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髪の毛をセットする際、ヘアスプレーやワックス等の整髪料は強い味方ですよね。特に整髪力が強力なワックスは、スタイリングの際に重宝します。
種類も特徴も様々なものがありますが、共通の難点があるとしたら落としにくいというところです。つけ過ぎてしまうと、一回のシャンプーでは落ちなくてもう一度、という場合もあります。
しかし、たかがワックス、されどワックス。
正しい落とし方をしていないと、思わぬ頭皮トラブルに見舞われてしまう可能性があります。
今回は、そういったトラブルへの対策として、ワックスを落とす際のコツやテクニック、ケアの方法をご紹介します。
目次
しっかり落とさないとどうなる?ワックスの成分は?
何気なく使っているワックスですが、いったいどんなもので出来ているのでしょうか。また、つい手を抜きがちな洗い落としの影響には何があるのでしょうか。
○頭皮の大敵・合成界面活性剤
ワックスの主成分は、合成界面活性剤という成分です。ワックスを使用すると、髪の毛が柔らかくなってスタイリングがしやすくなるのはこの成分によるものです。
しかし、問題なのはなぜ髪が柔らかくなるのかということ。実は、合成界面活性剤は髪の主成分であるタンパク質・ケラチンの組織を変質させ、破壊してしまうのだそうです。また、頭皮に付着することで保湿機能を弱らせ、乾燥させます。
これによって、フケやかゆみの原因となり、頭皮や毛髪を弱らせて抜け毛の原因にもなってしまうのです。
○シリコンの功罪
ワックスに含まれる主成分のもうひとつがシリコンです。これは人工の油分で、髪の毛をコーティングし、つやを出します。
しかし、そこに罠が仕掛けられているのです。手触りや質感を手軽に改善できるものの、シリコンに補修や保湿の効果は全くありません。結果、毛髪の傷みに気付きにくくなってしまいます。
シリコンを配合した製品を継続的に使用していると、知らないうちにダメージが進行してしまう可能性があります。
○頭皮は窒息状態?
さらに、ワックスによって毛穴がふさがれてしまい、皮脂の分泌が妨げられてしまうことがあります。すると、毛根が痛んだり、頭皮が荒れたりしてしまいます。
これによって栄養が毛髪に行き渡らなくなってしまい、健康な髪の毛が育たなくなってしまう可能性があるのです。
○つけ過ぎ注意!
毛先のスタイリング程度ならまだしも、頭髪全体にたっぷりワックスを使う方もいますよね。
確かに、何かと忙しい朝、髪型が決まらないのは致命的です。
だからと言って、ワックスのつけ過ぎは要注意です。つけ過ぎると上記の原因を助長するばかりでなく、洗髪で落としにくくなってしまいます。
結果、シャンプーの量や回数が増えて、頭皮へのダメージが大きくなってしまい、抜け毛の原因となってしまうのです。
○知らなきゃ損!正しい落とし方
以上のことから、ワックスを使用することによって頭皮や毛髪に深刻なダメージを与えてしまうことがあります。
とはいえ、おしゃれを楽しむためのスタイリング剤としてワックスが便利なのも事実ですよね。大切なのは使い方なのです。
特に、頭皮にワックスを残さない正しい洗い方を知ることで、フケやかゆみ・抜け毛といった症状を防ぎましょう。
基本的なワックスの落とし方
ということで、ワックスの正しい落とし方を伝授します。
といっても、特別な道具は必要ありません。普段使用しているものを、少し違う使い方をするだけで良いのです。
○なぜワックスは落としにくい?
ヘアスプレーやジェル、ムースなどの整髪料は、シャンプーすることによって簡単に落とすことが出来ます。しかし、ワックスに関してはそうはいきません。髪の毛に頑固にまとわりついてしぶといですよね。なぜかというと、ワックスは油成分を固形化したものだからです。
油を落とすには、台所用洗剤等に含まれる界面活性剤が有効ですが、シャンプーには油に強い界面活性剤が含まれていません。そのため、ワックスが落ちにくいのです。
○必要なものは三つだけ!
では、基本的なワックスの落とし方を説明して行きます。
用意するものですが、シャンプー、トリートメント、そしてお湯。特別なものは必要なく、普通に洗髪をするときと同じもので良いです。かといって、ただ単に二回シャンプーすれば良い、というわけではありません。
このやり方では、頭皮や髪がシャンプーやトリートメントの刺激によってダメージを受けてしまいます。
○まず予洗い。お湯の温度に気をつけて!
適温のお湯で、髪全体をしっかりと濡らします。お湯の温度は、38度がベストです。お湯の温度が低いと汚れが落ちにくく、逆に高すぎると皮脂にダメージを与えてしまいます。
このとき、無理にこすってワックスを落とそうとすると、髪や頭皮を傷めてしまいますので避けましょう。
軽くすすぎ、汚れやほこりを洗い流す程度にとどめます。事前に、豚毛等で出来た専用ブラシでブラッシングしておくのも良いです。
○シャンプー+トリートメントでやさしく包みこむ
次に、シャンプーとトリートメントを混ぜ合わせて、髪全体になじませます。
この二つを混ぜて馴染ませることにより、ワックスを乳化させ、落ちやすくなる効果が生まれます。泡立って来たら、しばらく放置します。この間に、顔や身体を洗ってしまいましょう。
○あとは洗い流すだけ
泡が引いて来たら、お湯で洗い流します。このときも、無理にこすったりする必要はありません。しっかり馴染ませることが出来ればワックスが乳化して、シャワーの力だけで油分もきれいに洗い流すことが出来ます。
この方法、通常より泡立ちが悪く感じますが、ワックスを落とすのに大切なのは泡立ちよりも、しっかり髪に馴染ませることなのです。
こんな方法も!ワックス劇落ちグッズ
もっと手軽に落とせないの?という声にお応えして、より短時間でワックスを落とせる方法を探してみたら、こんな便利グッズがありました。
特にシャンプー剤は、自分に合ったものを使いたいので必見です。
○ワックス専用シャンプー
大手ワックスメーカーから発売されていました。
油に強い界面活性剤が入っていないことが、シャンプーでワックスを落とせない最大の原因でした。しかし、ワックス専用シャンプーはこれを配合しているので、ワックスごと強力に洗髪出来ます。実際に使用してみると、一回の洗髪でワックスがしっかり落ちているのが実感出来ます。泡立ちも充分あるので、使い心地も悪くありません。
ただし、通常のシャンプーと比べて洗浄力が高い分、髪の毛がごわついたりパサついたりするので注意が必要です。
○期待の新鋭!アミノ酸シャンプー
最近人気のアミノ酸シャンプー。界面活性剤にアミノ酸系の成分を使用していて、弱酸性で刺激が少なく、頭皮にやさしいのが特徴です。
そのため、洗髪を二回しても髪の毛や頭皮への影響が少ないというメリットがあります。洗浄力はあまり高くないものの、その分皮脂を取り過ぎないのもポイントです。
注意すべき点は、アレルギー反応を起こす可能性があることです。しっかりと洗い流していながら、かゆみを感じるようであれば使用を中止した方が良いです。
○原点回帰?石鹸
シャンプーには、泡立ちや洗浄力と引き換えに、頭皮への刺激が強い成分が含まれています。
それでいてワックスの落ちが悪いのであれば、ワックスを多用する人には向きません。
そこでおすすめしたいのが石鹸。天然原料使用・無添加のため環境にやさしいのもポイントです。
ただし、シャンプーに比べて髪がきしみ、石鹸カスというフケのようなものが出ることがあります。これは、しっかりすすぐことと、リンスやコンディショナーを使用することで改善されます。
○こんなのも!石鹸シャンプー
どうせ石鹸で洗髪するのなら、ということで生まれたであろう石鹸シャンプー。成分は固形の石鹸とほとんど一緒です。石鹸より使いやすいとは思います。固形石鹸での洗髪にも言えることですが、最大の難点は慣れるまで時間が掛かることです。
石鹸同様、髪のきしみや石鹸カス対策に慣れるまで、3ヶ月から半年はかかるとのことです。それでも、慣れてしまえば頭皮や髪の毛にとって良いことは間違いありません。
○逆転の発想!落としやすいワックス
ワックスを洗髪で落とすのに手間がかかるというのであれば、落としやすいワックスがあったら良いのでは?
ありました。ファイバータイプのようなものからジェルベースのものまで、シャワーでさっと落とせるワックスが数種類発売されています。
落としやすいということはシャンプーの使用料も減らせるので、頭皮にもお財布にもやさしいですね。整髪力にも問題なさそうなので、探してみてはいかがでしょうか。
○ワックス不使用でスタイリング!ヘアアイロン
そもそも、ワックスを使わずにスタイリングが出来れば苦労はいらないですよね。そこで登場するのがヘアアイロンです。女性が使うイメージが強いですが、最近はメンズ用のアイロンも発売されています。
少々テクニックが必要ですが、使いこなせるようになれば、ワックスを使わなくて済みます。
ワックスの正しい使い方
スタイリングをするために、ワックスの便利さを知ってしまった以上簡単に手放すことは出来ないですよね。ワックスを活用するためには、落とし方はもちろんですが、つけ方・使い方も重要なポイントとなります。
そこで、髪へのダメージを最小限に抑えるための、正しい使い方を知りましょう。
○ポイントはつけ方!
ワックスに限らず、抜け毛の原因となるのは頭皮へ与えるダメージです。このダメージを軽減するためには、整髪料を付着させないことです。
その点ワックスは、ヘアスプレーやムースに比べても、スタイリングの際にこれを避けることが出来ます。
○量は必要最低限に!
大量のワックスで強引にスタイリングするというのもいただけません。量が多ければ、その分頭皮に付着する可能性が高くなってしまいます。さらに、見た目もベッタリとして脂っぽく不潔に見えてしまいます。
少量で済ませるには、十円玉くらいの大きさのワックスを手の平に取り、練るようにして温めながら伸ばします。
こうすることでワックスが柔らかくなり、少ない量でも充分にスタイリングが出来るのです。
○ゆっくりあせらず!
手の平で伸ばしたワックスは、少しずつ髪の毛を握るようにしてつけます。
このときも、頭皮にワックスが触れないように注意しましょう。後頭部からサイド、トップの順に馴染ませて行きます。全体につけたら、指先で前髪、顔まわりを整え、指先に残った分で毛先を整えます。
事前にドライヤーである程度クセをつけておくと、スタイリングしやすいです。
○頭皮にやさしいワックスを使う
どうせなら、髪にやさしいワックスはないのでしょうか。探してみたらありました。
某有名育毛剤メーカーから発売しています。天然由来成分を使用し、髪に悪い成分は極力不使用、トリートメント成分も含んでいるとのことです。整髪力もそれほど変わらないのであれば、使わない手はないですよね!
まだ間に合う!ヘアケアテクニック
ここまで紹介したことについて、今まで知らなかった、もう手遅れなのではないか…という人も多いのではないでしょうか。確かに、一度傷んだ髪を根本的に修復することは難しく、最も有効なのはカットすることです。
だからと言って、このままあきらめるわけには行かないですよね?これまでの間違った方法によってダメージを受けた頭皮と髪の毛、これから紹介するヘアケアテクニックで、ハゲの恐怖から脱却しましょう。
○シャンプーを変える!
髪を傷める一番の原因は、シャンプーです。ワックスが落ちないからと、複数回洗ったりして大量に使用していると、それだけダメージを与えてしまいます。
かといって、シャンプーをしない、というわけにはいかないですよね。シャンプーで受けたダメージは、シャンプーで修復しましょう。
探し方としては、美容師さんにおすすめシャンプーを訊くのが良いでしょう。髪の状態を元に、アドバイスをくれると思います。
○頭皮マッサージで血行促進!
ワックスが頭皮に残ることで毛穴が詰まり、血行不良が起こっていたり、頭皮が硬くなっていたりする可能性が高いです。これは抜け毛の大きな原因となりますので、改善が必要です。
<頭皮マッサージの方法>
- 耳の辺りに指の腹を置き、円を描くように頭頂部に向けてゆっくりスライドさせる。
- 額に指の腹を置いて、①と同じようにゆっくりスライドさせる。
- うなじの辺りから、同様にスライドさせる。
これを、30秒ほどかけて3セット行いましょう。ただし、力の入れ過ぎや、つめを立てて行うというのは逆効果です。深呼吸をしながら、ゆっくりやさしく行いましょう。
○シュワシュワ!炭酸シャンプー
炭酸水の効果で、血行促進・毛穴汚れの除去といった効果が期待出来ます。炭酸水に含まれる炭酸ガスは、分子が小さいため頭皮に浸透しやすいので、浸透した二酸化炭素により血行が促進されます。これは毛穴にも浸透しやすいため、普通の水で洗い流すよりも毛穴の皮脂汚れを効果的に落としてくれるのです。
それでは、炭酸シャンプー方法をご紹介します。
①まず炭酸水でざっと髪を洗い流します。表面の汚れやホコリも、普通の水よりしっかり落とすことが出来ます。
②次に、少量の炭酸水とシャンプーを混ぜ合わせて、しっかり泡立たせます。空のペットボトルに、一回分のシャンプーと50ml程度の炭酸水を入れて、ボトルを振って泡立てる方法もあります。これを、頭皮をマッサージしながら髪に馴染ませます。
③最後に、炭酸水でしっかり洗い流します。普通の洗髪と同様に、シャンプーのすすぎ残しには注意して下さい。
これはNG!間違った落とし方
しつこいワックスの油汚れ、ごしごしこすって強引に落としてしまいたくなる気持ちは分かります。しかし、は濡れているときが最ももろくなっていて、これでは髪を傷めるばかりでワックスを落とすことは出来ません。
髪にトリートメント成分をしっかり馴染ませて乳化させることで、髪ダメージを与えることなくワックスを落とせるのですから、こんなやり方はやめましょう。
○湯シャン
最近静かなブームとなっている、お湯のみで髪を洗う方法です。シャンプーを使わないので頭皮への刺激がなく、皮脂を取り過ぎることもありません。
頭髪のためにはとても良い方法ですが、ワックスを使っている方には向いていません。というよりも、逆効果となってしまいます。
お湯だけでワックスを洗い流すことは不可能ですし、先述したごしごしこするやり方になってしまっては、髪を傷めてしまいます。
○二度シャンプー
普通のシャンプーでは、一度でワックスを落とすことは難しいです。
だからといって二度シャンプーというのも、頭皮にとっては良くありません。ワックスの油分と一緒に、頭皮にとって重要な役割を果たしている皮脂も洗い流してしまうことになるからです。アミノ酸シャンプーや石鹸シャンプーを使えば、多少緩和されます。
大切なのは正しい使い方と正しい落とし方 !
ヘアスタイリングには欠かせないワックスですが、正しい使い方と正しい落とし方を知ることで、頭髪へのダメージを最小限に抑えることが出来ます。
ところが、どちらか一方だけでも怠ってしまうと、深刻なダメージを負うことになってしまいます。特に、洗い流しが充分でないと様々な悪影響を及ぼすことになってしまいます。
ワックス落とし専用シャンプーや頭皮への刺激が少ないシャンプーを使ってみるのも良いですし、頭皮マッサージや炭酸シャンプーで頭皮ケアをするのも良いでしょう。
手遅れになってからでは、薄毛が進行して、ワックス自体を使うことが出来ない状況になってしまうかもしれません…そうなってしまう前に、今回ご紹介した方法を試してみてはいかがでしょうか。
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