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ハゲって何が悪くてそうなるのでしょう? なんにも悪いことをしていなくてもハゲる人はハゲるし、ハゲない人はハゲない・・・というのは間違いです。
薄毛男性、あるいは薄毛女性は悪いことをしています。といっても社会的にではなく、頭皮にとって悪いことをという意味です。
頭皮にとって何が良いことで、何が悪いことなのか? その秘密は血行にあります。
育毛や抜け毛予防、薄毛対策を考える上で切っても切り離せない、頭皮と血行の関係についてまとめてみました。ぜひご覧ください。
そもそもなぜハゲるのか?
どうして人は薄毛になったり抜け毛が発生したりするのでしょう?
その原因は、乱暴な言い方をすると「頭皮の血行が悪くなったから」に集約できます。血行が悪くなるまでの過程はいろいろあるかと思いますが、先に血行が頭皮にもたらす影響を知りましょう。
血行が悪いとどうなる?
血行が良くない状態でいると、人体に様々な悪影響が出ます。肩こりや関節痛、冷え性などが代表的な症状ですね。実は、頭皮に対しての影響力もかなり大きいのです。
育毛への過程
育毛には毛乳頭(もうにゅうとう)と、それを囲むように存在する毛母細胞(もうぼさいぼう)が大きく関わっています。
毛母細胞は毛細血管を通じて血液中から栄養や酸素を受け取り、それを毛乳頭へ渡します。そうして髪の毛が生える、というのが基本的な発毛のプロセスです。
この髪の毛が生えるサイクルには成長期、休止期、退行期という三つの時期が存在します。成長期には毛母細胞が盛んに細胞分裂を行い、髪の毛が次々に作られていきます。その成長は休止期に止まり、やがては退行期となって抜け落ちていくのです。
これが頭髪における一連の新陳代謝(ターンオーバー)の流れです。頭皮環境に問題がなければ、このヘアサイクルが順調に繰り返されて、人の髪の毛は生え替わっていきます。
血行が悪い=育毛できない
さて、ここで問題になるのが、血行が悪くなってしまった場合です。もうお気づきかもしれませんが、血行が悪くなると、体の末端である毛細血管にまで栄養素が届きにくくなります。
すると毛母細胞に栄養が供給されず、毛乳頭に栄養が届かず、髪の毛が生えなくなってしまいます。また、成長しかけの髪の毛は抜けてしまいます。
血行が悪いままですとこの状態が続きますので、結果として髪は抜け続け、つまりハゲてしまうということになります。血行が悪いということは、髪の毛が生えないことと同義なのです。こんな状態では、どのような育毛法を試しても効果がありません。
なぜ血行が悪くなってしまうのか?
血行が悪くなってしまう理由は様々なものが考えられます。生活習慣病などが蔓延する現代社会においては、むしろ血液がサラサラで完璧な状態を保っている人のほうが貴重かもしれません。
強いストレスを感じている
ある程度のストレスは良好な精神状態を保つのに良いとされていますが、過剰なストレスは頭皮に悪影響を及ぼします。
人間には交感神経、副交感神経と呼ばれるものがあり、これらの二つがバランスよく働くことによって自律神経が保たれています。
しかし、ストレスを解消できず悩みを抱えてしまったり、イライラしている状態が続いてしまうと、交感神経、副交感神経の働きに乱れが生じ、自律神経がおかしくなってしまい、結果として体調を崩す原因にもなり得ます。
そうなれば内臓器官にも異常が発生し、血流が悪くなります。末端器官である頭皮にうまく血液を届けることができず、薄毛や抜け毛を招くきっかけとなるのです。
紫外線を浴びすぎている
意外かもしれませんが、紫外線というのは頭皮にとって天敵なんです。頭は人間の体の中でもっとも高い部位ですから、屋外にいる場合かなりの量の紫外線を浴び続けています。その量は顔面の二倍ほど、とも言われています。
これが肌であれば、日に焼けたり赤くなったりして「紫外線を浴びすぎたな」と一目瞭然でしょうが、頭皮となるとそうはいきません。頭皮をこまめに観察する習慣を、ほとんどの人が持たないからです。
光老化(こうろうか)現象というものをご存じでしょうか? 紫外線が肌の奥底にまで届いてしまい、コラーゲンやエラスチンを変質させて肌から弾力が奪われ、結果として老化が促されてしまうというものです。
紫外線によって頭皮に光老化がもたらされた際、頭皮は硬化し、血行が悪くなります。頭皮という場所は女性でも紫外線対策がおろそかになりがちなのですが、男性であればなおさら気をつけている方は少ないかと思います。
運動不足である
運動不足は体に悪い、となんとなく言われていますがそのとおりです。頭皮にとっても悪影響しかありません。
髪の毛が生える仕組みとして、毛母細胞が毛細血管を通じて酸素や栄養素を補給しているのは前述したとおりです。
実は、この栄養補給をスムーズに行う=血の巡りをよくするのに運動が欠かせないのです。全身の筋肉が衰えてしまうと、それだけで血行が悪くなります。
また、肺活量が減ると新鮮な酸素をうまく体内に取り込むことができなくなり、やはり血行に悪影響が出ます。
それだけではなく、運動量が減ると肥満になりやすくなります。代謝が活発な20代までならなんとかなるかもしれません。しかし、年齢によって肉体に衰えが見えたときが危険です。
肥満になると内臓が圧迫されて、ただでさえ衰えた新陳代謝をさらに悪くしてしまいます。そうなれば血がドロドロになり、血流は余計に悪くなります。
加えて、肥満体型だと汗をかきやすいため、余計に分泌された皮脂が頭皮の毛穴を塞いでしまいやすい、というデメリットもあります。
現代では仕事などの関係でパソコンにかじりつきっぱなし、という方も珍しくないかと思います。デスクワークが中心の方は特に気をつけたいですね。
筋肉が衰えている
血行に筋肉など関係あるのかと思うかもしれませんが、あります。筋肉の衰えが頭皮の血行を悪くしている可能性があるのです。
まず、人間の頭には帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という膜が存在します。これは頭のてっぺんを中心に頭をすっぽりと覆っています。この膜は筋肉ではありません。
そして、前頭部や側頭部にはそれぞれ前頭筋、側頭筋という筋肉があります。これらは先ほど挙げた帽状腱膜とつながっているのです。
若い頃は前頭筋や側頭筋がしっかりと頭皮を支えており、何の問題もありません。しかし、加齢やストレスなどによってこれらの筋肉が衰えてしまうと、重力に引っ張られて下がります。
すると、前頭筋や側頭筋とつながっている頭頂部の帽状腱膜が引っ張られて、頭皮から柔軟性を奪ってしまい、結果として血行が悪くなってしまうのです。
また、そうなると肩こりや顔のたるみなど、二次被害的に様々な悪影響が体に現れてしまいますので注意したいものです。
タバコを吸っている
タバコが体に悪いというのは昔から言われています。実際、肺ガンや心筋梗塞、胃潰瘍、歯周病などの発症率も高いです。愛煙家の方々はそれでも割り切って吸ってらっしゃるのですが、頭皮にもよくないという部分は見過ごせませんよね。
タバコには様々な有害物質が含まれています。ニコチンやシアン化水素などです。また、喫煙中には一酸化炭素も体内に取り込むこととなります。
実はこれらの有害物質、特にニコチンの作用で末梢器官の収縮が起こってしまい、血圧が上昇してしまうのです。それはつまり、血行が悪くなってしまうということでもあります。
それだけでも頭皮にとっては大打撃なのですが、まだ終わりません。
実は喫煙を行うと、人間は男性ホルモンの量を増やしてしまうことが研究でわかっています。男性ホルモンが増えすぎると、人によっては薄毛を招く可能性があります。
愛煙家の気持ちもわかりますが、百害あって一利なしなのは事実です。血行について考えた時、タバコとの付き合い方も考えなければなりませんね。
食生活が乱れている
食生活が乱れているというのは、ある意味、タバコを吸い続けるぐらい頭皮の血行を脅かしています。
外食やインスタント食品などが食生活の中心になっていませんか? 特に一人暮らしの方などは自分の好きな食べ物、用意するのが楽な食べ物ばかりの生活になりがちですので要注意です。
脂肪分、塩分を摂りすぎると、人は簡単に肥満になります。見た目はあまり変わっていないと思っても、内臓から徐々に犯されていくパターンも少なくありません。
内臓に余計な脂肪がついて機能不全になると、全身にうまく血液を送り出すことができなくなり、頭皮に栄養が及ばなくなります。
新陳代謝がうまくできなくなった頭皮環境は、肥満が続けば悪化の一途をたどるばかりです。もはやどうしようもなくなる前に、一度自分の食生活を見直してみてください。
血行を改善するためには?
血行の悪い状態がどれほど頭皮にとって危険なものか、ご理解いただけたかと思います。いきなりすべてを改善するのは難しいかもしれませんが、順番に対処していきましょう。
血行の改善はそのままAGA(男性型脱毛症)の改善になります。以下に、効果的な予防・対策方法を挙げていきます。
健康的な生活を送る
健康に勝る武器なしです。血液がサラサラの状態を保つことで育毛効果も期待できます。様々な方面からアプローチすることができますが、代表的なものは以下になります。
運動をする
運動を行うことによって血行のめぐりがよくなります。最も効果的なのは、ジョギングや水泳を始めとする有酸素運動です。
まず、有酸素運動を行うと、血液中の余計な中性脂肪、悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増えます。
これにより、動脈硬化の予防効果が期待できます。つまりは血行がよくなるのですね。また、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞といった生活習慣病への対策になります。
有酸素運動によって全身にうまく血液が送られるようになると、末端である頭皮の毛細血管にも滞りなく栄養が届きます。すると頭皮の新陳代謝(ターンオーバー)も活発になり、頭皮環境の改善につながるのです。
ぜひ取り組んでいただきたい有酸素運動ですが、病気や怪我をお持ちの方、運動をまったくやったことのない方は、ウォーキングからスタートするといいでしょう。
ただ歩くのではなく、腕をよく振って大股で、という部分に気をつけながらやってみてください。慣れてきたら、ジョギングや水泳に挑戦してみても良いでしょう。
この時、できれば20分以上は運動するように心がけてください。有酸素運動によって体内の脂肪が燃やされ始めるのが、ちょうど20分を過ぎたあたりなのです。
運動に慣れてしまえば筋力や持久力、肺活量が上がり、ちょっとやそっとでは血行の揺るがない体を手に入れることができます。また、寝付きがよくなり睡眠不足の解消も期待できます。ぜひお試しください。
正しい食生活を送る
毎日の食事も大事です。人間は日々の食事によって体をつくっていますので、食習慣の改善は頭皮の血流促進につながります。
まず前提として、脂っこいものや塩味がきついものばかり食べるのはやめましょう。前述したとおり肥満に近付きますし、そうなると血液はドロドロになってしまいます。
血行を良くする食材はいろいろあります。順番に見ていきましょう。
大豆食品に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと同様の働きをしてくれることがわかっており、これにより男性ホルモンの減少=動脈硬化や血圧を下げる効果が期待できます。
また、納豆にしかないナットウキナーゼという酵素には血栓を溶かす作用があり、大豆食品の中ではいちばんおすすめしたい食べ物です。
イワシやアジ、サバやサンマなどの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、赤血球や血小板に働きかけて血の巡りをよくしてくれます。サプリなども様々な種類が出ていますね。
ワカメなどの海藻類に含まれるヨウ素(ヨード)には新陳代謝を促進する効果があります。また、ぬめり成分であるアルギン酸は血糖値の上昇を防いでくれます。コレステロール値も下げてくれるのでさらにお得です。
また、緑黄色野菜はビタミンやミネラル、食物繊維を補給する上で欠かせません。できれば好き嫌いすることなく様々なものを食べるようにしましょう。ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどがバランスよく補給できると好ましいです。
急に自炊をしたりするのは難しいかもしれませんが、頭の片隅に知識をとどめておいて、まずは脂肪分や塩分を摂りすぎないところから始めましょう。自炊が難しい場合は育毛サプリなどで栄養を補給するのもいいですね。
頭皮マッサージを行う
セルフマッサージによって、ある程度の血行改善が見込めます。乾いた状態では頭皮を傷つけてしまう可能性がありますので、お風呂に入った時や育毛剤を塗布した時などの、頭皮が濡れた状態でケアするようにしてください。
まずは、自分の頭皮の状態を知ることから始めましょう。セルフチェックの方法として、両手を使って「がしっ」と大きく頭皮を掴んでください。その状態で、頭皮が前後左右に動くか試してみましょう。
前後左右に問題無く動くなら柔らかい頭皮と言えます。逆に、動かないなら硬いです。また、頭皮の色でもある程度は判断することができます。血行の良い頭皮は青白く透き通るような色合いですが、血行が悪くなるほど肌色が濃くなっていきます。
もし、頭皮をチェックした段階で赤みがあったり炎症が見つかったりした方は、一度皮膚科に相談にいきましょう。あるいはシャンプーの選び方がまずいのかもしれません。頭皮に優しい低刺激の育毛シャンプーなどに変えるのもいいでしょう。
自分の頭皮が硬いと思ったら、後頭部からゆっくりと押し上げるように、順番に揉みほぐしてあげてください。特に硬いと思う部分があるなら、重点的にほぐしましょう。ツボ押しをする感覚でまんべんなく刺激するのも良いです。
この時、耳の後ろにある翳風(えいふう)というツボも一緒に刺激してみてください。血行を良くする効果があると言われています。
一通り頭皮マッサージが終わったら、足ツボなどを刺激して全身の血流促進を計るものいいでしょう。足裏の真ん中やや上あたりにある湧泉(ゆうせん)というツボは、疲労回復や血流改善に効果のある万能ツボとして有名です。
また、炭酸水を用意してヘッドスパを行うのも良いでしょう。ヘッドスパと言えば美容院などでやってもらうイメージがありますが、自宅で簡単にできる方法、あるいは炭酸水を使ったマッサージ法などがネット等で盛んに紹介されていますので、チェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたか? 血行が悪いと頭皮に重大な悪影響が及ぶ、ということをご理解いただけたのではないかと思います。ハゲてしまう人は急にハゲるのではなく、やはりそれなりの原因があるのです。
また、このページで紹介した血行改善方法は、肩こり、関節痛、冷え性対策にもなりますので、ぜひ役立てていただきたいです。
自分の頭皮の血行状態などなかなか気付きにくいかもしれませんが、いざ改善しようとなったときに慌てないため、今からでも少しずつ生活習慣を変えてみてください。
将来の自分のために、頭皮だけでなく健康のために大事なのは、ちょっとずつでもより良い方向へ向かうために努力することです。
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