現在、または将来のハゲや薄毛を心配している男性は少なくないでしょう。男性の髪の量は20歳でピーク、その後は年々少なくなっていくそうです。他人に気づかれる前に早めに対策をすれば、ハゲを回避、改善できるかもしれません。
自分の髪の状況と向き合って、今の髪の状況はハゲの進行が始まっているのか、または将来ハゲる可能性があるのかを診断し、自分に合ったハゲ・薄毛の対策をするにはどのようにしたらいいか説明します。
目次
男性は早めのハゲ診断がおすすめ
男性のハゲと言えばAGAの名称で知られる男性型脱毛症のことがほとんどです。男性型脱毛症が発症する時期は個人差もあるようです。男性のハゲは特に早めに診断することが必要とされていますが、その背景にはどのようなことがあるのでしょうか。
男性のハゲに多い、男性型脱毛症
男性型脱毛症は男性ホルモンが原因で起きる脱毛症の一つで、おでこの髪が後退したりつむじ・頭頂部周辺からハゲていく男性型はげ特有の症状が見られます。
男性型脱毛症は中高年から発症率が高くなりますが、若い人でも発症することがあり、20代でも抜け毛量や髪の薄さに悩まされるというケースは珍しいことではありません。
厄介なのは男性型脱毛症がゆるやかに進行していくところです。初めは額が広くなったかな、ぐらいの感想だったのが、気がつけば抜け毛量が増えてハゲ・薄毛の部分が広がってしまっていたなんてこともあります。
じわじわと進行していくので気づきにくい分、気づいた時には治る可能性のあった状態だった髪も、回復が難しかったり時間がかかりそうなぐらい髪が薄くなってしまう可能性もあります。
男性型脱毛症の原因とは
男性型脱毛症の直接の原因はジヒドロテストステロンという男性ホルモンです。男性ホルモンのほとんどはテストステロンですが、テストステロンが頭部の毛根にある毛乳頭の5αリダクターゼと結びつくことで、脱毛ホルモン(ジヒドロテストステロン、DHT)になってしまいます。
脱毛ホルモンはヘアサイクルの成長期を短くしてしまい、髪がヘアサイクルの中で十分成長しないまま休止期・退行期を迎えてしまいます。
成長期の短いヘアサイクルの髪の毛が増えるほど抜け毛が増えて、髪がどんどん薄毛やハゲになってしまいます。
ハゲは遺伝するといいますが、5αリダクターゼの数や脱毛ホルモンと毛乳頭との結合しやすさは遺伝要因が大きいようです。特に母方の祖父から遺伝しやすいと言われています。
ハゲ・薄毛は早めの診断と対策が必要
男性脱毛症は遺伝、加齢によって起こる避けられない症状ではありますが、早めに自分がハゲの進行が始まっているのか、または将来ハゲる可能性が高いのか情報として得ておけば、何らかの対策を早くから講じることもできるでしょう。
男性のハゲ・薄毛は少しずつ進行していくので、早くから対策することで周囲の人に気づかれないうちに、症状を改善できるという利点もあります。
成人男性であれば若くてもハゲ・薄毛になる可能性があります。いつまでも若々しく、ハゲないようにしたいという人は、早めの診断と対策で健康な髪をキープできるようにしましょう。
AGAセルフチェックでハゲ診断する方法
自分がハゲ・薄毛かを診断する方法には、チェックリストの項目に答える方法、自分の抜け毛をチェックする方法、アプリを利用する方法などがあります。ご紹介しますのでハゲ・薄毛チェックの参考にしてください。正確な診断が必要な場合は医療機関に相談しましょう。
質問に答えてセルフチェックする方法
AGAやハゲ・薄毛関連の記事でもさまざまなセルフチェックの質問項目が紹介されています。よく質問項目に掲載される項目から10個を厳選しました。
下記の10個のチェック項目の文章を読んで、自分がどの項目に当てはまるかメモをしておきましょう。
- 家系にハゲ、薄毛の人が多い。
- 抜け毛が多い。
- 生え際や頭頂部の髪が、以前より薄くなってきている。
- 髪質が変化した。(細くなった、柔らかくなった)
- フケやかゆみが多い。
- 肉中心で野菜が少ない食生活である。
- 日頃から睡眠不足である。
- 喫煙者である。
- アルコールをよく飲む。
- ストレスが多い。
特に1~4項目すべて当てはまった場合はAGA(男性型脱毛症)の症状がすでに出ている可能性が高いです。
2~4項目すべてに当てはまった場合はAGAか何らかの脱毛症の可能性もあります。2~4項目のどれか1つでも当てはまれば何らかの育毛対策を始めた方が良いかもしれません。
10のチェック項目のうち、当てはまる項目が8以上あればハゲ・薄毛の危険度がすでに高いかもしれません。4項目以上の人は日常生活の見直しを、3項目以下の人は当てはまった項目に注意してください。
なお項目1に関してですが、特に母方の祖父からハゲ、薄毛の遺伝子をもらいやすいと言われています。ハゲ・薄毛になる遺伝子がX染色体上にあるためとされていますが、最近はY染色体にもハゲ・薄毛の遺伝子があるという研究報告もあるそうです。
抜け毛でハゲ・薄毛危険度チェックをする方法
抜け毛チェックには抜け毛の本数をチェックする方法と、毛根をチェックする方法があります。
一般的な自然脱毛の本数は、1日50~100本と言われています。季節によっては自然脱毛の本数が多くなる時期もあります。最も抜け毛が多いのは秋と言われており、夏のダメージを頭皮・髪に受けた直後だからと言われています。
もし抜け毛の本数が1日100本~200本(またはそれ以上)と多い日が何日も続くようなら、ハゲの進行が始まっている危険性が高いです。頭皮をチェックして髪が本当に薄くなっているようであれば、医療機関に相談した方が良いかもしれません。
自己抜け毛チェックで毛根を確認する方法もありますが、毛根が黒く膨らんで太くなっていれば健康な髪の毛と考えられます。白くなっていたり細く膨らみがない、そもそも毛根がない、などの特徴が見られれば、ハゲ・薄毛の危険性があるかもしれません。
アプリでハゲ・薄毛の診断をする方法
アプリでも髪の状態チェックをしたり、チェックシートに答える形式で自己診断できるものがあります。
iPhoneのアプリでは髪の状態を確認できる「毛量変化測定カメラ」や質問に答える「ハゲ診断」などがあります。いずれも無料なのでお試しでやってみても良いかもしれません。
AGA遺伝子検査で将来ハゲるか診断する方法
AGAにおけるハゲ、薄毛は遺伝の要因が大きいため、今はハゲの症状が出ていなくても将来はげやすいかどうかを、遺伝子検査で確かめることも可能です。クリニックだけでなく、家でも検査が可能らしいです。AGA遺伝子検査とはどんな検査方法なのでしょうか。
AGA遺伝子検査とは
頬の粘膜や血液を採取して、AGAになりやすい遺伝子があるかどうかを調べる検査です。クリニックでも受けられますが、検査キットを取り寄せ、家で採取したものを郵送して調べてもらう方法もあります。費用は1~2万円程度かかります。クリニックの方が一般的には費用が高くなります。
遺伝子検査でのAGA診断基準
AGAであるかどうかの判定にはアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子のDNA塩基配列を調べ、AR遺伝子上のCAGとGGCが繰り返される数を見ます。
CAGのリピート数とGGCのリピート数を足した時に42以上であればAGAになる可能性は低く、38以下であればAGAの可能性が高いとされています。
はげや薄毛の症状があるからといって、必ずしもAGA治療薬が効果があるとは限りません。遺伝子検査でAGAの可能性が高いことがわかれば、AGAの原因となる5αリダクターゼを抑える治療薬(プロペシアなど)が有効であると予想されます。
ハゲ・AGAと診断されたら治療がおすすめ
セルフチェックやAGA遺伝子検査の結果、どうやらハゲ・AGAらしいということがわかったら、本格的な薄毛治療をしないと改善は難しいでしょう。まず薄毛・AGA治療はどこで受けられるのか、またどのような治療方法があるのか見てみましょう。
AGA・薄毛治療はどこで受けるべき?
一般的な皮膚科のクリニックでも薬の処方が可能な場合もありますが、薬の種類も少なく、また脱毛症に対応してもらえない可能性が高いです。
ハゲ、薄毛の治療をしたい場合は、薄毛治療、AGA治療を行っている専門のクリニック、病院に相談しましょう。
日本皮膚科学会推奨のAGA治療法とは
日本皮膚科学会では男性脱毛症の対処法として、治療薬のミノキシジルとフィナステリドを最も良いAランクとしています。ミノキシジルは外用薬で、フィナステリドは内服薬で処方されることが多いです。
ミノキシジルは血流を良くし、髪の成長因子を増殖させる作用があると言われ、抜け毛予防、育毛、発毛作用があります。主に頭頂部の発毛に効果があります。
フィナステリドはAGAの原因となる5αリダクターゼの働きを阻害する作用があり、AGAの進行を止める効果があります。主に頭頂部のハゲ・薄毛の予防や改善に効果がありますが、ミノキシジルとの併用でより高い効果が出るそうです。
Bランクには自毛植毛が入っています。自毛植毛は後頭部などAGAの影響を受けにくい部位の毛包を、増やしたいところに移植する方法です。自分の毛包なので拒絶反応も起こりにくく、定着率も高いです。
フィナステリドやミノキシジルでは改善が見られない場合、特に生え際の薄毛は治療薬のみでは改善が見られないため、自毛植毛を行う人も多いようです。治療薬と比べ費用が高額になります。
無料カウンセリングで相談を
AGA治療には治療薬の処方、頭皮に直接成長因子や栄養、治療薬の成分を注入する育毛メソセラピーやHARG療法、自毛植毛法などの治療法があります。
クリニックによって対応している治療内容や手術の方法は異なります。クリニック公式サイトの治療内容のページでも確認できますので、事前によく見ておくと良いでしょう。
ハゲ、薄毛の症状に悩んでいるけれど、どんな治療を受けるべきなのかわからない、かかる費用が不安という人は、無料カウンセリングのあるAGAクリニックで相談するのがおすすめです。
自分に最適な治療方法について相談できますし、費用のかかる治療について具体的にどれぐらい費用がかかるか確認できます。複数のクリニックに相談して、一番良さそうなところに決めるのも良いでしょう。
ハゲ・薄毛予防に育毛剤とシャンプーで頭皮ケア
AGAとは診断されていないけれど、若い頃ほどの髪にボリュームがなくなっているのを心配している成人男性は多いでしょう。ちゃんとシャンプーしてるつもりだけれどフケやかゆみがおいという人、髪に元気がないという人は育毛剤やシャンプーで頭皮環境を整えましょう。
育毛剤で抜け毛・薄毛予防
育毛剤は手軽にできる抜け毛予防・育毛対策として人気のアイテムです。一般的な育毛剤には血行促進成分、保湿成分、抗菌・抗炎症作用のある成分などが配合されています。
血流を良くして頭皮の毛細血管に栄養を行き渡りやすくすることで、毛母細胞の分裂を促し脱毛予防、育毛促進、発毛促進する効果があります。
頭皮を保湿することで皮膚の弾力性を高め、外からの刺激に肌が強くなり、頭皮が丈夫になります。抗菌・抗炎症作用によりかゆみやフケ、頭皮の炎症を抑えます。頭皮環境が整うことで、育毛促進作用のある成分の効果も高まることが期待できます。
育毛剤の後は頭皮のマッサージも行いましょう。頭部を両手でつかむように持ち、指の腹に力を入れながら頭皮を上下左右に動かすようにマッサージします。下の方からマッサージして、少しずつマッサージする場所を上に上げていくと良いそうです。
シャンプーで頭皮環境を整える
育毛剤はシャンプー後の清潔な頭皮に使用します。しかしいくら良い育毛剤を使っても、シャンプーが原因で頭皮が荒れていたり、洗い足りなくて汚れや皮脂でベタついていたりすると良い効果が現われないかもしれません。
頭皮環境を整え、育毛成分も配合された育毛シャンプーもおすすめですが、脂性肌の人はクレンジングシャンプーも週1、2回スペシャルケアとして取り入れて、頭皮や髪に残りやすい皮脂や整髪料などの汚れもすっきりと洗い落としましょう。
生活習慣改善でハゲ・薄毛のの予防対策
自己診断で注意信号だった人、生活習慣で問題があった人は、ハゲや薄毛の原因となるような不健康な生活習慣を改善し、ハゲ・薄毛の予防をしていきましょう。治療中の人も、良い生活習慣を送ることで治療の効果が高められます。
薄毛になりやすい生活習慣
栄養不足、睡眠不足、運動不足は髪の成長を阻害する可能性があります。男性の場合偏食による栄養不足、カロリーは足りているけれどビタミンが不足していたり、動物性脂肪が多い食事は血流を悪くする恐れがあります。
喫煙・過度の飲酒も血流を悪くしたり、髪の毛の生成や成長に必要な栄養素を破壊する可能性があります。タバコは控えて、アルコールも適量を守るようにした方が髪の健康にも体の健康にも良いでしょう。
カラーリングやパーマが頭皮の状態を悪くして、育毛剤の効果を弱めることもあります。頭皮の肌に合わないシャンプーも同様です。
栄養バランスの良い食事
髪の毛はケラチンというタンパク質からできていますが、ケラチンが作られるにはビタミンやミネラルの力も必要です。外食が多くて動物性脂肪の多い食事や野菜不足になっていたら改善するようにしましょう。
タンパク質も肉や魚だけでなく大豆製品からも摂取するように、食生活にも気を遣うようにしましょう。
質の良い睡眠
睡眠中は髪を健やかに保つ成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンが特に分泌されるのは眠り始めてから1~3時間後、浅い眠りより深い眠りの方が分泌されるそうです。よく眠れた時の方が体も疲労回復できますが、髪も同様のようですね。
ストレス解消
精神的なストレスの影響で男性ホルモンの分泌が活発になったり、ホルモンバランスを乱したり、交感神経が活発になって夜寝つけなくなることがあります。
また血流が悪くなり体の不調を起こしたり、髪の健康にも悪い影響を与え、抜け毛、薄毛になることもあります。
ストレスがたまりがちな人はストレス解消することで、髪の健康な成長を促す効果が期待できます。スポーツなど体を動かすのも良いストレス解消になります。自分に合ったストレス解消法やストレスの取り除き方を見つけましょう。
まとめ
ハゲや薄毛の自己診断と対策を早めにすることは、男性に多い男性型脱毛症の治療・対策にも有効です。
頭頂部や生え際の髪の量、抜け毛量、髪質の変化がないか、ハゲや薄毛を招くような生活習慣をしていないか、自分の状況を改めて確認してみると良いでしょう。抜け毛の毛根をチェックしたり、アプリでハゲ・薄毛の自己診断をすることもできます。
クリニックや自宅でできるAGA遺伝子検査は、AGAを発症しやすい遺伝子なのか、AGA治療が効果があるのかを、遺伝子から確認することができます。
AGAやハゲ、薄毛の症状が出ているときはまずはクリニックに相談を、頭皮環境が気になる人は育毛剤やシャンプーの見直し、生活習慣でチェックに引っかかった人は食事や睡眠での改善、喫煙や過度の飲酒も控えて、髪と体の健康を考えた生活を心がけましょう。
関連記事として合わせて参考にしてみてください。
・ハゲを予防する方法は?ハゲたくない人がとにかくやるべき対策法【M字ハゲ・つむじハゲ・若ハゲ対策】
・ハゲは育毛剤では治せない?育毛剤は本当に効果があるのか?商品の選び方について
・ハゲの悩みを解消しよう!原因・症状・対策法を完全紹介!【ハゲない為の基本知識】