自分のお子さんの髪の毛を頻繁にチェックして居ますか?
子供は髪型なんて気にしないので自分から自発的に報告してくることはありません。
気づいた時には大きな薄毛がつむじや後頭部に!なんて声はよく聞かれます。どうして薄毛になったのか、いつから薄毛になったのかなど詳しいことがわからないので原因の追求に手間取ります。
薄毛の問題はデリケートな問題でもありますから親としても不安に思うことが多いでしょう。
今日はそんな子供に発生する薄毛の問題について詳しく紹介していきます。
目次
子供に発生する薄毛は脱毛症かも
脱毛症というとAGA(男性型脱毛症)などの大人に発生するものが多いですが、子供にも脱毛症が発生する場合があります。
子供に発生する可能性のある脱毛症について見ていきましょう。
円形脱毛症
円形脱毛症は別名10円ハゲと言われるように10円くらいの大きさに脱毛が発生し、丸く地肌が見えてしまう症状です。
多くの場合は頭頂部付近や後頭部など自分の目では確認しづらい部分に抜け毛が発生してしまいます。
一箇所にできる単発型や複数個できる多発型、治療の難しい全頭型、蛇行型、凡発型などの広範囲に髪の毛が抜け落ちる症状が発生する場合もあります。
ストレスや自己免疫疾患であることが原因とされて居て、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の症状を持っている場合発生しやすい傾向がある脱毛症です。
比較的小学生〜中学生の子供に発生しやすい症状でもあります。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は小さな赤ちゃんなどにも発生する可能性のある脱毛症です。
小さな子供は体温が高いので、汗や皮脂を分泌しやすくそれによって頭皮がベタついてしまい脱毛に繋がります。
脱毛症の前に脂性のフケが発生し、その後放置してしていると脱毛症に繋がります。
脱毛症の前段階の症状は乳児脂漏性湿疹と呼ばれる症状になります。
皮脂を餌にマラセチア菌などの肌の常在菌が繁殖して徐々に炎症を引き起こします。赤ちゃんが使用している寝具やベッドなどが汚く汚れているものを使用していると症状が発生しやすいでしょう。
粃糠性脱毛症(ひこうせい)
頭皮の乾燥によって頭皮の免疫機能が低下して菌を殺菌できなくなります。
これによって頭皮環境がさらに悪化してフケが大量に出るようになり、そのフケが毛穴を詰まらせて抜け毛が発生します。
粃糠性脱毛症のフケの症状は尋常な量ではなく、以上に出てくることが特徴です。
皮膚のあからみとかゆみの症状も酷くなり、かくたびにフケが落ちてきます。シャンプー剤が頭皮に合っていないことや、ホルモンバランスが乱れていることが大きな原因とされて居ます。
皮脂の分泌量が少ないことが根本的な原因となってる可能性もありますので注意しましょう。
牽引性脱毛症
牽引性脱毛症は縛り髪やポニーテールやお団子ヘアなど、髪の毛を強く引っ張る髪型を長時間している人に発生しやすい脱毛症です。
子供には発生しづらい脱毛症ですが、あまりにも長時間同じ髪型にしている場合に抜け毛に繋がる可能性があります。
ポニーテールなどが問題になることが多いので、前髪の生え際の部分に薄毛が発生しやすいでしょう。毛根が弱っている場合は同じ方向に髪の毛を分けているだけでも薄毛が発生することもあります。
ダンスなどをしている子供でエクステなどを行う場合は牽引力にご注意ください。
薄毛になるのは脱毛症だけじゃない
そのほかにも薄毛の問題に繋がる原因があります。
それらの原因についても簡単に紹介していきます。どの原因に該当しているか冷静に判断していきましょう。
抜毛症(抜毛癖)
子供の薄毛特有なのが抜毛症。大人にも発生することもありますが圧倒的に子供に多い症状になります。
思春期に特に発生しているケースが多く、ストレス発散を目的に自分の髪の毛を抜いてしまう自傷行為の一種です。
トリコチロマニアと呼ばれることもあります。髪の毛だけでなく、まつげ、すね毛、など抜く毛の部位は様々です。
精神的な問題を抱えていることが多いので、しっかりダメな理由を理解させて納得させることが重要です。年齢が若いほど見ていないところで毛を抜いている可能性があります。
どうして髪の毛を抜いてしまうのかをしっかり聞いてやめさせるようにしましょう。
精神的ストレスや環境の変化
子供に薄毛が発生する原因として多いものが精神的ストレスの問題です。
多くのケースが環境の変化やいじめ、大人からの圧力などが原因となって居ます。特に引っ越しや転校などで薄毛が発生してしまうケースは多いでしょう。
自分でも自覚できないほどのストレスが知らないうちに溜まってしまっている問題が表面的に現れている知らせでもあるので、しっかりコミュニケーションをとってお子様と一緒に問題を解決していきましょう。
食事内容の偏り
子どもは好き嫌いが多い時期ですし栄養が偏ってしまいがちです。
髪の毛の成長に必要なビタミンや血行をよくするミネラルなどが充分に摂取できて居ないと髪の毛の発毛・成長力が低下し、10代であってもAGAなどの薄毛が発生することもあります。
特に亜鉛や鉄分などの血液を作る栄養素が足りずに鉄欠乏性貧血が発生していることが成長力の低下に繋がっていることもあります。
シャンプー剤からの刺激
近年はシャンプー剤の見直しで刺激の弱いシャンプーが中心になりつつありますが、まだ洗浄成分の洗浄力が強いシャンプーは市場に出回って居ます。
特に皮膚炎やアレルギーなどを持っている人や乾燥肌の人はこのシャンプー剤の影響で乾燥や頭皮環境の悪化が進んで薄毛に繋がることもあります。
両親の肌の性質は遺伝するので、家族間でのシャンプーの共有で子どもだけに影響が出ることは少ないですが、シャンプーの流し残しが問題に繋がりやすい傾向があります。
シャンプー剤の見直しを行ってみるといいでしょう。
成長ホルモンの分泌不足
稀に薄毛に繋がる問題として甲状腺ホルモンの機能低下や異常が髪の毛の成長に影響を及ぼすことがあります。
30〜40代を超えた女性に発生しやすい疾患になりますが、両親にこの病気が発生している場合、遺伝の影響で子供にも発生しやすいという性質が影響して若くして発生してしまうケースがあるので注意が必要です。
疲れやすい、体調不良が発生しやすい、という症状も発生している場合は甲状腺の疾患やホルモン系の疾患の可能性があります。
頭部白癬(しらくも)
頭部白癬は頭皮に発生する水虫です。
白癬菌という水虫で足に増殖しているものと同じ菌が頭皮で増殖し、激しいかゆみと炎症を引き起こしてしまう症状で、同時に脱毛なども発生するようになります。
部分的に脱毛斑ができたり、フケが発生したりします。
家族間での感染が多く、風呂場のタオルの共有、絨毯などについた菌からの感染やペットからの感染も発生します。
円形脱毛症とも似ていますが、頭皮の状態でしらくもかどうかを確認できます。
過度なヘアアレンジ
現在では小学生や幼稚園児から髪の毛を染めてしまう人が増加している傾向にあります。
その影響で頭皮環境が悪化して薄毛になる可能性があります。髪の毛も脱色剤や染料の影響で細くなり、抜けやすくなります。
しかも、一旦染めてしまうとそれ以降も継続的に髪の毛を染めてしまう流れができてしまうため、どんどん髪の毛の質が悪くなり頭皮にもダメージが蓄積します。
プロにやってもらっている場合は影響も少ないでしょうが、自分で行っている場合や市販の商品を使用してる影響が大きくなります。
子供の薄毛の対策法
子供の薄毛が発生した時にはどのように対策することが有効なのかについて紹介します。
放置しても薄毛は完治する保証はありません。放置するとさらに薄毛が拡大する可能性が高いので注意しましょう。
まずは生活環境の改善
原因を把握して生活環境の改善をしていく必要があります。
寝具を清潔にする、シャンプー剤やシャンプー方法の改善。人間関係の改善などについて子供でできない範囲を両親が助けてあげることでストレスや菌の繁殖しやすい環境を排除していくことで薄毛を改善に導きます。
生活習慣の改善も重要
生活習慣の改善で重要なのは睡眠、食事、ストレスの発散をして精神状態の改善などをすることが重要です。
子供は生活習慣を改善するだけで充分回復力が上がります。
生活習慣の乱れは大人の薄毛の原因にもなっている問題です。脂っこい食事や夜更かしが原因で血行不良やホルモンバランスの乱れに繋がり抜け毛が増加し、髪の毛の成長スピードが低下しますのでこれらを改善していきましょう。
心のケアを忘れずに
子供の薄毛が発生した時に重要なのが心のケアです。
薄毛の原因が精神的なストレスからきている可能性もありますし、それ以外にも薄毛となってしまったことがストレスになり、薄毛の問題が加速してしまう可能性があります。
精神的ショックが大きくなることで学校などにいきたくなくなったり、治療が精神的なものまで必要になることがあります。
できるだけ子供の性格に合った方法で、ストレートに伝えるのか、怪我で脱毛してしまったことにするのか、伝え方を考えて子供と一緒に薄毛を改善していきましょう。
病院は何科にいく?
子供の薄毛の問題が発生した時は原因のほとんどが皮膚科で治療できる分野のトラブルであることが多いので、皮膚科に行ってください。
皮膚科で原因がわからなかった場合は小児科などの子供の病気専門の治療院にいくといいでしょう。
子供の薄毛のトラブルの問題は皮膚のトラブルであることが多いので保険治療での治療を受けることができます。
髪の毛は皮膚の病気や炎症が改善すれば自然と生えてくるので問題ありません。
なので皮膚の症状の治療から3ヶ月ほどの時間が目安となるでしょう。
一年以内の治療がおすすめ
広範囲の薄毛が発生した場合、薄毛が発生している期間が長ければ長いほど治療が難しくなります。
1年間で治すことがもっとも完治確率が高いということが皮膚科での治療でも言われているので、できるだけ症状が発生してから早い段階で治療を行うようにしましょう。
円形脱毛症などは自宅でも自然治療が可能と言われて居ますが、初めて症状が発生した場合はできるだけ専門の病院に行って診察をして治療を受けるようにしましょう。
育毛剤は使っちゃダメ?
即効性がありそうですぐに発毛効果が得られるので育毛剤を使用すればいいのでは?と思う人もいるかもしれません。
しかし子供専用の育毛剤は存在しません。大人専用の商品は子供への健康被害の懸念から使用が許可されてません。
成分が強く効果の高いものは子供の成長に影響を与えるとも言われて居ます。
さらに大人の薄毛は男性ホルモンが影響しているのに対し子供の薄毛は皮膚の炎症やトラブルが関係して発生している場合が多いです。
なので逆に育毛剤を使用すると症状が悪化してしまう可能性があります。
育毛剤を使用した治療法は子供の症状を治療する手段として間違っていますので使用しないようにしましょう。
まとめ
子供の薄毛はいつのまにか始まって、その原因がわからないことが多い問題です。
症状を確認した瞬間はびっくりしますが、多くの場合が3ヶ月〜6ヶ月以内に治るものはほとんどです。
しかし中には半年かかっても治らずに拡大するものもあります。そのような症状は自己治療することが非常に難しいので、早めに専門家に相談をするようにしましょう。
初期のうちに病院に行けば外用薬程度の塗り薬で治療することができることがほとんどです。
稀に局所免疫療法や注射治療、皮膚を切り取る手術などをしなければ行けないこともありますが、初めのうちであれば次の日にはシャンプーができるまでに回復します。
しっかり子供に説明して症状を早めに治療していきましょう。
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