最近頭頂部が薄くなってきたことに気がついて、驚くことはありませんか。頭頂部が薄くなっていることをつむじハゲともいいますが、つむじハゲといってもいろんな症状があり、男性に多いAGAの一症状であったり、女性にも発症することがあります。円形脱毛症の可能性もあります。
頭頂部の薄毛の症状と対策、また予防についてまとめましたので、よかったら参考にしてください。
目次
頭頂部薄い人の症状
頭頂部が薄いというのはどんな症状か、脱毛症との関連について確認しましょう。
男性型脱毛症と頭頂部の薄毛
男性の薄毛の原因に多い、男性型脱毛症(AGA)の薄毛にはいくつかありますが、その中でもO字型といわれる、頭のてっぺんからはげていく脱毛のタイプがあります。
男性ホルモンが5αリダクターゼという酵素と結びついて変化することで、髪を作る細胞の働きが弱くなり、抜け毛、薄毛につながります。
女性のびまん性脱毛症と頭頂部の薄毛
びまん性脱毛症は女性ホルモンの減少により起こり、加齢とともに起こりやすくなる脱毛症です。
頭部全体が薄くなる脱毛症ですが、初期は頭頂部や分け目から薄くなります。
男性、女性どちらにもある円形脱毛症
AGAとは異なり、徐々に薄くなるのではなく一気にはげが進行して抜けたところと生えているところの境がはっきりとしています。
円形脱毛症は自己免疫疾患により起こります。円形脱毛症については、10円はげ(円形脱毛症)の原因と対策、治し方について!どんな種類がある?を参考にしてください。
つむじとつむじハゲの違い
つむじ部分は髪が薄くなっていて、地肌が見えているのが普通です。もともと髪が細い人はつむじが目立って気にする人もいるかもしれません。つむじのところで髪が渦を巻いていて、頭皮の色が白っぽく、髪が健康であれば大丈夫です。
つむじハゲが進行している場合は、つむじで渦が巻いていない、頭皮の色が赤っぽくなったり、髪質が弱くなっていたり、頭皮や髪のトラブルが見られます。
頭頂部が薄いのは男性に多い?その原因は?
男性で頭頂部の薄毛が目立つのは、AGAの一症状である可能性があります。
AGA(男性型脱毛症)の種類
AGAには大きく分けるとM字型、O字型、A字型の3つの進行パターンがあります。
M字型はいわゆるM字はげといわれるタイプですが、前頭部、頭頂部の真ん中あたりは残したまま、左右の生え際から髪が後退していきます。その髪の残った形がアルファベットのMの形に似ているのでM字型といわれます。
O字型は頭頂部から薄毛が進行するタイプ、つむじハゲといわれるタイプです。後ろから見ないと薄毛の進行がわからないので、自分では気づきにくい薄毛のタイプといえます。
A字型は前頭部から髪がはげあがっていくパターン、日本人に多いタイプです。
AGAの原因
AGA(男性型脱毛症)は生え際、頭頂部が薄くなっていく症状で思春期以降に起こりやすいものです。
この原因は、まず男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合することにあります。5αリダクターゼは、男性ホルモンであるテストステロンをより強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンに変えます。
ここで生成されるジヒドロテストステロン(DHT)が、髪の毛をつくる重要な役割を担っている毛乳頭の中にある器官と反応すると、毛乳頭や毛母細胞の働きが鈍くなり、薄毛・抜け毛が引き起こされます。
女性の頭頂部薄毛の原因は?
頭頂部の薄毛は男性に多い悩みですが、女性にも見られます。
びまん性脱毛症(女性男性型脱毛症)
びまん性脱毛症は女性男性型脱毛症(FAGA)と言われ、頭部全体の髪が薄くなります。
男性のAGAと違うのは、髪の毛全体が薄くなり、男性の症状のように生え際のみ後退したり、頭皮が露出するような抜け毛にならないところです。
びまん性脱毛症でも頭頂部の薄毛が起きる?
びまん性脱毛症は頭髪全体が薄くなる脱毛症ですが、最初は髪の分け目や頭頂部が薄くなり、それから徐々に進行していきます。
ゆっくりと進行していくため、薄毛が目立ってくるまで気づきにくいです。
女性ホルモンとびまん性脱毛症(女性男性型脱毛症)
男性ホルモン、女性ホルモンともに男性も女性も持っています。男性ホルモンが体毛の発毛を促すのに対し、女性ホルモンは頭頂部~耳の頭髪の発毛を促します。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは肌をつややかにし、髪の成長を促します。
女性は女性ホルモンが多いので、男性より薄毛になることが少ないです。しかしこの女性ホルモンは20代をピークに減少していきます。特に40代半ば頃から女性ホルモンの現象の影響が出て、男性ホルモンが優位になってしまいます。
このホルモンバランスの乱れより、びまん性脱毛症を発症してしまいます。
その他のびまん性脱毛症の原因
びまん性脱毛症は50歳以降の女性に多かったですが、最近は20~30代の女性にも見られます。
加齢以外にもストレスや食生活の乱れ、睡眠不足や運動不足によって、ホルモンバランスの乱れが引き起こされることがあります。またピルの中止後、出産後でもホルモンバランスが乱れることがあります。
頭頂部のはげはシャンプーやヘアカラーも原因?
髪に直接関わるものといえば、シャンプーや整髪料、美容院ではヘアカラーやパーマなどがあります。これらは髪に悪いのでしょうか。
市販のシャンプーと頭皮への影響
市販のシャンプーは洗浄力の高い、高級アルコール系といわれているものが多いです。肌や髪がデリケートな人には刺激が強いかもしれません。
特に頭皮がデリケートだと感じている人はアミノ酸系や地肌に優しいものなども出ていますので、そちらに切り替えてみるのもおすすめです。担当の美容師さんに相談するのもいいでしょう。
カラー剤やパーマ剤と薄毛の関係
カラー剤やパーマ剤が頭皮の炎症や髪の傷みを引き起こすことがあります。美容院で使われているものは髪や頭皮に優しいもの、施術の際にもダメージにならないよう考慮した染め方、かけ方などしてくれますが、市販のものは安価である反面薬剤の刺激が強く、おすすめできません。
美容院の薬剤でもかけすぎはダメージを引き起こしますが、適度に期間を空けて、新しいスタイルを楽しむようにしましょう。
頭頂部薄いのが気になる人に薄毛対策
頭頂部が薄いのが気になってきた人に、おすすめの対策方法を紹介します。
クリニックで頭頂部の薄毛治療
頭頂部の薄毛改善として最も良い改善方法は、専門家に治療を受けることです。薄毛が進行してしまう前に、頭頂部や分け目の薄毛が気になってきたらクリニックに行って専門家の治療を受けるのがおすすめです。育毛、発毛効果の高い治療薬も処方されます。男性はAGA 治療、女性は女性専門の薄毛治療のクリニックや美容外科など、自分に合ったクリニックを選ぶようにします。
薄毛治療専門のクリニックなら男性でも女性でもOKですが、女性の場合男性と一緒なのが嫌な方も少なくないでしょう。そのような方は女性専門のところを探すのがおすすめです。
市販の育毛剤などですと、手軽ですが発毛まで実感するのは難しいです。クリニックでの治療は費用と時間はかかりますが、自己ケアより効果は高いです。症状にあった治療法で、気になる薄毛、ハゲの改善をしていきましょう。
生活習慣を見直して薄毛対策
過度の飲酒や喫煙の習慣、運動不足は血行を悪くする原因となります。ストレスもよくありません。
またバランスの悪い食事は栄養不足を招きます。栄養不足は髪にも栄養がいかないことになり、健康な髪の成長を妨げます。体の内側からのケアも大事です。
喫煙の習慣はニコチンにより血流の低下が起きるだけでなく、アミノ酸を含む抗酸化物質の低下、ビタミンEの破壊により、髪の成長が妨げられます。
軽い運動やストレッチなど体を動かして、運動不足・ストレスの解消をしましょう。
睡眠で頭頂部の薄毛対策
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の1時間半のサイクルがあります。このサイクルが終わるとき、つまりレム睡眠が終わって目覚めると、すっきり起きられるといわれています。特に睡眠の最初の3時間は髪や肌と関わる成長ホルモンが分泌されます。
仕事が不規則な時間帯だったり、睡眠不足や早寝早起きできないような状況もあると思います。できる範囲で休める時は休むように、適度な睡眠をとって体をいたわることが育毛対策につながっていきます。
頭頂部が目立たない髪型
まださほど薄毛が進行していなければ、髪型を工夫することで頭頂部の薄くなっている部分を隠すことができます。男性でしたらベリーショート、オールバック、女性なら分け目を変えてボリュームを出すことで薄くなっている部分を隠せます。
増毛・植毛で頭頂部の薄毛対策
だいぶ進行していたり、元の髪型にしたいというのであればウィッグという手もあります。数千円~数十万円と幅がありますが、あまり安いものは品質もそれなりです。
頭頂部の薄くなっているところだけを隠すような部分かつらや、増毛スプレー、増毛パウダーなどもあります。地毛の髪に結んだり、編みこんだりする増毛法というのもあります。
より自然な植毛という方法もありますが、高額です。20万~200万円と自毛、人口毛、クリニックでばらつきはあります。
紫外線対策で薄毛予防
頭頂部は紫外線を浴びやすい場所です。髪の毛は毛母細胞が分裂することによってつくられますが、紫外線を頭皮に浴びてしまうとその毛母細胞の働きが悪くなってしまい、抜け毛や薄毛のトラブルにつながります。夏場は髪も日焼けして色が落ちてしまいます。それぐらい紫外線は強烈です。
薄毛・脱毛予防に紫外線を浴びないよう、陽射しの強い時期は帽子や日傘などで頭皮と髪をガードするよう対策をしっかりしましょう。
育毛剤で頭頂部はげを予防
市販の育毛剤で、自分でもできる頭皮ケアの対策方法を紹介します。
育毛剤で頭頂部の薄毛対策
育毛剤やマッサージなどで血行を良くするだけで、頭頂部の薄毛がただちに改善するというわけではありません。治療を受けて治療薬と併用、また効果の高い育毛剤を根気よく継続使用して、育毛促進対策として使用しましょう。
育毛剤・治療薬はインターネットやSNSにもさまざまな情報が出ていますが、引用元など確かなものかどうかよく確認して、すべてを鵜呑みにしないよう注意してください。
育毛剤はすぐに効果が出るのか?
育毛剤はすぐに効果があらわれるものではありませんので、継続して使うことが必要です。効果の高い育毛剤でも髪が生えてきたことを実感するのに4~7か月ぐらいかかるようです。
髪にはヘアサイクルがあり、成長期、休止期、退行期と3つの段階があります。成長期には髪が伸びて太くなる時期で4年~6年と健康な髪なら長いのですが、何らかの原因でヘアサイクルが乱れると、その期間が短くなってしまいます。
髪の毛が抜けてしまう時期が早く来てしまい、また新たに生える髪も弱い髪だったりするので、どんどん薄毛になってしまいます。
もともと時間をかけて髪は育っていくので、根気よく使い続けることが必要です。
男性用育毛剤で頭頂部の薄毛対策
男性用育毛剤の成分は、男性ホルモン抑制、皮脂分解、抗菌、清涼剤、血行促進、消炎、栄養など、男性の症状に合ったものが入っています。さっぱりとした使い心地のものが多いです。
ミノキシジル配合の育毛剤・発毛剤で頭頂部の薄毛を改善
よく聞かれる「ミノキシジル」は発毛が医学的に認められている成分の一つで、発毛育毛に効果があります。大正製薬から出ている発毛剤リアップは、ミノキシジルが配合されている第1類医薬品です。高い育毛効果が期待できます。ただしこのリアップは「壮年性脱毛症」に効果があるとうたっています。壮年性脱毛症は20代または30代(後半)~50代で発症する男性型脱毛症です。
個人輸入代行を利用するなどして、海外の育毛剤、またタブレットなど輸入している方もいるようですが、安全面でおすすめはできません。
女性用育毛剤で頭頂部の薄毛対策
女性用育毛剤は栄養、保湿成分、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンなどが配合されています。女性のデリケートな肌に合わせて作られているので、刺激が弱く、頭皮に優しいです。その成分のため、男性用育毛剤を女性が使うのはよくありません。
配合されている成分によっては、副作用の危険があるので女性の使用を禁止しているものもあります。
シャンプーで頭頂部はげを予防
シャンプーだけで高い育毛効果が出るというわけではありませんが、薄毛の原因が頭皮環境によるものであれば、シャンプーもかなり重要になってきます。
おすすめのシャンプー
頭皮環境をよくすることを考えられたのが育毛シャンプーです。抜け毛が減ったのを実感できるという口コミもありますが、薄毛が本当に気になっている人は他のケアも並行するようにしてください。
またアミノ酸系のシャンプーも肌と髪に優しいです。髪がつややかになるコンディショナー、トリートメントと併用するのが女性におすすめです。
シャンプーの後の頭皮ケア
頭皮の環境のためにもシャンプー後はドライヤーで髪をしっかり乾かし、清潔な寝具で寝るようにしましょう。髪が長い女性はタオルドライをしてから、ドライヤーをかけましょう。温風のみで乾かすと、頭皮が乾燥しやすいです。ある程度乾いたら冷風で仕上げましょう。
育毛剤を使用する場合は、ドライヤーで乾かした後にします。育毛剤をつけたあとは成分を蒸発させないよう、なるべく自然乾燥で、または冷風で乾かします。
頭頂部の薄毛に頭皮マッサージ
頭全体をマッサージすることによって血行を促進し、頭頂部の薄毛の対策をします。
頭皮マッサージで血行促進
親指以外の4本の指を、耳のすぐ上にあるツボである角孫(かくそん)にあてます。親指は頭の後ろに固定して、4本の指を円を描くように動かしてマッサージします。何回か行ったら、マッサージをする位置を少しずつ上に移動していき、下から上へ血流を促すようなイメージで行います。
親指で角孫から後頭部の生え際にある風池(ふうち)を、親指で血液を流すようマッサージ、首の後ろにある天柱、頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)を指圧するのも頭皮の血行に良いです。
人にしてもらうのは気持ちいいものですが、自分でも動画などを見ながら一緒にするとやりやすいです。一度マッサージする場所を覚えれば、いつでも気軽にできますね。
頭皮マッサージをするときの注意
爪を立てずに指の腹でするようにします。また、押すときに力をいれすぎないように注意してください。やたら頭をもんだり刺激を与えるのもよくないです。
まとめ
一口に頭頂部の薄毛といっても、男性型脱毛症、女性のびまん性脱毛症、または円形脱毛症ということも考えられます。症状にあった治療や対策を早期発見で進めることで、薄毛改善につながっていきます。
薄毛改善のための自己ケアとして、発毛成分の入った育毛剤や発毛剤を継続して使用することも効果があります。育毛剤・発毛剤でのケア以外にも薄毛予防として、日頃の睡眠や食事など生活習慣の見直しや、紫外線対策、シャンプーの選び方など、髪に優しい生活を送ることも必要です。
また頭頂部が薄いのをすぐにでも隠したいという人は、髪型を変えたり、かつらや増毛などをするという手段もあります。自分に合った治療・対策をして気になる頭頂部の薄毛を改善、また気にせず過ごせるようになると良いですね。
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