育毛剤は髪の毛を成長させる成分を含有した外用薬のことを指します。
一般的な薬局や通販などで医者の処方なしでも購入することができる商品です。医薬部外品もしくは第一類医薬品、第二類医薬品に分類されている市販薬になります。
これらの処方なしで購入が可能な商品は成分が処方薬に比べて薄く、ほとんど化粧品などと変わらないものも存在します。
育毛剤の効果は本当にないのか!?今日はそのお題について紹介していきたいと思います。
目次
そもそも育毛剤とは
まずは育毛剤について詳しく紹介していきます。
みなさんご存知の育毛剤ですが、実はいくつかの種類や分類があり、効果や特徴を表記から判断することができます。その違いについて知っていきましょう。
育毛剤と発毛剤の違いについて
薄毛治療に使用される外用薬には、育毛剤の他にも発毛剤というものが存在します。
発毛剤は頻繁に育毛剤と混同されがちですが効果が全く異なる薬です。
育毛剤は基本的に、血行を促進するために栄養を摂取したり、適度に頭皮の毛根に刺激を送ったり、頭皮環境を整えることで結果的に髪の毛の成長力を高める働きがあります。
発毛剤は成分の中に国からも効果が認められている発毛成分が含まれているもので、唯一発毛効果が期待できる治療薬です。
ミノキシジルという成分が数%含まれている商品のことを発毛剤というふうに呼びます。この成分には血管を拡張する効果があり、頭皮血管を拡張して血行をよくして髪の毛に酸素や栄養などを十分に送るために役立ち、毛乳頭細胞や毛母細胞などの細胞が活性化して髪の毛が生えます。
指定医薬品の分類でどう違う?
市販されているスキンケア用品はその商品の効果や成分内容に応じて「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つの段階に分類されています。
それぞれの段階ごとの意味合いや効果について紹介します。
医薬部外品について
医薬部外品商品は一般的な育毛剤が最も多く分類されています。
一定の効果の認められている成分が含まれていますが、治療という観点ではなく防止・衛生などの効果が主となる商品になります。
医薬部外品の育毛剤の効果は、育毛と脱毛の防止が主な役割と効果となります。
医薬品について
医薬品は治療の目的で作られた医薬品で、その効果も一定以上認められている商品にのみ与えられている分類です。
医薬品にはさらに細かく、第一類・第二類・第三類の分類があります。それぞれの特徴について紹介して行きます。
第一類医薬品の育毛剤
医薬品の中では最も効果が高く期待できますが、同様に成分が濃いので副作用も懸念される医薬品がこの分類に分けられています。
もともとは医療用処方薬であったものが規制緩和によって一般販売が可能になった商品になります。
ネットなどでも購入することができます。販売者が薬剤師のみとなっていて、通販販売などは可能ですが、客が手にとって購入することはできないという制約があります。
第二類医薬品の育毛剤
薬品の効果も副作用も中程度の商品になります。
子供や妊婦など一部の患者に対して使用を注意しなければいけない商品が多く含まれていて、一般的な薬に比べて用途に注意が必要な場合にこの分類に分けられているケースが多いでしょう。
登録販売者と薬剤師が販売が可能で、お客が直接手にとって販売することが可能です。ネットなどでも通信販売することができます。
第三類医薬品の育毛剤
市販が可能な医薬品の中では最も効果が穏やかで、副作用の心配も低いものが第3類医薬品に分類されています。
主にビタミン成分や天然由来の成分などを中心に配合している栄養剤などの商品がこの分類に含まれます。
こちらも第二類と同様の販売形式で購入が可能です。
基本的に効果や副作用や使用格式が高い順に第一類>第二類>第三類>医薬部外品>化粧品という順番に並んでいます。
化粧品について
化粧品は化粧水、乳液やその他女性が使用する口紅やファンデーションなどが分類する項目で、事業者は化粧品製造販売業許可を取得することが義務付けられており、治療効果などはない商品のことをさします。
育毛に対して化粧品が有効になることがあるとしたら、保湿効果で頭皮ケアをすることくらいでしょう。
育毛剤が”効果なし”と言われる理由
育毛剤の商品口コミなどをご覧になったことのある人は必ずどの商品にも1件は「この育毛剤は効果なし!」と書かれて星1つなどになっている評価を見たことがあるでしょう。
どうして育毛剤は効果なしと言われてしまっているのでしょうか?その理由や原因について紹介していきます。
育毛剤には発毛効果がないから
育毛剤と発毛剤の違いについては上記で紹介しました。
その紹介の通り、育毛剤には発毛効果がありません。薬剤自体には髪の毛を生やすという効果がないのです。
なので、基本的には生活習慣を整えたり、薄毛の予防などをしながら育毛効果を高めていくことが主な効果になります。
ですので、薄毛対策として育毛剤のみしか使用していない人には全く効果のないことが多いでしょう。
頭皮環境を整えることがメインだから
育毛剤には中心となるいくつかの効果があります。
頭皮環境の改善・保湿・血行の促進・栄養の補給などです。化粧品以上の商品になるとここに脱毛因子となる5αリダクターゼの抑制効果などが加わります。
が、基本は頭皮の環境改善がメインになる商品です。
ですので、育毛効果を徐々に最大化していくことが目的ですので、第一類医薬品や処方薬のような劇的な効果を絵期待することはできないでしょう。
研究の効果を示したデータを公表していないから
どの育毛剤を販売している公式サイトを見ても、臨床実験などで得られた育毛効果についてのデータを公開している事業者はありません。
これは育毛業界においてのタブーなのかもしれませんが、本当に効果があるのであれば自信を持って公開するべきだという意見が飛び交っています。
しかし口コミで効果を示しているばかりで、その信ぴょう性については疑問が残ります。
そもそも育毛剤は高い
そもそも、効果に対して育毛剤の価格は高いとの指摘があります。
副作用が出にくいというメリットはあるものの、本来の目的であるはずの育毛効果については育毛剤よりも発毛剤の方が高く、効果が期待できるのです。
価格で見ても病院で処方される金額とほぼ変わらない値段で販売されており、値段面でのメリットがありません。
値段が高い影響で長期間続けられないという人も多く、それによって効果がないという意見も増えていることも考えられます。
育毛剤が効かない人の特徴
育毛剤を使用してもなかなか効果を実感しにくい人の特徴について紹介します。
育毛剤を使用した過去があるけど育毛効果を実感できなかったという人はこれが原因かもしれません。
頭皮トラブルが発生している
薄毛や抜け毛の原因が頭皮トラブルから発生している人は育毛剤を使用しても効果を得ることができない可能性が高いです。
というのも、育毛剤は頭皮環境を整えるものの、湿疹や細菌性の症状に対して有効な治療薬ではありません。
もし頭皮トラブルが発生している場合は、軟膏や内服薬を使用した治療をして頭皮環境を整える治療を最優先することが重要でしょう。
薄毛がかなり進行している
脱毛症などの影響で薄毛の症状がかなり進行している、もしくは男性型脱毛症や円形脱毛症などの脱毛症が原因で薄毛が発生している人は、育毛剤だけでの対処では抜け毛の予防ができない可能性が高いです。
AGAは専門のAGA治療や円形脱毛症も局所免疫療法などの専門性の高い治療が必要になりますので育毛剤だけの対処では回復することは難しいでしょう。
育毛剤単体ではなく、内服薬などのAGA治療薬も合わせて使用することがおすすめです。
すぐに結果を期待している
育毛剤の効果の現れ方は非常に穏やかなので、少なくとも何かしらの効果を実感するまでに3ヶ月はかかります。
まず髪の毛が休止期に入って成長を止めている状態から後退期に入り、髪の毛が実際に抜けてから髪の毛が生え始めるので、逆に短期での効果の現れとしては抜け毛が増えていると感じることすらあります。
なので最低でも3ヶ月〜6ヶ月の期間での薬剤の使用をしなければ効果を実感することはできないでしょう。
頭皮が弱い敏感肌の人
育毛剤に使用されている成分は多くが天然成分などを多く含んでいるので頭皮に刺激が少なくなっています。
しかし、添加物不使用と書かれていても実際は一部のみ不使用であって、アレルギーが発生する可能性のある添加物が全く入っていないわけではないというケースが多いのです。
なので、頭皮が敏感な人は下手に育毛剤を使用しても逆に湿疹などの問題が発生しやすくなってしまう可能性がありますので注意が必要です。
育毛剤以上にやった方がいい育毛対策
育毛剤の使用をした薄毛対策以上にやった方がいい育毛対策法について紹介します。
頭髪を回復させたいのであれば間違いなく取り入れた方がいい対策法ですので実践していきましょう。
シャンプーの改善
シャンプー剤の改善と、シャンプー方法の改善の両方が必要です。
シャンプー剤ではできるだけ洗浄成分が穏やかで、刺激の少ないもの。必要以上に皮脂を落としてしまう懸念のある高級アルコール系洗浄成分は頭皮にとって悪影響になってしまう可能性が高いため要注意です。アミノ酸系洗浄成分のシャンプーを使用することをオススメします。
さらにシャンプー方法については多くても1日1回程度のシャンプーが最適です。
あまり汗を書いていないときは湯シャンだけでも結構です。皮脂は頭皮にとっては重要な存在なので、落としすぎは厳禁です。
また朝シャンをしたり1日2回以上のシャンプーも薄毛の原因に繋がります。他にもシャンプー後に髪の毛を乾かさないことや、シャンプー剤の流し残しも薄毛の原因に。
正しいシャンプー方法もしっかり覚えて薄毛を予防していきましょう。
生活習慣の改善
髪の毛のの成長に特に重要なのが生活習慣の改善。具体的な項目について下記で紹介します。
禁煙・禁酒
完全い禁酒禁煙を推奨しているわけではありません。
できるだけ量を減らして薄毛に繋がることを避けましょう。
タバコに含まれるニコチンと一酸化炭素の働きで髪の毛の成長に必要な栄養素が消費され、髪の成長力が低下しますし、アルコールにも同様に栄養を消費する効果と酔っ払うことでのケア不足や不摂生が原因で薄毛に繋がる可能性が高まります。
これらの薄毛の原因を少しでも少なくするために禁酒禁煙がオススメです。
しかし過剰な禁止はストレスになりますのでほどほどに節制していきましょう。
食事内容の改善
食事内容が偏らないようにして、髪の毛の成長に必要な栄養素を網羅的に摂取していくことが髪の毛の成長の最大化に繋がります。
いくら育毛剤を使用して頭皮の細胞を活性化しても、継続的に成長に必要な栄養が血液内にないと育毛を長期的に行うことはできません。
ビタミン、タンパク質、ミネラルをしっかり摂取して、脂分を取りすぎないように注意して食事を行うようにしましょう。
睡眠不足の改善
髪の毛の成長を行う成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されています。ですので、睡眠時間がしっかり確保されていないと十分に髪の毛を成長させることが難しくなるのです。
さらに、寝不足だと自律神経が乱れて皮膚や粘膜も乾燥しやすい状況になるので頭皮環境が悪化します。睡眠不足は要注意です。
髪の毛の成長を最大化するためには22時〜深夜2時までの間を含む睡眠が重要です。
この時間帯に寝ることがホルモンの分泌効果を高める上で重要なので、できるだけ生活習慣を整えて髪の毛の成長に繋げるようにしましょう。
運動不足の改善
運動をすることでストレス発散効果と、汗を流して頭皮の血行をよくしたり、デトックス効果で脱毛因子を排出したり、毛穴の汚れを浮き出すという効果が期待できます。
無駄な脂肪を燃焼させて体の代謝力を向上させることも育毛に貢献します。
体の調子がよくなり、精神的にもプラス思考になりやすくなるため、肉体的ストレスも精神的ストレスも軽減されて髪の毛の成長力を高めましょう。
特に有酸素運動が効果的とされているので、ランニングやジョギングなどからはじめて見るといいでしょう。
まとめ
育毛剤は効果なし!と言われることもありますが、使用用途をしっかり把握して誤りのない方法で使用できれば十分に育毛効果を高める働きをしてくれます。
しかし、どうしてもめんどくさいので育毛剤だけで治るだろうと安易な使用方法をとってしまいます。
正しくない使用では育毛効果を得られないばかりか、高い金を払ってさらに脱毛の症状を悪化させてしまう可能性もありますので十分注意しましょう。
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