最近髪が薄くなってきたけれど遺伝のせいかな、年齢のせいかな、とあきらめている人もいるかもしれません。確かに遺伝や加齢は薄毛の原因になりますが、もしかしたら他にも原因があるのかもしれませんよ。
脱毛症にもいろいろな症状があり、発症にはいろいろな要因が絡んでいることもあります。薄くなってきた髪を改善したいという人は、まずは何が原因で髪が薄くなってしまったのかを探り、思い当たることから改善・対策していきましょう。
目次
髪が薄くなってきた?症状と原因
抜け毛が増えたり髪の薄くなってくるとこのままどんどん薄くなるのでは、と心配になりますよね。いったい何が原因で髪が薄くなってしまうのでしょうか。脱毛症の症状、またその原因にもいろいろなことが考えられます。自分がどの症状にあてはまるのか確認してみましょう。
発毛の仕組み
なぜ髪の毛は薄くなるのでしょう。まずは髪が生えるメカニズムから確認してみましょう。髪の毛は頭皮の毛細血管から毛根の毛乳頭が栄養を受け取り、毛乳頭がさらに毛母細胞に栄養を受け渡し分裂を促します。
分裂した毛母細胞の一つは毛母細胞、もう一つは角化して髪の毛となり、メラノサイトから色素を受け取って色のついた髪の毛として生えていきます。
毛細血管から十分な栄養が受け取れなかったり、毛母細胞の分裂が活発に行われなくなったら健康な髪が生えてこなくなります。毛穴(毛包)がなくなっても髪が生えてきません。加齢により細胞分裂が不活発になったり、毛穴が消失することがあります。
薄毛とヘアサイクルの関係
毛母細胞の分裂はヘアサイクルの成長期で活発に行われます。ヘアサイクルとは髪の生え変わりの時期で、髪が育つ成長期、成長が止まる退行期、自然脱毛する休止期という時期を繰り返します。
健康な髪であれば成長期は2年~6年と長いスパンで成長していきますが、何らかの原因で成長期が数か月や半年と短くなってしまうと髪が成長しないまま休止期を迎える髪が増えていきます。
休止期の髪が増えると太く成長しない髪ばかりに、また抜け毛も増えてしまい、髪が薄くなってしまいます。
脱毛症の種類
男性型脱毛症、女性男性型脱毛症、円形脱毛症、牽引性脱毛症、また頭皮湿疹などによる脱毛症もあります。円形脱毛症の場合は薄くなるというより局所的にハゲる脱毛症です。
牽引性脱毛症は髪を結んだりエクステンションをすることで、毛根に負担がかかって髪が薄くなる脱毛症です。頭部の圧迫、薬剤による脱毛症も考えられます。
男性型脱毛症
男性型脱毛症はAGAの名称でも有名ですが、男性に最も多い脱毛症がAGAです。ジヒドロテストステロンという男性ホルモンがヘアサイクルの成長期を短縮させるため、髪が薄くなっていきます。
進行性の脱毛症ですが人によってハゲ方のタイプは異なり、つむじや頭頂部周辺から薄くなっていくハゲのタイプ、生え際から薄くなっていくM字ハゲなどがあります。
女性男性型脱毛症
びまん性脱毛症は頭部全体が薄くなる脱毛症で、女性に多く見られます。特にその中でも男性ホルモンの影響を受けて起きる脱毛症が女性男性型脱毛症(FAGA)です。
加齢により女性ホルモンが減少したり、ストレスの多い環境にいることで男性ホルモンが増加すると、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
ホルモンバランスが乱れると、髪が生える作用のある女性ホルモンの影響を受けにくくなり、髪が薄くなっていきます。女性の薄毛では頭頂部の分け目の地肌が目立ったり、全体的に薄くなるのが特徴です。
ストレスが薄毛を招く
ストレスはさまざまな体の不調や病気を招くことがありますが、髪の健康にも影響を与えることが多いです。
ストレスは血流を悪くして毛乳頭へ髪の成長に必要な栄養を運びにくくします。また内臓の働きを悪くして、栄養吸収が悪くなることも髪の栄養不足に関わります。
ストレスは睡眠不足を招くことで頭皮のエネルギー不足に、さらにホルモンの分泌にも影響を与えるので、髪の健やかな成長にも悪い影響を与えます。脱毛症の原因になることも、また脱毛症の治療の効果を損なう可能性もあります。
髪が薄くなりやすい生活
栄養不足や不規則な生活による睡眠不足、お酒の飲み過ぎやタバコも髪の悩みを招く要因となります。
紫外線などによる頭皮のダメージ、不適切なヘアケアが頭皮の炎症を招くことで、抜け毛や薄毛を招く可能性もあります。
髪が薄くなってきたときの対処方法
抜け毛の本数が増えてきた(通常の自然脱毛は1日50~100本)、髪質が変化した、などの兆候があれば薄毛の初期症状であることも考えられます。育毛剤で育毛対策、ヘアケアの見直しや生活習慣、ストレスにも注意するべきでしょう。
頭皮の炎症による脱毛は皮膚科で、病気や薬による脱毛症はかかりつけの医師に相談しましょう。AGAや女性のFAGAが考えられる場合はヘアメディカルのような薄毛治療専門のクリニックや病院で診断・治療が可能です。
自分でする育毛ケアでは改善できない場合、治療で劇的な効果が見られることが多いです。
髪が薄くなってきたらシャンプーの見直し
誤ったヘアケア方法が頭皮のトラブルを招き、健康な髪の毛が生えてくるのを阻害しているのかもしれません。
頭皮はデリケートかつ何かとダメージを受けやすい部位でもあります。正しいヘアケア方法を実践して、薄毛を予防し健康な髪を育てていきましょう。
シャンプー剤選びのポイントは?
洗浄力の強すぎるシャンプー剤は頭皮の皮脂を奪い過ぎて、肌のバリア機能が奪われる可能性があります。バリア機能が奪われた肌は外部の刺激に弱くなり、頭皮の炎症などトラブルを起こしやすくなると言われています。
またシリコンなどのコーティング剤も頭皮や髪に成分が蓄積する可能性があり、シリコンが入っていないシャンプー剤が望ましいとされています。
洗浄力の強すぎない天然由来のアミノ酸系洗浄成分が中心のアミノ酸系シャンプー、かつノンシリコンのシャンプー剤がおすすめされています
石鹸シャンプーは予防になる?
天然由来の石鹸成分のシャンプー、もしくは石鹸でシャンプーを洗うことは、環境にも優しいということでおすすめされていた時期もあり、さらには薄毛予防にも効果ありという噂もありました。
ただし石鹸シャンプーは洗浄力が高く、脂性肌の人には向いているかもしれませんが、普通肌や乾燥肌の人には向いていないのと、髪の軋みも気になるようです。気になる薄毛予防に関しても本当に効果があるのかは証明されていません。
肌は弱酸性なのでアルカリ性の石鹸を頭皮に使ったらクエン酸リンスを使う必要があるなどの手間もあるようです。
育毛シャンプーがおすすめ?
育毛専用のシャンプーなら薄毛の予防対策になりますが、乾燥肌の人が洗浄力の高い育毛シャンプーで洗ったりすれば逆効果です。頭皮の肌質に合ったものを選んで、頭皮環境を悪化させないよう注意しましょう。
育毛シャンプー単体では大きな薄毛改善効果は期待できないですが、ハリやコシが出てボリュームを出すタイプのものが多いです。髪のボリュームが気になっている人には特におすすめです。
シャンプーの方法
- シャンプー前の乾いた髪の状態でブラッシングします。
- シャンプーをつける前にお湯で予洗いします。
- シャンプーを手のひらにとり泡立てます。
- 頭にシャンプーをつけて頭皮をマッサージするように洗います。シャンプーの製品によってはシャンプーでパックするものもあります。
- シャンプーを洗い流します。頭皮にシャンプー剤が残っていないようにしっかりすすぎましょう。
- コンディショナーやトリートメントをする場合は頭皮につけないように注意し、毛先中心になじませてから洗いましょう。
シャンプーは毎日行うのが基本です。1日の汚れを落としてから寝るために、夜のうちに洗うことがおすすめされています。
シャンプー後は自然乾燥や生乾き状態のままだと、寝ている間に雑菌が繁殖して頭皮環境を悪化させる可能性があります。ドライヤーで乾かしてから寝るようにしましょう。
髪が薄くなってきたら育毛剤で薄毛対策
ドラッグストアのヘアケア製品売り場でも、インターネット上の広告でもよく見られる育毛剤、数多くの種類が世に出ているようですが、それだけ使っている人も多いということですね。育毛剤にはどのような効果が、またどんな育毛剤がおすすめなのでしょうか。
育毛剤の成分と効果
育毛剤の使用は代表的な薄毛予防方法です。育毛剤によって多少アプローチが異なりますが、一般的には毛母細胞活性促進効果のある血行促進成分、頭皮ケア効果のある保湿成分、抗菌・抗炎症成分などが配合されています。
さらに男性ホルモン抑制成分、アミノ酸やビタミンなどの栄養分、女性ホルモン様の成分などが入っています。
育毛剤を毎日使用することで育毛、抜け毛予防、育毛促進・発毛促進、かゆみやフケを予防するなどの効果・効能があります。
髪にはヘアサイクルがあり、さらに1か月で1cmしか伸びませんので、すぐには効果が現われにくいですが、継続して使用することで徐々に改善が現われると期待できます。
おすすめ育毛剤
ハゲラボさんのような薄毛情報発信サイトにて、編集部おすすめの育毛剤としてよく取り上げられている育毛剤には、チャップアップ、イクオス、フィンジア、薬用プランテル、ブブカなどがあります。
品質の高い育毛剤は育毛成分が豊富に配合されており、無香料、無添加など肌への優しさにも気を配ったものが多いです。単品だと一般的な市販育毛剤より高額なものも多いですが、定期購入することで求めやすい価格で購入できます。
おすすめ女性用育毛剤
美容系サイトでおすすめしている女性用育毛剤に、ベルタ育毛剤、マイナチュレ、ラサーナ、グローイングショットなどが挙げられています。女性用育毛剤は育毛成分はもちろんのこと、肌への優しさを謳ったものが多いです。
おすすめ育毛剤を特集した記事の編集部コメントなども参考に比較して、どの育毛剤を選んだら良いか検討してみると良いでしょう。
育毛サプリでも薄毛予防対策
飲む育毛剤でもある育毛サプリもおすすめです。育毛に良いと言われる栄養素の摂取も良いことですが、育毛に特化した栄養素と育毛成分を摂取することで、より効率的に体の内側からも育毛対策をすることが可能です。
ハーブで育毛ケア?
ハーブにも育毛効果があると言われており、ローズマリーには抗菌作用と血行促進作用、ペパーミント(メントール)には抗菌作用と成長因子のIGF-1を増やす作用があるとされています。
しかし頭皮にローズマリーやペパーミントのエッセンシャルオイルを使うこともできず、また単体で使用しても育毛効果は薄いでしょう。今のところは育毛剤の成分でハーブ配合のものを使用してみることが、ハーブの育毛対策への活用法となるようです。
髪が薄くなってきたら頭皮マッサージで血行促進
頭皮マッサージには血行を促進する効果があります。薄毛の原因の一つに血管内の血流が悪いことにより、栄養が行き渡らないことが挙げられます。頭皮マッサージで血流を良くすることで抜け毛の予防と育毛対策を図りましょう。
頭皮マッサージの方法
頭皮マッサージは頭皮の血行を促進することで毛乳頭へ栄養を届ける効果があります。またシャンプー前にオイルを使ったマッサージをすることで毛穴の皮脂汚れを浮き上がらせ、頭皮ケアする効果もあります。
- 両手を両耳の上にかぶせるように置きます。
- 親指以外の4本の指の腹で、耳の上側の頭皮を押し上げるようにマッサージします。
- 耳の後ろ側の頭皮も同様に頭頂部側へ押し上げるようにマッサージします。
- 頭頂部周辺は、頭皮を頭頂部側へ寄せるようにマッサージします。
- 後頭部や生え際も同様にマッサージ、頭頂部側へ押し上げるようにします。
ツボ押しマッサージでの対策方法
頭部にはたくさんの抜け毛や薄毛に良いとされるツボがあります。頭頂部の両耳のライン上、真ん中にあるツボが百会(ひゃくえ)です。百会は抜け毛対策以外にも、睡眠障害、目の疲れ、自律神経の改善などにも効果があります。
天柱(てんちゅう)は首の後ろ側にあるツボです。太い筋が首の後ろ側に2本ありますが、それらの外側にあります。抜け毛予防以外にも肩凝りやストレスによる疲労回復にも効果があるとされています。
風池(ふうち)は天柱より2cmほど外側、少し上側にあるツボです。風池は睡眠障害や目の疲れにも効果のあるツボです。
ツボの押し方は厳密に決まっているわけではありませんが、指の腹を使って押すようにしましょう。ツボを3秒押しては3秒離すのを繰り返す押し方もあります。
髪が薄くなってきたら生活習慣の改善
薄毛の予防対策に、まずは基本的な生活習慣から改善を図る必要があります。食生活の乱れや不規則な生活も薄毛の原因になることがあります。今まで食生活や睡眠に気を遣っていなかった人は、生活習慣の見直しも図りましょう。
栄養バランスの良い食事
髪の毛は私たちが食べた物からできています。髪はケラチンという18種類(うち必須アミノ酸は9種類)のアミノ酸から構成される蛋白質からできています。できるだけさまざまな肉や魚、卵、大豆製品などの蛋白質を含む食品からアミノ酸を摂取できるようにしましょう。
また摂取したタンパク質から髪の毛が作られるにはビタミンやミネラルの力も必要です。特にビタミンB群は毛母細胞を活性化し頭皮環境を整える作用が、亜鉛は髪の生成を助ける作用があります。亜鉛には脱毛ホルモンの生成を抑える効果も期待されています。
深い眠りと適度な睡眠時間
睡眠中は髪を育てる成長ホルモンが多く分泌されます。特に入眠から1~3時間の間に分泌量がさかんになり、その後も起きるまでに何度か分泌量が増えるサイクルがあります。
睡眠時間が長いほど成長ホルモンの分泌量が増えるので、寝過ぎも体に毒ですが睡眠不足には注意しましょう。また眠りが浅いと分泌量が減ってしまうので、できるだけ快適に眠れるよう、規則正しい生活を送ること、夜更かしをして眠りが浅くならないようにしましょう。
まとめ
髪が薄くなる症状として考えられるのは、男性型脱毛症、びまん性脱毛症(女性男性型脱毛症)、牽引性脱毛症、その他頭皮の炎症や薬剤によっても脱毛症になることがあります。
脱毛症は加齢や遺伝の要因もありますが、ストレスや栄養不足、睡眠不足、誤ったヘアケア方法などの要因も重なって、抜け毛や薄毛の症状になることがあります。
髪が薄くなってきたら、頭皮のシャンプー剤の見直しや生活習慣の見直しも図りましょう。シャンプーは肌に合うものを選んで刺激の強いものは避け、栄養バランスの良い食生活や規則正しい生活を心がけましょう。
育毛剤や頭皮マッサージでの育毛対策は、頭皮の血行を促進することで抜け毛を予防し、健康な髪の成長が期待できます。
セルフケアでは限界のある症状もあります。頭皮の炎症や病気が考えられる場合は速やかに医療機関に、またAGAやFAGAなどの確実な改善には、専門のクリニックでの治療もおすすめされています。
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