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ノコギリヤシと亜鉛は薄毛、育毛対策に効果的とされている成分です。多くの育毛サプリにもノコギリヤシ、亜鉛の両方が配合されています。
AGAの直接の原因は男性ホルモンDHTですが、ノコギリヤシと亜鉛にはDHTを生成する5αリダクターゼの働きを抑える作用があります。
ノコギリヤシを摂取しているアメリカ先住民には薄毛の人が少なく、亜鉛は髪の生成にも関わるミネラルということでもいずれも注目されている成分です。
この二つの成分の効果について今日は紹介します。
目次
ノコギリヤシの育毛に関する効果とは
ノコギリヤシは北米~メキシコに自生するヤシ科の植物で、古くからアメリカ先住民の滋養強壮剤として、さらに前立腺肥大の薬としても利用されています。さらには男性の薄毛の原因とされる男性ホルモンDHTの抑制効果も期待されています。
ノコギリヤシの5αリダクターゼ抑制効果
ノコギリヤシには男性機能の向上、頻尿や前立腺肥大症改善の効能・効果があると言われています。ノコギリヤシに含まれているオクタコサノール、フィトステロールには5αリダクターゼという還元酵素の働きを抑える効果があるとされています。
5αリダクターゼとは私たちの前頭部、頭頂部、前立腺の毛乳頭、及び全身の皮脂腺に分布している還元酵素です。5αリダクターゼという還元酵素を抑制することで、男性に多い薄毛の症状である男性型脱毛症の原因を抑えられ、薄毛の予防や改善に繋がると言われています。
ノコギリヤシは脱毛ホルモンの生成を抑える
ノコギリヤシは脱毛の原因となる男性ホルモンを間接的に抑える作用があります。還元酵素の5αリダクターゼには男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換する作用があります。
テストステロン自体は抜け毛に繋がるホルモンではありません。男性器・男性機能の向上と、筋肉の発達や意欲を高める効果のある良い作用のホルモンです。
しかしテストステロンが5αリダクターゼによってDHTに変換されると、頭頂部や前頭部の脱毛、前立腺肥大、体毛の増加、皮脂分泌の増加などを招きます。抜け毛はDHTが毛乳頭のレセプター(受容体)と結合することで誘発されます。
ノコギリヤシを摂取することで5αリダクターゼの働きを抑制すればDHT生成も抑制、抜け毛予防にも効果的とされています。なおAGA治療薬プロペシアの成分フィナステリドは、ノコギリヤシを研究して開発された成分です。
亜鉛の育毛に関する効果とは
ノコギリヤシと同様、亜鉛の育毛効果にも期待されています。亜鉛は魚介類や牛肉にも含まれていますが、生牡蠣に豊富に含まれているということでも有名です。亜鉛は抜け毛予防と、タンパク質から髪が合成されるのにも関わる栄養素とされています。
亜鉛の5αリダクターゼ抑制効果
亜鉛もノコギリヤシと同様に、AGAを招く男性ホルモンDHTを生成する還元酵素5αリダクターゼを抑制する作用があります。
ある研究では人の皮膚細胞に亜鉛を加えたところ、5αリダクターゼを100%阻害したという結果が得られたそうです。亜鉛を摂取することでも、男性ホルモンによる抜け毛の予防効果が期待できます。
亜鉛は髪の毛の合成に関わる栄養素
髪の毛の主成分はケラチンタンパク質と呼ばれるタンパク質です。食事から摂取されたタンパク質が体内でアミノ酸に分解され、分解されたアミノ酸が再合成してケラチンが作られて、髪や爪が生成されます。
アミノ酸からケラチンタンパク質が作られるには、ビタミンやミネラルのサポートが必要ですが、亜鉛も髪の合成に大きな役割を果たしています。
亜鉛は毛母細胞を活性化する
亜鉛には新陳代謝を促進し、毛母細胞の細胞分裂を活性化する作用があります。髪が成長するのに亜鉛は必要な栄養素であり、亜鉛が不足するとタンパク質をしっかり摂っていても髪が細くなってしまう恐れがあります。
亜鉛にはホルモンバランスを整える作用も
亜鉛はホルモンを活性化させる作用があります。男性なら男性ホルモン分泌を高め男性機能の向上に、女性なら女性ホルモン分泌の増加で女性らしい体になるとされています。
女性ホルモン様の作用をする成分といえば大豆イソフラボンが有名ですが、亜鉛にも似た効果が期待されているようです。女性ホルモンには髪を育てる作用もあるため、亜鉛のホルモンへの影響が髪にとって良い効果をもたらすかもしれません。
ノコギリヤシや亜鉛に副作用はあるのか
ノコギリヤシも亜鉛も天然の成分であり、医薬品成分のような危険な副作用の心配はないと言われています。通常摂取では危険な副作用が起きる可能性は極めて低いですが、過剰摂取は禁物です。亜鉛は通常の食事からも摂取できるため、摂り過ぎには注意が必要です。
天然成分のため副作用の心配は少ない
ノコギリヤシの研究から生まれたのがAGA治療薬のプロペシアです。プロペシアは少量でも副作用の危険性がありますが、ノコギリヤシは天然成分のため副作用の心配は少ないです。
亜鉛も多くの食品に含まれる栄養素であり、通常の摂取では体に害はほとんどありません。亜鉛が不足して起きる亜鉛欠乏症では、薄毛の原因になることもあります。ただしノコギリヤシも亜鉛もサプリなどで過剰すれば副作用の危険性もあります。
過剰摂取で副作用が起きる可能性も
ノコギリヤシを過剰摂取すると吐き気や嘔吐、胃の不快感、便秘、下痢などの症状が起きる可能性があります。
亜鉛の過剰摂取では、吐き気や嘔吐、頭痛や発熱、倦怠感、不安感、黄疸、低血圧、腎臓障害や神経障害が起きる可能性もあります。亜鉛の過剰摂取により銅の吸収を阻害、貧血を招く恐れがあります。
ノコギリヤシと亜鉛の相乗効果は期待できる?
多くの育毛サプリメントでノコギリヤシと亜鉛が一緒に配合されていることが多いようです。ノコギリヤシと亜鉛を併用することでさらなる育毛効果が期待できるとも言われていますが、本当なのでしょうか。
ノコギリヤシと亜鉛の併用はAGA予防になる?
ノコギリヤシと亜鉛のどちらも5αリダクターゼを抑制する作用があるとされています。単品では効果が薄いかもしれませんが、両方を摂取することでより5αリダクターゼの働きを強く抑制でき、AGAの原因となる男性ホルモン生成をしっかり抑えられると考えられています。
さらに亜鉛には毛母細胞を活性化し、ケラチンの生成を助ける効果もあるとされており、さらなる効果が期待できるという声も多いようです。
ノコギリヤシと亜鉛の併用で育毛効果はない?
ノコギリヤシと亜鉛では薄毛予防には効果が期待できますが、育毛効果や発毛効果には期待できないという記事も見かけられます。
ノコギリヤシと亜鉛の共通の効果は5αリダクターゼ抑制効果であり、その効果がしっかりと現れたとしても薄毛の進行を予防する効果までで、劇的に髪の量が増えるということはないようです。
併用によって効果が高まるとう科学的な根拠が乏しいことを指摘する記事も見かけられます。発毛効果を得たいのであればノコギリヤシや亜鉛よりも、ミノキシジル外用薬(発毛剤)を利用した方が効果が現れやすいでしょう。
ただし亜鉛が不足すれば健康な髪の成長が妨げられることになり、適度な摂取は髪の健康には良いことだと考えられます。
ノコギリヤシと亜鉛の摂取方法
ノコギリヤシと亜鉛は各サプリメントか、髪に良い成分が多数配合された育毛サプリメントから摂取することができます。亜鉛は食事からも摂取できます。過剰摂取にならないよう摂取量にも気をつけながら、上手に摂取するようにしましょう。
ノコギリヤシ・亜鉛をサプリから摂取する方法
ノコギリヤシ、亜鉛それぞれをサプリから摂取する方法と、ノコギリヤシと亜鉛の両方が配合されている育毛サプリメントなどから摂取する方法があります。
亜鉛は育毛に限らず皮膚や粘膜の健康、味覚にも関わる必須ミネラルとして、サプリメント(栄養機能食品)からの摂取もおすすめされています。
ノコギリヤシと亜鉛が一つのサプリに入っているものも多いです。チャップアップサプリ、ブブカサプリ、ボストンサプリ、ノコギリヤシ&亜鉛(球)(富士ヘルス産業)、ウエルカミング(ライフケアサポート)などのサプリで、ノコギリヤシと亜鉛を同時に摂取できます。
育毛サプリメントは育毛剤とともに人気のある育毛商品であり、育毛剤と育毛サプリを併用することでより良い効果が得られると言われています。
育毛サプリ単独では発毛効果の期待はあまりできませんが、育毛剤は効能・効果にも発毛促進が謳われており、相乗効果も期待できるとされています。
亜鉛を食品から摂取する方法
亜鉛が含まれている食品には生牡蠣、牛肉、卵黄、蟹、たらこ、牛・豚・鶏のレバー、チーズ、煮干し、味噌などがあります。亜鉛が最も多く含まれている食品は生牡蠣です。
亜鉛は体内の吸収率が悪いミネラル成分ですが、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収を高めると言われています。生牡蠣にレモンをかけて食べるのも、生牡蠣に含まれている亜鉛の吸収を良くする効果が期待できます。
ノコギリヤシと亜鉛の摂取量
ノコギリヤシの摂取量には明確な基準量がないようです。アメリカでは500mg、ドイツでは320mgとされており、体の小さい日本人なら200~320mgで良いだろうと言われています。
ノコギリヤシサプリを摂取した人の通販サイトのレビューでは、サプリの量が少なすぎると全然効果を得られなかったけれど、少し増やしたら効果が得られたという投稿者の声もあります。適度な量の範囲で調整するのが良いのかもしれません。
亜鉛は成人男性で1日12mg、成人女性で9mgが推奨摂取量とされています。生牡蠣の亜鉛含有量は2mg程度なので、推奨量を生牡蠣の量に換算すると4~6個程度で摂取できることになります。摂取量の上限は成人男性で40~45mg、女性で35mgとされています。
ノコギリヤシ・亜鉛と併せて行う育毛対策
ノコギリヤシと亜鉛には薄毛予防や育毛への効果も期待できますが、ノコギリヤシと亜鉛のみで育毛・発毛促進に大きな効果を得るのは難しいと考えられます。サプリ以外の薄毛対策も併せて行うことで、より良い効果が得られることが期待できます。
育毛剤の使用
育毛剤には厚生労働省に認められた育毛有効成分が配合されており、その効能・効果として育毛、発毛促進、抜け毛予防、産後・病後の脱毛、養毛、フケ・かゆみの予防が認められた薬用の頭皮ケア製品です。
ノコギリヤシと亜鉛に期待できる効果は抜け毛予防と育毛への効果までですが、育毛剤では発毛促進効果までできるので、併用で良い効果が得られると期待されます。
育毛成分や発毛促進成分以外にも、頭皮環境を整えるための成分が多数配合されています。抜け毛の増加は男性ホルモンの影響だけでなく、頭皮環境が悪化することでも起きることがあります。頭皮環境の悪化による抜け毛は育毛剤で改善効果が早く現れやすいようです。
育毛剤に配合されている成分はさまざまであり、成分効果によっては脱毛作用のある男性ホルモン生成を抑制したり、毛母細胞の細胞分裂を活性化させるものもあります。
男性には男性用(男女兼用)の育毛剤、女性には女性用育毛剤がおすすめです。男性、女性では薄毛の原因・症状がやや異なることもありますが、男性・女性の肌質の違いも育毛剤選びと関わってきます。
育毛剤商品は多数出ているためどの育毛剤を使ったらいいか迷いそうになりますが、育毛剤ランキングや実際に育毛剤を使った人のレビューなども参考にしてみると良いでしょう。なお通販専用育毛剤は公式サイトから購入するとお得に購入できるものが多いです。
育毛効果はすぐに現れるものではないので、育毛剤を最低でも半年、毎日継続することがおすすめされています。
栄養バランスの良い食事
ノコギリヤシや亜鉛以外にも、イソフラボンやミエットエキス、ビタミンB群なども育毛に良い効果があると言われており、育毛サプリ商品にもよく配合されています。
しかし栄養バランスの良い食事をとることが髪と体の健康にとって重要であり、サプリはあくまでも補助食品として考えてください。
栄養不足は体にも髪の健康にも悪い影響を与えます。髪の健康に良いタンパク質、ビタミン、ミネラルは不足しないようしっかり摂りましょう。糖質・脂質は摂りすぎない程度に摂取するのがポイントです。
ノコギリヤシ・亜鉛と併せて行う薄毛治療
すでにハゲや薄毛の進行が見られるという人には、ノコギリヤシと亜鉛のみでは薄毛改善の効果を得るのは難しいと考えられます。薄毛治療を行うことでより良い改善効果が期待できます。治療薬の投薬が主流ですが、施術による薄毛治療法もあります。
AGA治療
薄毛の進行が気になり始めた男性には、AGAクリニックでのAGA治療がおすすめです。最近は皮膚科や内科でもプロペシアなどのフィナステリドを処方してくれるところも増えましたが、いろいろな治療法もできれば試したいという人は薄毛治療専門のクリニックがおすすめです。
AGA治療ではプロペシアなどのフィナステリドやミノキシジルなどの投薬、直接頭皮に薬剤や成長因子、アミノ酸などを注入する育毛メソセラピー、自分の毛包を移植する自毛植毛法などが行われています。
クリニックまで行くのはためらわれるという人は、市販のミノキシジル発毛剤でAGA対策を行うという方法もあります。またスマホやPCでのオンライン診察を行っているクリニックも、少しずつ増えているようです。
薄毛治療薬
プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)は5αリダクターゼの阻害薬であり、ノコギリヤシや亜鉛よりも強力にDHTの生成を抑えてAGA進行を防ぐ効果があります。ミノキシジルは発毛効果があり、主に外用薬で使用されます。
フィナステリドは女性には使用できないので、女性の薄毛治療で5αリダクターゼを抑制するには外用薬のパントスチンが処方され、内服薬では育毛効果のあるパントガールが処方されることが多いようです。
まとめ
育毛効果が期待できるということで、ノコギリヤシと亜鉛は多くの育毛サプリでも配合されている成分です。ノコギリヤシと亜鉛はともに5αリダクターゼの働きを抑制する作用があり、AGAの原因であるDHT生成抑制の効果があると言われています。
亜鉛は髪の元となる毛母細胞を活性化し、体内のアミノ酸から髪の主成分であるケラチンの合成にも役立つとされています。ノコギリヤシ・亜鉛ともに通常の摂取では副作用の心配はありませんが、過剰摂取では副作用を招くことがあるので、気をつけてください。
ノコギリヤシと亜鉛の相乗効果も期待されていますが、今のところは科学的な裏付けはないようです。発毛効果までは期待できないので、ノコギリヤシと亜鉛の摂取とともに、何らかの薄毛対策や薄毛治療も行ったほうが良いと考えられます。
ただしクリニックで亜鉛やビタミンなども処方されることがありますので、サプリを服用中の場合は担当の医師に伝えておきましょう。
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