なんだか頭皮がかゆいと感じた経験はありませんか。一時的なかゆみなら良いのですが、かゆみが長引いているようなら頭皮湿疹の可能性もあります。汗をかいたのにシャンプーをしていなくてかゆいことも考えられますし、清潔な状態でも乾燥していることでかゆみを感じることがあります。
頭皮のかゆみを改善するシャンプーの選び方や洗い方があるのでしょうか。かゆみを改善する日常での頭皮のケア、治療法や生活習慣についても解説します。
頭皮がかゆい原因
頭皮がかゆくなる原因には、不潔な状態にしていて雑菌が繁殖してしまったのか、乾燥によるもの、またアレルギーなども考えられます。頭皮がかゆい原因には具体的にどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
皮脂
頭皮に皮脂が多い状態だと、毛穴に皮脂が詰まり、酸化した皮脂は過酸化脂質と呼ばれるものになり、肌に炎症を起こしたり、頭皮臭の原因となります。頭皮に皮脂が多く頭皮臭に悩みを持つのは男性に多いようです。
脂っこいものを好んで食べたり、もともとオイリー肌なのにシャンプーの回数が少なかったり洗い足りず、かゆみが生じることが考えられます。またストレスでも男性ホルモンが活発になり、皮脂分泌が増えることがあります。皮脂が増えることで皮脂を好む菌が繁殖する可能性もあります。
乾燥
乾燥する季節やエアコンの風、ドライヤーのあてすぎ、紫外線によるダメージなどで頭皮の乾燥を招き、かゆみを生じることがあります。頭皮はデリケートな部分なので、熱いお湯で頭を洗うのも、頭皮の乾燥を悪化させることがあります。
乾燥すると皮膚のバリア機能が弱まり、少しの刺激でもかゆみやかぶれが生じることがあります。頭皮が乾燥するのはデリケートな女性の肌で起こりやすいようです。悪化する前に保湿や頭皮に優しいシャンプーを使うなど、頭皮のケアに気を配るようにしましょう。
ヘアケア剤
敏感肌の人はシャンプーでも肌に合わず、頭皮が炎症を起こしてかゆみを生じることがあります。特にシャンプーは毎日使うものなので、肌に合わないものを毎日使っていると肌へのダメージが蓄積してしまいます。肌の調子が悪いときは一度使っているシャンプーの使用を中止しましょう。
その他の頭皮への刺激
美容院に行ったら翌日かゆみが出たという記事も見かけることがあります。美容院でヘアカラーやパーマをしたとき、カラー剤やパーマ剤が頭皮に合わなかったことが考えられます。
またウィッグや帽子の素材が頭皮に合わなくて、かゆみが起こることも考えられます。金属アレルギーの人ならヘアピンでかゆみやかぶれを生じることもあります。
頭皮のかゆみと関わる病気
頭皮のかゆみが長引いているときは、何らかの頭皮湿疹や病気と関わっている可能性があります。セルフケアや市販薬では解決できないかもしれませんので、症状の改善が見られない場合は早めに皮膚科に行った方が良いでしょう。
頭皮のかゆみと関わる病気、頭皮湿疹の症状についても確認しておきましょう。
ふけ症
かゆみのあるところを少し掻いただけで、ポロポロと落ちてくる白いものがふけですが、ふけは本来は小さくなるはずの古い角質細胞が、大きいまま落ちてしまうものです。原因は皮膚のターンオーバーがうまくいっていないことにあります。ふけには脂性ふけと乾性ふけがあり、それぞれ異なったアプローチで対処する必要があります。
白癬菌
白癬菌はカビの一種で、いわゆる水虫と言われているものです。白癬菌はケラチンを栄養源としているので、頭皮にも寄生することがあります。白癬菌に感染しても症状が出ない場合もありますが、かゆみはかぶれを生じることもあります。
ケジラミ症
ケジラミ症というと性感染症の一つに数えられますが、頭髪に寄生することもあります。ケジラミは激しいかゆみを生じます。
薬剤の入ったシャンプーを使用することで改善に向かいます。アタマジラミという頭髪にのみ寄生するシラミもあります。
頭皮のニキビ
頭皮の汗や皮脂を洗い流さず、不潔にしている状態が続くとかゆみやニキビを生じることがあります。また乾燥が原因のニキビでも、かゆみが生じることがあります。かゆみやニキビがあるからといって、頭皮の汚れが必ずしも原因ではありません。
乾燥が原因なのに不潔なのが原因だと思ってシャンプーの回数を増やすと、かえって悪化することがあります。原因に合った対策が必要になります。
頭皮の炎症と抜け毛・薄毛
ニキビなどの頭皮の炎症や湿疹など、頭皮のトラブルは抜け毛や薄毛の危険性もあると言われています。
最近抜け毛が増えたかもしれない、という人は頭皮の状態をチェックしてみましょう。
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)は、皮脂を栄養源とする皮膚の常在菌であるマラセチア菌が、皮脂の増加とともに繁殖して、皮膚のかゆみや皮むけを起こす症状です。
頭皮や鼻周りなど、皮脂分泌の活発なところで起こりやすい皮膚炎です。
皮脂欠乏性皮膚炎
乾燥することによって起こる皮膚炎で、秋冬などの乾燥する季節や、室内でのエアコンによって、また洗浄力の高いシャンプーで洗ったり、シャンプーの回数が多かったりして、頭皮の皮脂が奪われて起こることがあります。
乾燥した皮膚は肌のバリア機能が弱まっているので、刺激に弱くなってしまい、ますますちょっとしたことでかゆくなったりかぶれやすくなってしまいます。
接触性皮膚炎
何らかの刺激になるものが皮膚に接触し、赤みやかぶれ、かゆみを引き起こす皮膚炎です。アレルギー性皮膚炎も接触性皮膚炎の一種です。アレルギーの原因となる原因物質に、繰り返す接触することで起こる皮膚炎です。
金属やシャンプーなどのヘアケア剤、カラー剤やパーマ剤、またシャンプーやコンディショナーのすすぎ残しで起きることがあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の人は顔や体だけでなく、頭皮も乾燥しやすいためかゆみを感じることがあります。掻きむしると肌が荒れて、ますますかゆみを感じることがあります。
刺激の少ないシャンプーや頭皮の保湿で症状が改善することもあります。
頭皮のかゆみにシャンプーで対策
シャンプーは毎日している人が多いと思いますが、毎日のヘアケア方法が頭皮環境に大きな影響を与えます。頭皮のかゆみ対策に適切なシャンプー剤と、シャンプーの方法を確認しておきましょう。
頭皮のかゆみを防ぐシャンプー選び
頭皮がかゆいといっても、乾燥しているのか、汗や皮脂が原因なのか、それともカビが原因なのか、人によってかゆみの原因はさまざまです。頭皮の地肌トラブルの原因に合わせたシャンプー剤を選ぶようにしましょう。
頭皮の乾燥が気になる人は、使っているシャンプーの洗浄力が強い可能性があります。頭皮や髪に優しいアミノ酸シャンプーは洗浄力は優しいですが、刺激が少ないので毎日のシャンプーでも地肌を乾燥させにくいです。保湿成分の入っている地肌に優しいシャンプーなど、頭皮を乾燥させないよう配慮したシャンプーを使うといいでしょう。
頭皮が脂性肌で、頭皮臭も気になるという人は薬用シャンプーがおすすめです。かゆみや炎症を防ぎ、かつ抗菌作用のあるシャンプー剤で、症状が良くなることが期待できます。
脂漏性湿疹の人は頭皮のかゆみはマラセチア菌が原因です。マラセチア菌に対応するには抗真菌剤配合のシャンプーがお医者さんにもおすすめされています。抗真菌剤配合のシャンプーには、持田ヘルスケアのコラージュフルフルネクストや、メンソレータムのメディクイックHがあります。コラージュフルフルネクストはさっぱりタイプとしっとりタイプがあるので、求める仕上がりや髪質に合わせてセレクトすると良いでしょう。
敏感肌やアトピー性皮膚炎の人は、保湿成分の高い、アミノ酸系のオーガニックシャンプーがおすすめです。アミノ酸系シャンプーは地肌に優しいものが多いですが、香料などの成分が肌の弱い人には刺激を感じることがあるかもしれません。口コミなども参考に、できる限り低刺激なものを選ぶようにしましょう。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸系シャンプーとは、グリシン、メチルアラニン、グルタミン酸、メチルタウリンなどの植物由来のアミノ酸系洗浄成分が配合されたシャンプーです。よくある市販の高級アルコール系シャンプー、石けん系シャンプーより洗浄力は優しいですが、その分地肌にも優しく低刺激のシャンプーです。
洗浄力の強いシャンプーでかゆみを感じている人は、シャンプーが合っていないことも考えられます。低刺激なアミノ酸系シャンプーを使うと改善されるかもしれません。美容師おすすめのシャンプーとして、守り髪シャンプーの名前がよく挙げられます。ノンシリコンシャンプーですが、髪がきしみにくいところが使いやすいと美容師さんにオススメされているようです。
男性用スカルプシャンプー
スカルプは頭皮のことですが、一般的なシャンプーより頭皮環境の改善に重点を置いたシャンプーがスカルプシャンプーです。頭皮環境を良くすることで育毛を促進するということで、薄毛が気になってきた男性を中心に人気があります。最近は女性用のスカルプシャンプーも増えて、頭皮環境を良くするということに関心が持たれるようになったようです。
スカルプシャンプーも各ヘアケア製品によって成分や仕上がりが異なっていますが、以前はさっぱりした洗い心地のものが多かったですが、最近は乾燥肌の人にも合うシャンプーも増えてきました。洗浄に力を入れているもの、育毛効果に力を入れているものなど、各製品によって特長が異なるので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
シャンプー方法
シャンプーをする前にブラッシングをしてから、ぬるめのお湯で頭皮と髪を洗います。熱すぎるお湯は頭皮の乾燥などトラブルにつながる可能性があるので、ぬるめのお湯で洗いましょう。それからシャンプーを手のひらにとって泡立てます。洗髪方法は髪というより頭皮を洗うつもりで、手の指を広げて指の腹で頭皮全体をマッサージするように洗います。洗うときは力を入れ過ぎないようにしてください。
洗い終わったらぬるめのお湯で洗い流します。シャンプー剤が残っていると頭皮のトラブルを招くので注意しましょう。その後コンディショナーをしますが、コンディショナーは頭皮でなく髪の毛先を中心に塗るようにし、なじませてから洗い流します。
お湯シャンプー
シャンプー剤を使わないお湯シャンプー(湯シャン)という洗髪方法があります。芸能人でも実践している人がいるそうですが、短い髪は良いのですが、長い髪の人は少しニオイが気になるという意見もあります。また汚れやスタイリング剤がしっかり落とせないかもしれません。一時的に頭皮のトラブルがある人でシャンプーが使えないとき、お湯のみで洗うというのは良いでしょう。
洗髪後のヘアケア方法
洗髪後頭皮や髪の毛が生乾きのまま寝ると、雑菌が繁殖する可能性があります。自然乾燥でなく、しっかりタオルドライした後に、ドライヤーで乾かしてから寝るようにしましょう。ドライヤーの温風をあてすぎても、頭皮の乾燥を招くことがありますので、風のあてすぎや温度設定にも注意しましょう。
頭皮の乾燥が気になる人は、低刺激のローションや美容液での保湿もオススメです。スポンサーリンクでもよく見られるすこやか地肌は、地肌ケア用の美容液なので安心して使えそうです。店舗では購入できず、公式サイトや通販サイトで入手可能です。キュレルの頭皮保湿ローションも乾燥に悩む人に人気です。
治療薬で頭皮のかゆみ対策
市販の塗り薬でも頭皮のかゆみ対策に有効です。ただし使用上の注意をよく読んで使うこと、改善が見られないようであれば使用を中止し、早めに皮膚科で診てもらうことをおすすめします。頭皮のかゆみに効くと言われている薬にはどのようなものがあるのでしょうか。
ムヒHD
林先生のCMでもおなじみ、頭皮のかゆみ止め、湿疹改善の薬であるムヒHDは、頭皮につけた時にとろみのある質感になり、顔に垂れにくくなっています。かゆみ、炎症を抑え、メントール配合でかゆみがしずまります。頭皮用に塗りやすい設計になっています。
メディクイックHゴールド
シャンプーも出ているメディクイックHの塗り薬、メディクイックHゴールドはステロイドが配合されており、高い効果が期待できます。メントールやステロイドが配合されているという点で、使用にあたって注意が必要かもしれません。
育毛剤
乾燥する頭皮でかつ育毛ケアもしたいという人は、頭皮に優しいタイプの育毛剤を使用するのもおすすめです。女性用育毛剤は頭皮の保湿効果の高いものが多いです。頭皮が乾燥する人は、メントール系の清涼感のあるタイプの治療薬や育毛剤は避けましょう。
生活習慣から頭皮のかゆみ対策
健康な頭皮のためにも日頃の生活習慣を改善することで、地肌トラブルを回避できることもあります。頭皮のかゆみ対策に、どのような改善方法があるのでしょうか。
睡眠による対策方法
睡眠をしっかりとらないと疲労がとれず、肌も髪も元気がなくなります。夜更かしはほどほどにし、規則正しい生活を送るよう心がけましょう。
ストレス解消による対策方法
ストレスは皮脂分泌を活発にしたり、免疫力を低下させるとも言われています。適度な運動をしたり、休日は好きなことをしてリフレッシュすることも必要です。頭皮を健康にすることが目的のヘッドスパも、リフレッシュに効果的です。
ビタミンB群の摂取
偏った食生活だとビタミン不足となり、肌荒れの原因となります。外からのケアだけでなく、体の内側からのケアも意識しましょう。特にビタミンB群は肌、髪に良い栄養素とされており、皮膚の再生を促すビタミンB2はレバーや納豆に、皮脂分泌をコントロールするビタミンB6はレバー、まぐろ、さんま、ごまなどに含まれています。
まとめ
頭皮のかゆみの原因にはいろいろあります。ストレスによる皮脂の過剰分泌、皮脂が洗い流せていないこと、紫外線や空気の乾燥による頭皮の乾燥、また金属や帽子の素材などによるアレルギー性のものなどが考えられます。また症状が進行して湿疹・皮膚炎を起こしたり、何らかの病気が原因でかゆみが起きていることもあります。
毎日のヘアケアであるシャンプーでも、頭皮の肌の状態に合わせたシャンプー選びが必要です。皮脂の多い人はさっぱりと洗い上げる薬用シャンプーを、乾燥によるかゆみの症状が出ている人は、保湿効果のあるシャンプーを使うことで改善が見込まれます。
また頭皮用のかゆみ止め治療薬、美容液や育毛剤を使ってみることもおすすめです。ビタミンBは皮脂をコントロールし、皮膚の状態を良くする効果があるので、積極的に摂取すると良いでしょう。セルフケアで改善しない場合は早めに皮膚科で診てもらうようにしましょう。
関連記事としてこちらの記事も合わせて読んでみてください。
・頭皮汚れの原因と対策方法を知ろう!汚れを落とす方法や通気性の関係を紹介!
・頭皮の保湿に効果的な方法は?おすすめのシャンプーやローションを使った方法を紹介!
・頭皮ににきびが出来る原因は?早く治す対処法と効果的な薬やシャンプー選びについて