育毛剤を使用してみて効果がないなあ、と感じたことはありませんか?
数ヶ月に渡って使用しても効果がなかなか実感できないという人もいるでしょう。この場合、何が原因として考えられるのでしょうか?
多くの人が使用している育毛剤は市販や通販で購入する育毛剤だと思いますが、この育毛剤には十分な育毛効果を証明できる根拠がありません。
今日は育毛剤が効かない原因について紹介していきます。
育毛剤が効かないって本当?
その商品の口コミを見ても賛否両論。「効く」という人もいれば、「効かない」とい人もいます。
この差はどうして生まれるのでしょか?育毛剤は本当に効かないのでしょうか?
日本皮膚科学会の見解
髪の毛を成長させる頭皮を含む体全体の皮膚の問題に関する研究をしている団体法人があります。皮膚病や皮膚疾患を含む問題のエビデンス(証拠)や過去の症例を集め、医療機関や一般に向けてガイドラインなどを公表している団体です。
この団体が発表している内容では育毛については以下のように紹介されています。
日本皮膚科学会は育毛治療法についてA.B.C1.C2.Dの5段階の評価で分類しています。
A・・・ミノキシジル、フィナステリド
B・・・自毛植毛術
C1・・・塩化カルプロニウム、t-フラバノン、アデノシン、サイトプリン・ペンタデカン、ケトコナゾール
C2・・・セファランチン
D・・・人工植毛術
それぞれの分類についてのランクの内容はについてはAは行くようにに強く勧められる治療法。Bは行くように勧められる治療法。C1は十分な根拠やデータが足りない治療法。C2は根拠がないので勧められない治療法。Dは勧められない治療法となっています。
育毛剤はこのうちのC1に分類されるので、日本皮膚科学会の見解としては育毛剤は根拠がないのでオススメできない治療法となっています。
育毛剤と発毛剤は違う
育毛剤とは別に市販の発毛剤というものがあります。
特に育毛業界に明るくない人は、この二つの商品を混同して”育毛剤”と認識していますが、この商品には明確な違いがあります。
育毛剤はC1に該当するもので天然成分などを有効成分として含有し、育毛効果を高めることを目的にしています。
しかし発毛剤には発毛成分が含有され、国にも認められている発毛成分を数%含んでいるので実際に発毛効果を期待することができます。
国内商品には現在リアップしかありませんが近々メディカルミノキという商品も販売される予定です。Aにも分類されるミノキシジル配合の商品ですので市販薬の中ではもっとも効果の期待できる商品でしょう。
育毛剤は医薬部外品となることが多いですが、発毛剤は第一類医薬品として市販で販売されています。効果が高く若干の副作用が懸念される商品になります。
メーカーがデータを公表していない
実際に育毛剤を販売しているメーカーはその効果を示すデータを公表していません。
このことに関しては他のサイトなどでも指摘されていて、実際に効果があるのであれば臨床実験などで得られたデータを公表すればいいのに、それをしないということは本当は効果がない、あったとしてもかなり低い効果しか得られない可能性が高いという裏付けでもあります。
実際にどの育毛剤の専門サイトを見ても、口コミなどでの評判を掲載し、いかに自社の製品の育毛剤の効果が多角的なアプローチで毛を生やしているかという文言ばかりが並んでいて、実際に効果を客観的に示すものが見当たりません。
ここが、育毛剤が効果なしと言われている所以でもあります。
脱毛症に対する効果が低い
育毛剤は髪の毛の成長力を向上させる商品ですが、脱毛症には効果がないとされています。
正しくは、脱毛症にまで発展してしまう前の段階の薄毛に対して有効で、髪の毛の成長を補助する効果があるものです。
円形脱毛症や男性に発生する代表的な薄毛のAGA(男性型脱毛症)や皮膚炎から発生する脂漏性脱毛症などの脱毛症にはそれぞれの専門的な治療が必要になります。
間違っても育毛剤で治ると思わないようにしましょう。
育毛剤に期待できる4つのこと
では育毛剤は購入しないほうがいいのでしょうか?という答えが出てきそうですが、そうではありません。
育毛剤にも髪の毛の成長を促すための効果がきちんとあります。その効果について紹介していきます。
毛母細胞の活性化
髪の毛の成長を行なっている毛母細胞。毛母細胞分裂をすることで髪の毛はすくすくと成長しています。
この毛母細胞の働きが活発になることで髪の毛の成長力が向上します。
なかなか育毛剤の力を借りないと、細胞の活性化を促すことはできないので髪の毛が細くなってきたな、と感じている人には嬉しい効果です。
頭皮環境の改善
育毛剤には有効成分として皮膚の免疫機能を高める効果のある成分が含まれています。
もちろんすべての育毛剤でこれらの効果が得られる訳ではありません。自分の肌にあったものを使用しないと逆効果になることもあります。
育毛効果を高めるためには頭皮の環境改善は必須なので、普段の頭皮ケアやスキンケアに合わせて育毛剤を使用した対策を行うとさらに効果は高まるでしょう。
保湿
育毛剤には頭皮の保湿効果も期待できます。
髪の毛の成長力の低下の原因や頭皮環境の悪化の原因の多くが頭皮の乾燥から発生しています。しかし頭皮には髪の毛があるので保湿などのケアが行いにくい場所でもあります。
育毛剤なら頭皮に塗ることに特化したノズルで塗りやすく、簡単に保湿成分を塗ることができます。
血行促進
育毛剤に含まれている成分で頭皮の細胞を活性化させるとともに血行も促進します。
頭皮の血行は悪くなりやすいので、それによっても頭皮環境の悪化や抜け毛の増加、髪の毛の成長力の低下などが発生します。
それらを改善する効果があるので、育毛だけでなく皮膚の健康の維持も期待できます。
育毛剤が効かない!という人の特徴
こんな人は育毛剤が効きにくいかもしれません。
一つでも該当しているとNGですのでその場合は育毛剤やヘアケア剤の見直しを行いましょう。
頭皮トラブルが発生している
頭皮に湿疹やフケなどのトラブルが発生している場合、育毛剤を使用してもさらに症状を悪化させてしまう可能性があります。
育毛剤には刺激性の成分も含まれているものもありますし、頭皮トラブルを改善する効果はありません。疾患が発生している場合は、皮膚科に行って治療を行い、完治させてから育毛剤を使用するようにしましょう。
育毛剤が頭皮にあっていない
育毛剤の成分が自分の頭皮に合っていない場合、逆に薄毛の問題に繋がってしまう可能性があります。
特に敏感肌や乾燥肌の人に発生しやすく、添加物などの成分が刺激になり、頭皮に湿疹やかゆみなどを発生させてしまう可能性があります。
その場合は直ちに使用を中止して、その育毛剤の成分の何が問題となったのかを考えて、その成分が入っていない育毛剤に変更することがおすすめです。
もったいないですが、ヘアケア剤や頭皮ケアの商品は肌に合う合わないがありますので、高額の商品を購入する際はいきなりまとめ買いをしないようにしましょう。
短期間しか使用していない
育毛剤は効果の現れ方が穏やかなので、短期間の使用で劇的に薄毛が回復するなんてことはほどんどありません。
最低でも3ヶ月〜6ヶ月間は継続的に使用しないと効果を実感することはできないでしょう。
継続使用では発毛剤でも2年間は使用を継続することが推奨されています。
金銭的にも毎月6000円前後の出費が毎月続くことを考慮した上で使用していくようにしましょう。
薄毛の症状がかなり進行している人
薄毛の症状がかなり進行している人も育毛剤の効果は効果がほとんどないでしょう。
抜け毛を減少させる効果は期待できるかもしれませんが、髪の毛を生やすという効果があるわけではないので、すでに成長が長期的に止まっている毛根からは髪の毛は成長してこないでしょう。
AGAの薄毛などで、かなり広範囲にM字ハゲやつむじハゲなどが発生している人は育毛剤ではなくAGA治療薬を使用しての治療を行うようにしましょう。
化粧品を使用している
育毛剤には段階があり、化粧品<医薬部外品<第三類医薬品<第二類医薬品の商品があります。
これは厚生労働省が定めている商品規定で、それぞれ効果の段階が違います。
化粧品は主に美容目的で使用される商品のことで、育毛効果などは実際には認められておらず、保湿やケアを中心にしている商品になります。
もし効果を期待するのであれば、医薬部外品以上に分類されている商品を選ぶようにしましょう。
育毛剤と一緒に行いたい育毛対策
育毛剤の使用と一緒に行うことで育毛効果がさらに高まる方法について紹介します。
以下の対策法も取り入れて育毛剤の効果を最大限に引き出しましょう。
シャンプー方法の改善
シャンプー剤の見直しや、正しいシャンプー方法が重要です。
シャンプーは頭皮の余分な皮脂などを落とす効果が合ったり、匂いをよくする効果がありますが、必要以上に皮脂を取り除いてしまうと頭皮の乾燥に繋がってしまいます。
このトラブルが発生しないように、アミノ酸系の洗浄成分のものを使用して、1日1回以上シャンプーしないようにしましょう。
運動不足の改善
運動不足は皮脂が正常に分泌できない状態を発生させたり、肥満から皮脂の過剰分泌などのトラブルを発生させやすくなるので薄毛につながるトラブルが発生しやすくなります。
運動を行うことで筋肉がついて代謝が上がり、血行もよくなります。
汗の分泌も増えることでデトックス効果も上がり、AGAの薄毛の原因にもなる還元酵素の排出も行われて、抜け毛の発生を予防することにも繋がります。
汗を適度にかくことで、汚れも洗い流しやすくなり、育毛剤の成分も浸透しやすくなります。相乗効果がありますのでぜひ有酸素運動などの運動を取り入れて頭髪とともに健康も手に入れましょう。
食事内容の改善
食事内容をバランスよくして栄養を摂取することが育毛効果を最大限に高めるポイントです。
いくら育毛剤だけを使用して血行をよくしてもその流れてくる血液の中に栄養がしっかり含まれていなければ意味がありません。
特にビタミンB群やビタミンCやタンパク質が重要ですが、それらのしっかり働かせるためにも他のミネラルやビタミン各種の働きが必要になります。
せっかく大量に摂取しても他の栄養素が足りなければ栄養は排出されてしまうのでバランスのいい食事内容を目指すようにしましょう。
逆に脂っこい食事は皮脂の増加を招く原因になりますのでほどほどに抑えることをオススメします。
睡眠不足の改善
睡眠中には髪の毛の成長に必要不可欠なホルモンが分泌されています。
睡眠をとる時間としては夜の22時〜深夜2時までの時間の睡眠がオススメされています。この時間に睡眠していると、成長ホルモンがもっとも多く分泌されるので育毛効果の向上が期待できます。
ストレスの改善
ストレスも薄毛の原因となる大きな問題です。
育毛剤ではストレスの軽減はできないので生活習慣の改善や、ストレス発散法で肉体的ストレスと精神的ストレスを発散していく必要があります。
まずは休むことが重要です。さらに趣味がある人は趣味を行うといいですが、これといって趣味がない人は読書や入浴や運動がストレスの発散に効果的だということがわかっています。
ストレスを蓄積しないように改善していきましょう。
飲酒喫煙の節制
飲酒喫煙は適度に行うぶんにはストレスの発散や会話を円滑にするなどのメリットがあるのでオススメできるものです。
しかし、過剰に摂取してしまうと、せっかく摂取した栄養素を消費してしまったり、体にとってダメージや害になるものへと変化してしまうので頭髪にも影響を及ぼします。
泥酔して帰ってきてヘアケアを行わないまま寝てしまうことや、喫煙で血行が悪くなってしまう人などが問題です。
適度な飲酒喫煙で薄毛の問題に繋がらないように注意しましょう。
まとめ
育毛剤は使用方法を正しく使えば効果を十分発揮できる可能性のあるものです。
しかし本気で薄毛を改善したい、髪の毛を生やしたいと思っている人にはAGA治療やより専門性の高い治療法をオススメします。
専門クリニックでカウンセリングを受ければ、安易に育毛剤を使用して回復するというものでないということがわかると思います。
育毛剤だけで髪の毛が生えるとは思わず他の対策法もしっかり行なって髪の毛を成長させていきましょう。
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