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鼻の頭にまるでいちごの種のようなぶつぶつができて気になる、という人はいませんか。
これは毛穴に角栓が詰まって毛穴が大きく開いてしまうのが原因ですが、顔だけでなく同じ皮膚である頭皮にも同様の現象が起こります。
頭皮は鼻と違って自分自身では気がつきにくく、放っておいてしまいがちなのですが、場合によっては深刻な皮膚炎を起こす恐れもあります。
頭皮の角栓の特徴や原因、正しいケア方法について解説していきます。
頭皮にも角栓がある
角栓は鼻の頭にできるもの、と思い込んでいる人はいませんか?
顔にできた角栓はニキビや湿疹の原因ともなりますが、同様の症状が頭皮でも発生しうるのです。
ただし、頭皮の場合は髪の毛が生えていることから目立ちにくくなっているだけなのです。
もし、抜け毛の根元や、頭をかいた時に白い塊のようなものがついてきたら、頭皮に角栓が発生している証拠です。
頭皮の毛穴に角栓が詰まると、見た目で不潔な印象を与えてしまうだけでなく、頭皮環境の悪化により発毛・育毛に悪影響をおよぼす可能性があるので改善していかなければならないものです。
角栓は男性女性を問わず発生する
ニキビが男女共通の悩みであるように、同じ皮膚のトラブルである角栓についても男女に関係なく発生します。
特に女性は髪が長いことにで目立ちにくいことから、悪化させやすい環境にあるので気をつける必要があります。
角栓の正体は皮脂汚れだけではない
角栓の正体は何なのでしょうか?
頭皮の皮が毛穴に詰まっていると思っている人も多いかもしれませんが、実は皮脂だけでなく、古くなった角質が混じり合ったものです。しかも割合でいえば角質が7割、皮脂は3割にしかすぎません。
皮脂の塊であれば、シャンプーの洗浄成分で落とすことは可能ですが、角質はたんぱく質のため、簡単には落ちないものです。
角栓が発生する原因
皮膚の表皮は4層構造になっており、一番下の層で生まれた細胞は形を変えながら表面に押し上げられ、角質となります。
角質は、下から新しい細胞に押し上げられ、最後はアカとなってはがれ落ちていきます。この一連の新陳代謝のサイクルをターンオーバーといいます。
ターンオーバーのサイクルには個人差もありますが、おおむね1ヶ月〜1ヶ月半と言われています。
このターンオーバーのサイクルが乱れてくると、古い角質がはがれずに滞留し、毛穴を狭めることになります。すると出口が塞がれることになり、古くなった角質や皮脂が排出されにくくなり毛穴の中に蓄積されていって角栓に変化していきます。これが角栓の発生するメカニズムですが、いったん角栓になってしまうと通常のシャンプーではタンパク質成分を除去するのが難しくなるのでやっかいです。
ターンオーバーの乱れはなぜ生じるのか
ターンオーバーの乱れには皮脂の量が影響します
ヘアケアを考える際、皮脂は一般的に悪者にされがちですが、ある程度の皮脂は健康な頭皮環境を保つ上で必要です。
もちろん、シャンプーをきちんとやっていないのは論外ですが、実はシャンプーのしすぎも逆に皮脂の過剰分泌を招く恐れがあります。
洗い過ぎによる皮脂の過剰分泌
頭皮を必要以上に洗いすぎてしまうと、必要な皮脂まで落としてしまうことになり、頭皮を乾燥させる原因になります。
皮脂には頭皮を守るバリアとしての役割があるので、頭皮が乾燥してくると、皮脂の量が足りなくなっていると感知し、かえって皮脂が多く分泌されてしまうことになります。
生活習慣の乱れ
人の身体は自動的に正常なターンオーバーのサイクルを繰り返すようにできているものです。
しかし、無意識のうちにそれを阻害する行為や習慣を身につけてしまうことで、正常なターンオーバーのサイクルを乱してしまっているのです。
ターンオーバーに影響を与えると言われている生活習慣には以下のものがあります。
血行不良
血行が悪いと、必要な栄養分が細胞に行き渡らずが、働きが悪くなります。
このため、通常よりもターンオーバーのリズムが遅れてしまうことになります。
睡眠不足
夜の10時から深夜2時の時間帯は育毛のためのゴールデンタイムやエンジェルタイムと呼ばれています。
睡眠中に髪の毛の成長を促す成長ホルモンが分泌されますが、睡眠不足だと、ターンオーバーのサイクルが崩れることになります。
ストレス
仕事や人間関係など、普通に生活していてもさまざまなストレスはつきものです。
しかし、過度なストレスやそれを発散せず溜め込むことでホルモンバランスが崩れ、ターンオーバーのサイクルにも影響します。
食生活の乱れによる栄養不足
忙しいからとファーストフードやインスタント食品、コンビニ弁当に頼った食生活では必要な栄養を取ることはできません。
特に血流を良くするためにはコレステロールや中性脂肪は極力を減らすことが大事になってきます。
角栓の薄毛への影響
頭頂部から薄くなる、いわゆる男性型脱毛症(AGA)の原因と言われているのはテストステロンという男性ホルモンなので、角栓を取り除いても薄くなることは避けられないと考えられます。
しかし、角栓により毛穴が詰まってしまうと、髪の成長が阻害されてしまうことになります。
毛根の血行が悪くなると髪に栄養が行きわたらなくなり、毛穴も狭くなることで髪の毛が細くなったり、一つの毛穴から生えて来る本数が減ったりした結果、薄毛になることがあるものです。
まずはシャンプーでヘアケア対策
では角栓の発生を防止するための対策について見て行きましょう。
これまで見てきたとおり、様々な要因が考えられますが、まずは日々のヘアケアから改善を始めましょう。
正しいシャンプー選び
汚れを落とすためにはなによりもまずシャンプーが重要です。
角栓が発生すると、洗浄力の強いものを選んで皮脂を落とそうと考えがちですが、洗浄力が強すぎるシャンプーは必要な皮脂まで落としてしまうことになりかねません。特に男性はシャンプーによる爽快感を求めてしまいがちなので要注意です。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸は身体にとっては欠かせないもので、 角栓対策にも効果があると言われています。
もともと人の皮膚の大部分はプロリンやアルギニンというアミノ酸で構成されています。
アミノ酸系シャンプーには洗浄成分にアミノ酸を含有しており、頭皮への刺激が少ないものです。
もちろん、必要な洗浄力は確保されているので、汚れを落とした上で必要な皮脂を保つのが特徴です。
またアミノ酸がもつ皮膚を再生する力により、頭皮を健康な状態へ回復することも期待できるようです。
無添加、天然由来成分のものを選ぶ
シャンプーにはいろいろな成分が含まれていますが、ラウリル硫酸ナトリウム等の石油系の洗浄成分は非常に洗浄力が強く皮脂を必要以上に取り除くおそれがあります。
もちろんそういったシャンプーを使用したら即、角栓が発生するわけではないのですが、リスクは可能なかぎり避けたいところです。
スカルプシャンプー
スカルプシャンプー特徴としてはまず頭皮を洗うことに重点を置いた点にあります。
一般のシャンプーは髪の毛を洗浄することをポイントにおいて開発されていたので、頭皮への影響についてはどちらかといえば二の次といったところでした。
一方、スカルプシャンプーは頭皮をいかに健康な状態に保つことができるかにポイントを置いています。
薄毛について研究していったところ、原因は髪の毛そのものではなく、頭皮にある場合が多いことがわかってきました。
そこで皮脂の過剰な分泌や、頭皮の荒れケアするために開発されたのが頭皮の状態を考えたスカルプシャンプーです。
必要な洗浄力を確保した上で、頭皮へのダメージを最小限にして保護することを目的に作られているところが特徴で、開栓予防には通常のシャンプーよりも高い効果がある言われています。
シャンプーの前にシャワーでお湯ですすぎ洗い
いきなりシャンプーで洗うのではなく、お湯でしっかりすすぎ洗いを行います。
この時、なるべくぬるめの温度でシャワーを行うことが大切です。
頭皮を柔らかくし、毛穴を開かせることで汚れや皮脂を浮かび上がらせやすくする効果がありますが、温度が高いと洗浄力が強過ぎてしまうためです。
シャンプーの基本はもみだし洗い
特に男性は力が強いので頭皮をごしごし洗ったり、場合によっては爪を立てて洗ったりする人が多いですが、頭皮にダメージを与えてしまうので厳禁です。
シャンプーの基本は美容院で美容師さんがやってくれるように頭皮の毛穴汚れが浮き出るように、マッサージしながら洗う、「もみ出し洗い」です。
ポイントはシャンプーを髪ではなく、頭皮につけることです。
両手の指の腹で頭皮全体を動かし、皮脂を押し出すような感覚でもむと良いでしょう。
また、シャンプー剤が残っていると、せっかくきれいになった毛穴にシャンプー剤がつまってしまうので、ぬるま湯で時間をかけてしっかり流します。
とにかく丁寧に行うことが大事なので、時間はなくて毎日は大変、という方は1週間に1度程度から初めてみましょう。
ドライヤーでしっかり乾燥させる
タオルでやさしく水分を吸収した後はドライヤーでしっかり乾かします。
自然乾燥ですませてしまう人もいますが、しっかり頭皮を乾燥させておかないと脂漏性皮膚炎の原因にもなりかねません。
特に髪の長い方は、タオルだけではなかなか乾きにくいので、必ずドライヤーを使用して頭皮を清潔な状態にしておくことが大切です。
頭皮クレンジング
毎日のシャンプーで丁寧に頭皮の汚れを落とすことが角栓対策としては有効です。さらに万全を期すのであれば、頭皮クレンジングを試してみることもおすすめします。
ただし、頭皮クレンジングのやりすぎは頭皮の皮脂や角質を取り過ぎてしまう原因にもなるので、基本的には週に1回を目安にしましょう。
頭皮クレンジング後は頭皮の汚れが落ちていますが、頭皮の潤いが不足しがちなので頭皮用のローションや無添加の化粧水で頭皮を保湿することも大事です。
オイルクレンジングの方法
メイク落としで使うクレンジングオイルを使用して頭皮のクレンジングを行います。メイク落とし用のオイルを頭皮につけることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、結論からいえばまったく問題ありません。
頭皮は顔の皮膚と構成は変わらないので、オイルによって毛穴の奥の汚れまでを浮かせることができるのです。
オイルクレンジングのやり方ですが、まずシャワーの前に、オイルを頭皮につけておきます。
それから頭皮をマッサージしながらなじませます。
皮脂や汚れをオイルで浮かせてからマッサージすると乳化作用が働き、オイルと皮脂や汚れが混ざり合います。
それから水またはお湯でしっかり洗い流します。この時、オイルが残らないようにしっかりすすぐことがポイントです。
純正オイルを使ったオイルクレンジング
また、クレンジングオイルではなく、オリーブオイルやココナッツオイルなどの100%植物由来の純正オイルを使う方法もあります。
クレンジングオイルのような強力な洗浄成分が入っていない分、頭皮には優しいです。
純正オイルを使う際にはクレンジングオイルの時以上にしっかりすすぐことが大事です。
頭皮にオイルが残ってしまうと、酸化していやな臭いの原因になったり頭皮の雑菌を増殖させるなど、皮脂が過剰分泌しているのと同じ状態になってしまうので注意です。
炭酸水クレンジングの方法
オイルではなく、炭酸水を用いてクレンジングする方法もあります。
炭酸水の泡には、頭皮の汚れを浮かせる効果がある上に、炭酸に含まれているガスがタンパク質と結び付きやすい性質があります。
シャンプーの洗浄成分では落としきれないタンパク質の除去に有効なので、角栓の除去に向いているクレンジング方法といえます。
加えて炭酸水には、その刺激によって血行を促進する効果も期待できる点もポイントです。
炭酸水クレンジングには、市販されている飲料用で無糖、無添加の炭酸水を使用します。
生活習慣の改善
いくらヘアケアに気を使っても、生活習慣が変わらなければ効果がありません。
生活習慣の改善の中で最も重要なのはやはり食生活です。
忙しい時であっても、コンビニの総菜やサラダなども活用してバランスの良い食生活を送ることを心がけましょう。
髪の毛の元となるのはアミノ酸ですが、動物性タンパク質・植物性タンパク質とビタミン・ミネラルをバランスよく摂取してしっかり身体にとりこめるようにしましょう。
頭皮環境改善にはビタミンB2、B6を
脂質を押さえるためにはビタミンB2が有効です。
ビタミンB2には脂質を分解する働きがあることから、ビタミンB2が不足すると分解されずに残る脂質が増えてしまいます。
ビタミンB2を含む食品はヨーグルトやカマンベールチーズ、レバーに納豆などです。
また肌の代謝を正常にするためにはビタミンB6をとる必要があります。
ターンオーバーの乱れによる古い角質の滞留を防止し、新しい細胞への生まれ変わりを促進します。
ビタミンB6を含む食品は、にんにくやレバー、豚肉などです。
これらのビタミンについてはなるべくサプリメントではなく、可能なかぎり毎日の食事の中で摂るよう心がけましょう。
皮脂量を増やす食品
反対に、皮脂の分泌を促進し、皮脂量を増やしやすい食品もあります。全く取らないのは難しいですが、つい口にしてしまいたくなる食品が多いので、くれぐれも過剰摂取とならないよう注意しましょう。
【皮脂の分泌を増やしやすい食品の例】
揚げ物、カップ麺、激辛など刺激の強いもの、脂質、糖分及び炭水化物など
規則正しい生活が一番の対処法
皮脂の分泌異常の原因の一つとして考えられているものに、自律神経の乱れがあります。自律神経を正常に保つためには、規則正しい生活を送ることが一番の対処法となります。
特に気を使いたいのが睡眠です。
できるかぎり早寝早起きを心がけ、生活のリズムを取り戻し、自律神経を正常に保つようにしましょう。質の良い睡眠を取ることはストレスの解消にもつながります。
改善しない場合は脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)の可能性も
角栓についてはこれまで見てきたようにヘアケアや生活習慣の改善で治癒できるものですが、それでも改善されない場合は脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹とも呼ばれています)の可能性があります。
脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰分泌が起こす皮膚トラブル
皮脂が多量に分泌された結果、皮膚に存在するマラセチアという常在菌が異常繁殖し、その代謝物が肌に炎症を引き起こすことを脂漏性皮膚炎といいます。
慢性化しやすく、一旦発症するとなかなか完治しないので厄介です。
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎はかゆみや湿疹など、アトピーと症状は似ています。
大量のふけが発生したり、酸化された皮脂が加齢臭のような臭いを放つなどの症状がみられ、放置しておくとどんどん悪化して、頭全体にフケが溜まったような状態になることまであります。
初期段階であれば抗菌シャンプーでセルフケア
初期段階の軽度な皮膚炎であれば、ある程度は自力でケアすることも可能です。
基本的な対策はこれまで見てきた開栓予防の方法と同様ですが、シャンプーについては抗真菌剤を配合した抗菌シャンプーの使用をおすすめします。医薬部外品扱いで売られており、入手も特に難しくないことから、かゆみがひどくなったり、ふけがこれまでよりも目立つようになったら使用について検討してみてはいかがでしょうか。
早めに皮膚科に相談を
ただの乾燥肌 やフケ症と思っている内に悪化し、受診した時には既に重症になっている場合が多いようです。いったん脂漏性皮膚炎になるとは、自然に完治することはありえません。
気になったら早めに皮膚科の医師に相談することも検討するようにしましょう。
皮膚科では、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬で炎症を抑えた後、抗真菌薬でマラセチアを殺菌するといった治療法を行います。
まとめ
いかがでしたか。
これまでみてきたように角栓は男女に関係なく発生する頭皮のトラブルですが、きちんと対策していけば改善することができるものです。
もちろん毎日の忙しい日々の中で、すべてを完璧に行うことは難しい場合もありますが、それぞれの対策自体は日常生活の中で実行できるものです。
一度自分の生活を見直してみて、できることから取り組んでみることが大事ではないでしょうか。
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