髪の毛を寄付するヘアドネーションについて紹介!やり方はどうやればいいの?

切った髪の毛を寄付して、病気と闘う子どもたちに提供する活動があるのを知っていますか。髪を寄付する活動をヘアドネーションと言い、寄付した髪は医療用ウィッグとして使われ、病気で髪の悩みを持っている子供たちに無償提供されます。

ヘアドネーションをしたい人に、髪をどのような手順で寄付すれば良いのか、また寄付するにあたっての注意点についてもまとめました。ヘアドネーションに興味のある方は、よかったら参考にしてください。

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髪を寄付する活動

砂浜女性

子供たちの医療用ウィッグを作るために、切った髪の毛を寄付する活動が広がりつつあります。著名人の中にも寄付したことをブログやインスタグラムで報告している人もいます。いったいどのような活動なのでしょう。

ヘアドネーションとは

ヘアドネーションとは切った髪の毛を寄付する活動です。美容室でロングヘアをばっさりとカットすると、多くの髪の毛を切り落とすことになります。普通は切った髪は産業廃棄物として捨てられてしまいますが、その髪を医療用ウィッグに利用するという活動がヘアドネーションです。

アメリカでは1990年代から髪の毛を寄付するという動きがありました。フロリダにあるNPO法人のLocks of Loveは、病気のために髪の毛を失った子供たちのために、ウィッグを無料提供しています。Locks of Loveは世界中からヘアドネーションを受け付けています。

以前は髪の毛を寄付したければ、海外に送るしかありませんでした。今は日本にもNPO法人のJHDCができました。またJHDCの賛同美容室なら、寄付用に髪を切って送ることができます。

子どもたちにウイッグを

生まれつき髪や体毛が生えない無毛症、抗がん剤治療で脱毛症になってしまった子どもたちには、医療用のウィッグが必要です。しかし、医療用のウィッグはとても高額であること、子ども用のウィッグはあまり多くないことと、成長に合わせてウィッグが必要となることもあり、費用がかかります。人工毛のウィッグの方が安価ですが、どうしてもニセモノ感が否めません。人毛ウィッグの方が自然で好まれます。

病気と闘っている子供たちの医療用ウィッグ制作用に、髪を寄付するのがヘアドネーションです。ヘアドネーションで集められた髪を使って、ウィッグが作られます。そして作られたウィッグは、無償で子供たちに提供されています。

著名人も髪を寄付

医療用かつらを闘病中の子どもたちに渡すことを目的としているヘアドネーション、この運動に賛同している著名人も多いです。NHKのあさイチでも取り上げられたことから、髪を寄付する活動について知名度が上がりました。柴咲コウさんや水野美紀さん、最近ではベッキーさんも、髪をばっさり切ってヘアドネーションをしたということで話題になりました。一般の人たちでも、インスタグラムやブログで髪の毛を寄付したことを写真で報告して、ちょっとしたブームになっています。

ヘアドネーションのために職場でも理解してもらった上で、髪を伸ばしている男性もいるそうです。また海外ではオーストラリアでも、髪の寄付を募るCMに心を動かされた男の子が、髪の毛を2年半も伸ばして寄付したという話が話題になりました。女性だけなく男性の間でも、ヘアドネーションが広がっています。

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ヘアドネーション団体

仕事中男性

以前は髪の毛を寄付しようと思ったら海外の団体に送るしかありませんでしたが、今は日本にも渡辺貴一氏が代表を務めるヘアドネーション団体、NPO法人であるJHDAC(ジャーダック)ができました。どのような活動をしているのでしょう。

日本のヘアドネーション団体

美容師である渡辺貴一氏が事務局長を務めるJHDAC(ジャーダック)はNPO法人であり、2009年に設立されました。子どもたち抗がん剤治療による脱毛や、生まれつき無毛症に悩まされている子どもたちに、人毛の医療用ウィッグ(One wig)を無償で提供しています。

JHDACの活動

JHDAC事務局は大阪市北区にあります。JHDACのウィッグが欲しい人はJHDACのサイトから申込みができます。JHDACではオーダーメイドのウィッグであるOne wigを18歳以下の子供たちに無償で提供しています。ウィッグ製作のための採寸も、実際に子供たちのいるところまで出張して行い、ウィッグを子どもに合うよう製作します。

ヘアドネーションの認知度は高まったとは言っても、まだまだ髪の毛が不足しています。ウィッグを1つ作るのに、髪の毛が20~30人分も必要だからです。特にロングヘアのウィッグを作るための、50cm以上の長い髪の毛が不足しているそうです。

ウィッグを製作するにあたって、費用もかかります。1つのウィッグを作るのに10万円ほどかかるため、製作のための資金も必要です。資金面での援助を個人、企業からも呼びかけ、募金も受付中です。また大阪市北区にある事務局で働くボランティアスタッフも募集中です。

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髪を寄付して社会貢献

男の子2人

何か社会貢献したいと思っても、資金面での難しさを感じます。しかし髪の毛だったらかかるのは美容室代だけなので、貢献できるかもしれません。髪の毛を寄付することでがんや病気と闘っている子供たちの役に立てられたら、うれしいですよね。髪を寄付することで子どもたちにどんな貢献ができるのでしょうか。

医療用人毛ウィッグ

抗がん剤治療や病気、事故が原因で髪を失った子供たちにとって、病気の負担と髪の毛を失ったことのショックは想像するだけでも辛いです。人工毛の安価なファッションウィッグはよく見かけますが、いかにも人工の髪の毛であり、また頭皮への負担があります。治療中は髪の毛に守られていない頭皮はよりデリケートになっていますので、ネットの部分が柔らかく、通気性の良い医療用のものが必要です。

医療用の人毛ウィッグは自然な髪の毛で人気のあるウィッグですが、大人用のウィッグは多くても子ども用はまだ少ないようです。医療用ウィッグはファションウィッグより価格帯が高く、3万から40万円もするものもあります。医療用のものを成長する子供のサイズに合わせてオーダーメイドで作るとなると、費用が高額になります。JHDACでは18歳未満であれば、だれでも無償でオーダーメイドのウィッグを受け取ることができますが、なかなか生産が追いついていないようです。

自分の髪の毛を寄付することによって、医療用ウィッグの無償提供に役立てることができます。髪の毛の寄付は子どもでも大人でも、性別や国籍も問わず、だれでも参加できます。

つけ毛付き帽子

つけ毛付き帽子・医療用ウィッグは小児がんの治療をしている子供たち、抗がん治療中の大人にもよく使われています。医療用ウィッグを作るには髪の毛が31cm以上必要なのですが、毛付き帽子は髪の毛が15cm以上あれば可能です。

つけ毛付き帽子は帽子に髪の毛を縫い付けてあるものです。病院内や外出先でも、帽子をさっとかぶるだけなので便利なものです。治療を行っていると頭皮の肌もデリケートになっているので、普通の医療用ウィッグ同様、肌にあたる内側の素材も肌に優しいものが使われています。

場面に合わせて他の帽子をかぶりたい時もあるかもしれません。そのようなときは帽子の内側にかぶるための、つけ毛付きのインナーキャップ、インナーウィッグというものもあります。薄手のキャップにつけ毛が付いたもので、インナーウィッグをかぶった上からいろいろな帽子やバンダナを使用することができます。

医療用ウィッグを作るには髪の長さが足りなくても、つけ毛付き帽子なら15cmで製作が可能です。医療用ウィッグ専門店ワンステップで「つな髪プロジェクト」が行われており、ウィッグ以外にも髪の毛付きキャップなどを制作、病気の治療中の子どもたちに、無償で医療用ウィッグ・つけ毛付き帽子を提供しています。

子ども達を励ます

病気や事故で髪の毛を失った子供たちは、多感な時期ということもあり、鏡で自分の姿を見るのも嫌になったり、人に会うことを避けたり、自分に自信がなくなっている子が多いです。医療用ウィッグを提供してもらった子供たちは、とても喜んでくれるそうです。

髪の毛を寄付することで子供達を元気づけることができ、社会貢献できたことで寄付した側もうれしい気分になります。もし長い髪を切ることがあるときは、髪の毛の寄付をしてみてはいかがでしょうか。

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髪を寄付するときの注意

女の子

髪の毛を寄付するとき、傷んでいる髪やカラーした髪を寄付しても大丈夫なのでしょうか。

またその他にも髪の毛を寄付するにあたって、注意点はあるのでしょうか。

ヘアカラー、パーマをした髪

ヘアカラーやパーマをした髪の毛でもJHDACでは可能としています。引っ張って切れてしまうような激しく傷んだ髪は使用できませんが、極端なダメージヘアではない、ある程度ヘアケアされた髪なら大丈夫です。白髪、クセ毛も寄付をすることが可能です。

なぜカラーした髪やクセ毛など、いろいろなタイプの髪を送られても大丈夫なのかというと、送られた髪に特別な処理が行われるからです。送られた髪の毛はまとめて海外の工場に出荷されます。髪の毛は工場でトリートメント処理が行われます。トリートメント処理によって、いろんな髪の毛が同じ状態の髪に作り変えられます。

髪の長さの条件

医療用ウィッグを作るなら、切り口から毛先まで31cm以上の長さが必要になります。50cm以上の長さがあると、ロングヘアのウィッグが作れるそうです。女の子は特にロングヘアを希望するそうです。しかし50cmというとかなりの長さなので、ロングヘア用の髪の毛が不足しているそうです。

寄付された髪がすべてウィッグに使われるかというと、どうしても毛束の中に短い髪の毛も混じっていたり、すべてをウィッグに使用することができません。そのために1つのウィッグに20~30人分の髪の毛が必要となります。

つな髪プロジェクトでは髪が15cm以上あれば医療用のつけ毛付き帽子を作ることもできます。JHDACでもウィッグにはできないけれども、短い髪でも受け付けています。基準の長さに満たない髪は、転売することでその資金を製作費にあてるとしています。ヘアドネーションに参加したいけれど、30cmも髪がないとあきらめていた人も、15cm以上あれば参加は可能です。

カットするときの注意

髪の毛をカットするときは、ゴムできつくしばってからその上を切るようにします。細めの毛束なら切り口から1cm、太目の毛束なら切り口から2cmのところで結びます。切った後もゴムはほどかず、そのままにしておきます。切り口が揃っていないと使えないので注意しましょう。

ヘアドネーションの賛同美容室ではない、行きつけの美容院でカットをお願いする場合は、以上の点をよく説明した上でカットをお願いしましょう。

毛束を結んで送る

寄付するときは、切ったときに使ったゴムはそのままに、毛束の中央、また毛束の先もゴムでしばります。計3か所をゴムで結んだ状態で送ります。

ひもなどほどけやすいものは使わないようにしましょう。ゴムで結んだ毛束は、ジップ付きのビニール袋に入れます。

乾いた状態で送る

湿った髪はカビ、雑菌が繁殖しやすいです。ウィッグを作る際、雑菌の繁殖した髪の毛が混じると、他の髪の毛まで傷めてしまい、使えなくなる可能性があります。

必ず髪を寄付する際は、乾いた状態で送りましょう。

美容院で切る場合の注意点

自分で髪を切って寄付することもできますが、切った後のヘアスタイルが気になりますので、やはり美容院で切るのが無難でしょう。しかし、普通の美容院で髪を寄付するために切ってもらうには、美容師さんにヘアドネーション用の切り方をしてもらわないといけません。送るときの毛束の状態など、写真で説明してお願いすることになります。

美容室自体がヘアドネーション賛同美容院なら、髪の毛を寄付するときの切り方についても熟知していますので安心です。髪の毛を寄付する際は、賛同美容院で行うのがおすすめです。ヘアドネーション賛同美容室・美容院の情報は、JHDACのホームページに掲載されています。

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髪を寄付する方法

ショートカット女性

髪の毛を寄付することで、病気で髪を失った子どもたちに、明るさが取り戻せるようになったらいいとですね。実際に髪の毛を寄付したい場合、どのように送ったらよいのでしょうか。

個人で送る

自分で切った髪、また美容院で切ってもらった髪を寄付したい時は、直接髪の毛をNPO法人であるJHDACに送ります。海外にもヘアドネーション団体はありますので、海外在住の人はそちらに寄付してもいいでしょう。

JHDACではヘアドナーシートを同封して、郵送で髪を送ることを推奨しています。ヘアドナーシートには性別や年齢、髪の状態を尋ねる質問項目が載っています。それらの回答を記入の上、髪の毛と一緒に封筒に入れて送ります。切った髪はジッパーがついたビニール袋に入れ、お礼状を希望する場合は返信用封筒も入れて送ります。

ヘアドネーション賛同美容室

ヘアドネーション用のカットは、ゴムでしばってからカットする特殊な方法なので、美容師さんに手間をとらせます。手順をよくわかっているJHDAC賛同美容室で、髪をカットするのが確実でしょう。ただし、初めての美容室は美容師さんとのコミュニケーションが難しいこともあります。バッサリと髪を切った後のヘアスタイルが気に入らない、ということがないように、希望のスタイルについてもよく相談をしておきましょう。

賛同美容室は全国にあり、ホームページにも美容院名と住所が多数掲載されています。近隣の美容室を探して利用するのがおすすめです。切った髪の毛を賛同美容室に送ってもらう場合は、ヘアドナーシートを事前に記入して、美容室に持っていきましょう。

賛同美容室自体のボランティア内容や特典は、美容室ごとによって異なります。美容室が送料を負担、募金箱を設置、美容室代の一部をJHDACに寄付するなどのボランティアをしている場合があります。髪を寄付する側に割引やメニューの一部がプレゼントなどの特典がつくこともあります。

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まとめ

2人の子供笑顔

髪の毛を寄付するヘアドネーションで、抗がん剤による脱毛症や、生まれつきの無毛症で髪の毛の悩みを持っている子供たちに、無償でウィッグを送ることができます。ロングヘアを切るときに切った髪の毛を寄付することで、社会貢献をするのはいかがでしょうか。

医療用ウィッグを作るには31cm以上の髪の毛が必要ですが、毛付きの帽子を作る場合は15cmでも可能です。引っ張って切れるような毛でなければ、パーマやヘアカラーをした髪でも、寄付をすることができます。

髪の毛の切り方、送り方などにも注意点があります。髪を切る際はゴムでしばってからカット、切った髪は毛束のままゴムで髪の中央部や毛先もしっかりしばることが必要です。髪にカビや雑菌が繁殖しないよう、乾いた髪を送るように注意しましょう。カットをするのは賛同美容院を利用するのが最も良いでしょう。

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