そんな食生活じゃ薄毛になるよ、とはっきり言われたことがありますか?
ほとんどの方が無いのではないかと思います。ただ、医食同源という言葉が示すように、食がもたらす健康というものはたしかに存在します。
頭髪にも同じことが言えるのです。育毛に役立つ食材、不足するとまずい栄養素を含んだ食材など、様々な食べ物があります。
知っているだけで日々の生活に取り入れることができる、薄毛の予防や改善に役立つ食べ物について調査してみました。
目次
薄毛をもたらす食の習慣
世の中には、人の数だけいろいろな食習慣が存在します。人それぞれ好みがあるかと思いますので当たり前のことなんですが、ではハゲる人とそうでない人の食生活に差はあるのでしょうか?
端的に言うと、あります。思い当たることがないか心の中でチェックしながら読んでみてください。
脂肪分・塩分を取りすぎる
日々の仕事や家事などで疲れて、ついつい外食・インスタント食品が多めになっていませんか? あるいは自炊の方でも、自分の好物ばかりを食べてしまっていませんか?
それが薄毛をもたらす原因になっている可能性があります。というのも、外食やインスタント食品ばかりだと、大抵の人は脂肪分、塩分を多めに摂ってしまうことになります。
好物ばかり食べている人も、男性などは特に、野菜を抜いた肉中心生活に偏りがちなので同じことが言えます。
脂肪分や塩分ばかり摂りすぎるとどうなってしまうのでしょう? ずばり言うと、血液の流れが悪くなるのです。それは血液がどろどろになるという意味であり、毛根に対して栄養素が届きにくくなってしまうという意味でもあります。
また、脂肪分の多い食事ばかりだと、頭皮から皮脂が出やすくなってしまい、毛穴が詰まる原因となります。塩分の多い食事ばかりだと、肝機能に対して悪影響を及ぼし、血流の悪さに拍車をかけることとなります。
上記のように偏った食事ですと単純に肥満を招きかねませんし、いいことがないですね。
食べ過ぎてしまう
食べることが好きなのは良いことです。腹が減っては戦はできぬ、と言いますし、食が活力の源となるのは誰もが一緒です。
しかし、食べ過ぎとなると話は別です。例えば前の項目で触れたような食生活が続き、肥満になってしまったとします。その時点で頭髪に対してよくない影響が及んでいる可能性もあるのですが、太りきってしまうとさらに危ないです。
太ると血流の悪さがさらに増し、より毛根に栄養素が届きにくくなってしまいます。また、肥満になると汗をかきやすくなり、頭皮が汚れやすくなって毛根詰まりを促進します。
さらに、内臓にも負担がかかるようになり、そもそも栄養素を摂りにくい体になってしまうのです。そうなってしまうと体の隅々まで必要な栄養が届かなくなり、髪に届く栄養がもっと減ります。
太っているということは、それだけで薄毛になってしまう可能性を秘めています。
アルコール類を飲み過ぎている
食べ過ぎと同じですが、お酒の飲み過ぎもまた厳禁です。人はアルコールを摂取すると体内で分解するのですが、その時、アセトアルデヒドという毒性物質が生まれます。
アセトアルデヒドは最終的に酢酸という無害な物質に変換されるのですが、その過程で体内では大量のアミノ酸、ビタミンなどが消費されます。
それらの栄養素は髪の毛を作る上で大事なものです。アルコールの分解に消費していてはもったいないですよね。食べ過ぎること、飲み過ぎることがないよう充分お気をつけください。
食べる時間帯が悪い
時間帯など関係あるのか、と思いますよね。実はあります。
人は物を食べると、消化をよくしようと胃に血液が集中します。これ自体はなんの変哲もない消化に伴う体の働きなのですが、食事を取る時間帯を誤ると頭髪に影響がでます。
というのも、人間が髪を育てるのに必要な成長ホルモンは、副交感神経の働きによって分泌されます。そして、この副交感神経が最も盛んに活動しているのが、夜の10時~深夜2時の間なのです。
上記の時間帯は、言い換えれば髪の生えやすい時間です。つまり、寝る前などに食事を取ってしまうと体が消化に集中してしまい、頭髪の育成が阻害されてしまう可能性があるのです。
また、寝る前に食べることが習慣付いてしまうと、単純に太りやすくなります。そうすると先に挙げたような悪影響が頭髪に及びますので、食べる時間帯には充分お気を付けください。
過剰なダイエットを行う
ダイエットと聞くと、健康的なイメージがありますよね。これまでの項目で肥満が頭髪に与える恐ろしさはわかっていただけたかと思いますので、なおさらダイエットが悪影響? といった感があるのではないでしょうか。
肥満を解消することは、たしかに薄毛の原因をなくすことにつながります。が、やり方を間違えると、これもまた頭髪に危険を及ぼしかねないのです。
ダイエットをしようと思い立ったとき、あなたはまず何をしようと思いますか? ジョギングや筋力トレーニングにチャレンジして脂肪を落とす、ということなら大賛成です。
しかし、そう思わない方や、あるいは運動してみようと思った方でも、挫折したり、怪我や病気などが原因で、なかなか体を動かすことが難しい場合があります。
そんな時に、人は安易な食事制限に走りがちです。今まで食べ過ぎていたものを普通に減らす、ということなら良いのですが、いっそ食べなくなるとか、極端に食べる量を減らす、といった行為はやめましょう。
大事な栄養素の摂取量が減ってしまうと、それだけ頭髪に栄養が行き渡りにくくなります。つまりハゲやすくなるのです。
よかれと思って始めたダイエットで余計に自分を苦しめてしまうことがないよう、注意したいですね。
何を食べれば薄毛に良いのか?
脂肪分や塩分を摂りすぎることが薄毛につながるのはわかりました。では逆に、何を食べれば薄毛の予防・改善につながるのでしょうか?
これは言い換えれば、育毛にはどのような栄養素が必要か、という問題でもあります。順番に確認していきましょう。
大豆食品
大豆食品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと同様の働きをして、ホルモンバランスを整えることで知られています。
エストロゲンは年齢と共に減少していく傾向にあるようなのですが、それを補ってくれるわけですね。すると薄毛の原因である男性ホルモン=テストテロンの抑制につながり、結果として抜け毛防止や薄毛の改善になるのです。
特に納豆がおすすめです。納豆には大豆イソフラボンはもちろん、髪のもととなるタンパク質も多く含まれています。
また、新陳代謝を促す効果のあるビタミンB2も含んでおり、頭皮の改善を目的にする場合も有効です。
さらに、納豆に含まれているナットウキナーゼという成分には、血液の淀みを払拭し、さらさらにする効果があります。
このように、ぜひおすすめしたい納豆なのですが、もし苦手な場合は豆腐や豆乳、きなこ、油揚げなどをお試しください。
卵・乳製品
卵にも多くのタンパク質が含まれています。また、その他の栄養素も豊富で、髪の育成に効果があるとされるセレニウム、亜鉛、硫黄、ビオチンなどが含まれています。
牛乳も同様におすすめです。牛乳にはタンパク質の他、ビタミンBの含有量も多いです。薄毛とビタミンの関係については、後の「ビタミンを多く含む食品」の項目で記します。
亜鉛が多く含まれる食品
髪を構成する主な成分はタンパク質(ケラチン)なのですが、ミネラルの一つである亜鉛がしっかり摂れていると、髪を生成する毛母細胞の細胞分裂を助け、育毛を促進することができます。
亜鉛を摂るなら生牡蠣がおすすめです。他の魚介類にも亜鉛は多く含まれますが、生牡蠣が持つ亜鉛の量は段違いなのでぜひお試しください。
また、生牡蠣はタウリンの含有量も多いです。タウリンには育毛効果と、コレステロールを減少させる働きがありますのでさらにお得です。
ただし、元々魚介類はコレステロール値が高めですので、食べ過ぎないで適度に摂取することが大事だと言えます。
加えて、生牡蠣には血行をよくすると言われるアミノ酸も多く含まれています。牡蠣は本当に栄養の宝庫です。
生牡蠣が苦手な場合は豚肉類や牛肉類(レバー含む)をお試しください。特に豚レバーがおすすめです。他の魚介類ならば、蟹やたらこが比較的多くの亜鉛を有しています。
ヨウ素を多く含む食品
亜鉛と同様に必要不可欠なミネラルがヨウ素です。ヨウ素には新陳代謝を促し、細胞を活性化させる効果があります。これにより育毛が期待できますので、亜鉛と一緒に摂取しておきたいですね。
ヨウ素は海藻類に多く含まれています。そう、ワカメです。昔からなんとなく、ハゲにはワカメがいいなんて言われていましたよね。あれはヨウ素が豊富だからなんです。
その他、同じ海藻類ならヒジキやフノリなど、あるいは魚介類ならアサリ、シシャモ、アワビなどでヨウ素を摂れます。
ビタミンを多く含む食品
薄毛対策にはビタミンも欠かせません。ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどが薄毛に良いとされていますが、いくつかの食材でそれらを補うことができます。
ニンジンには、血流をよくしたり細胞の保湿を促すビタミンAが多く含まれています。これにより、頭皮の健康を守ることができるのです。その他の緑黄色野菜も優秀で、カボチャやほうれん草もビタミンAを多く含んでいます。
ニンニクやマグロ、イワシ、カツオといった食品にはビタミンBが多く含まれています。中でも、ビタミンB6にはタンパク質から髪を生成する作用があり、ビタミンB12は頭皮の毛母細胞を活性化してくれます。
レモンには、ご存じの通りビタミンCが豊富です。ビタミンCは、髪を豊かにしてハリやツヤを与えるためのコラーゲンの生成を促します。また、コラーゲンが安定して作られるようになると血管や頭皮が頑丈になり、抜け毛対策になります。
レモン以外にもユズ、グァバ等の柑橘類はビタミンCを多く含んでいます。野菜類なら赤ピーマン、黄ピーマンなどがおすすめですので、好みに合わせてお試しください。
ちなみにビタミンCには抗ストレスホルモンであるコルチゾールの生成を助ける役目もありますので、ストレス軽減にも役立ちます。
ひまわり油はビタミンEの含有量が多めです。ビタミンEには毛細血管を広げて血の巡りをよくする作用がありますので、薄毛に効果的と言えます。揚げ物などを食べるときに使う油をひまわり油に変えておくといいでしょう。
また、あんこうの肝やアーモンドなどにもビタミンEは多く含まれています。アーモンドなどの簡単に食べられるナッツ類はどれもビタミンEが多いようですので、こちらから試すのも良いでしょう。
植物性タンパク質を多く含む食品
タンパク質について補足させてください。タンパク質は髪を生成する上で非常に有効な栄養素である、というのは前述したとおりです。
タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質の二種類があります。動物性タンパク質は肉や魚、卵などから補える成分で、植物性タンパク質は納豆などの大豆製品から摂取できます。
どちらのタンパク質も髪には有効なのですが、どちらかと言えば植物性タンパク質を摂取するようにしてください。
というのも、動物性タンパク質を摂りすぎると内臓に脂肪がつきやすくなります。すると血管が圧迫されて肝機能が低下したり、血液の巡りが悪くなって頭皮に栄養が行き届かなくなったりします。
より育毛効果が期待できるのは植物性タンパク質です。薄毛対策で料理を作る、などで食材を選ぶような場面があれば、植物性タンパク質を多めに摂るよう心がけましょう。
一緒に習慣付けたい薄毛対策
薄毛にはどんな食べ物が有効なのか、前の項目でご理解いただけたかと思います。あとはそれを日々の食生活に取り入れていただければ幸いなのですが、薄毛対策は食生活だけにとどまりません。
運動をすること
髪の毛と運動は関係ないだろう、と思うかもしれませんがあります。運動をしただけで髪の毛が生えるということはありません。しかし、頭皮環境の改善には大いに役立ちます。
行っていただきたいのは有酸素運動です。有酸素運動とは、酸素を多く取り込みながら体内の糖質や脂肪を燃焼させる運動です。ジョギングや水泳などがそれにあたりますね。
適度な負荷があり、かつ呼吸が速く、深くなって酸素を多く取り込めるのが有酸素運動です。それの何がいいのかというと、まず血行が良くなります。有酸素運動には心肺機能を高める他、血管を柔らかくして血流の改善を促す作用もあります。
全身の血流がよくなれば、自然と体の末端である頭皮の毛細血管にまでしっかりと血が巡るようになり、結果として栄養素が届きやすくなります。このような仕組みで薄毛対策となり得るのです。
また、運動を行うことでストレスの発散にもなります。人間は過度なストレスを感じてしまうと自律神経に乱れが生じ、血管が収縮して血行を悪くしてしまうことがあります。そうなれば頭皮に栄養が届かず、状態が悪化してしまいます。
さらに、運動して汗をかくことにより、男性ホルモンの抑制につながります。これは、汗と一緒に男性ホルモンが体外に排出されると考えられているからです。体内の男性ホルモン濃度が下がると、結果としてハゲにくくなります。
有酸素運動にも様々なものがありますが、まったくの運動未経験者、あるいは高齢の方などはウォーキングから入るのがおすすめです。ただ歩くのではなく、大股で早歩きをする、腕を大きく振るなどのポイントに気をつけると良いでしょう。
慣れてきたらジョギングにチャレンジしてみてください。ハイペースで走る必要はありません。誰かと一緒に会話ができる程度の、のんびりとした速さで結構です。少し息が上がる程度でかまいませんので、できれば20分以上走るように心がけてください。
なぜ20分以上なのかというと、有酸素運動によって脂肪燃焼などの効果が発揮されやすいのが、ちょうど20分を越えたあたりからと言われているためです。
サイクリングや水泳なども良いでしょう。自身の生活に取り入れやすいもので、あるいは好みに合わせて有酸素運動の習慣化を目指しましょう。
頭皮マッサージ
頭皮の血行を良くし、毛根に働きかける効果があります。例えば運動後にシャワーを浴びる時など、一日の中でやるタイミングを決めて習慣付けたいですね。
指の腹を使って頭皮を傷つけないように注意しながら、側頭部、後頭部、前頭部などの順番にゆっくりと揉みほぐしてください。固い部分があるなら特に重点的にほぐしましょう。
お風呂の最中や風呂あがりなど、頭皮が濡れた状態で行うと吉です。育毛剤などを使用したあとでも大丈夫ですよ。
シャンプー・発毛剤の見直し
普段何気なく使っているシャンプーや育毛剤をもう一度見つめ直してみましょう。
シャンプーは洗浄力が高すぎるとむしろ頭皮に悪影響なので、できればノンシリコンや弱酸性といった肌に優しい成分のものを使用するのがいいでしょう。
発毛剤や育毛剤に関しても一緒です。まったく効果がないようでしたら一度使用をやめて、その費用を生活習慣の改善にあてるのも一つの手かもしれません。
まとめ
食生活が薄毛にもたらす影響について、わかっていただけたかと思います。すぐにバランスのとれた食生活を始めるのはなかなか難しいかもしれませんが、頭の片隅に知識を溜めておいて、例えば食べ過ぎや飲み過ぎをやめることから始めてもいいでしょう。
それだけでも頭皮の環境改善にはなりますし、余裕が生まれたら有効な食材を使った自炊などにチャレンジしてみればいいのです。少しずつステップアップしていきましょう。
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