プロペシアは、厚生労働省に正式に認可されているAGA(男性型脱毛症)の経口型治療薬(内服薬)です。
現在日本国内で使用できる薄毛治療薬、AGA治療薬とされる中では、もっとも効果があるといわれていています。
ところが、そのプロペシアの使用で初期脱毛を発症したという声を多く聞きます。なんと初期脱毛…。こらからプロペシの使用を検討している人にとっては、たいへん気になるところです。
そこで、プロペシアの副作用とはどんなもので、初期脱毛もそれに含まれるのかを調べてみました。
目次
プロペシアがAGAに効果を発揮する仕組み
副作用(side effect)とは、病気を治すための薬の主な作用とは異なる作用のことをいいます。ただし日常的には、意味を広く捉え、病気の治療には役に立たない作用、または有害な反応の両者をともに副作用と称しています。
ここでは、プロペシアを使用したときに発症する初期脱毛が、AGA治療の役に立つ症状なのか、あるいは治療に有害なものなのかを考えてみたいと思います。
プロペシアがAGA治療薬になった経緯
AGAは、主に額の生え際や頭頂部に症状としてあらわれる、大人の男性特有の脱毛症です。
その主な原因は、男性ホルモンの1種であるジヒドロテストステロン(DHT)が髪の毛の成長を妨げ、そのために髪の毛が成長して長く太くなる前に抜け落ちてしまうことと考えられています。
ジヒドロテストステロンは、5αリダクターゼ(還元酵素)の働きによって、男性ホルモンの1種であるテストステロンから生成されます。
そして、ジヒドロテストステロンの濃度が高くなると男性型脱毛症を引き起こすと考えられています。
プロペシアは、アメリカのニュージャージー州に本社を置き、世界的に展開している製薬会社メルク社(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A)が開発・商品化したものです。
前立腺肥大症の治療薬として使用しているうちに、AGAにも効果があることがわかり、プロペシアとして製品化されました。
5αリダクターゼを抑えて脱毛の原因を減らす
5αリダクターゼには、皮脂腺に多く存在する1型と、毛乳頭に多く存在する2型があります。
ジヒドロテストステロンのおよそ3割は1型から生成され、残りの7割は2型から生成されるといわれます。したがって、2型の5αリダクターゼの方がAGAの発症に大きく関わることになります。
ということは、2型の5αリダクターゼの働きが阻害されれば、テストステロンから生成されるジヒドロテストステロンが減り、脱毛症の主な原因も減少します。そしてその結果、髪の毛は成長を妨げられず、細く弱々しい髪の毛ではなく、太く硬い髪の毛に成長するというわけです。
プロペシアの有効成分はフィナステリド
プロペシアには、フィナステリドという有効成分が含まれています。
このフィナステリドこそが、2型5αリダクターゼの働きを阻害する成分なのです。
フィナステリドを前立腺肥大症の治療薬として開発して使用しているときに、副作用として発毛効果が認められました。それが、AGAの治療薬プロペシアの誕生へとつながります。
プロペシア=フィナステリドの副作用とは
メルク社の日本法人MSD社の、AGAの疾患啓発を目的に情報を提供しているウェブサイトに、プロペシア(フィナステリド)の副作用について次のように記されています。
国内で実施された臨床試験(1年間)において、40%(276例中11例)に副作用(臨床検査異常値を含む)が認められています。
主な症状はリピドー減退1.1%(3例)、勃起機能不全0.7%(2例)等でした。まれに、食欲不振、食欲不振、全身倦怠感(肝機能障害)の症状があらわれる可能性があります。
いずれにしても、こうした副作用と思われる症状に気づいたら、病院で診察を受けてください。
プロペシア服用者が経験する初期脱毛
AGA治療でプロペシアを服用し、抜け毛が増えたという体験者にそのときの状態を聞きました。
Aさん▶︎飲み始めてから1週間くらいのころ、髪の抜け方が多くなりました。頭を振るだけでパラパラと落ちました。残っている髪の毛がスカスカになって、仕方なく坊主にしました。でも、3カ月くらいたったら抜け毛がおさまって髪の毛が伸びてきて、薬を飲む前より少し増えた感じです。
Bさん▶︎薬を飲み始めて10日目くらいから抜け毛が多くなりました。でもすぐにおさまったと記憶しています。長い間抜け続けていたわけじゃないので、ストレスにはなりませんせした。
Cさん▶︎薬を服用し始めて4、5日目くらいから抜け毛が増えました。3カ月くらい続いたと思います。完全になくなってしまうのではないかと、ずいぶん心配しましたが間もなくおさまりました。
こうしたプロペシアの服用の初期段階で抜け毛が増えるという症状は、抜け毛の量や期間には個人差があるものの、服用者の多くが体験するようです。
でも、販売している製薬会社の報告では、プロペシアの副作用として初期脱毛はあげられていません。こうしたことから考えると、初期脱毛は薬の効果があらわれる前の一時的なものと思われます。
大事なことは、育毛剤を飲んでいるのに毛が抜けるという矛盾したことを目のあたりにし、パニックのようになって薬の服用をやめてしまわないことです。我慢することが、AGA治療のいい結果を生む鍵なのかもしれません。
有効成分の働きかけで正常なヘアサイクルに
抜け毛が気になったら、冷静になってよく観察してください。もしかしたら、プロペシアの服用を始めてからの抜け毛は、普段の抜け毛より多少増えている程度の本数かもしれません。
プロペシアの有効成分のフィナステリドが毛乳頭に働きかけたために、毛母細胞が活性化し始めたことが原因の抜け毛かもしれないのです。
毛乳頭が、乱れたヘアサイクルを正常に戻そうとして毛母細胞に指示を出し、発毛を促したために髪の毛の抜け方が早くなっている可能性もあります。
ヘアサイクルが正常になればAGAは改善する
さてここで、AGAと密接に関わっている、髪の毛の成長と新旧の入れ替わりサイクルのメカニズムを知っておきましょう。
髪の毛は1日に0.3〜0.5ミリ、1カ月で約1.2センチ、1年で約15センチ伸びます。そして一定期間たつと自然に抜け落ち、そこに新しい髪の毛が生えてきて…と、生えて、成長して、抜けるを繰り返します。この1本の髪の毛が成長して抜け落ちるまでを、「ヘアサイクル(毛周期)」といい、この期間はだいたい4〜6年です。
この4〜6年のほとんどは「成長期」で、髪の毛の90%はこの時期にあります。
成長期は、毛母細胞が分裂して髪の毛が伸びているときで、この期間が長いほど髪は成長し、長く、太くなります。
その後、成長が止まって2〜3週間の「退行期」があり、次に数カ月の「休止期」に入ります。
休止期になると毛根の位置が浅くなり、古い髪の毛は新しく成長してきた髪の毛に押されるようにして抜け落ちます。
サイクルは髪の毛1本ごとに異なり、抜け落ちる時期がずれているので、通常は髪の毛がまとめて抜けることはありません。
正常な髪の成長サイクルを保つには、頭皮と髪の毛を常に清潔にし、髪の毛に十分な栄養を補給し、血行をよくすることです。
日本人の髪の毛はだいたい10万本とあります。ヘアサイクルから計算すると、1日に100本程度の毛が抜けていき、同時に80〜100本の新しい毛が生えてきています。
このサイクルが乱れると、成長期の髪の毛が成長しきる前に休止期に入ってしまったり、生えてくるはずの毛が生えなくなると薄毛になって、AGAは進行し、結局ハゲることになります。乱れたヘアサイクルが正常な状態に戻れば、AGAの進行は防げるはずです。
多種類あるAGAの治療薬とその入手方法
フィナステリドを有効成分とする発毛治療薬、あるいはAGA治療薬は、プロペシア以外にもあります。有効成分が同じでも、改善効果は一律ではなく、それぞれ違います。
認可されているものなら、医療機関やAGAのクリニックや専門外来を受診して処方してもらうことをおすすめします。
プロペシア以外のフィナステリド薬
フィナステリドを有効成分とする代表的な承認薬がプロペシアですが、ほかにもフィナステリドを有効成分としている薬があります。
メーカー名と合わせて、いくつか紹介します。
- プロペシア(メルク社)
- フィンペシア(シプラ社/プロペシアのジェネリック薬)
- フィナロ(インスタファーマ社/プロペシアのジェネリック薬)
- エフペシア(シプラ社/プロペシアのジェネリック薬)
- プロスカー(メルク社)
- フィンカー5㎎(シプラ社/プロスカーのジェネリック薬)
そのほかのAGAに有効な育毛剤
ミノキシジル
認可されているAGA治療薬です。アメリカで開発された経口血圧降下剤で、副作用で全身に多毛症を引き起こし、発毛効果が発見されました。
おなじみの育毛薬「リアップ」と、女性用「リアップジェンヌ」の主成分です。フィナステリドと併用することでAGA治療に高い効果があるといわれています。
ただし、使用する上では注意が必要です。
もともと高血圧の治療薬で、血管に作用します。血管を拡張するため、頭皮に炎症や痒みを発症することがあります。また、心臓に作用して、胸の痛みや動悸を引き起こすこともあります。したがって、心臓に疾患があったり、治療を受けている人は、ミノキシジルが配合された育毛剤の使用は厳禁です。
ミノキシジルは、とくに妊娠中や、甲状腺機能亢進症の治療中や既往のある女性は使用してはいけません。使用する際は医療機関を受診し、必ず医師の処方のもとで使いましょう。
有名な育毛剤ですが、すべての人に副作用が出ないわけではありません。安易に使用するのはやめましょう。
チャップアップ
厚生労働省認可の医薬部外品です。薬と肌につける化粧品との中間に位置するのが医薬部外品です。薬のように目に見えるような作用はありませんが、穏やかかな育毛効果が認められるとされています。
有効成分は以下の3つです。すべて植物由来のものですから、安心して使えます。
・センブリエキス
漢方薬でおなじみの薬草、センブリの抽出エキスです。
センブリのスエルチアマリンなどの成分が頭皮に浸透し、毛母細胞に働きかけて血行を促進します。頭皮の血流がいいほど、髪の毛を成長させて脱毛を防ぎます。
・大豆エキス
大豆には、女性ホルモンのエストロゲンによく似た働きをするイソフラボンが多く含まれていることは広く知られています。イソフラボンは自律神経を安定させるほか、さまざまな効果を私たちの体にもたらします。大豆エキスは、髪を美しく保つのに効果があるといわれています。
・ドクダミエキス
さまざまな皮膚のトラブルを解消してくれる薬草で、ゲンノショウコ、センブリとともに日本三大薬草とされています。
ドクダミエキスの豊富なポリフェノールが血管を丈夫にして血液を浄化します。また、強力な殺菌作用で、頭皮の有害な殺菌の働きを抑制します。さらに、豊富なビタミンが新陳代謝を促進して血流をよくし、頭皮に栄養を十分に運んでくれます。
AGA専門クリニックは口コミ評価を判断材料に
AGAのクリニックは、数えきれないほどあります。そしてそのほとんどが〝信頼できる〟と謳っていて、本当に信頼できるのはどこなのか迷ってしまいます。
そんな中で、実際に利用した人の口コミで知られるようになり、抜けた存在の人気クリニックがあります。
「AGAルネッサンスクリニック」は、投薬による治療から最新機器による自毛植毛まで幅広い治療法を用いて、各自の症状に応じて対応します。
医師による診断で、それまでの治療法で改善効果がみられなければ治療法を変えたり、使用する薬の量を調整します。
また、クリニック独自に治療薬を組み合わせて使用することも提案しています。
・HR(ヘアルネッサンス)外用薬
有効成分ミノキシジルにフィナステリドをW配合した育毛剤です。
・HR(ヘアルネッサンス)タブレットAi
信頼できる台湾開発のジェネリック薬。プロペシアやファイザーのフィナステリド錠と同じ成分です。
・HR(ヘアルネッサンス)タブレットB-2
ミノキシジル内服薬(通称ミノタブ)。病院で処方する薬です。
・HR(ヘアルネッサンス)タブレットC-1
代表的な髪の毛の栄養アミノ酸、各種ビタミンや亜鉛などのミネラルを配合した育毛サプリメントです。
信頼できる業者を厳選したい個人輸入代行
日本で承認されている薬であれば、医師の処方のもとに手に入れるわけですから品質は保証されています。
ですが、個人輸入で手に入れるものについては保証は一切ありません。金額でもめたり、頼んだ商品が手にできなかったり、手に入れた商品に問題があったりと、さまざまなトラブルが考えられます。
外国製品のAGA治療薬を個人輸入で入手するときは、代行業社を通すことになると思います。その際は、必ず信頼できる業者を選んでください。
保証をするわけではありませんが、一例として一社を紹介します。
個人輸入代行の「オオサカ堂」は、プロペシアやフィンペシアなどの内服育毛薬や各種外用育毛剤のほか、育毛サプリメント、育毛薬とサプリメントとのセット商品など、育毛・ヘアケア商品をたいへん多く取り扱っています。
ウェブサイトでは、扱っている商品情報とともに、単品購入、セット購入、定期購入など購入の仕方やとそれぞれの価格もわかりやすく提示しています。
AGAの治療薬、育毛剤やヘアケア商品の使用を検討している人にとっても参考になるでしょう。
まとめ
最後に、フィナステリド錠(プロペシア)服用の際の注意をまとめておきます。
・錠剤を割って飲まないこと
妊娠中の女性が服用したり、破損した錠剤に触って有効成分が皮膚から吸収されたりすると、男子胎児の生殖器官等の正常な発育に影響をおよぼす可能性があります。
これらの薬はコーティングされているので、通常の扱いをしていれば有効成分に触れることはありませんが、錠剤を割って服用した場合の安全性や有効性は保証されていません。
・服用は男性成人に限定
女性には効果が認められていません。妊娠している可能性のある女性や妊娠中の女性は服用しないでください。
・肝機能障害のある人は必ず医師に相談する
・自分が服用するために持っているものを家族や他人に譲らないこと
・これらの薬剤は健康保険給付対象外。服用は医師の指導、処方箋が必要
・輸入品は日本国内で製造されたものとは色や形が異なり、品質や流通過程において保証はされない
とくに〝効く薬〟は、副作用や使用上の注意を熟知して使用しなくてはなりません。MDA社のホームページを参照するなどして、薬に関する知識を十分に得てください。
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