海藻が髪の毛に良いという話は皆さん聞いたことがあるのではないでしょうか?しかし、本当に海藻を食べることで髪の毛が健康になるのかどうか、疑問に思う方もいるかと思います。
そんな疑問を解決するために今日は海藻が髪の毛に与える影響、その効果は本物なのかについて紹介していきたいと思います。
海藻と言っても何を食べれば良いのか、どのくらいの量を食べれば効果が得られるのか、また食べ過ぎによる悪影響などの問題も合わせて紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
海藻の恩恵を受けて髪の毛にいい影響を与えていきましょう。
目次
海藻類は本当に髪の毛に良いの?
ネットなどで海藻類の髪の毛に対する効果の情報を調べて見ても、効果がありますと紹介するサイトもあれば、効果はない!と紹介するサイトも見つけることが出来ます。
では、この情報はどちらが本当なのでしょうか?海藻が髪の毛に与える影響について、効果があるのか、効果がないのかを見ていきたいと思います。
効果がある派の意見
一つの意見では、昆布やわかめなどの海藻類にはフコダインと言われる栄養素が含まれていてこの成分が頭皮の環境を良くしてくれる効果が期待できるので髪の毛の育成に繋がり、健康な髪の毛の成長に繋がる。という意見があります。
また、その他のヨウ素やミネラルなどの成分も頭皮と髪の毛の栄養素に繋がり、髪の毛に潤いやコシやハリを与えてくれる効果が期待できる。などの意見もあります。
確かに海藻類には、髪の毛の成長には欠かせない重要な栄養素が豊富に含まれています。しかも、低カロリーでお腹も膨れますし、食事の栄養バランスも整えることが出来、非常に万能であるといえます。食品としても優れているので、髪の毛の影響を考えなくても食事に摂り入れたい食材であるとも言える食材でしょう。
さらに、髪の毛の育毛効果や頭皮環境を良くする天然成分を沢山配合した高額なヘアケア製品やシャンプー製品にも、フコダインなどの海藻の成分を配合した商品はいくつもあります。
特に近年注目を集めている効果の期待できる成分で、優しく頭皮の保湿も行ってくれることも評価されている要因の一つでしょう。
これらの意見から海藻類は髪の毛に有効な効果があると期待しても良いのではないかという意見です。
髪の毛には効果のない派の意見
海藻類が髪の毛に直接影響を与えないという派の意見にはこのような物があります。
一つ目は昔海藻が頭に乗っかった姿が、髪の毛に見えた事が海藻が髪の毛に良いと言われることに繋がった元々の発祥なので迷信であるとする意見。
二つ目に間接的に髪の毛に影響を与えるだけで、直接海藻に育毛成分があるわけでないので、育毛効果はない。海藻=髪の毛が生えるという認識は間違い。
また、日本人の髪の毛の黒い色にわかめなどの海藻類の色や見た目が似ていてそこに含まれるいくつかの栄養が髪の毛に良いとされているのは、欧米の金髪の髪の毛の人たちがとうもろこしに含まれる栄養を髪の毛に良いと言って食べているのと同じレベルだ。という専門医も居ます。
その他にも、髪の毛の成分はほとんどがタンパク質で出来ているので、タンパク質を豊富に含まない海藻類は髪の毛の成長には関係しない。などの意見があります。
どちらが正しいのか
両者の意見を参考にわかったことは、どちらも海藻が髪の毛に取って悪いものであるとは言っていない点です。実際に海藻のみの栄養素で髪の毛が生える事は考えにくいことです。そうであれば、育毛剤などの商品は生まれていなかったでしょう。
髪の毛を一つの薬や食品で発毛させる万能薬の様なものは未だ発見されていません。もし、発見もしくは開発されればそれはノーベル賞レベルの発見であるとも言われています。
髪の毛を生やす治療と言うものは医学的にも未だ不明瞭なもので、何が正しのか現段階ではわからないのが事実です。髪の毛に良いとされる意見にはいくつもの迷信の様な物があります。
髪の毛を洗わないほうが良いとか、頭皮を傷つけることで自己再生力が高まり頭皮を守るために毛が生えるなど、意見は様々で効果を実感する人も少なからず存在します。
しかし実際に海藻にはミネラルやヨウ素やミネラルやアミノ酸など他の食材よりも優れた髪の毛や頭皮の環境改善に効果のある栄養素を含んでいる事は事実ですが、その一つの食材で食事バランスが整うわけではありません。海藻のみが髪の毛にいい影響を与えている訳ではないということは明確に理解しておく必要があるでしょう。
海藻に含まれる栄養素
では、海藻に含まれる髪の毛への影響が期待できる栄養素にはどのような成分が含まれているのでしょうか?昆布やわかめなどの海藻類に多く含まれている代表的な海藻類の成分を紹介していきます。
海藻を食べることで摂取できる内側から髪の毛に働きかけてくれる栄養素について見ていきましょう。
フコダイン
フコダインは、昆布、わかめ、もずくなどの海藻に含まれる成分で食物繊維の一種です。この成分は海藻類に見られる特徴のヌルヌルやネバネバしている部分の成分でこの成分が海藻の周囲を覆い傷つかないように守っている働きがあります。
この食物繊維の働きで腸内の活動を正常に行ってくれる効果がある他、必要な栄養分以外の余った栄養分を体外に排出し、免疫力を高め、生活習慣病の予防の効果も期待できます。
さらに最も髪の毛にとって効果が期待できるのは、このフコダインが毛母細胞に働きかけることで成長因子の活動が活発になり髪の毛の成長期が伸びる効果があることです。
毛母細胞内にあるFGF-7というタンパク質が髪の毛の成長期を長くさせることに非常に効果のあることなのですが、このFGF-7というタンパク質をフコダインが沢山生産する効果が発見されています。このタンパク質への効果は主に外用薬としての外からの効果ですがフコダインの髪の毛に対する効果は近年さらに明らかになりつつあります。
ヨウ素
ヨウ素はヨードとも呼ばれる成分で、海藻類に多く含まれています。消毒液などでも使用されている以外に日常生活に関わりの深い成分でもあります。この成分はミネラルの一種で甲状腺が働く上では欠かせない成分で、甲状腺から放出される甲状腺ホルモンの分泌には必要不可欠のものになります。
特に成長期には欠かせない成分でタンパク質と一緒に摂取することで新陳代謝が行われ、細胞の成長に繋がります。もしこの成分が不足していれば、せっかく摂取した栄養分は体内で十分代謝されずにそのまま排出されてしまいます。
さらに長期的にヨウ素が不足すると欠乏症として甲状腺機能低下症になり、成長期であれば成長が遅くなる発育障害、性欲の減退、髪や皮膚や爪などの成長速度の低下、疲れやすい、全身のむくみなどの症状が現れます。
逆に過剰に摂りすぎても過剰症として甲状腺ホルモンの生成低下症になり、身体の排出機能が異常を起こし体重の増加、便秘、むくみ、全身の倦怠感などの症状が現れます。また甲状腺に異常が引き起こる場合もあります。
正常な量の摂取で成長ホルモンである、甲状腺ホルモンが正常に分泌され髪の毛の成長を助けることが出来ます。ヨウ素の働きを十分に発揮するためには、適量のヨウ素の摂取とタンパク質などの栄養素と一緒に摂取することが重要でしょう。
カルシウム
カルシウムは海藻類ではひじきの中に多く含まれています。カルシウムには骨を丈夫に作る働きだけでなく、体内に溜まったストレスを緩和させる効果もあります。さらに動脈硬化や高血圧などの予防にも効果的です。
カルシウムは基本的な生活習慣病の予防には欠かせない栄養素ですが、さらに髪の毛にも間接的に有効な働きをもたらします。それは、骨が丈夫になることで骨の周囲を覆っている筋肉や血管の負担が軽減し血行促進効果があり、頭皮の血行不良などに繋がる問題を回避することが出来ます。
髪の毛のパサツキなどの髪の毛のダメージが進行してなかなか修復されない人は、このカルシウムが足りていない可能性が考えられるでしょう。
マグネシウム
ひじきや昆布やわかめなど一般的な海藻類の食材に含まれている栄養素です。
カルシウムに並ぶミネラルの中の栄養素であり歯や骨といった構造の整形に関わる働きを担っています。特にマグネシウムの働きとして重要なものとしては、体内全体の酵素の働きの手助けをするという重要な役割があります。もしマグネシウムが不足すると下痢や軟便などの症状に見舞われ、さらに長期的にマグネシウムが不足すると精神疾患や神経疾患や不整脈、心疾患などの病気に繋がる恐れもあります。
マグネシウムには過剰摂取による過剰症などの副作用は報告されていません。摂りすぎてしまっても、余分な分は排出されるので安心して摂取できます。
マグネシウムは抗ストレスホルモンを生成する他、抜け毛を減らしてくれる効果もあります。神経の興奮物質を鎮める効果もあるのでさらにストレスに対する効果は高まり、ストレスによる抜け毛を軽減します。
アルギニン酸
昆布などの海藻類のヌルヌルの中にはフコダインの他にアルギニン酸も含まれています。この成分には細胞内の水分の保持を助けてくれる効果があるため保湿の効果が働き美肌に頭皮や顔の肌の健康を保つことが出来ます。乾燥しがちな肌には嬉しい効果ですね。
さらに相乗効果でミネラルなどの肌の環境を整えてくれる効果のある成分が合わせて肌の環境を整えてくれるので美肌効果や頭皮の環境の改善にはかなり高い効果が期待できます。
ヌルヌルのある海藻類にはどの海藻にも含まれているのでヌルヌルも一緒に食べてしまいましょう。
海藻類の摂取量
海藻類を摂取することで効果は得られますが、問題となるのは過剰摂取による過剰症などの副作用や少なすぎても効果の期待値は下がってしまうということです。
どの海藻をどのくらいの量で摂取すれば、安心に身体に害が無く摂取でき効果を期待できるのでしょうか?代表的な海藻類の摂取目安をまとめましたので参考にしてみてください。
わかめ
特にわかめに多く含まれるヨウ素は過剰に摂取してしまうと過剰症によって下痢や軟便の他、甲状腺に異常を及ぼしてしまう事があります。
これらの問題にならないためにはヨウ素の摂取量を管理しなければなりません。ヨウ素の1日の摂取量は0,13mg以上で3,0mgが上限になります。この量が国が推奨する1日のヨウ素の摂取量です。わかめ10g中にはおよそ0.19gのヨウ素が含有されているので、わかめ110gが1日のわかめの摂取量の基準になります。
わかめ以外にもヨウ素を含む食材は存在するので、もし他の海藻類や海の食材、貝類や魚類などの食材を食べる場合は少しわかめの量を減らしてもいいでしょう。
昆布
昆布に含まれるヨウ素は海藻類では最も多く、わかめに含まれる量の20倍以上になります。酢昆布などのお菓子にもヨウ素は含まれていてかなりの量を食べてしまうとそれだけでも問題になる可能性もあります。
昆布は味噌汁などの出汁としても利用されます。この出汁にもヨウ素は溶け込んでいるので、実際に食べる量以外いも注意しなくてはいけません。
普通に毎日食べる味噌汁やお菓子などで食べられる量の摂取していれば、それ以上意識的に昆布を摂取する必要はないでしょう。特に健康な人は問題ないですが、過剰症の症状が既に出ている人や、甲状腺に問題が発生している人は昆布は控えたほうが良いかもしれません。
食べ物による過剰症が懸念される栄養素はヨウ素とビタミンAのみと言われています。特に問題となるヨウ素を大量に含む昆布やビタミンAを大量に含むイシナギの肝臓などの食材は食さないようにしましょう。
ひじき
ひじきにも問題となるヨウ素が昆布の次に多く含まれていてわかめの5倍程の量含有されています。ひじきは定食で小さく小鉢で出される程の量で十分1日の摂取量が確保できます。
20g程の量が1日の推奨摂取量なので過剰に大皿一杯にひじきを食べてお腹を壊さないようにしましょう。
乾燥した状態でのひじきでは4g〜5gほどの量になるでしょう。
さらに問題視すべきな成分として、ひじきには無機ヒ素が含まれているという報告もあります。長期的にヒ素を摂取してしまうと発がんに繋がったり、短期的に大量にヒ素を摂取すると発熱、下痢、嘔吐、脱毛などに繋がる危険性も囁かれています。
しかし現段階で国への報告で、ひじきを一般的な食事の中で過剰症などの問題に繋がる報告はされておらず規制などの呼びかけは一切されていません。
もともと日本人が昔から海藻類をよく食べる人種なので、海の食物に対する処理力は外国人よりも多くなっているので、普段から海藻類をよく食べる人で推奨量よりも上回っていても問題が発生していない人はその量での摂取では問題に繋がる事は少ないでしょう。
まとめ
海藻類には沢山の栄養素が含まれていて髪の毛の成長に欠かせないいくつもの栄養がその中には含まれています。しかし、一部危険な過剰症を引き起こす可能性のあるヨウ素を沢山含んだ物もあります。
これらの海藻類の過剰な摂取は避けるようにしないと逆に過剰症でのホルモンの分泌異常により脱毛に繋がる恐れもあります。定食などで出される量の海藻を毎日長期的に摂取することで効果が得られるものなので、一気に摂取して過剰症などの問題につながらないように注意しましょう。
特にタンパク質を含む、肉類や大豆製品などのそのほかの食材とのバランスを摂りながら髪の毛の成長に繋げていきましょう。
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