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薄毛の改善にコラーゲンが効果があると言われています。コラーゲンと言えば、女性が美肌のためにの使う美容液やサプリで使われている成分というイメージがありますが、育毛効果があるという情報もあります。
コラーゲンは本当に育毛や薄毛の改善にも効果があるのでしょうか。コラーゲンに育毛効果があるのなら、どのようにしてコラーゲンを摂取したら良いのか、コラーゲンが体内で合成される効果的な方法についても説明していきます。
コラーゲンとは
薄毛の改善にも効果があるとも言われているコラーゲンですが、コラーゲンの正体は何なのでしょうか。コラーゲンは何に含まれているのか、どのような作用・効果があるのかについても確認していきましょう。
コラーゲンはタンパク質
コラーゲンはタンパク質の一種です。タンパク質が分解されるとアミノ酸になりますが、コラーゲンはアミノ酸が三重のらせん構造になって結合したものです。コラーゲンの分子量は約30万、同じタンパク質の一種であるゼラチンの分子量は約10万です。
タンパク質の一種であるコラーゲンは、私たちの体のあらゆる部分に存在し、肌、筋肉、骨や関節に含まれています。人間の体内にあるタンパク質のうち、30%がコラーゲンです。皮膚や骨、血管、臓器にある結合組織の主成分はコラーゲンです。
皮膚とコラーゲン
皮膚では真皮層と呼ばれる表皮のすぐ下の層にコラーゲンは存在し、繊維状のコラーゲンが網の目のようになって、細胞同士を結び付ける役割があります。コラーゲンがあるおかげで肌のハリ、柔軟性が保たれています。
線維芽細胞から作られるコラーゲン
コラーゲンは繊維芽細胞から作られ、古くなったコラーゲンは酵素などで分解されていきます。真皮層に存在する繊維なので、表皮の皮膚細胞のようなターンオーバーはありませんが、2年から6年と時間をかけて生まれ変わっています。
加齢によるコラーゲン減少
コラーゲンは加齢により失われていきます。加齢とともに肌のハリや弾力が気になるのは、コラーゲンの減少によるものとされています。そのため美容に敏感な女性はコラーゲンを補った方がいいということで、さまざまな女性向けのサプリやドリンク、化粧品が出ています。
コラーゲンが多く含まれている食品
レバー、鶏の軟骨、鶏の手羽先、フカヒレ、鮭などに多く含まれています。ただし食品からコラーゲンを摂取しても、コラーゲンの分子が大きいためアミノ酸に分解されてしまいます。一部コラーゲンペプチドという形で残るようですが、摂取したコラーゲンがすべて体内のコラーゲンになるわけではないようです。
コラーゲンの摂取量目安
国内では正確な摂取量の目安は特に定められてはいません。欧米の研究結果では、コラーゲンは1日5~10g摂取することが推奨されています。日本人女性のコラーゲン平均摂取量が1.9gという調査結果が出たことがあるので、かなり足りないと言われています。
推奨されているコラーゲンの量を食品から摂ろうとすると、カロリーオーバーになってしまいます。サプリやドリンクも利用すると、効率良くコラーゲンを摂取できます。
コラーゲンの髪への効果
コラーゲンは肌だけでなく美髪効果もあるということで、コラーゲンがシャンプーやコンディショナー、トリートメントもあります。美容室でもトリートメントに混ぜるコラーゲンを販売したり、アイロンを使わないエア縮毛矯正でコラーゲンを使って、髪に優しい施術をしているところもあります。
コラーゲンの育毛効果
コラーゲンはヘアケアだけではなく、育毛剤や発毛剤にも配合されているそうです。コラーゲンが育毛・発毛にどのように関わっているのでしょうか。
頭皮の弾力性を維持
コラーゲンは皮膚の弾力性を維持します。頭皮のハリやみずみずしさを維持するのもコラーゲンの作用です。頭皮に弾力や水分があることで、毛細血管の血流が良くなり、頭皮に栄養が行き渡る効果があります。
頭皮が柔らかくなり血行が良くなることで、育毛を促進する効果が期待できます。コラーゲン配合の育毛剤や発毛剤がありますが、コラーゲンの頭皮への効果によって、育毛有効成分・発毛成分の効果を高めようとしています。
育毛効果を実証する実験データ
2008年、毛髪科学研究会の実験によると、コラーゲンペプチドを8週間毎日5g摂取した女性たちの髪を調べたところ、摂取する前より髪の毛が太くなり柔軟性が増したという結果が出ました。
アメリカの実験では、コラーゲンペプチドを被験者の女性たちに2か月間毎日14g摂取してもらったところ、摂取する前より毛髪が約10%太くなったという結果が得られました。
コラーゲンペプチドの摂取を中止すると毛髪の太さは元に戻ったそうなので、コラーゲンが髪の太さやしなやかさと関係しているということが言えるようです。ただし髪の本数には変化が見られなかったようなので、発毛効果はあまり期待できないようです。
いずれの実験も女性が被験者でしたが、男性でもコラーゲンの育毛効果はあると見込まれています。
17型コラーゲン減が薄毛の原因
年齢と共に髪が薄毛になっていく原因は、17型コラーゲンの減少による影響であることが研究によって突き止められたそうです。なぜ17型コラーゲンが減少すると薄毛になるのでしょうか。薄毛の原因となるコラーゲンを補うことはできるのでしょうか。
東京医科歯科大学の研究成果
東京医科歯科大学、難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授ら研究チームによによって、2011年に毛包幹細胞のそばにある色素幹細胞と白髪の作られるメカニズムについての研究成果が科学誌に発表されました。
さらに2016年、毛包幹細胞を保護する17型コラーゲンの減少が、加齢による薄毛の原因だと科学誌に発表され、コラーゲンと薄毛には関係があることが実証されたということで話題になり、多くの記事で取り上げられました。
17型コラーゲンは毛包幹細胞(毛包細胞、毛幹細胞は誤り)、色素幹細胞の2つの幹細胞と関わっていることがわかっています。毛包幹細胞は色素幹細胞のニッチ細胞として、色素幹細胞を維持する機能があることがわかっています。
毛包幹細胞とコラーゲン
髪の毛は毛根にある毛母細胞という細胞が分裂し、角化することで作られる角化細胞です。毛母細胞へ分裂するよう指示を出すのが、毛細血管から栄養を受け取る毛乳頭です。毛母細胞は幹細胞から作られるので、毛乳頭も毛包幹細胞も髪の成長にとって重要な細胞です。
毛包幹細胞は17型コラーゲンに保護されています。17型コラーゲンが年齢と共に減少すると、毛包幹細胞は幹細胞性を失い、皮膚表面へと上がっていきフケや垢となってしまいます。つまり17型コラーゲンの減少により毛包自体が失われ、髪が生えなくなってくるということです。
毛包のミニチュア化による脱毛は、これまで男性ホルモンDHTによって引き起こされるものと説明されることが多かったですが、加齢によっても毛包自体のミニチュア化は引き起こされると実証されたことになります。
マウスを使った実験
東京医科歯科大学の研究グループが行ったマウスの実験は、野生のマウスと、17型コラーゲンが体内で減少しないよう遺伝子操作されたマウスを使って行われました。
遺伝子操作されたマウスの毛穴の数は、17型コラーゲンが減少した野生のマウスの毛穴の1.4倍であることが認められ、コラーゲンの減少が薄毛の原因と関わっていることが実証されました。
また17型コラーゲンが作れないよう操作されたマウスは、若くても白髪になり脱毛が見られました。17型コラーゲンは脱毛と白髪を抑える作用があり、加齢とともに減少することで抜け毛や薄毛、白髪の発現を促すことがわかりました。
コラーゲンの育毛治療への応用
残念ながらコラーゲンをいくら摂取しても17型コラーゲンが増えるというわけではないようです。しかし、17型コラーゲンを治療に応用できれば、加齢による薄毛を改善し、永続的発毛も可能かもしれません。西村教授によれば17型コラーゲンを減少させないよう、毛包幹細胞プールが維持できるようにすることが重要ということです。
年齢と共に毛包幹細胞は減ってしまうので、幹細胞維持ができるよう若いうちから対策が必要なのだそうです。現時点では研究段階ですが、近い将来17型コラーゲンを利用した育毛治療法が生まれるかもしれません。
コラーゲンの効果的な摂取方法
コラーゲンは育毛研究によって、育毛効果があるという研究結果が得られています。ハゲ対策にも良いとされているコラーゲンを効率よく摂取するには、どのような方法が良いのでしょうか。
サプリメントでの摂取
一時期はコラーゲンを経口摂取しても、結局アミノ酸に分解されてしまうので意味がないと言われていたことがありました。その後京都大学の研究で、コラーゲンを摂取すると一部コラーゲンペプチドになることがわかっています。
しかしコラーゲンを食事で摂取しようとしたら、相当な量を摂取しなくてはなりません。体に吸収されやすい低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)のサプリメントや、ドリンク、コラーゲンパウダーでのコラーゲン摂取がおすすめです。
サプリでの摂取はカロリーオーバーにはなりにくいですが、サプリを多く摂りすぎると肝臓への負担やニキビができる可能性もあるそうです。適量を守るようにしましょう。
ビタミンCと併せて摂取
体内のコラーゲンペプチドやアミノ酸が材料となって、コラーゲンが体内で合成されます。ビタミンCはコラーゲンを分解する酵素を抑え、コラーゲンを生成する繊維芽細胞を活性化させる作用があります。
ビタミンCとコラーゲンサプリを一緒に摂ることで、コラーゲンが体内で合成されやすくなるというメリットがあります。ビタミンCはキウイやオレンジ、グレープフルーツなどの果物、ブロッコリー、キャベツなどの野菜に多く含まれています。
コラーゲンはサプリで、ビタミンCは食べ物や飲み物から摂取すると良いでしょう。またビタミンCは調理する際水に溶けやすいので、茹でた時は汁ごといただくようにすると良いでしょう。
ビタミンCは最近育毛の分野でも注目されている栄養素で、ビタブリッドCヘアーというビタミンC育毛剤もあります。ビタブリッドCはインターネット上でもよく広告が出ているので、知っている人も多いでしょう。
コラーゲンサプリをビタミンCと併せて摂取することで、コラーゲンの育毛効果を最大限にしましょう。
抗酸化成分と併せて摂取
また、体を老化させる活性酸素が発生すると、細胞を傷つけ、コラーゲンの繊維を破壊すると言われています。消費した酸素の2%が活性酸素になり、喫煙、紫外線、激しい運動、運動不足、油分の多い食事、ストレスなどは、活性酸素を大量に発生させる要因とされています。
コラーゲンの破壊を防ぐためにも、活性酸素を減少させる抗酸化成分を摂取することもおすすめです。抗酸化成分にはビタミンC、コエンザイム、フラーレン、酢酸トコフェロールなどが挙げられますが、書籍「水素育毛革命」でも取りあげられた水素も注目されていますが、現段階ではどれぐらい効果があるのかは研究段階にあるようです。
コラーゲンの効果を高める薄毛予防法
コラーゲンには髪を太くする効果もあることが実験で示されていますが、コラーゲンのみ摂取していても抜け毛予防やハゲの改善までは難しいと考えられます。コラーゲン効果を高めるためにも、他にも日頃の生活にハゲ・薄毛予防対策になることを取り入れてみましょう。
生活習慣
睡眠中は髪を育てる成長ホルモンが分泌されます。睡眠時には必ず成長ホルモンが分泌されますが、眠りが浅かったり睡眠時間が短いと、成長ホルモンが十分に分泌されないそうです。
また睡眠時間が長い日や短い日があると疲れやすくなります。髪と体の健康のためにも、睡眠不足にならないようなるべく決まった時間に寝るようにして、規則正しい生活を送るようにしましょう。
適度な運動も体だけでなく髪の成長にも良いです。運動することで全身の血行が良くなり、頭皮にも栄養が行き渡りやすくなります。運動不足になりがちな人はウォーキングや簡単な運動で良いので、毎日体を動かすようにしましょう。
ヘアケアの改善
頭皮や髪に悪くなるようなヘアケアをしていたら改善しましょう。シャンプーはしなくても洗いすぎても頭皮によくありません。1日1回、夜のうちにして、頭皮を清潔な状態にして寝るようにしましょう。
シャンプー剤は頭皮にあったものを選びましょう。洗浄力が優しく、髪に余計なものを残さないノンシリコンのアミノ酸系シャンプーがおすすめです。育毛シャンプーも将来の薄毛予防対策としておすすめです。
栄養バランスの良い食事
髪はケラチンというタンパク質が主成分です。ケラチンは18種類のアミノ酸から構成されているので、コラーゲンサプリと共にさまざまな種類のアミノ酸を食事から摂取することを意識しましょう。
肉、魚、卵などの動物性タンパク質、大豆や大豆製品などの植物性タンパク質の両方をバランスよく摂取するのがおすすめです。
またケラチンを生成するにはビタミンB群やミネラルの力も必要です。ビタミンB群は単体よりB群すべての栄養素を摂取する方が効果的とされています。ミネラルでは日本人は亜鉛が不足しやすいそうなので、積極的に摂りましょう。
育毛剤の使用
育毛剤は薄毛になってからの育毛対策だけではなく、薄毛になる前の予防対策としても使用することができます。男性と女性では頭皮の肌質や薄毛の原因が異なるので、男性は男性用、女性は女性用の育毛剤を使用するのがおすすめです。
育毛剤で毎日ケアをするとき、頭皮マッサージも一緒に行うことで頭皮の血行を促進、さらに育毛を促進する効果が期待できます。
まとめ
コラーゲンはタンパク質の一種であり、私たちの体内にあるタンパク質の30%はコラーゲンです。皮膚、筋肉、骨、関節、臓器にもコラーゲンは含まれ、皮膚の真皮層には繊維状のコラーゲンが網の目状で存在し、肌の弾力やハリを作っています。
年齢と共にコラーゲンが失われると肌の弾力性も失われていきます。体内に吸収されやすい低分子コラーゲンを摂取することで頭皮の弾力を取り戻し、血行が良くなることで育毛効果が期待されます。
コラーゲンの効果を高めるには、コラーゲンを分解する酵素を抑制し、体内でコラーゲンを生成する作用があるビタミンCとの併用が良いとされています。
17型コラーゲンによる薄毛のメカニズムが最近解明されましたが、現段階では薄毛改善への実用化は研究段階にあります。薄毛の予防・改善のためにはコラーゲンと共に生活習慣、育毛剤などの育毛対策を実践するのが、コラーゲンの活用の仕方としてベストでしょう。
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