪をフワフワに盛ったりすることで、薄毛を隠すことができます。それに加えて、髪型によってはオシャレさや清潔感なども出すことが出来るので、薄毛が目立つけど緊急でどうにかしたい、という方には、この方法が一石二鳥でオススメです。
男性の場合は、生え際後退を隠すために、毛量を増やしたり、髪を長くする方もいらっしゃるかと思いますが、逆に髪を短くした方が、おでこの広さを目立たなくさせることが出来ます。おでこが広い人と短髪は意外と合う組み合わせなので、思い切って短髪にしてみるのもオススメです。
シャンプーを改善する
毎日しっかり洗ってるはずなのに頭が痒い、フケが出るという方は、シャンプーが原因かもしれません。出来るだけ低刺激なシャンプーを選ぶことで、これらの問題が改善されることがあります。
その他に、洗い方にも注意が必要です。強い力でゴシゴシ洗ってしまうと、頭皮が傷つき、フケや痒みが出来てしまう原因になってしまうので、出来るだけ優しい力でしっかり洗うことが大切です。
まとめ
薄毛のサインや症状などを紹介しましたが、お分かり頂けたでしょうか?薄毛は一度発症してしまうと、治すのが難しい厄介なものです。そうなるとやはり「未然に防いでおく」という事が一番得策です。
今回は、AGAチェックを記載しましたが、皆さんの頭皮の状態はいかがでしたでしょうか?健康な頭皮の持ち主だとしても、後になって急に症状が出始めるという事も考えられる話なので、定期的にAGAチェックをし、健康的な髪・頭皮を心掛けていきたいものですね。
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