若いときから髪が少ない人にとって、またハゲる家系の人にとって、将来自分がハゲてしまうのではないかと気になりますよね。
ハゲることには遺伝的な要因もありますが、普段の生活習慣にもハゲる原因が潜んでいます。
ハゲる原因を今から知っておいて、将来ハゲない方法を実践することで、ハゲを回避できるかもしれません。いくつかはげない方法を紹介してみますので、今からできるはげないための予防方法の実践に、参考にしてみてください。
ハゲる原因
ハゲない方法の実践の前に、髪が抜けてしまうメカニズムと、ハゲる原因をまず知っておきましょう。
遺伝
ハゲてしまうのは家系だから、とあきらめている人も多いかもしれませんが、必ずしも遺伝するというわけではありません。ハゲの遺伝子とは何かというと、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が生成される原因となる5αリダクターゼという酵素が活発である遺伝子、またDHTと毛乳頭にある受容体が結合しやすい遺伝子というのがあるようです。
5αリダクターゼが活発な遺伝子と、受容体の感受性が遺伝によって決まるということです。この遺伝は特に母方から受け継がれると言われていますが、一卵性双生児を被験者にした調査と実験では、治療前後で双子の間で髪の毛の量に差があることがわかりました。
必ずしも遺伝だけで決まるというわけではない証拠になります。
ホルモン
ホルモンバランスが乱れると体に様々な影響を及ぼします。特に性ホルモンが抜け毛と深く関わっているとされています。
ホルモンバランスは加齢や妊娠・出産、ストレスや生活習慣によって乱れることがあります。
男性ホルモン
男性ホルモンの90%以上を占めるテストステロンは、筋肉を増強させて男性らしい体格を作り、また支配的・攻撃的な性格を作るホルモンです。また、ヒゲ、体毛を生やす性質もあります。
テストステロン自体は直接ハゲることにつながらないのですが、この男性ホルモンが毛根に存在する5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)になることで、髪が抜ける原因になります。これによって男性型脱毛症、女性男性型脱毛症が引き起こされることがわかっています。
男性型脱毛症
男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)が毛乳頭にあるアンドロゲンレセプターと呼ばれる受容体と結びつくことで、脱毛を促すタンパク質が生成されます。これらによって髪を作る元となる毛母細胞の分裂が妨げられ、髪の毛が抜けていきます。
この脱毛症を男性型脱毛症といいますが、女性にも同様の脱毛症(女性男性型脱毛症)が起こることがあります。男性型脱毛症は生え際や前頭部、頭頂部から髪が抜けて進行していきます。
女性ホルモン
女性ホルモンであるエストロゲンは、髪の成長に関わっています。しかしエストロゲンは加齢により減少します。また出産やストレスなどが原因で減少することもあります。
また少なくなった女性ホルモンを補うように男性ホルモンが増加してしまうこともあります。女性の脱毛症の場合は、頭部全体が薄毛になっていくのが特徴です。
ストレス
精神的また身体的ストレスによってハゲることがあります。何事も気にしすぎたり、精神的なストレスによって自律神経系が乱れ、血行不良やホルモンバランスの乱れが生じることがあります。円形脱毛症はストレスで引き起こされやすいです。
また身体的ストレスは髪や頭皮を引っ張り続けること、そのような髪型をしていることで脱毛症が引き起こされることがあります。このような脱毛症を牽引性脱毛症といいます。
栄養不足
栄養不足もはげと関わっています。髪の成長には栄養が必要です。髪の成分はタンパク質であり、その生成にはビタミンやミネラルも必要です。
それらが不足することで健康な髪の成長が妨げられます。
ハゲないための生活習慣
ハゲる原因は遺伝以外にもあることがわかりました。
生活習慣を改善することで抜け毛を予防しましょう。
栄養バランスの良い食事
髪の成長に必要な栄養はタンパク質やビタミン、ミネラルです。炭水化物中心の食生活やタンパク質が不足していると髪が育ちません。体の健康は髪の健康にもなります、バランスの良い食事をとることで髪にも栄養を届けるようにしましょう。
しかしビタミン、ミネラルと一口にいってもビタミンはA、B群、Cやミネラルも亜鉛、カルシウム、セレン、鉄などいろいろな種類があります。亜鉛のような摂取しにくい栄養もあり、現代人の食生活に摂りいれるのは難しいかもしれません。
そのような人には1日のうち1食でもバランスの良い食事をとるようにして、他は育毛サプリで不足しがちな栄養を摂取するのも良いでしょう。
睡眠をとる
睡眠不足の人、夜更かしして不規則な生活をしている人も少なくないでしょう。深夜10:00~2:00は髪の成長を促す成長ホルモンが分泌される時間帯です。
その時間帯に寝られるように早めに体を休めましょう。できれば7時間程度の睡眠時間を確保したいところです。
運動の習慣
適度な運動は血行が良くなり、ストレス解消にもなります。血行が悪いと頭皮の血液の巡りが悪くなり、髪にも栄養が行き届かない可能性があります。
頭皮環境を良くするためにも、適度な運動を習慣にして、血行を良くするようにしましょう。
喫煙・飲酒の生活習慣を改善
喫煙は血行を悪くしビタミンCを破壊します。
また過度の飲酒はビタミンB2の不足や肝機能の低下を招きます。飲み過ぎが睡眠不足や夜更かしにつながることもあります。吸い過ぎ・飲み過ぎに注意しましょう。
ハゲ予防の生活習慣まとめ
規則正しい生活、睡眠、食事、適度な運動、喫煙・過度の飲酒を控えること、結局体にいいことをするのが髪にもいいことにつながっていくということになります。
髪の健康対策のためにも、生活習慣を一度見直してみましょう。
ハゲないためのヘアケア対策
髪と頭皮へ直接働きかける、ハゲない方法も試してみましょう。
シャンプーや頭皮マッサージについても確認しましょう。
シャンプー
シャンプーは毎日できるヘアケアです。髪と頭皮の健康のために、シャンプーを選ぶ際にはその成分にも注意しましょう。
シャンプーの洗浄成分は界面活性剤ですが、その界面活性剤にもいろいろな種類があります。天然成分のものが髪や頭皮に優しいとされています。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸系の成分が主成分のシャンプーです。アミノ酸系シャンプーはアシルグルタミン酸、ラウロイルメチルアラニンNaなどの天然由来の合成界面活性剤が使われています。
アミノ酸系シャンプーは洗浄力が弱いですが、他の界面活性剤より頭皮への刺激が弱いので、デリケートな肌の人、髪が傷みやすい人にもおすすめです。女性は特に美髪効果が高いので好んで使っている人も多いでしょう。
ノンシリコンシャンプー
シャンプーにはシリコンが入っていることが多いです。シリコンによって髪をコーティングして髪の艶を出し、ドライヤーの熱から守る効果もあります。シリコンオイルが頭皮の毛穴をふさぐ可能性があるということで、ノンシリコンシャンプーが注目されるようになりました。ノンシリコンシャンプーを使うと若干髪がきしむように感じられるかもしれません。
育毛に効果があると言われるINZEALシャンプーは、トウモロコシから抽出されたゼインという成分が入っています。ココイルグルタミン酸TEAというアミノ酸系の洗浄成分が配合されており頭皮に優しいです。しかしやはりノンシリコンゆえに、髪がきしむという声もあります。
育毛シャンプー
育毛シャンプーは直接育毛を促すものではありません。医療機関では発毛成分の入ったシャンプーを購入することはできます。育毛シャンプーは頭皮に優しく刺激の少ないもの、頭皮の血行をよくする成分が入っています。使用することで頭皮環境を良くすることができ、抜け毛予防になります。
よく育毛剤での副作用が心配されますが、育毛シャンプーでは副作用の心配はありません。また育毛剤の効果を高めてくれます。
洗い方
良いシャンプー剤を選んだら、正しい洗い方でのケアも必要です。正しいシャンプーの洗い方は次のようになります。
- シャンプーの前に予洗いをします。ブラッシングし髪をお湯で洗うだけで、汚れはよく落ちます。
- シャンプーを泡立てます。シャンプー液はそのまま髪につけず、少しお湯を足してよく泡立ててから頭皮を洗います。
- シャンプーで洗います。指の腹に力を入れて、マッサージするようにして頭皮を洗うようにします。ゴシゴシこすったり、爪を立てないよう注意してください。
- シャンプーを洗い流します。頭皮にシャンプー剤が残らないよう、しっかり洗い流します。
- 仕上げにリンス、コンディショナーまたはトリートメントをします。頭皮ではなく毛先を中心に塗ります。
特に女性はトリートメントを使うことが多いと思われますが、トリートメントはタオルドライしたあとに使いましょう。また髪になじませたあとすぐ洗わず、ホットタオルで髪を巻いておくとトリートメント成分が浸透しやすくなります。枝毛・切れ毛にも効果があります。
最後は洗い流しますが、うるおい成分が髪に残るよう、シャンプーほどしっかり洗う必要はありません。
お湯洗い
シャンプーを使わずお湯だけで洗うという方法もあります。湯シャンとも呼ばれています。お湯で洗うだけでも7割は汚れが落ちているといいますが、やはりにおいやベタつきが気になりますよね。
乾燥する季節、少し頭皮が乾燥しているときなどに、時々とり入れてみてもいいかもしれません。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージは頭皮の血行を良くし、頭皮環境を良くする方法です。シャンプーの時やヘアオイルを使ったり、マッサージ用のグッズも売られています。自分でしても気持ちが良いですが、サロンでしてもらうマッサージもリラックス効果、ストレス解消効果もあっておすすめです。
簡単なマッサージには、次のような方法があります。親指を首の付け根に固定し、4本の指で耳をおおうようにします。親指は固定したまま、4本の指を円を描くように頭皮をマッサージし、少しずつマッサージするところを上にずらしていきます。これだけでもスッキリとしますよ。
カラーリングのし過ぎに注意
ヘアカラー、パーマは髪へのダメージがありますので、2,3カ月に1度程度にしましょう。美容室で使われているカラー剤で頭皮に負担というのは考えにくいようですが、市販のカラー剤でセルフカラーするのは難しく、頭皮にカラー剤が残らないとは言い切れません。
できればカラーリングはプロの美容師さんにお願いし、自分でする場合はカラーをした後よく頭皮を洗うように注意しましょう。
ハゲないための育毛剤
ハゲないための対策に育毛剤を使用するのもおすすめです。
育毛剤というとハゲが進行している人だけが使うものではなく、ちょっと髪の毛の量が気になる人のハゲる前の薄毛予防、抜け毛対策として使うのも効果的です。
育毛剤
店頭に並んでいる薄毛対策育毛剤は医薬部外品や化粧品がほとんどです。薄毛対策に効果的ですが、育毛剤を使うことで生えていなかったところにまで発毛するようになるような、強力な効果があるわけではありません。頭皮環境を良くすることで育毛を促す効果があります。
ボリュームが少なくなってきてたのが気になる、このまま薄毛になるのではないかと心配、という人は、天然成分系の育毛剤がおすすめです。ハゲの予防として使用する場合は、医薬品を使う必要はありません。効果の高いものは副作用が出る可能性もあり、また予防目的には作られていませんので注意してください。
男性用と女性用の違い
男性向けの育毛剤は頭皮の血行促進、男性ホルモンの抑制、女性向けの育毛剤はイソフラボンなど女性ホルモンと同様の効果のある成分と、栄養成分を中心に入っています。
それぞれに合った成分が使われていますので、男性が女性の、また女性が男性の育毛剤を使うのは育毛効果が薄れる可能性もありますので、自分に合ったものを使用しましょう。
発毛剤との違い
発毛剤は医薬品であり、発毛する効果が高いものです。そのため予防のためというよりも、ハゲが進行してきたので改善したいという人にはおすすめです。
育毛剤と同じグループとして見られやすいですが、効果が高い分注意して使用することをおすすめします。
頭皮用化粧水
育毛剤ではないですが、頭皮用の化粧水を使うことで頭皮の乾燥を防ぎ、フケやかゆみを防ぐ効果もあります。化粧水を使って頭皮環境を整えることで、健康で美しい髪を育てる対策になります。
頭皮が脂ぎっているとハゲるというイメージがありますが、実際は頭皮が乾燥している人も多いです。頭皮ケアとして保湿も必要です。
ハゲてしまったら専門医に相談
ハゲないよう気をつけてはいたつもりだったけど、薄毛が気になってきたという人、これ以上進行させたくないという人は、専門医に相談してみましょう。
AGAクリニック
男性型脱毛症(AGA)を対象にしたクリニックです。AGAかわからないけれど、もしかしてそうなのかも?と心配な人にはAGA検査もあります。
皮膚科でも一部対応していますが、AGA専門クリニックなら薬の処方による発毛治療だけでなく、HARG療法のような施術や自毛植毛に対応しているところもあります。薄毛の状態に合わせた治療をしてくれます。
無料カウンセリング
薄毛治療やAGA治療は高額というイメージがあり、また一度診察に行くとそのまま通わなくちゃいけないのではと心配にもなりますね。無料カウンセリングを実施しているクリニックもありますので、そのようなクリニックを利用してみるのも良いでしょう。
治療についての疑問点を質問、相談できると安心ですね。
AGAの治療法
AGA治療にはミノキシジル、プロペシア、パントガールなどの治療薬が使われます。
また成長因子やHARGカクテルを直接頭皮に注入する治療もあります。
女性向けの薄毛治療クリニック
女性専用の薄毛に対応してくれるクリニックもあります。女性専用のクリニックだと入りやすいですね。
クリニックに行きたいけれど入りにくい、という女性にもおすすめです。
まとめ
ハゲになるのは遺伝だけでなく、睡眠不足やストレス、栄養バランスの悪い食事など、悪い生活習慣も原因であることがわかりました。そのためハゲないようにするためには、質の良い睡眠をとること、規則正しい生活を送ること、栄養バランスの良い食事をとって髪にも栄養が行き渡るようにすること、血行を良くするためにも適度な運動を日頃からとり入れることが必要です。
頭皮や髪に優しい成分のシャンプーを使用して、正しい方法でシャンプーをすることも大事です。短い時間でもいいですから頭皮マッサージもして頭皮の血行を良くし、髪に栄養が行き渡るようにしましょう。さらにプラスアイテムとして育毛剤の使用と、AGAが心配であれば専門のクリニックで検査してもらうのもおすすめです。
ハゲない方法のすべてを実践するのは難しいかもしれませんが、日々の生活に少しずつでもとり入れてみてください。
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