頭皮や髪のベタつきが気になるとき、また頭皮が乾燥していても気になるのがフケです。かゆみも気になりますが、髪に白っぽい粉がついて不潔な印象を与えてしまいそうで心配ですよね。
またフケが多いと抜け毛のサインとも言われています。フケが出るということは頭皮に何らかのトラブルがあるということで、抜け毛が起きる可能性があるそうです。フケの原因やフケと関わる皮膚炎、フケの予防対策方法についても確認してみましょう。
抜け毛のサイン?フケが出る原因は?
フケが出るということは何らかの頭皮トラブルが発生していることが考えられます。頭皮環境が悪い状態を放置しておくと、抜け毛や薄毛になってしまうかもしれません。フケが出る原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。
フケのタイプ
フケにもタイプがあり、乾燥肌の人がなりやすい乾性フケ、脂性肌の人がなりやすい脂性フケがあります。
乾性フケでは頭が痒くて掻くと、パラパラと細かい粉状のフケが落ちてきます。頭皮をチェックするとカサつきが見られるのが特徴です。乾燥性のフケでは髪の生え際にうろこ状の湿疹が見られることもあります。
脂性フケは乾性フケと異なり大き目のフケが出るのが特徴です。ベタつきがあって髪の毛や頭皮にくっつきやすいです。皮脂性のフケが見られる頭皮では、ベタつきやかゆみ、赤みが見られます。抜けた毛根に白っぽい皮脂がくっついていることもあります。
ターンオーバーの異常
フケの正体は頭皮から剝がれ落ちた角質細胞です。皮膚が生まれ変わる作用をターンオーバーと言いますが、正常なターンオーバーなら剝がれ落ちる角質細胞は非常に小さなものです。しかしフケのように目立った角質細胞が出てくるということは、ターンオーバーが異常になっていると考えられます。
正常なターンオーバーができていないということは、何らかの頭皮トラブルが起きていると考えられます。またフケが毛穴を塞ぐことでも頭皮トラブルに、悪くすると抜け毛を起こすことも考えられるそうです。
頭皮の乾燥
頭皮が乾燥すれば乾性フケが出やすくなります。頭皮の乾燥にはシャンプーでの洗い過ぎや外気の乾燥、エアコンやドライヤーの風、紫外線なども関係していると考えられます。女性は頭皮乾燥が見られることが多いようです。
頭皮の皮脂
頭皮は皮脂分泌の多い場所なので、ケアの仕方が悪いとベタつきやすい場所です。頭皮に皮脂が多い状態だとベタついた脂性フケの原因になります。
シャンプーで頭皮をしっかり洗えていないと、頭皮に皮脂が残ってしまいます。また脂っこい食事が多く、顔も頭皮も脂性肌になっていることが考えられます。男性ホルモンは皮脂を分泌する作用があり、男性の方が頭皮が脂性肌であることが多いようです。
ヘアケア剤
洗浄力の高い市販シャンプーは、頭皮が乾燥しやすくなります。また油分の多いコンディショナー、トリートメント、整髪料は頭皮や髪がベタつきやすくなるトラブルの原因です。ヘアケア剤の刺激で炎症を起こす可能性もあります。
誤ったヘアケア方法
シャンプー剤だけでなく、シャンプーのやり方でもフケの原因になることがあります。シャンプーで洗い過ぎれば頭皮の乾燥ダメージを招いて乾性フケが出やすくなり、夜のうちに皮脂汚れや整髪料をシャンプーで落とさずに寝て、脂性フケが出やすくなることも考えられます。
生活習慣
日頃の食事が肉食中心だと動物性脂肪を摂り過ぎ、頭皮の皮脂分泌が過剰になる可能性があります。また栄養バランスの悪い食事でビタミンが不足することも、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌を招くことがあります。
ビタミンAには保湿効果があり、ビタミンB群は皮脂分泌を調整する作用があるので、不足しないよう注意しましょう。
日頃自炊せずごはん屋で食事を済ませてばかりいると、脂質や糖質が多くなったり、栄養バランスが悪くなる可能性があります。
また甘いものが好きでケーキ屋や和菓子屋のお菓子を食べてばかりいるのも、糖分の摂り過ぎは脂肪が増えるので、頭皮の皮脂分泌が活発になる原因です。
外食をするときは栄養バランスも考えて、甘いものはほどほどにしておきましょう。
ストレス
ストレスは乾燥性のフケ、皮脂性のフケのどちらの原因にもなる可能性があります。
ストレスは自律神経を乱し交感神経が優位になりますが、交感神経が優位になると血管が収縮し血行不良になります。血流が悪くなると頭皮のターンオーバーがスムーズにいかなくなり、乾性フケが発生することがあります。
またストレスを感じると体は抗ストレスホルモンの分泌が増える影響で、男性ホルモンの分泌量が増えます。男性ホルモンの分泌が増えると皮脂分泌が活発になりやすく、脂性肌の人は脂性フケが出やすくなると考えられています。
高校生のフケの原因は?
最近の高校生は男女問わず毎日シャンプーして清潔にしていそうですが、フケや抜け毛に悩む人もいるようです。高校生のフケの原因として、試験・進路のストレス、肌に合わないシャンプー、シャンプーで整髪料が落とせていないことなどが考えられます。
アトピーなど皮膚疾患も原因として考えられるので、頭皮の異常も見られるなど気になる場合は家の人に相談し、皮膚科を受診した方が良いでしょう。
病気や皮膚炎によるフケと抜け毛
シャンプーでのヘアケア方法以外にも、頭皮環境や病気や皮膚炎によってフケが増えたり抜け毛になることが考えられます。フケを招く病気、さらにフケの症状を伴う皮膚疾患による脱毛症についても確認しておきましょう。
フケを招く病気もある?
フケは頭皮環境やストレス以外に病気でも起きやすいです。脂性フケは心臓発作、脳卒中、頭部の外傷、パーキンソン病などの神経疾患、またHIVなどの免疫力低下によって起きることがあります。
乾燥性のフケは甲状腺機能低下症、糖尿病、皮膚炎(アレルギー性皮膚炎、接触性皮膚炎)などで起きることがあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の人は、皮膚が薄くて皮膚のバリア機能が弱く、皮膚の水分が蒸発しやすくて乾燥しがちです。乾燥するとかゆみが発生して掻くと肌に傷がつき、ますます皮膚が弱くなります。肌の水分保持力が弱いため頭皮も乾燥しやすく、フケが出やすいです。
アトピー性皮膚炎で脱毛症が起きることがあります。アトピー性皮膚炎の人には円形状に脱毛してハゲができる円形脱毛症にかかる人が多いと言われています。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎はシャンプーなどのヘアケア製品、パーマ液やカラー剤の成分などでダメージを受けて炎症が起きた、いわゆる「かぶれ」の症状です。赤みやかゆみ、さらに乾性フケの症状が起きることがあります。接触性皮膚炎により炎症性脱毛症を起こすことがあります。
接触性皮膚炎にはアレルギー性皮膚炎と刺激性皮膚炎があり、前者はアレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)に何度も触れることで炎症を起こし、後者は刺激や毒性のあるものでかぶれる症状です。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎はマラセチア菌という肌の常在菌が異常繁殖し起きる皮膚疾患の症状です。マラセチア菌は皮脂分泌の多いところで繁殖しやすく、頭皮や鼻の周りなどで起きやすいです。
シャンプーなどのヘアケア、脂質の多い食事、ストレス、アルコールなどがきっかけでも頭皮の皮脂が増える原因になり、脂漏性皮膚炎を招くことがあります。
さまざまな皮膚疾患で悪化させることで抜け毛を招くことがありますが、脂漏性皮膚炎による脱毛症(脂漏性脱毛症)は記事でもよく取り上げられており、抜け毛の症状が気になる人も多くいるようです。
脂漏性脱毛症と粃糠性脱毛症
脂漏性脱毛症と粃糠性脱毛症のいずれもマラセチア菌の繁殖による脂漏性皮膚炎によって起きる脱毛症です。
脂漏性脱毛症ではフケがうろこ状でかさぶたのようになり、かゆみと抜け毛を伴う症状です。一方粃糠性脱毛症は角質異常により頭皮のベタつき、フケ、かゆみと抜け毛のある症状です。
シャンプーでフケと抜け毛の予防
誤ったシャンプー剤選びやシャンプー方法はフケの原因になります。シャンプーの改善でフケを防いで頭皮環境を改善し、抜け毛を予防する効果も期待できます。フケと抜け毛を予防するシャンプーでの対策法について説明します。
シャンプー剤選びの注意
頭皮のかゆみやフケ対策をするなら、頭皮の肌質に合ったシャンプーを使うようにしましょう。
シャンプーには洗浄成分である合成界面活性剤が使われています。天然界面活性剤というと大豆のサポニンなど食べ物に含まれているものになります。合成界面活性剤のシャンプーを合成シャンプーと呼ぶなら、合成シャンプーは特に危険なものではありません。
シャンプーに使われる合成界面活性剤は主に3種類で、高級アルコール系、石鹸系、アミノ酸系の界面活性剤があります。注意が必要なのはラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naなどの高級アルコール系界面活性剤で、皮膚に刺激があり、悪い影響があるということです。
また石鹸もアルカリ性なので、弱酸性の皮膚には合わないようです。石鹸シャンプーは石鹸カスが頭皮や髪に残りやすいことも指摘されています。
最も肌に優しいのはアミノ酸系界面活性剤で、アミノ酸系シャンプーは肌にも優しくおすすめされています。アミノ酸系シャンプーといってもすべての洗浄成分がアミノ酸系でなく、洗浄力や泡立ちを高めるために少し高級アルコール系や石鹸系の界面活性剤が入っていることもあります。
頭皮のトラブルを避けるには価格や泡立ち、美髪成分だけでなく、洗浄成分に注意しましょう。特にコーティング剤であるシリコンが入っていない、ノンシリコンのアミノ酸シャンプーが頭皮や髪に良いとされています。
脂性フケのシャンプー対策法
脂性フケが出る人はさっぱりとしたシャンプーを、特に原因菌であるマラセチア菌の発生を抑えるシャンプーがおすすめです。マラセチア菌を抑えるミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミン、硫黄などが配合された、脂性肌向けのシャンプーがおすすめです。
べたつく頭皮を改善したい人は、クレンジングシャンプーやスカルプケアシャンプーもスペシャルケアとして、また毎日のヘアケアとしてもおすすめされています。
乾性フケには乾燥対策用シャンプー
乾性フケには乾燥肌用シャンプーがおすすめです。洗浄力が穏やかなアミノ酸シャンプーで無添加のもの、低刺激なフケ対策用シャンプー、オイル配合で保湿力の高いシャンプーが良いでしょう。
薄毛対策に育毛シャンプー
育毛成分の配合された育毛シャンプーは、かゆみやフケが気になる人、髪のボリュームが気になってきた人におすすめです。育毛シャンプーでも脂性肌向け、乾燥肌向けがありますので、頭皮の肌の状態に合わせてシャンプーを選びましょう。
シャンプーの方法
シャンプー前に髪をブラッシングし、まずはお湯で頭皮と髪を洗います。熱すぎるお湯は頭皮の肌が乾燥する恐れがあるので注意しましょう。
泡立てたシャンプー剤で頭をよく洗います。地肌に傷をつけないよう指の腹を使って押し揉むように洗います。
頭部全体を洗えたら最後はシャンプーをよく洗い流します。洗い残しがあると頭皮トラブルの原因になるので気をつけましょう。シャンプー後にコンディショナーやトリートメントを使う場合は、油分が多いので頭皮にはつけないよう注意してください。
シャンプー後は髪を乾かしてから寝ましょう。生乾きの状態で寝ると雑菌が頭皮と髪で繁殖する恐れがあります。良い頭皮環境のためにもタオルドライとドライヤーで髪の水分を取り除いて寝るようにしてください。
朝にシャンプーをするという手もありますが、特に脂性肌の人は一晩汚れた頭皮のまま寝ることになり、頭皮環境の悪化が心配されています。シャンプーは夜のうちにするのがおすすめされています。
フケと抜け毛を育毛剤で予防する
シャンプーの後にも頭皮の乾燥対策や皮脂対策に低刺激な化粧水を頭皮につけることも、頭皮の状態を整えるのに役に立ちます。育毛効果も期待するなら育毛剤がおすすめです。育毛剤で抜け毛予防も行いつつ、頭皮環境を整えていくことができます。
育毛剤の成分と効果
育毛剤には血行を促進し育毛を促す成分が入っています。血行の促進は代謝を促すので、フケなどの頭皮トラブルの改善も期待できそうです。さらに抗菌作用、抗炎症作用、保湿成分などの頭皮ケア成分も入っているので、頭皮環境を整えつつ育毛対策が可能です。
育毛剤は抜け毛予防、育毛促進や発毛促進をするだけでなく、かゆみやフケの予防にもなります。頭皮のかゆみ、フケに悩んでいる人にもおすすめのアイテムです。
ただし育毛剤の成分が刺激になることもあるかもしれません。肝心の育毛成分がしっかり入っていることはもちろん、無添加や無香料の肌に優しい育毛剤が、頭皮トラブルも招きにくいでしょう。
おすすめの男性用育毛剤としてよく取り上げられる「チャップアップ」は女性でも使用できる肌に優しい育毛剤です。女性や乾燥肌の男性は、より保湿効果の高い女性用育毛剤もおすすめです。
育毛剤の使い方
育毛剤によって使用方法は異なりますので、使用上の注意をよく読んで使いましょう。シャンプー後髪を乾かしたら、育毛剤を適量頭皮に塗布します。頭皮になじませたらマッサージをして、頭皮の血行を促進します。
フケやかゆみ、抜け毛の改善は比較的早く現われるようです。髪のボリュームの改善には、少なくとも半年は継続していく必要があるようです。気長にコツコツと続けることがおすすめされています。
フケを招く抜け毛・脱毛症の治療法
食生活の見直しもしつつ、シャンプーなどのヘアケアや育毛剤でフケが改善されれば良いのですが、治りが悪いこともあります。フケと抜け毛の改善が見られない場合、頭皮の異常が見られる場合はクリニックや病院で適切な治療を受けることで回復が望めます。
皮膚科での治療
頭皮の炎症が見られる炎症性脱毛症は皮膚科で炎症の治療をするのが一般的です。脂漏性脱毛症、粃糠性脱毛症では抗真菌薬、ステロイド剤などが処方されます。
抜け毛が改善しない場合は発毛治療に対応している皮膚科や、薄毛治療専門のクリニックでの治療が必要になるでしょう。
AGAクリニックでの治療
男性で頭頂部周辺や生え際の後退が見られる場合、AGAの可能性があります。30代後半からAGAを発症する人が増えてきます。加齢、遺伝要因以外に生活習慣とも関係があるとも言われています。
AGAの治療法は治療薬が一般的です。薬だけでは効果が現われにくい時は育毛メソセラピー、自毛植毛法などの治療法もあります。
まとめ
頭皮のフケは地肌が乾燥しすぎても皮脂が多すぎても出る可能性があり、ターンオーバーの異常により起きるとされています。乾性フケと脂性フケのいずれも頭皮トラブルと考えられ、頭皮炎症によって抜け毛が起きることがあるので注意が必要です。
フケが出る原因には誤ったシャンプー選びや洗い方、食事などの生活習慣やストレス、病気、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患も考えられます。
まずは頭皮の肌質に合ったシャンプー剤選びを、脂性フケには抗真菌成分のシャンプー、乾燥肌対策には肌に優しいアミノ酸系シャンプーがおすすめされています。
フケやかゆみを予防する効果もある育毛剤も良いとされていますが、改善が見られない場合は早めにクリニックや病院で適切な治療を受けることがおすすめです。
関連記事としてあわせて参考にしてみてください。
・頭皮が赤い状態になる原因を紹介!シャンプー方法を改善して症状を予防しよう!
・頭皮が痛み出すのはどんな症状が考えられるのか?原因と改善方法を紹介!
・フケの対策方法を紹介!症状のタイプ別に合ったシャンプーの選び方と対策方法について