フィナステリドとは何なのかについて今日は紹介していきます。
薬についての正しい知識を身に着けて、薄毛の治療効果を向上させていきましょう。
フィナステリドとは
フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)治療に使用される薬品のことです。
この薬品の情報を紹介して行きます。
フィナステリドは成分名
フィナステリドはAGA治療薬として使用される「プロペシア」などに含まれている成分のことを言います。
抜け毛を予防する効果のある有効成分で、AGA治療薬にはこの成分を使用している物が国内外で多く出回っています。
AGA治療薬として使用される薬の一部がフィナステリドの成分を0.5〜1mg配合して居ます。
元々は前立腺治療薬だった
元々この成分が使用されていたのは「プロスカー」と呼ばれる薬でした。これは男性に発生する前立腺肥大症を治療する薬でフィナステリドを5mgほど含んでいた薬になります。
この薬を使用して治療している患者に多毛症の副作用が発生していることを発見し、薄毛の治療薬として再開発を行った結果出来たのが「プロペシア」です。
メルク社が特許を持っている
アメリカの大手製薬会社のメルク社が現在、フィナステリドの成分を使用した薄毛治療薬の特許を取得しています。
この特許は2019年まで有効とされていて、その期限が切れるまでは特許加盟国は後発薬を作ることが出来ません。
プロペシアとの違いは?
プロペシアとフィナステリドの違いについては上記で紹介したとおりで、「プロペシア」は「フィナステリド」の成分を一部配合している薄毛治療薬ということです。
プロペシアは薬、フィナステリドは成分という認識になります。
海外のジェネリック医薬品について
クリニックなどでは取扱が無いものの、ネットなどではフィナステリドを使用したプロペシアのジェネリック医薬品(後発薬)的な商品が多数存在します。
特許が切れていないのにこんな事が発生しているのはどうしてか?
これはインドで製造されている商品で、2005年まで国際特許に加盟していなかったインドだから製造が出来た治療薬になります。
他にもインド製の製品として「エフペシア」「フィナロ」「フィナバルド」などの商品が存在します。
国内発のジェネリックがある
本来であれば国際特許加盟国は2019年までプロペシアのジェネリックを製造することは出来ませんが、2015年に初めて国内外資系のファイザー株式会社がプロペシアの後発薬となる「フィナステリド錠1mg「ファイザー」」を販売開始しました。
その後、更に他の製薬会社もフィナステリド錠1mg「サワイ」やフィナステリド錠1mg「トーワ」など次々とフィナステリド系のAGA治療薬を開発販売しています。
この詳しい情報については現段階でも判明していませんが、厚生労働省の厳正な審査を通過し、いずれの会社も製造販売認証を取得しています。
ファイザー株式会社がメルク(MSD)社の特許権を無効にできる有効なカードを持っていたのだろうということが推測されています。
フィナステリドの効果
フィナステリドの成分の効果について紹介します。
AGAを治療に有効な効果として確認されているものについて紹介していきます。
男性ホルモンの薄毛を改善する
AGAの薄毛で発生している抜け毛は男性ホルモンが原因とされています。
フィナステリドには男性ホルモンが原因の抜け毛を予防する効果があります。薄毛治療として使用されるのは基本的にAGAが原因の薄毛のみになります。なので男性ホルモンが薄毛の原因でない場合効果はありません。
5αリアクターゼの働きを抑制
5αリアクターゼという還元酵素の働きを抑制する効果があります。
5αリアクターゼは通常は男性の身体を形成する上で重要な役割をは果たす物質ですが、過剰に増えてしまうと抜け毛の元になる強力な男性ホルモン(DHT)を生成してしまうので薄毛の原因になってしまいます。頭皮や前立腺などに多く存在しる物質です。
頭皮の5αリアクターゼの働きを抑えることで抜け毛を減らすことが出来ます。
DHTの生成を抑える
5αリアクターゼ抑制の効果によりDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、髪の毛の成長サイクルが保たれ、抜け毛を減らすことが出来ます。
DHTは毛乳頭細胞や毛母細胞を攻撃し、髪の毛の成長期をストップさせて抜け毛を増やしてしまう働きを持った厄介なホルモンです。
AGAの対策にはDHTを運動によって頭皮からしっかりと汗をかいて排出するか、薬でDHTの生成を抑制するか、のどちらかの対策が必要になるのです。
他の治療薬との併用が出来る
フィナステリド系のAGA治療薬は効果の異なる薄毛治療薬との併用が出来ます。
具体的には血管拡張作用で、頭皮の血行を良くして発毛効果を高めるミノキシジルとの併用が可能です。
お互いの効果を補い合い、相乗効果でより早い発毛効果を期待することが出来ます。
フィナステリドの副作用
フィナステリド系の治療薬の副作用についてきちんと知っておかないといけません。
きちんと副作用の症状を知っておいて、不正使用をしないように気をつけましょう。
初期脱毛
使用から1ヶ月〜数ヶ月の間で初期脱毛と呼ばれる脱毛が多くなる症状が現れる事があります。
しかしこれは、薄毛が更にひどくなっているという訳ではありませんので安心しましょう。
初期脱毛は既にヘアサイクルが休止期を迎えている髪の毛が抜け落ちてしまって発生している脱毛で、新しい髪の毛が生えるための準備段階になります。
休止期の髪の毛はずっと生えていても成長することはありませんし、この髪の毛が抜けない限りは新しい髪の毛を生やすことは出来ません。
新しい髪の毛を生やすための「必要な脱毛」なので初期脱毛が発生したらストレスに思わず、薬の効果がしっかり効いてきているんだな。と思うようにしましょう。
その他の健康被害
比較的発生しやすい副作用としては頭皮の湿疹や痒み、吐き気、腹痛、めまいなどが発生することがあります。これは男性ホルモンのバランスの変化に伴うもので、一応お医者さんに相談をして使用を継続してもいいか確認をしてみましょう。
次に発生する可能性があるのが、性機能障害、ED、性欲減退、精子の減少など性に関係する症状になります。
発生すると最も危険な症状が、意識の混濁、肝機能障害になります。直ちに使用を中止して医師に相談してください。
副作用が発生する確率
服用者の5%に頭皮の皮膚症状や吐き気などの胃腸障害が発生していて、1%ほどにEDなどの性機能障害が発生しています。
重篤な症状については発生報告があるのみで確率については報告されていません。
不正使用での重篤症状が増えている
重篤症状の患者の1例では、過剰摂取や摂取方法の不備があったことが確認されています。
その他の副作用患者についても、摂取方法が適切でなかった場合に症状が重くなったり、副作用が発生しやすい状態が確認されています。
使用方法は正しい方法で行うようにしましょう。
女性の服用はNG
この成分を含んでいる治療薬は女性に触れさせることも禁止されています。女性が使用した場合には奇形児が生まれてしまう可能性も危惧されており、妊婦は特に注意が必要です。
女性の中に存在している男性ホルモンを無理に押さえ込んでしまうと生まれてくる赤ちゃんの性を決定する働きが弱まり、性的特徴が曖昧な状態で胎児に成長してしまう可能性があるためです。
人間での臨床データが無いのでこの副作用が発生する事が明確なわけではありませんが、女性は使用しないようにしましょう。
フィナステリド系の治療薬の価格と購入方法
フィナステリド系の治療薬の購入方法や価格について紹介していきます。
ジェネリックの商品や次世代の治療薬も販売されるようになっていますので、今後の価格についても注目です。
専門クリニックや病院での処方
治療薬の使用初心者の場合は専門クリニックやAGA治療専門の病院などでの処方を受けたほうが良いでしょう。
治療薬の副作用や使用方法についても細かに説明してくれますのでおすすめです。
価格に関しては1月分5000円が安値基準で、6000〜7000円ほどが相場になります。
高いものではクリニックオリジナルの配合などを売りにしている物で1月分で20000円近くかかるものもあります。これらはいくつかの商品とセットになっていることもありますので、各クリニックのサイトを確認してみてください。
しかし、中には高額に薬を売りつける悪徳業者も存在します。最近は減少傾向にありますが、消費者庁から注意勧告も出されています。利益重視の病院やクリニックにはくれぐれも注意しましょう。
個人輸入代行サービスの利用
ネットのサイトを利用して安くこれらの薬を入手することも出来ます。クリニックなどでは販売していない商品も購入できます。
しかしネットではより偽物が横行している可能性が高く、4割近くは偽造品だといいます。さらに偽物を使用した場合は5割減の効果である事が実験で明らかになっています。
完全自己責任の世界ですので、良く考えて利用しましょう。
価格については安ければ半額で購入できる商品もあります。量も3倍近く入っているので6分の1ほどの価格で使用できます。
次世代医薬品の価格
2015年にジェネリックが販売開始され、2016年には次世代治療薬のデュタステリドを主成分としたザガーロという薬の販売も開始されています。
効果への期待もされていますが、この薬の台頭によってプロペシアの価格が安くなるのではないかとも言われています。
価格的には現在ザガーロなどの新薬が1月分8000〜10000程度。プロペシアが5000〜7000程度となっており、完全にプロペシアの特許が切れれば更に2割位安くなるのではないかと推測されているので2019年以降には更に薄毛治療がやりやすくなるかも知れません。
フィナステリド系治療薬の使用方法
フィナステリド系の治療薬の使用方法を簡単に紹介します。
正しく利用して育毛効果を高めましょう。
朝もしくは昼に飲むことが一般的
一日の始まりに飲むことが有効でしょう。寝る前に飲むよりかは活動している時間帯に飲んだほうが薬の効果を得やすいでしょう。
しかし特にこの時間に飲まなくては行けないという決まりはありません。食後である必要も無いので、自分が飲み忘れない時間や、毎日確実に飲める時間を決めて服用すると良いでしょう。
毎日決まった時間に飲む
毎日朝に飲むのであれば朝、夜であれば夜に飲むことで体内の成分濃度を一定に出来て、効果を最大限得ることが出来ます。
なので、夜にお酒を飲むことが多かったり、残業で飲み忘れなどが発生しやすい場合は朝に飲むほうが良いでしょう。
朝の時間が不規則な場合は昼や、夕方などに時間をあわせて服用した方が良いです。自分のライフスタイルに合った服用方法で効果を最大化することが大切です。
アルコールとの合わせ飲みは厳禁
アルコールと薬の併用はNGとなっています。
フィナステリドの成分は肝臓で代謝されますので、お酒との負担が相まって副作用に繋がってしまう可能性が高くなります。
アルコールが入っている場合は、臨機応変に少し時間をずらして使用するようにしましょう。
正しく使用してAGAを治そう
AGA治療薬は正しく理解して使用することで薄毛を改善できる有効なものです。
しかし、一方できちんと理解できていなかったり、なんとなくで使用している人が多く、その効果を体感することが出来ずに高い金額のお金を払い続けてしまっている人も多く居ます。
使用方法や合わせて行う治療によって効果は変化するので、まず薬の特徴や使用方法などを知って使用していきましょう。
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