ハゲの治療法には飲み薬を使用した治療方法があります。治療薬には本当に髪の毛を回復する効果が期待できるのでしょうか?治療薬の商品の効果や、どのくらいで回復が見込めるのかについて今日は紹介していきたいと思います。
現在では新しい治療薬なども台頭してきていて、今まで以上に効果の期待できる治療薬なども販売されています。
治療薬の効果とその実力について見ていきましょう。
目次
ハゲ治療薬とは
ハゲ治療薬とは円形脱毛症やAGAなどの脱毛症を改善する有効成分を含んだ、効果の認められている薬のことを差します。
大きく分けると外用薬と内服薬がありますがここでは内服薬を中心に紹介していきます。
ハゲ治療薬の始まり
最初に製薬業界で発毛薬の前進となる薬が開発されたのがアメリカで1960年のことです。60年代にミノキシジルが血管拡張効果のある血圧降下薬として販売されました。後に発毛効果(副作用で多毛症の症状)があることが確認され、これを薄毛治療薬として販売するようになりました。
それ以降も1992年にフィナステリドの成分を含む薬が、男性の前立腺肥大症の治療薬として販売されました。その薬もすぐに多毛症の症状が確認でき、薄毛治療薬として1997年にプロペシアに改良して販売が開始されました。
日本でもミノキシジル系の治療薬は1999年、フィナステリド系の治療薬は2005年に厚生労働省からの認可降りてから普及するようになりました。
ハゲ治療薬はAGA治療薬のハゲを改善する
販売されている薄毛治療薬のほとんどはAGAの薄毛を改善する効果を持つものが多くなっています。
AGAの薄毛を発生させるDHT(ジヒドロテストステロン)の働きを抑制したり、DHTを生成する元凶となる還元酵素の5αリアクターゼの活動を抑制する効果があるのもが多いです。
DHTの抑制や生成の抑止は生活習慣改善などの対策ではなかなか行うことが出来ません。
運動や頭皮の血行を促進することでデトックス効果を高めることが重要になりますが、時間も手間も掛かりますので忙しい人は難しいでしょう。その場合に薬を使用した治療が有効になります。
髪の毛を生やす薬は無い!?
はげ治療薬は「髪の毛を生やす」という効果のある薬ではありません。
現在の薬剤の中に髪の毛を生やす効果の認められている薬はありません。これは断言します。もし「髪の毛を生やす薬」という万能薬の様なものが開発されればそれはノーベル賞ものと言われていて、爆発的に売れる商品になるでしょう。
現在流通している薬はいずれも、頭皮環境を整える効果、DHTを抑制する効果、5αリアクターゼを抑制する効果、頭皮の血流を良くする効果などが間接的に髪の毛の成長に作用して、抜け毛を減らして髪の毛の成長を促しているものになります。決して髪の毛を生やす薬があるわけではありません。
有名な治療薬一覧
現在市場に流通しているハゲ治療薬について紹介します。
それぞれの治療薬の特徴や効果や副作用について知っていきましょう。
プロペシア
主成分に有効成分のフィナステリドを含んでいる薬になります。プロペシアは元々プロスカーという薬で、男性に発生する前立腺肥大症の治療薬だったものを改良して薄毛治療薬として販売される様になった薬です。
5αリアクターゼの働きを抑制し、DHTの生成を抑え、AGAの薄毛を食い止めます。
フィナステリドの成分含有量が元のプロスカーは5mgなのに対し、プロペシアは0.5〜1mgしか含まれていません。この成分調整でAGAのみに効果が生まれ、前立腺への効果はなくなります。有効成分が少ないことで副作用の心配も少なくなります。
発生する可能性のある副作用は嘔吐、腹痛、湿疹、めまい、体重の増加、性欲の減退、ED(勃起不全)、肝機能障害などが報告されています。
女性に対しては奇形児が生まれる可能性が高いという懸念が表明されているため、使用も触れることも控えるように勧告されています。
プロスカー
後のプロペシアとなる薬がプロスカーです。薄毛治療薬ではありませんがフィンペシア系の治療薬が他に無かった時代、この薬を処方していたところもあります。
しかし現在では、よりAGAの治療薬に適した商品が販売されるようになったので、そちらを利用する方が安全でしょう。プロスカーはプロペシアの5倍以上の成分含有量があります。なのでその分、副作用の危険が高まります。
中には節約のためにプロスカーを個人輸入代行サイトで購入して自分で5分割して摂取している人もいるようですが、おすすめできません。
プロスカーは前立腺肥大症治療の為の薬であると覚えておきましょう。ちなみに日本では前立腺肥大症の治療薬としては認可されていません。
ミノキシジル
ミノキシジルは外用薬と内服薬の両方で使用されている治療薬です。外用薬ではアメリカのロゲインや日本のリアップなど、発毛効果が唯一期待されている商品として市販で購入することが出来ます。
内服薬では元々海外の血圧降下薬として使用されていた治療薬ですが、多毛症の副作用が確認されたため発毛薬としても販売されるようになりました。
効果は血管への拡張効果。身体全体の毛細血管を拡張して頭皮への血流量を増加させます。結果、頭皮に髪の毛の成長に必要な栄養や酸素などが行き渡り、髪の毛を成長させる毛母細胞や毛乳頭細胞が活性化して髪の毛の成長を促します。
この薬はフィンペシア系の治療薬と効果が異なりますので併用が可能です。
しかし他の薬同様、副作用があります。吐き気、腹痛、性機能障害、ED、肝機能障害、不整脈、体重の増減、胸の痛み、身体のむくみなどが発生する報告例があります。
女性でも使用が可能で、女性用の外用薬なども販売されています。
ザガーロ
有効成分のデュタステリドを主成分とする治療薬です。フィンペシア系の治療薬の第二世代と言われる薬で、従来のAGA治療薬と比較して「1.6倍」の効果があったとの報告が上がっている商品です。
イギリスの会社が販売している商品で2016年に販売開始したかなり新しい商品になります。
この薬も元は前立腺肥大症の治療薬として使用されていた物で、それを改良したものがザガーロになりました。効果や副作用についてもフィナステリド系の薬とほとんど同じです。
作用が似ているフィナステリド系の治療薬や抗アンドロゲン薬(抗ホルモン薬)との併用は出来ません。既に飲んでいる薬がある場合はお医者さんに相談してみましょう。
ミノキシジルとの併用が可能で男性のみに使用できます。値段はミノキシジルよりも1000〜2000円増しが相場でしょう。
アボルブ
ザガーロと同じデュタステリド系の治療薬で、効果も副作用も似ています。若干添加物の成分配合が異なるだけで有効成分の含有量に差はなく、そこまで変わった特徴はありません。
アボルブの方が若干値段が安く買えるところもあり、それが理由でアボルブを選択しているという人も居ます。
ザガーロはイギリス本社のグラクソ・スミスクライン社の商品、アボルブは日本の大鵬薬品とグラクソ・スミスクライン社がコ・プロモーション(複数の会社が担当を分けて開発・販売・宣伝をすること)を行っている共同商品になります。
なので日本で今後浸透するデュタステリド系の治療薬はおそらくアボルブではないでしょうか。
ファイザー
製薬開発を行っている日本のファイザー株式会社が2015年に販売したプロペシアのジェネリック医薬品(後発薬)です。プロペシアの特許期間は2019年までですが、日本のファイザー社がフィナステリドの製造販売認証を取得したことで、国内で始めてプロペシアのジェネリック医薬品が誕生しました。
他にもプロペシアのジェネリックもどきの商品はありますが(フィンペシア、フィナロ、エフペシア)これらは特許加盟国に加入していないインドが製造・販売している物で安全性に欠るとの報告があります。
ファイザーの商品にはフィナステリド錠0.2mgとフィナステリド錠1mgの2種類が販売されています。効果、副作用はプロペシアを参考にしてください。
先進薬の特許も切れておらずプロペシアの正規のジェネリック国内第一号ということもあり、値段がそこまで安くなっていないので特に差別化はされていません。
2019年以降に後発薬が増えることで値段に競争が発生し、買い求めやすくなすことを期待しましょう。
パントガール
パントガールは女性専用にドイツのMerz社で開発・販売されている薄毛治療薬です。
配合されている有効成分はパントテン酸カルシウム、シスチン、ビタミンB群、ケラチンなどで、サプリメントに近い構成がなされていて、現在までで重い健康被害が報告された例はありません。
必要な栄養を頭皮に届けて抜け毛を防止し、育毛を促進します。
使用者の7割の人に改善効果があり、更にその中の2割にはかなりの改善が見られたとの報告があります。
ハゲ治療薬でハゲが治るのか?
実際にハゲ治療薬でハゲが改善した人はどれくらいいるのでしょうか?
長期的に使用するもので金額も高額になりますし、失敗はしたくないですよね。効果や購入時や使用時の注意点について紹介します。
科学的な根拠がある?
現段階で科学的根拠に基づいて効果が認められている治療薬はミノキシジル系の外用薬とフィナステリド系の治療薬の併用です。
この二つは前例や統計から2年間の使用で9割の患者に効果があることが認められています。
これは2010年に公表された男性型脱毛症治療ガイドラインによる報告を元に紹介しています。
男性型脱毛症治療ガイドラインは日本皮膚科学会が、当時蔓延していた悪質なクリニックの暴走を止めるためや、科学的根拠に基づく結果を報告したものです。
なので近年開発されたデュタステリド系の治療薬についての報告はまだありません。
未だ科学的根拠の無いものについては塩化カルプロウム、t−フラバノン、アデノシン、サイトプリン、ペンタデカンなどの成分があります。
また人工植毛治療についてはガイドラインは控えたほうが良いとの評価をしています。こちらも近年進化している植毛技術に於いて再評価されるのでしょうか?今後の報告を待ちましょう。
厚生労働省が効果を認めている
厚生労働省の認可が降りている医薬品は、国民に対してその商品の効果や信憑性、安全性を保証している商品であるという意味を持ちます。
医薬品医療機器等法に基づき、製造・販売・市販後の安全対策まで一貫した規制を行っています。
なので医薬品を選択するときは厚生労働省が認可している物を選択すれば、安全性は担保され、治る可能性も高くなるしょう。
どれくらいの期間がかかるのか
一般的な治療薬の治療期間の目安について紹介します。
最低でも3ヶ月以上立たないと効果は見られません。外用薬では比較的早い髪質の変化を実感できる事もあります。
内服薬の使用は1〜2年間を目処に使用する事で、正しく使用した9割の患者に改善したとの結果が出ています。細かくは治療薬ごとに違いますが、長期使用では7割以上の患者に効果が実感できるものがほとんどです。
偽物の場合は効果実感度が著しく低下します。大体偽物と本物で効果は2倍ほど差が出るとの報告があります。
治療費にはどれくらいのお金が必要?
大体治療薬の相場が1ヶ月分で5000円〜7000円前後、安いものだと個人輸入代行サイトを使用して2000円で購入できるものもありますが、偽物が横行しているとの注意喚起がなされています。
高いものや最新の治療薬やクリニックオリジナル配合の治療薬などだと1ヶ月10000〜30000円ほどの価格がかかります。
その他の治療法と比較して薬を使用するメリットは?
やはり治療法が簡単な事が第一のメリットではないでしょうか。その他にも持ち運びが簡単なことや、いつでもやめたいときに辞められたり、薬を変更できたり、病院も途中で変えることも出来ますし、ローンを組んで高額な治療費を将来に持ち越さなくても大丈夫な所などメリットは比較的多いように感じます。
副作用の危険性はあるものの、正しく利用すれば5%以下の確率ですし、全体の0.1未満に確認される重篤な副作用発症例はいずれも不正使用によるものがほとんどです。
効果を実感するまでが長いですが、自然に徐々に髪が増えていくので、他人に「あの人ハゲ治療したんだ」とあからさまに感じられずに済みます。
治療薬を使用する上での注意点
副作用に対する注意点として、性欲減退やED(勃起不全)などを訴える患者が稀に発生しています。なので既にパートナーが居て子作りを望んでいる男性は控えたほうが良いでしょう。
女性に触れさせることも厳禁な薬もありますので、妊婦がいらっしゃる家庭でも取扱に注意が必要です。
また悪質なクリニックの利益重視の商品販売が発生している報告があり、消費者に注意勧告がなされています。偽物を掴まされるのは個人輸入代行サイトだけではありません。
本当に信頼していい病院かどうか判断する目を養って騙されないようにしましょう。
AGAには治療薬が有効
AGAの薄毛の治療には治療薬を使用することは有効です!ただし、正規品を正しく使用した場合に限る。
ですので、しっかり正規品を見極め、使用方法をよく確認して毎日決まった時間に使用して体内の成分濃度を一定にして発毛効果を高めていきましょう。
薬にもバリエーションが増えてきたので、過去にプロペシアなどを使用しても効果が見られなかった人もデュタステリド系の治療薬を使用すれば効果があるかもしれません。
治療薬の使用方法、購入方法を誤らずに効果をしっかり得られるようにしましょう。
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