髪の毛の長い人や女性に特に多く見られる脱毛症のひとつである牽引性脱毛症。オシャレを楽しみたい若い世代に特に多く発生している脱毛症で、老化に関係なく若年層でも発生する可能性の高い脱毛症です。
分け目や生え際などに抜け毛が発生しやすく、薄毛の原因となるこの脱毛症について今日は紹介していきます。
原因や対策方法について紹介しますので、ハゲにつながらない様に参考にしてみてください。
牽引性脱毛症の症状
牽引性脱毛症とはどの様な症状が発生する脱毛症なのか、について紹介します。
幾つかの特徴がありますので、自分や子供に発生している症状からこの脱毛症かどうかについて判断してみましょう。
生え際が後退する
長い髪を縛っている場合、頭皮への引っ張る力が強く発生している部分でどんどん抜け毛が発生します。それによって、生え際の後退が進みます。
生え際は特に牽引性脱毛症の影響が起きやすい部分で、バレエのダンサーや体操選手などしっかり髪の毛を束ねる機会が多く、長時間その髪型をキープしている場合に影響が大きくなります。
分け目の地肌が目立つ
髪の毛を結んでいなくても、髪の毛の重さによって毎日同じ部分を同一方向に分けている場合、その分け目部分が薄毛になります。
前頭部の分け目、頭頂部の分け目、つむじ部分の薄毛などが目立つ様になります。
引っ張る力が加わっている箇所の薄毛
他の脱毛症と異なるところは、特に頭皮に炎症なども発生していないのに抜け毛が増えることや、引っ張る力がかかっている部分のみに薄毛が発生するというところです。
抜けている髪の毛が細く弱々しいものや短い物が増えたら要注意です。
牽引性脱毛症の原因
ではこの様な脱毛症はどうして発生するのでしょか?牽引性脱毛症が発生してしまう原因について紹介します。
知らない間に脱毛症に繋がる行為をしてしまっている可能性があります。注意して抜け毛をこれ以上増やさないようにしましょう。
毎日同じ髪型をしている
髪型を固定して常に同じ髪型で過ごしている人は要注意です。毎日同じ箇所に負荷がかかっているので牽引性脱毛症が発生する可能性が高まります。
特に同じ方向の分け目、毎日髪の毛を縛っている場合には一部分のみに抜け毛が発生しやすくなります。
どのくらい同じ髪型を繰り返すと抜け毛に繋がるかについては個人差がありますが、1週間〜4週間同じ髪型を継続すると抜け毛に繋がる可能性が出てくるでしょう。
仕事や学業の関係で髪の毛を縛っている
規定の髪型をしなければいけない環境はたくさんあります。長い髪の毛であればまとめ髪にしなければいけない場合や、キャビンアテンダントの様にしっかり前髪を分けて後頭部の位置で団子にするなど。
この様な髪型を指定されている場合、もし抜け毛が増えても髪型を変えられないので進行を止められない問題もあります。
引っ張っている時間に比例して抜け毛の影響は大きくなるので、出来るだけ引っ張る力を緩めるなどの対策が必要です。
縛りすぎている
シルエットをキレイに出すために過剰に髪の毛を縛っている場合、脱毛症につながりやすくなります。1日や数日などの短期間であれば特に問題ありませんが、長期的に行っていると抜け毛につながりやすくなるでよう。
顔の皮膚を引っ張って若く見せようとしている人は要注意ですよ!縛りすぎる髪型は出来るだけ短時間に抑えるようにしましょう。
子供の髪の毛を縛って上げる際も注意です。強さを加減しないと子供は自分で調節できないので痛みを訴えなくても脱毛症に繋がってしまう事があることを認識しておきましょう。
強くブラッシングしている
やりだすと止まらないブラッシングですが、強い力でブラッシングをしている場合それが原因で抜け毛が増えてしまう可能性があります。
髪の毛が絡まりやすく、ついつい力いっぱいに無理やり髪の毛をといている。首が持っていかれるくらいの勢いで急いでブラッシングをしているなどを繰り返していると抜け毛が増えます。
特に髪の毛が傷んでいる人やカラーやパーマをしている人はこの問題につながりやすいので注意しましょう。トリートメントなどをしっかりして対策してください。
髪の毛をいじる癖
髪の毛をくるくると指に巻き付ける癖。ついつい気になって髪の毛を触ってしまう。分け目が決まらずに頻繁に分け目を直す、などしている人はその癖によって抜け毛が発生してしまう可能性があります。
後頭部や側頭部は比較的影響を受けにくい傾向がありますが、前髪の生え際や頭頂部付近はトラブルになりやすいので、あまり触らないほうが懸命です。
エクステを使用している
ヘアーエクステンションいわゆるエクステは自分の髪の毛の根元に、別の長い髪の毛を結びつけてオシャレを楽しむものです。
しかし、根元に結びつける力が強いと頭皮を無理に引っ張ってしまい抜け毛や脱毛症に繋がってしまう危険性があります。
寝るときに頭皮が痛くなったり、シャンプーがしづらいなどのデメリットもあります。美容師の技術力でも状態が左右されるので、エクステを行う場所や人も信頼できる人を選びましょう。
対策方法について
もし、牽引性脱毛症とされる脱毛が発生して、分け目などが薄毛になってしまっている場合の対処方法を紹介します。
回復のために出来る対策方法・治療法を紹介しますので参考にして髪の毛を元の状態に戻していきましょう。
休日は髪の毛を縛らない
休みの日で特に縛る必要がない日は髪の毛を縛らずにおろした状態で過ごすと頭皮が休まって髪の毛が成長しやすい環境になります。
邪魔と感じる場合は軽く縛ったり、ヘアクリップを使用して緩めにまとめるなどして対策しましょう。
休日でなくても、仕事が終わったり家に着いたらすぐに髪の毛は解いて、頭皮に無駄な負荷をかけないように心がけましょう。
小まめにヘアスタイルを替える
分け目を1日置きに変えたり、ヘアスタイルを替えて一箇所に負荷が集中することを避けましょう。
縛る髪型ではなく、ワックスを使用してヘアスタイルをアレンジしたり、髪の毛をカットしてショートヘアにしてみるのも有効です。
短髪だとヘアケアも楽になりますし、育毛対策もしやすくなるでしょう。もしショートヘアにすることが可能でしたら検討してみてはいかがでしょうか?
頭皮マッサージで血行を促進する
頭皮マッサージは非常に有効な育毛対策です。頭皮は凝りやすく、固くなりやすいので、それによって血行が悪くなり髪の毛への栄養が行き届かなくなります。
血行が悪いと髪の毛のヘアサイクルは乱れて、抜け毛が発生しやすくなります。それを改善するために頭皮マッサージで頭皮の血行を促進していきます。
頭皮マサージが特に有効なタイミングは入浴前とシャンプー中になります。薄毛になっている箇所だけでなく頭皮全体をマッサージして血行を促進し、育毛効果を高めていきましょう。
育毛剤を使用する
子供にはあまりおすすめできませんが、育毛剤を使用して髪の毛の成長を促すことも出来ます。強い有効成分が入っていない、植物エキスなどを中心に配合している育毛剤であれば、中学生や高校生でも使用できますので、そちらを選んでも良いでしょう。
しかしあくまでもこれは上記の対策を行った上で有効な対策になりますので、上記の対策法と合わせて育毛剤を使用して髪を成長させて行きましょう。
注意したいヘアスタイル
牽引性脱毛症を発生させる可能性の高い、注意すべきヘアスタイルについて紹介します。以下の髪型を行っている場合は、あまり長時間行わず、頭皮や髪の毛への影響を考えて行うようにしましょう。
ポニーテール
ポニーテールでの脱毛の場合、前髪だけ残して他の髪の毛を後ろにまとめるという形が一般的ですが、もみあげ部分や前髪との分かれ目部分が薄毛になる事があります。
地肌が広く見え始めたと感じたら、ポニーテールは控えたほうがいいでしょう。
お団子ヘア
お団子ヘアもポニーテール同様、前髪やもみあげ付近の髪の毛を引っ張るので、前方の生え際の部分が薄毛になりやすくなります。
しかもお団子ヘアの場合、上に向かって髪の毛をまとめるので完全に髪の毛の生えている方向に逆らう形に引っ張ってしまうため、より生え際へのダメージは大きくなります。
シルエットが重要な髪型でもありますし、強くまとめる事も多いでしょう。抜け毛が増えたと思ったら出来るだけ避けた方がいい髪型です。
三つ編み
三つ編みで負荷のかかる部分は後ろ髪なので、あまり薄毛になっても気づきませんし、髪の毛が抜けにくい部分でもありますのでそこまで深刻になることは少ないでしょうが、気づきにくい事で知らない間に進行している事もあります。
また最近のヘアアレンジで編み込みや三つ編みを応用した髪型なども流行しているのでその場合は負荷がかかりすぎないように注意しましょう。
ヘアエクステ
エクステは先程紹介したように、エクステを過度に使用したヘアスタイルは薄毛の脱毛症の原因になります。
過去にナオミ・キャンベルがエクステを使用したヘアスタイルの影響で過度な牽引性脱毛症の被害にあったことでも話題になりました。
前方の髪の毛がまんべんなく後退しているのがわかります。
かなりショッキングな画像ですが、この様になってしまう可能性がありますので、十分注意して、エクステの取り付け後に痛みがある場合はすぐに取り外すようにしましょう。
取り外しは取り付けを行った美容院や美容所で出来ます。気まずいですが、ハゲるよりマシです。無理をしないように注意しましょう。
ヘアアイロンの使用にも注意
ヘアアイロンも髪の毛へのダメージになりますし、髪の毛を引っ張りながらカールやストレートヘアーを作りますので、毎日使用していると、髪や頭皮への影響が大きくなり、抜け毛や脱毛症の原因になります。
同じ方向に何度も負荷をかける、同じところをアイロンで引っ張るなどの方法を繰り返さないように注意しましょう。
髪の長い人は特に注意しよう!
ロングヘアの人はどうしても髪の毛をかきあげたり、髪の毛を束ねることが多いので牽引性脱毛症になりやすくなります。また、事故で髪の毛を機会などに巻き込んでしまって大きく抜け毛が発生してしまう事も発生しています。
女性に限らず男性も子供もロングヘアの人は注意が必要です。
牽引性脱毛症は、新しく髪の毛が生えてくるまでに3ヶ月は最低かかります。根気強く対策して髪の毛を回復させていきましょう。
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