食事をしていると汗が止まらない。激しい運動をしている訳でもないのに汗染みがすごい。緊張すると脇汗が止まらない。ちょっとでも暑いと髪の毛から汗が滴り落ちてくる。などの症状を抱えている人は多汗症という症状かもしれません。
多汗症という症状によって頭皮からの皮脂や汗が過剰に分泌されてしまうことが原因で、薄毛になってしまうことがあります。
今日はこの問題についての原因や改善方法、どうやって薄毛に繋がってしまうのかについて紹介していきます。
目次
どうして汗が大量発生するのか?
多汗症とは常識の範囲を超えて汗が吹き出てしまう症状のことで、主に症状が発生しやすい場所としては頭皮、手、足、腋、顔、などで多く発生します。
生活中に支障をきたしてしまうほどの汗が出てしまったり精神的に病んでしまうなどの理由から疾患として認識されている症状になります。
自律神経の失調が原因
多汗症の汗の原因は体温の上昇や環境の気温が高いこと以外の原因で過剰に発生してしまっている汗のことを指します。
人間の身体中に存在している汗腺のエクリン腺と呼ばれる器官から過剰に汗が放出されます。
詳しい原因については未だ明らかにされていませんが、現時点では汗の代謝を促す交感神経が人よりも活発に働いていることや自律神経の乱れが原因ではないかと言われています。
遺伝の可能性も
海外での研究では遺伝の可能性もあると報告されていて、60~60%の確率で家族間の遺伝が確認されています。
これは染色体遺伝の優勢遺伝子の継承によるもので、家族内発症が確認されている家族の遺伝分析が勧められています。
日本では症状の発症者の家族を調べたところ約36%程度に家族内発症が確認されています。
多汗症の種類と分類
多汗症で発生している汗にはいくつかの種類があります。それぞれの汗の種類について紹介します。
全身性多汗症
全身的に汗が発生している症状を指します。
局所性多汗症(限局性多汗症)
頭部、手、足、腋、股間、背中、など局所に限定して部分的に汗が多く発生している症状のことを指します。
腋窩多汗症
緊張や不安などから発生しやすい汗で、腋から手に滴り落ちるほど汗が発生している症状になります。臭いがきつくなる場合もあるため、精神的にコンプレックスになりやすい症状でもあります。
掌蹠多汗症
手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)、足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)と分類することもできる症状ですが、手や足裏などに汗を過剰に症状です。幼児期や思春期に特に発生しやすい症状です。
代償性発汗
代償性発汗は手術などで多汗症を治療した際の副作用として発生する発汗で、目的部位の発汗を抑えることができたものの、そのほかの部位からの発汗が多くなってしまう症状のことです。
他にも、汗を出して体の熱を外に排出できないので体に熱がこもりやすくなるなどの副作用も発生します。
多汗症の手術の際には注意しなければいけない副作用です。
原発性発汗
原発性とは、ほかの病気や症状が関係して発生している症状ではなく、第一の疾患として発生している症状を言います。
続発性発汗
ほかの病気や症状から発生している症状については続発性、二次性などと呼ばれます。
味覚性発汗
辛いものや酸っぱいものなどを食べたときに発生しやすい症状で、額や頭皮から汗を大量にかきます。
味覚神経への過剰な働くことで汗が止まらなくなります。
汗っかきだとハゲになる!?
頭皮からの汗が大量に発生している場合は、ハゲになる可能性が高まります。その原因についてここでは紹介していきます。
頭部多汗症でハゲになる原因
頭皮からの汗とハゲがどのような関係性でもって抜け毛に繋がるのかを明らかにしていきましょう。多汗症がハゲに繋がる原因は主に6つ考えられます。
毛根の皮脂詰まり
汗が発生すると同様皮脂も過剰に分泌されてしまうケースもあります。
これによって毛乳頭細胞や毛母細胞といった髪の毛の成長を行う細胞が存在している毛根に汚れが溜まって髪の毛の成長を阻害します。
皮脂に汚れなどが付着してさらに頭皮が詰まってしまう原因にもなります。これが影響して頭皮湿疹が発生することもありますし、毛穴の汚れが出口を塞いで頭皮ニキビなどもできやすくなります。
頭皮の酸化
汗が頭皮の表面を覆っている状態では皮膚の酸化が進行しやすくなります。
酸化=老化でもありますので、頭皮の健康が損なわれたり、細胞の活動が低下します。これによって抜け毛にも繋がりますし、頭皮の老化は顔にも現れますので、顔にシワやたるみといった問題も発生しやすくなります。
つまり、薄毛と顔の老化のダブルパンチで老け顔になるということです。
雑菌の増加
頭皮に汗と皮脂が混ざることで雑菌が多く発生します。こうなると、臭いはきつくなりますし、雑菌の影響で炎症なども発生しやすくなります。
皮膚の常在菌であるマラセチア菌が頭皮の皮脂や汚れなどを餌に増殖をはじめ、脂漏性皮膚炎を引き起こしやすくなり、脱毛症に繋がります。
髪の毛が濡れることでの摩擦の増加
頭皮からの汗で髪の毛が濡れた状態になります。
この状態で髪の毛を手ぐししたり、ブラシでとくと髪の毛にはかなりの摩擦力が加わり切れ毛が発生します。髪の毛にも大きなダメージとなるので、髪質が悪化しやすく、乾いたときにはパサついた状態になります。
ストレスでハゲに繋がる
汗を過剰にかいていることにストレスを感じている場合、このストレスが抜け毛に繋がることがあります。
ストレスを感じやすい人はハゲやすいということは結構前からわかっていることで、精神的、肉体的ストレスを感じている人に抜け毛が増加しやすいことが報告されています。
これはストレスの影響で血中に増える活性酸素の働きや、血行不良、自己免疫疾患、その他の病気からの影響などで総合的に抜け毛が発生しやすい環境が整ってしまうことにあります。
運動、睡眠、趣味でのストレス発散など効率的に行なってストレスを溜め込まないようにしていきましょう。
自律神経の乱れがハゲに繋がる
交感神経の過剰な反応や、自律神経の乱れによって発生するのは汗の増加だけではありません。ホルモンや血液の循環、臓器の正常な運動などをコントロールしているのも自律神経の重要な働きなので、これらが乱れることで薄毛に繋がります。
特に血液、ホルモンバランスの影響が大きいでしょう。
髪の毛が成長しないまま抜け毛に
これらの原因いよって、髪の毛がまだ十分に成長していないのに、成長期の途中の段階で抜け毛が発生してしまうという問題になってしまいます。
細い髪の毛や、毛根がついている短い髪の毛が抜けている場合にはこの問題が関係している可能性がありますので、対策を行なっていきましょう。
薄毛に繋げないための対策方法
薄毛に繋げないための汗対策法や多汗症の改善法について、いま現在治療法や対策法として行われている方法についてまとめました。
汗っかきな人は参考にして薄毛にならないようにしっかり対策していきましょう。
汗対策法
多汗症の人や汗が過剰に出ている、汗を抑えたいというときにお勧めの対策方法を紹介します。
うなじを冷やす
頭部からの汗がひどい場合、うなじや首筋を冷やすことで汗の発生を抑えることができます。
頭部への血管は心臓から首を伝って上がってくるので、血液を冷やすことで頭部の熱の蓄積を抑えることができて、汗を抑えるという方法です。
濡れたタオルや、アイスノンなどをタオルで巻いて使用するといいでしょう。冷やし過ぎには注意してください。血流の悪化によって、頭皮の血行不良や肩こりの原因になります。
短髪にする
髪の毛が長いとどうしても頭部に熱気がこもって蒸れやすくなります。これを予防するために短髪にして、通気性をよくします。
すでに薄毛になっている人こそ短髪がオススメになります!なぜなら短髪にすることによって清潔感や若々しさが増すからです。
薄毛に似合う短髪がありますのでそちらの髪型を参考にして髪の毛をカットして印象をあげましょう。
腋下を紐で縛る
これは腋よりも上の上半身に汗をできるだけかかかないようにする対策方法で、お化粧を落としてはいけない舞妓さんや芸者さんがしている対策方法になります。
「舞妓の高帯」と呼ばれる手法です。
やり方は、わき下と乳首のちょうど間あたりを着物の着付けで使用する止め帯で強めに縛るという簡単なものです。
腋上には汗はかきませんが、腋よりも下の汗が普段よりも多くなります。
商品として「汗の止め帯」なども売られていますのでお試しを!
通気性のいい服、帽子を使用する
できるだけ通気性の良いものを着用することで蒸れを予防します。
特に帽子を使用している場合は、必ず通気性の良いメッシュ素材や綿素材のものを使用すると良いでしょう。
シャンプーをしっかりと
普通の人よりも汗を多くかいているので、しっかりめにシャンプーをしないと薄毛になりやすくなります。頭皮マッサージをして毛根に詰まっている皮脂を除去していきましょう。
洗浄力が強すぎると逆に皮脂を過剰に分泌してしまって炎症に繋がったり、乾燥させてしまう可能性があります。自分の皮膚や皮脂の分泌具合によって異なりますので、自分に適しているシャンプーを選択しましょう。
病院はどこにいけばいいの?
多汗症の治療や、多汗症によって発生した薄毛を治療する際に行くべき病院について紹介します。
それぞれの治療法についても紹介していきます。
多汗症の治療法と病院
多汗症が発生している場合、皮膚科での治療が行えます。
治療法としては塩化アルミニウム外用療法やステロイド外用薬を使用した治療法で、手に薬剤を染み込ませて発汗抑制作用を高める方法になります。
局所注射療法での治療や内視鏡的胸部神経遮断術という手術治療での治療法が一般的です。
AGAクリニックでの治療
多汗症の治療はできませんが、育毛剤や患者の頭皮に適しているシャンプーを処方してくれることで髪の毛の成長を促していきます。
頭皮の炎症などが発生している場合は、まず皮膚科での治療をはじめてからクリニックでの治療を行うと良いでしょう。
皮膚科での治療は保険適用ですが、専門クリニックでの薄毛治療は健康保険が適用されないのでその点は把握しておきましょう。
汗はしっかり拭き取ろう!
多汗症の人はハンドタオルやフェイスタオルなどを常に持っておき、汗をそのままにしないようにだけ注意しましょう。
汗は冷えるとベタベタして汚れが付着しやすくなります。これも薄毛に繋げないための対策法の一つでもあります。しっかり対策して抜け毛を増やさないようにしてくださいね!
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